2008年05月07日

端と端を合わせるか積み上げるか フレンズ1-13その6

フレンズ1-13その1 のコメント欄 で、フレンズ1-13 のセリフ
"Are they end-to-end, or tall, like pancakes?"
に関するご質問がありましたので、今日は、フレンズ1-13 を取り上げたいと思います。

(ちょっと言い訳、というか、説明)
フレンズで英語学習を始めよう!という方は、やはりまずシーズン1から見始める方が多いと思うのですね。
ですから、シーズン1は、できるだけ丁寧に解説した方が望ましいのですが、私のブログではシーズン1の頃の解説が非常に淡白です(笑)。
ですから、特にシーズン1に関してはこのように、少しでも説明を追加していけたら…と思っています。

以下で取り上げるシーンは、実は以前に下書きを書いていました。
配管工plumber フレンズ3-10その22 で、「ジョーイのパパは配管工である」であることがわかるセリフが出てきて、その時に、フレンズ1-13 のセリフ "... your father's pipe fitting business ..." というのを取り上げました。
その時に、1-13 の過去記事で触れていなかった部分を、詳しく解説しようかなと思って、私なりの解説を書いてみたのですが、配管工の話からの脱線としては長すぎるかな、と思い、そのままお蔵入りになっていたのです。
私自身、解釈に自信があるわけではありませんので、皆さんにそれを披露して、一緒に解釈を考えていけたらいいな、と思います。(言い訳、終わり)


取り上げるのは、フレンズ1-13その4 辺りのシーンです。
「パパとロニーに寝室を貸してしまったので、ジョーイとチャンドラーはソファーで一緒に寝ています。」というシーンですね。

[Night. Chandler's & Joey's place. They're sharing the sofa-bed... Joey is tossing and turning, and kicking...]
夜。チャンドラーとジョーイの部屋。二人はソファーベッドを分け合っている。ジョーイはごろごろと寝返りを打っている。そして足をバタバタ蹴っている。
チャンドラー: Hey, kickie! What are you doing? (おい、キック野郎! 何やってんだよ?)
ジョーイ: I'm just trying to get comfortable. I can't sleep in my underwear... (俺はただ、快適になるように試みてるだけなんだよ。下着をつけて寝ることなんてできないよ。)
チャンドラー: Well, you're gonna! (下着をつけたままで寝ろよ!)

toss の基本的な意味は「軽く投げる」。
そこから、「からだをあちこち動かす」という意味にもなります。
turn は「回る、転がる」。
そういう toss と turn の感覚から、toss and turn が「(ごろごろと)寝返りを打つ」という意味になるのですね。
ジョーイの場合は、寝返りを打ちながら、足までバタバタしているので、いかにも「眠りたいのに眠れない!」という感じがト書きからもにじみ出ています。

kickie について。
DVD英語字幕では kickie、ネットスクリプトでは、kicky と表記されています。
どちらの場合でも、「蹴ってくるやつ」「足をバタバタさせているやつ」みたいな呼び掛け語のニュアンスでしょうか?
私は最初「蹴り魔!」と訳してみたのですが、DVD日本語字幕では「キック野郎」となっていて、そちらの方がぴったりだと思ったので、そちらを使わせていただきました。

フレンズ3-4その7 では、a kicky beret 「おしゃれなベレー(帽)」という表現が出てきて、kicky は「おしゃれな、かっこいい、いかす、いけてる」という形容詞で使われていました。

you're gonna! は "you're gonna sleep in your underwear." ということで、そのままで眠れよ、はいてるパンツを脱ぐなよ、ということでしょうね。
gonna の部分を強調してしゃべっています。
gonna = going to で、「ハートで感じる」大西先生はそれを「流れ」という言葉で表現されていますが、今回の gonna も、「今のままでいろよ」と「今の流れをそのまま維持すること」を求めているセリフ、という感じがしました。

過去記事でも触れましたが、ジョーイはいつも下着をはかずに寝ているので、たまにはくと寝にくいようですね(笑)。


ジョーイ: I've been thinking. You know, about how I'm always seeing girls on top of girls... (ずっと考えてたんだ。ほら、俺がいつも、どんな風に女の子をとっかえひっかえして付き合ってるかを。)
チャンドラー: Are they end-to-end, or tall, like pancakes? (女の子の上に女の子、っていう(お前が見ている)その女の子たちは、端と端をくっつけてるのか、それとも(積み上げられて)高くなってるのか、パンケーキみたいに?)

be seeing someone という進行形は「(人)と付き合う」という意味。
girls on top of girls は、「女の子たちの上にまた別の女の子たち」というニュアンスでしょうね。
それをチャンドラーは、「付き合っている」という意味の be seeing を「見ている」と解釈した上で、その女子たちが「女の子たちの上にまた女の子たち」という「物理的な並び」になっているかのようにわざと言ってみせたのだろうと思います。
モテないチャンドラーにしてみたら、「何人も女の子とつきあってるのに、そのまた上に女の子」という表現をしたジョーイに、やっかみみたいなものがあって、その表現にチャチャを入れたくなったのかなぁ?と。

end to end は「端と端をくっつけて」。
上に、と言っているけど、それは、女の子を平面に並べて、ある女の子の頭の上に別の女の子の足をくっつけて、縦にずらっと並べた状態なのか、それとも、パンケーキを積み上げるみたいに、女の子の上に女の子を積んでいって高くなっているのか、と、実にくだらないこと(笑)を尋ねているような気がします。
つまり、「端と端をくっつけて並べているのか、パンケーキのように高く積み上げているか、のどっちだ?」と尋ねているわけですね。

大爆笑!という感じのジョークにも思えないのですが、私の解釈では多分、そういうことじゃないかなぁ、と。
また、他の方のご意見もお待ちしております。
(2009.10.27 追記)
end-to-end について、下のコメント欄にてご意見を頂戴しました。
人が立った状態でその人の上にまた人がどんどん積み上がっている状態、組み立て体操かトーテムポールみたいな、縦に高くのびていく感覚を指すようです。
コメント欄も併せてご覧いただけると幸いです。
(追記はここまで)

この後のシーンも、続けて解説したいと思います。
もうしばらく、フレンズ1-13 にお付き合い下さいませ。


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posted by Rach at 14:17| Comment(10) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、こんにちは!

質問を取り上げてくださりありがとうございます。
実際に読んでいる本の著者の方と、このような形で
交流が持てるとは光栄です。

解説が淡白だなんて…、そんなことないですよ〜(^-^)
(まだネタバレしないように、後の回の解説は全く読んで
ないので、これから回を進めていく毎の解説を楽しみに
勉強します。)

解釈の件ですが、女の子たちを「物理的な並び」と捉えていた
んですね〜。なるほど…。最初見たときは「何で急に端をつなげる
の?パンケーキ???」と思ったんですが、そういう風に考えると、
分かりやすいですねぇ。

フレンズを見始めたきっかけは、別のきっかけなんですが、たま
たまこちらのHPを知り、毎回Rachさんの解説や、英語勉強法(?)
に大変共感を覚えながら、さらに自分なりのアレンジを加えつつ、
回を進めて行っています。

まだまだフレンズ初心者で質問する側の人間かも知れませんが、
私もいつか自分なりの解釈がつけられるようになるまで、精一杯
頑張ってみたいと思います。これからもよろしくお願いします♪
Posted by chokobo at 2008年05月07日 23:39
chokoboさんへ
ご丁寧なお返事ありがとうございます!

>実際に読んでいる本の著者の方と、このような形で
交流が持てるとは光栄です。

そのようなことを言っていただけて、こちらこそ光栄です。ありがとうございます。
今回の本は、「ブロガーが本を出した」ということなので、私にとってはブロガーであることが基本です。
読者の方と交流して、私も勉強させていただく…というのがブログをやっている醍醐味で、本当にここで多くのことを学ばせていただきました。

いやぁ、本当にシーズン1の頃の解説は「淡白」としか表現しようがないですよ(笑)。
このブログを読み進めて行かれるにつれて、どんどんしつこくなってきますから、お楽しみに。

「物理的な並び」という解釈も、それほど自信があるわけではないです。「多分、そうだろうなぁ。」くらいで止まっている部分はたくさんありますが、それでもフレンズは十分楽しめると思っています。

フレンズを見ている方が、私のサイトの存在に気付いて下さるのは、本当に嬉しいことです。「自分なりのアレンジ」はとても大事ですね。英語を学ぼうとしているのは「自分」なのですから、自分に合った方法で学習を進めて行って下さい。

こちらこそ、これからもよろしくお願いします♪
Posted by Rach at 2008年05月08日 14:06
Well, you're gonna! (下着をつけたままで寝ろよ!)について

「あなたはそのままの行動(tossing and turning, and kicking)をつづけると、Underwearが本当になくなると思うよ」とChandlerが言っているではないかと思います。
※私はkickingの方法で衣服を抜いたことがないので、できるかどうか疑問を持っている方は是非試してください。多分可能かと思います。(笑)

つまり「静かにしてください。Kickするのをやめて」、結果的にはRachさんの言っている(下着をつけたままで寝ろよ!)になる
Posted by Fen at 2009年05月28日 23:34
Fenさんへ
underwear を脱ごうとして、ジョーイがジタバタしている、という可能性もありそうですね。私は、いつもと違って、しっくりこない、気持ち悪いからゴソゴソと動いているのだと思ったのですが。

ジョーイ: I'm just trying to get comfortable. I can't sleep in my underwear....
チャンドラー: Well, you're gonna!
で、gonna の後に省略されている動詞は、その前のジョーイのセリフの中にある動詞だと思われます。

直近の、sleep の方だと考えると、you're gonna sleep in your underwear! つまり「じっとしてれば、パンツをはいたままで、眠れちゃうよ」ということで、パンツをはいたままじゃ眠れない、と言っているジョーイの意見を否定しているように思えます。

また、その前の、get comfortable の方だと考えることも可能かもしれません。you're gonna get comfortable で、「今は気持ち悪いかもしれないけど、そのうち慣れて不快感もなくなるさ」ということが言いたいのかもしれません。

いずれにしても、you're gonna! で文が止まっているのは、ジョーイのセリフの中に出てくる言葉の繰り返しになるから省略しているのだと思います。
Posted by Rach at 2009年05月29日 11:44
underwear を脱ごうとして、ジョーイがジタバタしているとは全然思っていないです。
「あなたが脱ぐつもりがないですが、そんなにジタバタしたら、いつかunderwearがない状態になっても可笑しくないですよ」とchandlerがいようと思っていましたが。

つまり、Well, you're gonnaの完全版は
well, (if you don't stop doing like that,) you're gonna (be in a state with no underwear on).

Rachさんの見解を理解しました。
それぞれ見方が異なるのもsitcomの面白いところだと思います。
Posted by Fen at 2009年05月29日 12:51
Fenさんへ
「gonna の後ろに省略されているものは何か?」で見解が異なる、ということですね。
Posted by Rach at 2009年05月31日 06:56
Rachさんへ

そうですね。結果的には、「下着をつけたままで寝ろう」という効果になるのは特に異議を持っていません。

Chandlerが「Well, you're gonna」(ちょっと怒った気味で言ったと私は見てますが)を言った際、観衆が笑ったので、
「Well, you're gonna sleep with underwear on」の意味なら、特に笑うことがない、sleep with underwear on を省略したいのであれば、「Well, you have to」というべきではないかと思っていました。

結構気になっていたので、中国語の解釈も検索ましたが、Rachさんと同じ訳でした。やっぱり私は間違っていると思います。
Posted by Fen at 2009年06月02日 11:46
Fenさんへ
私も実際のところはよくわからないです。gonna 以下が省略されてしまっているだけに余計に難しいですね。「その前のジョーイのセリフの繰り返しになるから省略されているのだろう」くらいのことしか私も思いつきません。
Posted by Rach at 2009年06月02日 12:03
こんにちは!
Are they end-to-end, or tall, like pancakes?
ですが、ググったらYahooの質問コーナーにここの部分を聞いてる質問があり、答えが
It means "Are they standing on top of each other, or are they lying on top of each other?"
とありました。レイチさんの解釈と同じですね。
まあ、Yahooの回答がすべて正しいとは限りませんが。
Posted by 浦辺 玲 at 2009年10月25日 01:15
浦辺 玲さんへ
コメントありがとうございます。
standing on top of each other だと、人が立った状態でその人の上にまた人がどんどん積み上がっている状態なのでしょうね。
組み立て体操かトーテムポールみたいなイメージで、縦に高くのびていく感覚でしょうか。
私はみんなが寝そべった状態で、頭の上に足をつなげて、縦に長い状態で寝そべっているイメージを持っていたのですが…。

lying on top of each other だと、寝転がった状態で、寝ている人の上にまた寝そべる、つまり寝転んだ状態の人が積み上がっている状態になるのでしょうね。これがパンケーキが重なっているような状態だ、と言いたいわけでしょうね。

いずれにしても、頭と足という端っこ(end)をくっつけている状態か、体を重ねてパンケーキみたいに積み上げている状態か、の違いなのでしょう。

やはりこの表現が気になるという方は他にもおられるのですね。参考になるご意見ありがとうございました。
Posted by Rach at 2009年10月27日 07:34
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