一昨日の記事、フレンズ1-13その6 に引き続き、フレンズ1-13 のセリフを取り上げたいと思います。
ジョーイ: You know what I mean. About how I'm always going out with all these women, and I always figured, when the right one comes along, I'd be able to be a standup guy, and go the distance, you know. Now I'm looking at my Dad, thinking... (俺の言ってる意味がわかるだろ。この女の子全員といつもそんな風にデートしてる、ってことだよ。そしていつも思ってたんだ。理想の女性が現れた時には、俺は立派な男になって、自分の意志を貫き通すことができるだろう、って。(でも)ほら、親父を見ていたら、考えちゃうんだよね…(あの父親みたいに浮気をしちゃうんじゃないかって)。)
チャンドラー: Hey, you're not him, you're you. When they were all over you to go into your father's pipe fitting business, did you cave? (なぁ、ジョーイはパパとは違うよ。ジョーイはジョーイだよ。みんな[お前の家族]がジョーイに、パパのパイプをフィットする仕事に就くようにとうるさく言った時、ジョーイはそれに屈服したか?)
ジョーイ: No. (いいや。)
チャンドラー: No. You decided to go into the out-of-work-actor business. Now that wasn't easy, but you did it. And I'd like to believe that when the right woman comes along, you will have the courage, and the guts, to say: "No thanks. I'm married." (屈服しなかっただろ。ジョーイは失業中みたいな(不安定な)俳優の仕事に進むことを決めたんだ。それは簡単なことじゃなかった。でもお前はそれをやった。理想の女性が現れた時、ジョーイには「いや、俺は結構だ。俺は結婚してるから。」と言える勇気やガッツがあるって、信じたいよ。)
ジョーイ: You really think so? (ほんとにそう思う?)
チャンドラー: Yeah. I really do. (あぁ、ほんとにそう思うよ。)
ジョーイ: Aw! Thanks, Chandler... (Snuggles up to Chandler) (あぁ! ありがとう、チャンドラー… [チャンドラーに体をすり寄せる])
チャンドラー: Get off! (離れろよ!)
ジョーイ: Hey! (なんだよ![いいじゃないか!])
茶化すチャンドラーに、俺の言いたいことはわかってるだろ、と言いながら、ジョーイはその心境を説明します。
come along は「やってくる」。
ロングマン現代英英辞典の along [adverb] の項目では、以下のような語義が載っています。
2. go/come along
to go or come to a place where something is happening
4. be/come along
to arrive
つまり、2. は「何かが起こっている場所に行く、または来ること」、4. は「到着すること」。
ですから、when the right one/woman comes along というのは、ジョーイにとって運命の女性、理想の女性、ぴったりの女性が現れたら、という感じだろうと思います。
そんな風にたくさんの女の子と遊んでいるのは、まだ理想の女性が出て来ていないからで、理想の女性に会えば、男らしくその人に決めて、そんなチャラチャラしたことはしなくなる、彼女と添い遂げて、浮気なんかしないはずだ、と自分では思っていた、と。
でも、俺の親父があんな風にママ以外の人と恋愛しているのを見ると、俺もああなっちゃうんじゃないかって不安になるんだよ、と言っているわけですね。
go the distance は「最後までやり抜く」。
「その距離を行く」なので、何らかの道のりを踏破する感じかなと思います。
stand up (stand-up) は「立ち上がる」という力強いイメージからわかるように、「立派な、正々堂々とした」という意味の形容詞です。
パパみたいになる…と心配するジョーイに、「ジョーイはジョーイだよ。」と言うチャンドラー。
さっきは女の子をパンケーキに例えたりしてふざけていたチャンドラーですが、ジョーイの悩みが真剣であることを知って、ジョーイなら大丈夫だよ、と励ましています。
out of work (out-of-work) は「失業して、失業中の」という意味。
パパの跡を継ぐという手堅い仕事ではなくて、「失業中のように仕事がない、仕事が不安定な俳優の仕事」に就いたんだ、ということですね。
DVD英語字幕では、the out-of-work-actor business とハイフンで繋がれていて、厳密に訳すと「失業中の俳優」の仕事、みたいなニュアンスになるでしょうか。
仕事がなかなか簡単には入らないから、失業状態なのですが、まるでジョーイの仕事が、「失業中の俳優」という仕事、「失業している、仕事のない俳優」という仕事、であるかのような言い回しになっているような気がします。
そんな風に意志を貫いたお前なら大丈夫だよ、理想の女性に出会えれば、「他の女性を断ることのできる」立派な男になれるさ、と励ましているのでしょうね。
"No thanks. I'm married." というセリフで、観客が笑っているのですが、いかにもジョーイらしからぬセリフ、だからでしょうか?
(2018.7.27 追記)
非公開コメントにて、「「俺は結婚してるから」と言う相手は(他の女性ではなく)理想の女性なのでは?」というご意見を頂戴しました。
私もそのシーンを見直してみたのですが、確かに、「理想の女性が現れた時、ジョーイなら「いや、俺は結構だ。俺は結婚してるから」と言える」というのは、「誰かと結婚した後に理想の女性が現れた場合」の話をしているようです。
私は最初、「”俺、結婚してるから”と他の女性の誘いを断ることができる」という意味で解釈していたのですが、このセリフの英文をよく見ると「理想の女性と結婚している時に、他の女性に「俺、既婚者だから」と言える」という内容にはなっていません(”他の女性に”そう言う、という表現が入っていないため)。
この英文を言葉通りに解釈すると、「理想の女性が現れた時に(その女性に)言える」のように、「俺、結婚してるから」と言う相手は「現れた理想の女性」ということになります。
ジョーイは「たくさんの女の子と付き合っていても、理想の女性に会えばその人と決めることができる」という意味で「親父みたいにはならない、他の女性と浮気なんかしない」と言っていたわけですが、その流れで話が進むのかと思いきや、「そうだよ、ジョーイはジョーイのパパみたいにはならないよ(浮気なんかしないよ)」という意味で「結婚したら、理想の女性が現れても、その人と浮気したりせず、自分の意志を貫けるさ」と言ってみせた面白さになるようです。
"No thanks. I'm married." というセリフで、観客が笑っているのが私も気になっていたのですが、「ジョーイに理想の女性が現れた時には、ジョーイは既に別の人と結婚していた」ということがそのセリフでわかるという、観客の予想を裏切る展開のオチに対して笑っている、と考えると流れ的にもしっくりくる気がします。
つまり、ジョーイのパパとジョーイとの違いは、
パパはママと結婚した後で理想の女性(ロニー)と出会い、その人を拒むことができず浮気してしまった。
ジョーイは結婚した後で理想の女性と出会っても「俺、結婚してるから」と断る勇気やガッツがある。
ということのようです。
「理想の女性が現れるのは既婚者になってから」というのは、例え話にしてもジョーイにとってはあまり嬉しくない話でしょうが、そのような状況設定にしてジョークにすることでコメディーとしての笑いも入れながら、チャンドラーがジョーイの意志の強さを信じている様子を語ってみせた、ということなのでしょうね。
(追記はここまで)
言って欲しいことを言ってもらえて安心した様子のジョーイは、思わずチャンドラーに抱きつきますが、「わー、ひっつくな!」という感じでいやがるチャンドラーが面白いですね。
一応、「今回は」下着をつけているのですが(笑)、ソファーベッドで寝ているので、その上、抱きつかれるのは困る、ということですね。(ジョーイとハグするのは嫌いじゃないはずだけどな…笑)
ちなみに、余談ですが、このシーンでチャンドラーが着ているTシャツ、あまりはっきりとは映っていませんが、よく見ると、「マッハGoGoGo」の絵が描いてあります。
このアニメ、アメリカでは Speed Racer というタイトルで人気があって、最近、アメリカで実写映画化されました。
アメリカでは、2008年5月9日に公開されるそうなので、日付で言うと、今日です!
日本では 7月5日公開。
Speed Racer In Theaters May 9th
上のサイトでは、Trailer (予告編)が見られます。
「アメリカで人気だ」というのは、フレンズにしばしば登場したので知っていました。
逆輸入のような形で公開される今、その事実を知っていたことが無性に嬉しい(笑)。
フレンズ1-1その2 ではポスターが貼ってありましたし、
フレンズ2-18その3 では、
チャンドラー: So you think that Speed Racer guy gets a lot of tickets or...? (それで、エディーはどう思う? スピードレーサーの主人公は、違反切符をたくさん切られたか、それとも…?)
というセリフもありました。
そんな風に「あのチャンドラーがジョークで使うほど」アメリカでは人気だ、ということです。
ついでの脱線ですが…。(英語の話ではないので、興味のない方は飛ばして下さい)
GW中の 5月5日に放映された、「ヤッターマン限定版 ドロンボー vs みのもんた」でも、同じタツノコプロだということで、マッハ号と三船 剛が登場していました。(セリフもありました)
登場したガッチャマンのうち、「大鷲の健」だけセリフがあったのは、三船 剛と同じ声優さん(森 功至さん)だからだ…と気付いて、一人で喜んでいた私。
森さんの声って美形声ですよねぇ。
「笑うなよ、兵が見ている。」(ガルマ様)とか、ザブングルのビエル様とか。(ザブングル、って漫才師の方じゃないですよ…笑)
それにしても、タツノコアニメってすごいなぁと思いました。
アメリカで人気でそれが実写化されたり、復活したヤッターマンも大人気で(子供も、子供の友達も、みんな見てるって言ってます)、ドロンボー一味のギャグなんか全く同じなのに、今の世代にもあの笑いは通じるんだなぁ、と。(「ぽちっとな。」を聞くだけでも、感動します…笑)
あぁ、久々のアニメネタだった…スピード・レーサーネタがあまりにもタイムリーだったので…「暴走」すみません。「違反切符」切られますね。
アニメネタなら、「あと10年は戦える」な…(爆)。
(Rach からのお願い)
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「まだだ、まだ終わらんよ。」…いーですねぇ。Zのクワトロ(シャア)ですね。Zでは、カミーユに殴られるわ、ハマーン、シロッコという超強力ニュータイプが台頭してくるわ、で、大変な状況でしたね。Zはリアルタイムで見ていましたから、思い出深いです。少し前にやった、劇場版3部作も全て見に行きましたよ!
「まだだ、まだ終わらんよ。」と言いたいところですが、ガンダムの話をすると止まらないので、この辺で終わります(笑)。
ブログも、英語学習も、このセリフのように頑張りたいです。仮にお休みすることがあっても、「逆襲の Rach」で復活できるかな?(笑)