モニカ: (entering from her bedroom) Morning. ([ベッドルームから入ってきて] おはよう。)
みんな: Hey. (やあ。)
レイチェル: Somebody got in late last night. (誰かさんは、昨日の晩、遅く帰って来たわね。)
モニカ: Yeah well, I ran into Richard. (えぇ、そうね、リチャードに、ばったり会ったの。)
(They all gasp)
フレンズは全員息を飲む。
レイチェル: When did this happen? (いつ、それは起こったの?[この話は、いつの出来事なの?])
モニカ: Oh, um, around 8:02. We ah, talked for a little while, and then um, we went out for an innocent burger. (あぁ、そうね、8時2分頃だったわ。私たちはほんのしばらく話をして、それから、イノセントな[無実の、邪心のない]バーガーを食べに行ったの。)
フィービー: Oh, there's no such thing as an "innocent burger." (「イノセントな[罪のない]バーガー」なんてものは存在しないわ。)
get in は、「(人が)(家・会社などに)着く、到着する」という意味。
ロングマン現代英英辞典では、
get in (phrasal verb)
3. GET HOME
to arrive home
例) We didn't get in until late. What time do the boys get in from school?
つまり、「家に到着すること」。
例文は、「我々は遅くまで家に帰らなかった。」「少年たちは何時に学校から家に帰りますか?」
会ったのはいつ?と聞かれて、8時2分、とやけに細かい時間を答えるのが面白いです。
「昨夜、午後8時2分頃、レンタルビデオショップで若い女性が…」というニュースの情報を聞いているようです。
どうしてそんなに細かいかと言うと、フレンズ3-13その1 で、店員さんにそういわれた記憶があるからですね。
日本語でも、驚くような出来事が起こった話を聞いたら、「それはいつ?!」と尋ねるのがお決まりですが、それに分単位で答える人は珍しい(笑)。
そういう意味でも日本人にもわかりやすい笑いだと思います。
innocent は「無罪の、無実の、潔白な」。反対語は、guilty です。
他には、「無邪気な、無害の、毒・害にならない、悪意のない」などの意味があります。
ヨリを戻そうなどという下心はない、純粋にハンバーガーを食べに行っただけ、という感じで、an innocent burger を食べに行った、と表現しているのですね。
何も悪いことなんかしてない、という意味では「無実の」ですし、「ヨリを戻すことなんて考えてない」という意味では「邪心がない」とも言えるでしょうか。
それに対してフィービーは、an innocent burger なんてものは存在しないわ、と言っています。
これが普通の人の反応だとすると、「元彼と食べに行ったハンバーガーが、ただの食事としてのハンバーガーであるはずがない、絶対に裏の意味がある、何か魂胆がある、意味深なハンバーガーであるはずよ。」という意味で、モニカの発言を否定するのでしょうが、フィービーが言っているのはそれとは違うようです。
フィービーの表現は、there's no such thing as an "innocent burger." となっていて、「an innocent burger のようなそんなものは(この世に)存在しない。」みたいに言っています。
動物愛護主義者でベジタリアンのフィービーに言わせると、ハンバーガーは牛肉で作られたもの、つまり、牛を殺して作るもの、だからそれが innocent であるはずがない、ということかな、と私は思いました。
「ハンバーガーとは罪深い存在なのだ、存在そのものが罪なのだ、だから、an innocent burger なんてものはあり得ない。」と言っているのかなぁ、と。
他の人とツッコミどころが違う、ちょっとポイントがずれているところが、フィービーらしいなぁ、と思いました。
(Rach からのお願い)
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もったいないほどの温かいお言葉、ありがとうございます! 日向先生にそのように言っていただけるなんて本当に光栄です。フレンズのチャンドラーの口癖風に言うと、"Could I BE any more honored?" という心境です。
私は文法的なアプローチも好きなのですが、結局は、「ネイティブが実際にそういう言い方をするかどうか?」が大きなポイントであると思っています。人気ドラマのセリフは、多くの人がそれを普通の表現として受け入れ理解できていることから、「自然な英語」「ナチュラルな英語」であると言える、ですから、そこから学ぶことは大いに意味がある、と思っております。
Oh のニュアンスのご説明もありがとうございます。上の日本語訳では、私は訳出していませんね(笑)。その「Oh と一呼吸入る」ことで、おっしゃるようなニュアンスが出てきますよね。相手の発言を押しとどめて、それに賛成しかねる、というようなニュアンスが。
特にこういう「小さいけれど大事なツール」こそ、実際に使われる文脈、ニュアンスから理解するのが有効ですよね。
well という言葉も「話の繋ぎ言葉」として使う、と学校で習ったのですが、そう言われただけではなかなか自分で使うところまでいきません。無理に挿入しようとすると「取ってつけたような」不自然な感じになってしまいます。でも、生きた会話をたくさん浴びることで、こんな風に使うんだ、ということがわかってきて、今では「うーんと、えーっと」とか、「そうねぇ」とちょっと間を取りたい時に自然に使えるようになった気がします。
「日本語ならこうだろう的な訳」と先生が表現して下さったことが、とても嬉しいです。日本語訳は決してイコールではないけれど、「日本語で言うとこんな感じ」とそのイメージを表現できることは、イメージ作りに有効だと私は思っています。
英語は英語のままで理解するのが基本だけれど、そのイメージが本当に理解できているのであれば、母国語である日本語で細かいニュアンスを説明できるはずだ、と思うのですね。訳語を暗記するのではなく、「雰囲気、イメージ、ニュアンス」を細かく掴んでいくことで英語が学べれば…と思いながらいつも記事を書いています。
先生のお言葉で、私は私の方法で英語と向き合っていけばいいのだと確信できました。これからも頑張ります。ご指導よろしくお願いいたします。先生の記事も楽しみにしております!