2008年05月24日

カミングアウト フレンズ3-13その17

チャンドラー: Anybody, ah, want anything? (誰か、何か欲しい?)
フィービー: I'll have coffee. (私はコーヒーをもらうわ。)
ロバート: Yeah, me too. (あ、僕も。)
ロス: Yeah, make that three. (あぁ、それを3つね。)

make that three という表現が面白いですね。
フィービーがコーヒーを頼んで、ロバートが「僕も」と言って、ロスが「それを3つね。」と言っている、つまり、ロスもコーヒーを頼みたいから、合計3つ注文して、というのを「コーヒーを3つにして。」と言っているのですね。
こういう合間のささいなシーンでも、みんなが "Me too." と同じことを言うのではなく、ちょっと違ったバリエーションの答えをしたりする…そういうのを見て、自分の表現を増やしていきたいですね。


チャンドラー: Okay Ross, why don't you come with me? (よし、ロス。俺と一緒に来ないか?)
ロス: Okay. (goes over to the counter) (to Chandler) What ah, what is the matter with you? What's going on? (わかった。[カウンターのところまで来る][チャンドラーに] 一体お前どうしたんだよ? 何があったんだ?)
チャンドラー: Robert's coming out. (ロバートがカミングアウトしてる。)
ロス: What, what do you mean, what? Is he gay? (どういう意味だよ? 何? 彼はゲイなのか?)

Robert's coming out. について。
come out は文字通り「出てくる、外へ出る」ですね。
でも、日本でもすっかりメジャーになったように、「カミングアウト」には、「ゲイ・同性愛者であることを認める・公言する・明らかにする」という意味があります。

ロングマン現代英英辞典で、まず基本的な意味を見てみると、
come out (phrasal verb):
1. if something comes out, it is removed from a place

「何かが come out するということは、それがある場所から動かされる[離れる]ということ」。

そして「カミングアウト」として有名になってしまった意味はこちら。
12. if someone comes out, they say that they are gay when this was a secret before
「誰かが come out するということは、以前にそれが秘密であった時に、自分はゲイであると言うこと」。

ちょっと when 以下のニュアンスをうまく訳せないのですが、ずっと秘密・内緒にしていた「ゲイであるという事実」を言う・公表する、ということですね。

今まで隠れていたものが出てくる、という基本的な意味を考えると、「秘密を公表する」という意味になるのはよくわかります。
「秘密」にもいろいろあると思うのですが、come out というと、特にゲイであることを告白する、と言う意味に特定されるのが、興味深いですね。

で、チャンドラーは「外に出る」という意味で使っています。
Robert と言っているのは、昨日の記事、フレンズ3-13その16 に出てきた、little Robert というニュアンス、もしくは、「彼が」「彼自身が」「彼そのものが」という「男の象徴」(笑)のニュアンスでしょうか。
ロバートの大事なモノが外に出ている、見えている、という意味で言っているのです。
でも、聞いているロスは、主語が Robert なので、何か特定のモノや部位を指していることに気付きません。
そこで、「人がカミングアウトしている」というと、ゲイの方のカミングアウトかと思って、「彼はゲイなの?」と返しているのですね。

このやり取りは、日本語でもカミングアウトという言葉が有名であることで、日本人にもわかりやすいジョークになっています。
ちょっとしたことを知っているか知らないかで、アメリカンジョークに笑えるかどうかが決まる、ということがよくわかるシーンだと思います。


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posted by Rach at 07:36| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
make that three.は今回のように飲食店で注文するときや、買い物するときによく出てくる決まった言い方みたいですね。
ロングマン現代英英辞典
make it/that something spoken used to correct what you have just said:
Can we have two cups of coffee, please? No, make that three.
Posted by catch at 2008年05月24日 22:24
catchさんへ
make it/that something というフレーズが、ロングマンに項目として上がっているとは知りませんでした。語義を紹介して下さってありがとうございます!

make that three なので、日本人でも「それを3にする」「今言った内容を3にする」みたいなニュアンスであることはわかりますよね。
それを、ロングマンでは、correct what you have just said と説明してあって、非常にわかりやすいです。correct というのがポイントで、「訂正する、さっきのを言い直す」という感じなのですね。

上の訳では、
ロス: Yeah, make that three. (あぁ、それを3つね。)
と訳しましたが、それだと、「correct 感」が出ないですね。
正しくは、「フィービー、ロバートで2つだけど、それを3に変えて。コーヒーの注文を3にして。」みたいな感じなのでしょうね。
こういう基本的な語義ほど、英英辞典の説明が論理的で納得しやすいものに思えます。やっぱりロングマンはいいなぁ(笑)。
Posted by Rach at 2008年05月25日 08:36
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