2008年05月29日

2つのコンプリメント フレンズ3-13その21

[Scene: Monica and Rachel's, Monica is teaching Richard how to make lasagne.]
モニカとレイチェルの部屋。モニカはリチャードにラザニアの作り方を教えている。
リチャード: So when people compliment me on my cooking tonight, what do I say? (それで、今夜の料理について人々が僕を褒(ほ)めたら、僕は何て言ったらいいんだ?)
モニカ: You say, "Thank you very much," and then you buy me something pretty. Come on, we're gonna put our hands in this bowl, and we're gonna start squishing the tomatoes. (あなたはこう言うのよ。「どうもありがとう。」 そして、それから、私に何か素敵なもの[可愛いもの]を買ってくれたらいいのよ。ねぇ来て。このボウルに二人の手を入れるわよ。そして、トマトを押しつぶす(のを始める)のよ。)

ト書きに出てくる lasagne は、「ラザニア」という料理名です。
フレンズ3-13その10 のセリフにも登場したのですが、ネットスクリプトでは lasagne、DVD英語字幕では lasagna と表記されていました。
どちらの綴りも可能なようで、辞書にも二つの綴りが載っています。

compliment は、名詞だと「賛辞、褒め言葉」、動詞だと「賛辞を述べる、称賛する」という意味ですね。
今回のように、compliment someone on A の形で「Aのことで(人を)褒める、称賛する」という意味になります。
名詞の compliment は、誰かが褒めてくれた時に、Thank you for your compliment. 「お褒めいただきありがとうございます。」のように使いますね。
また、動詞の compliment には「(敬意の贈り物を)贈呈する」という意味があり、形容詞 complimentary は「無料の、招待の、サービスの」という意味になります。
a complimentary ticket 「招待券、優待券」などは、TOEIC のリスニングによく登場しますね。

見た目がよく似た単語に、complement があります。
こちらは、名詞で「補足物」、動詞で「補足する」。
compliment と complement は「ンプラメント、ンプルメント」みたいな感じで発音も同じようです。
ローマ字読み(?)をすると、「コンプリメント」と言いたくなりますが、中央部分の -li- や -le- の部分は「あいまい母音」なので、「リ」とはっきり発音しないようにするのがポイントです。
(英語の発音は、アクセントのある部分を強く、あいまい母音の部分を意識的にあいまいに発音することで、随分とネイティブっぽく聞こえるようになるものです。)

形容詞形 complementary 「補足的な」というのもあり、前述の形容詞 complimentary 「無料の」と紛らわしいですね。
リスニングで聞いた場合は、文脈で判断することになるわけです。

自分は料理など得意でないように思われているのに、おいしいラザニアを作ったら、みんなが不審がるんじゃないか?、僕はどう説明したらいいんだ?、と言っています。
モニカは、「褒められたことに、ただ、ありがとう、と答えて、私にはお礼に何か素敵なものを買ってくれたら、それでいいのよ。」と答えています。
リチャードの質問は、料理上手な「誰か」の存在を疑われるんじゃないか?という含みもあるような気もします。
元カノのモニカがシェフであることを知っている人も多いかもしれないので、モニカとまたヨリを戻した?みたいに疑う人もいるかもしれない、というのを示唆しているようにも思います。
その思わせぶりな質問を、モニカは軽くかわしているような感じがするのですが、どうでしょう??


(They both start squishing the tomatoes.)
二人はトマトをつぶし始める。
リチャード: Ew, this feels very weird. (うー、この感触はすごく奇妙だね。)
モニカ: You touch people's eyeballs every day and this feels weird? (あなたは毎日人間の眼球を触ってるのよ。それでこれが奇妙な感じがするの?)
リチャード: Yeah, well, sure I touch them, But I spent years learning not to squish them. (Monica grabs his hand in the tomatoes.) That's my hand. (そうだね。確かに僕は眼球を触るよ。でも、それをぐしゃっとつぶさないようにすることを何年もかけて学んだんだ。[モニカはトマトの中の彼の手を掴む] それは僕の手だ。)
モニカ: Oops. (まぁ。)

squish は「…をぐしゃっとつぶす」。
似た単語で、squash 「押しつぶす」という単語もありますね。
ロングマン現代英英辞典では、
squish: [intransitive and transitive] (informal) to squash something, especially something soft and wet, or to become squashed
つまり、「何かを押しつぶすこと、特に柔らかくて湿ったものを。または押しつぶされた状態になること」。
squash という単語が、squish に変化した、ということでしょうか?

squash の名詞は、レモンスカッシュなどような「スカッシュ(果汁に水を加えた飲み物)」、あるいは、squash rackets 「スカッシュ」というスポーツもありますね。

トマトをつぶすぐちゃぐちゃ感が気持ち悪い、奇妙な感触、と言うリチャード。
リチャードは眼科医なので、モニカは、「あなたは毎日、人の目を、それも眼球を触ってるわけでしょ。それも結構気持ち悪いと思うのに、トマトの方を気持ち悪がるわけ?」みたいに言っているのです。
私にしてみたら、眼球を触る方が気持ち悪いと思うけど…みたいなことです。

それに対してのリチャードの答えが面白いです。
確かに触るけど、こんな風にぐちゃっとつぶしたりはしないんだ、眼球をつぶさないことを学ぶのに何年もかけてきた、みたいなことです。
つぶさないことを何年もかけて学んだ、と言うと、まるで何回か誤ってつぶしたことがあるようにも聞こえる気がします。
そこが彼のユーモアのようですね。

で、二人でトマトをつぶしていたら、モニカが間違って(?)リチャードの手に触れてしまいます。
元恋人同士なので、ちょっとヤバい空気が流れています。
見ている方もちょっとドキドキしてしまうシーンですね。


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posted by Rach at 11:41| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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