2008年06月01日

声が次第に小さくなる フレンズ3-13その23

モニカ: Hold on a second, just put a little club soda on it. (does so) Get to it right away. It should do... the trick. (ちょっと待って。ちょっとそのシミにソーダ水[炭酸水・クラブソーダ]を少しつけてみるから。 [ソーダ水をつける] すぐにシミに染みこむわ。それは効き目があるはずよ。)
(She is rubbing his chest and her voice trails off into silence, a long pause follows.)
モニカは彼の胸をこする、そして、彼女の声は次第に小さくなって黙り、長い絶え間(ポーズ)がその後に続く。
リチャード: What? (何?)
モニカ: Umm, you've got some on your pants. (えーっと、パンツにもトマトがついてるわ。)
リチャード: I'll just throw them out. (パンツは捨てちゃうことにするよ。)

club soda というのは「ソーダ水」。
ロングマン現代英英辞典では、
club soda: [uncountable and countable] water filled with bubbles that is often mixed with other drinks (synonym: soda water)
つまり、「泡(気泡)で満たされた水、しばしば他の飲み物と混ぜられる。同義語 soda water」
私はよく知らないのですが、そういうソーダ水を使うとシミが取れるんでしょうかねぇ? わかるような気はしますが。
get to it は「it=シミに到達する」というニュアンスでしょうか。
洗剤が汚れに到達して、それに染み込み、汚れを落とす、みたいなことかなぁ、と。

do the trick は日本語的に言うと「トリックを行う」みたいな感じになるでしょうか。
英辞郎には、
do the trick=功を奏する、効き目がある、効く、成果を上げる、目的にかなう、間に合う、目的を達する、うまくいく
という語義が載っています。

ト書きに書いているように、汚れを取ろうと胸を rub しているわけですが、リチャードの体を触ることで、過去に恋人であった頃の記憶が蘇ってきたのでしょう。
それで、何とも複雑な気持ちになって口数が少なくなり、ついには沈黙してしまいます。

trail は「通った跡、痕跡(こんせき)、踏みならされてできた道」という名詞ですが、他動詞では「…を引きずる、…の跡を追う、追跡する」という意味があり、また自動詞では特に「trail off [away] into 名詞」の形で「(音などが)次第に薄れて…になる」という意味になります。
この場合は、音が次第に薄れて沈黙する、黙る、ということです。
her voice trails off into silence, a long pause follows. というト書き、なかなかノンネイティブには出て来ない表現だと思います。

さらには、今度はパンツ(と言っても下着の方ではないですが)についているのも発見してしまったので、そこをそんな風に rub しちゃマズいな、という予感があるのでしょう。
下半身は触っちゃだめだ、その気になっちゃいそうで危険だわ、みたいなことです。
DVDの日本語は「股のところにもついてる」と訳してありました。
ただパンツについているだけではなく、その場所がソコ(笑)であるために、こすって落とすことができないのよ、というニュアンスが出るように、あえて「股」という言葉を使っているでしょうね。

pants という言葉でそれを察したリチャードも、それは「友達」としてはヤバイかなと思ったので、もうこうなったら、それをこすって落とそうとすることは考えないで、「ただ throw out することにするよ」という意味で、I'll just と言っています。
throw them out の them は pants という複数形を指す代名詞です。

この部分、DVDの日本語字幕では「脱いで落とす」、日本語音声(吹替)では「脱いで洗ってくる」と訳してありました。
ただ、throw out は通常、「捨てる、処分する」という意味で使われることが多いように思います。

I'll just throw them out. は「脱ぐ」のか「捨てる」のか?について、長くなるので明日にします。


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posted by Rach at 15:48| Comment(3) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、こんばんは。

染み抜きには砂糖の入っていない炭酸水と塩をよく使ってますよ。ペリエなんかもそうですね。炭酸水がないときは、とりあえず塩で揉んで洗濯をすればいいと言われました。ただ、どちらも直ぐに対処しないと効果はありません。この方法はアメリカやヨーロッパで母親から教わる生活の知恵のようです。
Posted by わみわみ at 2008年06月01日 17:51
a long pause は演劇や小説では、台詞や会話が途切れた沈黙の状態を表すので、「その後、長い沈黙」「長い沈黙が続く」だとより分かり易いかも知れません。
Posted by わみわみ at 2008年06月01日 19:01
わみわみさんへ
情報ありがとうございます。やはり、染み抜きに炭酸水を使うのですね。またそれが「ヨーロッパで母親から教わる生活の知恵」だとのこと、それだとモニカがとっさにその方法を使ったのもうなずけます。

確かに、ネットスクリプトのト書きにも、よく pause という言葉が登場します。「絶え間」ではなくて「沈黙」の方が、状況をより伝えられますね。今度出てきたら、「その後、長い沈黙」にしようと思います。ご指摘ありがとうございました!
Posted by Rach at 2008年06月02日 12:38
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