2008年06月07日

「後で電話する」が効果的に使われる フレンズ3-13その28

[Scene: Monica and Rachel's, Monica is talking to Richard on the phone.]
モニカとレイチェルの部屋。モニカは電話でリチャードと話している。
モニカ: So, how'd the lasagna go over? (listens) Really? Good. So you owe me three pretty things. (listens) Yeah, I've been thinking a lot about you too. (listens) Well, no. It's hard this whole "platonomy" thing. (listens) It's a word. (それで、ラザニアは好評だった? [聞いて] 本当? 良かった。それならあなたは私にかわいいものを3つ買ってくれることになるのね。[聞いて] そうね。私もずっとあなたのことばかり考えていたわ。[聞いて] えぇ、このプラトノミーなこと、つらいわ。[聞いて] それはただの表現よ[言葉のあやよ]。)
(There's a knock on the door.)
ドアをノックする音。
モニカ: Yeah, I do think it's better this way. (listens) Yeah, we're being smart. (gets up to answer the door) (listens) Yes, I'm sure. (she opens the door and it's Richard) (えぇ、こうするのがベターだって本当に思うわ。[聞いて] そう、私たちは賢く振る舞うのよ。[ドアのノックに答えるために立ち上がる][聞いて] そう、確信してるわ。[モニカはドアを開ける、すると、それはリチャードである。])
リチャード: You really sure? (君は本当にそう思ってるの?)
モニカ: I'll call you back. (starts kissing him) (後で電話するわ。[リチャードとキスを始める])

go over について。
ロングマン現代英英辞典には go over well という表現が載っています。
go over well: (also go over big) (American English) if something goes over well, people like it
つまり、「何かが go over well するとは、人々がそれを好きであること。」

今回のセリフは、(go over) well であったかどうかを、how という疑問詞で尋ねている感じでしょうか?

過去にも何度か出てきたことのある、How'd the audition go? というのは、audition がどうなったか?という結果を尋ねている疑問文ですよね。
今回の場合は、Did the lasagne go over well? みたいなことを聞いているのでしょうが、その well かどうかを尋ねているのが、how の疑問文なのでしょう。

フレンズ3-13その21 で、
リチャード: So when people compliment me on my cooking tonight, what do I say? (それで、今夜の料理について人々が僕を褒(ほ)めたら、僕は何て言ったらいいんだ?)
モニカ: You say, "Thank you very much," and then you buy me something pretty. (あなたはこう言うのよ。「どうもありがとう。」 そして、それから、私に何か素敵なもの[可愛いもの]を買ってくれたらいいのよ。)
というやり取りがありました。
今回の three pretty things はそのセリフの流れですね。
きっと3人の人が(3人だけ?という気もするけど…)ラザニアを褒めたので、3個 pretty thing(s) を買ってね、と言っているのです。

I've been thinking a lot about you too. は「継続を表す現在完了進行形」。
「現在完了進行形」とかそういう文法用語が苦手という人も多いと思うのですが、このセリフを言う時のモニカの気持ちがわかれば、おのずとその感覚が掴めてくると思います。
大切なのは「現在完了進行形」を使うことで、どういうニュアンスが出るか、どういう気持ちが相手に伝わるか、ということですね。

this whole "platonomy" thing. について。
この platonomy は、platonic love 「精神的恋愛、プラトニックラブ」みたいな意味で使っているのだろうと思います。
この言葉をぐぐってみると、検索結果がかなり少ない。
そして、Google に「もしかして: plutonomy」と聞き返されてしまいました(笑)。
そのよく似た単語の plutonomy は、英辞郎によると、
plutonomy=(名詞)政治経済学。(同)political economy
だそうです。

このやり取りは電話で、相手のリチャードが何を言っているかが聞こえないために、モニカのセリフの意味を解釈するのが難しいのですが、platonomy という言葉があまり聞きなれない言葉なので、リチャードに、"You mean platonic love?" みたいに聞き返されたのかなぁ?
それで、platonomy っていう言葉や表現があってもいいじゃない、みたいな意味で、It's a word. 「ただの言葉よ。表現の一つよ。」みたいに言っているのか?

それとも、platonomy = platonic love, platonic thing みたいな感覚だとリチャードも理解したけれど、その hard 「つらい」という言葉にひっかかって「今のプラトニックな状態がつらいの?」と聞き返されて、「hard と言ったのは、ただの言葉のアヤよ。」という意味で言ったのか??

ノックの音がして出てみるとそれはリチャード!
携帯が普通の現代においては、ありがちな設定ですね。(この放映当時はまだ珍しかったようですが)
この、I'll call you back. というセリフがいいですね。
電話でずっとしゃべっているはずの人が目の前にいて、直接話せるからもう電話する必要がない、だから電話を切っているわけですが、びっくりして電話を落とすとか、黙って電源を切るとかではなくて、"I'll call you back." と言うところが、しゃれている、と私は思うわけです。
「今、大切な用事が出来ちゃったから、電話で話すのは後にするわ」みたいなことですね。

電話で話している間は冷静に対処できていたモニカも、その本人を目の前にして、そして思いつめた表情で "You really sure?" 「君が smart でいる、と言っているのは本心なの?」みたいに尋ねられてしまっては…。
リチャードがわざわざモニカの部屋まで尋ねて来たことで「リチャードも私と同じ気持ちだった」ことに気付き、二人はキスすることになってしまうわけですね。


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posted by Rach at 08:47| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私も、プラトニックラブから連想した、モニカの苦肉の造語ではないか…(相手に悟られたくないというキャラだし)と、思います。
フレンズファンから広がる造語みたいなものも多いですよね。
しかし、フレンズ。展開もお茶目で、笑えて、何度見ても飽きません。
応援して帰ります☆あ!ランキングみんな最初のページにおられるんですね☆
Posted by うろこ at 2008年06月08日 05:18
うろこさんへ
コメントありがとうございます!
「苦肉の造語」…良い表現ですね。確かにそんな感じのような気がしますね。
platonic love と言いたいけどそれは love という言葉がついてしまうからそうとも言えず、でもこういう「男女が深い関係にならずに楽しく過ごす」ことをそんな風に表現したのかなぁ、と。
だとすると、It's a word. は「造語よ。そんな言葉があってもいいでしょ。」みたいな感じでしょうか?

フレンズの解説記事を書く時に、英語版のウィキペディアを見ることがよくあるのですが、フレンズで使われたためにメジャーになった言葉などがよく書いてあります。造語と言えば、フィービーも造語を作る名人ですよね。
さすがは全米視聴率ナンバーワンで、未だに何度も再放送されて愛されているドラマだけのことはあります。

さらには応援ありがとうございます☆ お陰様で登録している3つのランキング、どれもありがたい順位にいさせていただいております。うろこさんを始めとして、応援して下さる皆々様のお陰です。本当に感謝しております! これからも頑張ります。


Posted by Rach at 2008年06月08日 07:52
釈迦に説法ですが、nomos(ノモス)は古代ギリシャ語でルールや規範を意味する言葉で、ここでplatonomyとは「ただプラトニックな関係でいなければならないというルール(暗黙の了解?)」のことで、モニカにはそれを維持するのがつらいのでしょうね。

最近フレンズを見始めたのですが、今後とも過去のブログ記事から勉強させていただきます。
Posted by ぴょん at 2017年05月17日 22:52
ぴょんさんへ
コメントありがとうございます。

>nomos(ノモス)は古代ギリシャ語でルールや規範を意味する言葉

なのですね。貴重な情報ありがとうございます。

研究社 新英和中辞典では、

-nomy [連結形]
「…学」「…法」の意
astronomy, economy.

と出ていました。「ルールや規範」から「〜法」という意味の接尾辞として使われるということなんですね。モニカの言った platonomy は「プラトニックルール、プラトニック法」のようなニュアンスがあるのでしょうね。

最近フレンズの視聴を開始されたとのこと、拙ブログが少しでもお役に立てればとても嬉しく思います。
これからもよろしくお願いします。コメントありがとうございました!(^^)
Posted by Rach at 2017年05月19日 13:10
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