2008年06月19日

英語の語順のままイメージする フレンズ3-13その36

[Scene: Richard's bedroom, Monica has covered it in rose petals and candles. We hear Richard come in to the apartment, and Monica frantically throws the rest of the petals on the bed, and jumps onto the bed and puts a rose in her mouth, and bites a thorn.]
リチャードのベッドルーム。モニカはその部屋をバラの花びらとキャンドルで埋め尽くす。観客はリチャードがアパートに入ってくる音を聞く。モニカは必死にベッドに残りの花びらをまく。そしてベッドに飛び乗って、口にバラを一輪入れるが、とげをかむ。)
モニカ: Ow! (いたっ!)
リチャード: (outside the bedroom) Really? Well, it's just like everyone else's apartment. It's got rooms and walls and ceilings. ([ベッドルームの外で] 本当に? うーんと、他の人のアパートと同じだよ。部屋があって壁があって天井がある、っていう。)
リチャードのデート相手: Well, I just wanted to see where you live. Now, give me the tour. (私はただ、あなたが住んでいるところを見たかっただけなの。さあ、部屋[家の中]を案内して。)
モニカ: Oh my God! Oh my God! (She frantically tries to clean up the bedroom as Richard starts the tour.) (なんてこと! なんてこと! [モニカは必死にベッドルームをきれいにしようとする。その時、リチャードはツアー[部屋の案内]を開始する。]
リチャード: Ah well, this is the living room. (あぁ、ここがリビングルームだ。)
デート相手: That's nice. (素敵ね。)
リチャード: All right. And this is the kitchen. (よし、そして、これがキッチンだ。)
デート相手: Oh, that's real pretty. Wait a minute, don't I get to see the bedroom? (まぁ、それは本当に素敵ね。ちょっと待って。ベッドルームは見られないの?)
リチャード: The bedroom. Well, it's pretty much your typical... (opens the door as Monica hides under the covers, and quickly closes the door before his date can see the room.) bedroom. (ベッドルームね。そうだな。それはかなり典型的な… [ドアを開けると、モニカがカバーの下に隠れる。そして、リチャードはすばやくドアを閉める。彼のデート相手がその部屋を見ることが出来る前に] (典型的な)ベッドルームだよ。)
デート相手: We're still on this side of the door. (私たちはまだ、ドアのこちら側にいるわよ。)
リチャード: Um-hmm. (あぁ、そうだね。)
デート相手: I didn't get to see it. (ベッドルームを見られなかったわ。)
リチャード: Oh, shoot. Maybe next time. (yawns) Thanks for a lovely evening. (shows her out) (あぁ、残念だ。多分、次の機会にね。[あくびをする] 素敵な夜をありがとう。[彼女を部屋から送り出す])

最初の部分のト書き、ネットスクリプトには、(rose) pedals と書いてあるのですが、恐らく、petal のタイポだろうと思います。(上では訂正してあります。)
petal は「花びら」で、pedal は「(自転車などの)ペダル」のことですね。

リチャードのセリフから、家の中を案内したくないと思っていることがわかりますね。
何も代わり映えしない普通のアパートだよ、部屋に壁に天井があるっていう…というその説明からもそれは明白です。

tour は「部屋を見て(見せて)回ること」。
フレンズ3-6その6 でも tour について解説しています。

that's real pretty について。
pretty を強調する役目としては、正しくは副詞の really となるはずですが、現代の口語では、このように、real を副詞として使うこともあるようです。
形容詞を副詞として使う フレンズ3-13その15 でも、その副詞の real について触れていますが、
ロングマン現代英英辞典には、
real [adverb]:
(American English spoken)
very
例) He's real cute. It was real nice to see you again.

と載っています。

リチャードは寝室を案内するのは気が乗らないようですが、見せて欲しいと言われて、「寝室と言っても、どこにでもあるような典型的な寝室だよ。」と言おうとしています。
スクリプトは、その your typical bedroom の間に、長いト書きが入った形になっています。

上のト書きの訳、今回は、できるだけ英語の文章の流れのままに訳そうとしてみました。
ト書きにはこのようによく as が登場するのですが、as は「…している時、…しながら」などと訳される「時を表す接続詞」ですよね。
ですから、「…している時」というニュアンスで訳すと、「モニカがカバーの下に隠れた時、(リチャードが)ドアを開ける。」となるわけですが、実際の英語の語順では、ドアを開ける、という方を先に語っています。
つまり、このスクリプトを読んでいる人は、まずその知識を先に頭に入れているわけです。
それで読み進めて行くと、それが as Monica hides ... であること、つまり、「その時、それとほとんど同時に」モニカが下に隠れた、という事実を知るわけです。

実際は、ほとんど同時進行で行われているか、時間の差にすれば非常にわずかの違いなので、モニカが隠れた時、リチャードがドアを開ける、でも大意は変わらないと思うのですが、英語で書いてある順番、つまり、事実を述べている順番に合わせて、読んでいる方も頭の中でイメージしていきたい、と思うので、そういう順番で訳してみました。
日本語と英語の文章の構造が違っている以上、どこまでその順番に合わせられるかは限界があるのですが、できるだけ英語の語順のままでイメージしていけたらな、と思っています。

before の文も同様ですね。
自然な日本語にすると、「相手が見る前に閉める」ですが、英語の語順では、すばやく閉める、それはデート相手がそれを見る前だった、みたいな感じですね。

パッと開けて、モニカがいるのに気付き、やばいっ!とドアをすばやく閉めたリチャード。
パパッと開け閉めした後、今のがベッドルームだ、と説明しているのですが、全然見てない、まだドアのこっち側にいるわよ、と相手は言っています。

最初、We're still on this side of the door. というセリフを「スクリプト上の文字で」見た時に、この女性がちょっと思わせぶりなことを言っているのかと思いました。
「私たちはまだ、ベッドルームのこっち側にいるのね。」みたいな感じで、「私はまだベッドルームには入れてもらえないのね。まだそれほどの仲でもないし、そこまであなたは気を許しているわけではないのね。」みたいな、ちょっと誘っているようなセリフなのかと…。
でも、それはどうも考えすぎみたいです(爆)。
ここは、単純に、「ベッドルームだよっ!」と案内してくれたけど、全然中を見てないわ、まだドアのこっち側なんだけど、ちゃんと中に入って見せてよ、という少々ご不満のセリフかな、と思います。

show は「(人にものを)見せる」という意味が基本です。
I'll show you. なら、「見せて教えてあげる」みたいなニュアンスで、道案内の場合は、同行したり、方向を指差したりして教える、という感じですね。
その流れで、「(人を)…に案内する、送っていく」という意味もあります。
show somebody in なら、「人を中へ通す」で、show somebody out なら「人を送り出す」ということ。
最後のト書きの shows her out は、相手が玄関に向かうように、仕草などで帰るように促す、という感じでしょうか。
実際のシーンでも、相手の肩を持って、帰るようにちょっと強引に向きを変えて玄関に向かっていますね。


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posted by Rach at 13:16| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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