2008年06月27日

プレイ・ザ・ギター フレンズ3-14その1

シーズン3 第14話
The One With Phoebe's Ex-Partner (フィービーの歌がCMに!)
原題は「フィービーの元パートナーの話」

[Scene: Central Perk, the gang, except Rachel, is watching a new singer.]
セントラルパーク。レイチェルを除いたフレンズたちは新しい歌手を見ている。
歌手: (singing) 'Cause every time I see your face, I can't help but fall from grace. I know.... ([歌って] あなたの顔を見るといつも、嫌われることばかりしてしまう。私は知ってるの…)
ジョーイ: Wow! This girl's good. (わぉ! この子、いいね。)
フィービー: Oh-ho yeah, a song with rhyming words! Oo, I never thought of that before. (あー、そうね。韻を踏む言葉の歌ね! 私はそういうの、一度も考えたことないわ。)
チャンドラー: I like her. (彼女、好きだな。)
フィービー: (to Chandler) Why? Because she can sing and play guitar and do both at the same time? ([チャンドラーに] どうして? なぜなら、彼女は歌ってギターを弾いて、同時に両方ができるから?)
チャンドラー: Well, that's pretty much all I'm looking for from these people. (そうだな。それが、こういう(歌手の)人たちに俺が求めることのほとんど全てだな。)
モニカ: (to Phoebe) Look at you, all jealous. ([フィービーに] 自分を見てみなさいよ。すっかりジェラシーを感じてるわね。)
ロス: Yeah Pheebs, come on, you two have completely different styles. Y'know, she's more... (shakes his shoulders, like he's dancing) y'know, and you're more (sees the look from Phoebe and stops) (そうだよ、フィービー。いいかい。君と彼女の二人は全く違ったスタイルを持っているんだ。ほら、彼女はもっと…[肩を揺らして、まるで踊っているように] それから、君はもっと [フィービーからの視線を見て、話をやめる])

fall from grace は「(ばかなことをして)不興を買う、信用を失う、好かれなくなる、嫌われる」。
歌手を褒めるジョーイに、韻を踏んでるからね、と答えるフィービー。
face(フェイス)と grace(グレイス)が韻を踏んでるということですね。
でも、フィービーのトンデモナイ歌(笑)でも、たいてい韻は踏んでいるはずですが…。
フレンズ1-7 に出てきた「停電の歌(?)」でも、power と sour、scary と dairy が韻を踏んでいましたし。

どう見ても、歌手としての才能に妬(や)いている感じのフィービーに、こういう場所でギターを持ちながら歌うシンガーに対しては、歌いながらギターを弾くことを客の誰もが期待するもんじゃないか、それを求めて俺たちは聞いているんじゃないか、とチャンドラーは返しています。
歌とギターが同時に出来ることをひがんでいるようなフィービーの発言ですが、弾き語りが上手くないという自覚があるようです(笑)。

「ギターを弾く」は play the guitar で、「ピアノを弾く」は play the piano だと学校で習った気がするのですが、今回のセリフは、DVD英語字幕も、ネットスクリプトも、play guitar になっていて、the がついていません。
実際のセリフを聞いてみても、フィービーは play guitar と発音しています。
何だか不思議な感じ。学校の英作文ならバツにされちゃいそうなんですが…。
ネットで検索しても、"play the guitar" よりも、"play guitar" の方が多いようです。

スポーツの場合は、play baseball, play tennis と無冠詞ですね。
最近では、guitar も「ギターの演奏」というような意味で、baseball や tennis などと同じような無冠詞、不可算名詞の感覚で扱う、ということでしょうか??

ロスまでもが、彼女の歌はノリが良くて、自然に身体が動いちゃうんだ、などと言っていますね。


歌い終えた歌手にみんなが喝采する。
フィービー: Okay, see, see? Everyone else is happy she's done. (いいわ。見た見た? 他のみんなは彼女が終わったことを喜んでるわ。)
歌手: Okay, my next song's called: "Phoebe Buffay, What Can I Say? I Really Loved When We Were Singing Partners And I Shouldn't Have Left You That Way." (オッケー。私の次の歌のタイトルはこうよ。「フィービー・ブッフェ。私は何て言ったらいいの? 私たちが歌のパートナーだった頃、とても楽しかった。そして、私はあんなふうにあなたから去るべきじゃなかったのに。」)
(The gang all looks at Phoebe.)
フレンズたちは全員、フィービーを見る。
フィービー: Oh no, one of those "look for the hidden meaning" songs. (あぁ、違うの。例のそういう「隠された意味を探せ」って歌の一種よ。)

歌が終わった後、客は拍手喝采しています。
Everyone else は、「彼女のことを褒めているフレンズ以外のみんな」ということですね。
あなたたちはそうやって彼女を褒めるけど、他のみんなは彼女の歌がやっと終わってくれたと喜んでいる、と言いたいようです。(ジャイアンのリサイタルじゃあるまいし…笑)

次の曲のタイトルを言う歌手。
そのタイトルは、
Phoebe Buffay, What Can I Say? I Really Loved When We Were Singing Partners And I Shouldn't Have Left You That Way.
題名と呼ぶにはあまりにも長すぎる、内容そのまんまみたいなタイトルになっています。
フィービーに対して語りかけているような感じです。

shouldn't have left は、shouldn't +have+過去分詞で「(あの時)…すべきでなかった(のに…してしまった)」ということですね。
二人が singing partners であったこと、彼女がフィービーの元を去ったこと、がフレンズたちにもわかってしまったわけです。

the hidden meaning は「隠された意味」。
このタイトルには、何か隠された意味があるのよ、と言っているのですが、隠すも何もそのまんまじゃん、という。
フレンズ3-12その26 では、フリオの書いた The Empty Vase という詩のことを、
trick poems that seem to be about one thing but are actually about something else 「あることについて書いているように見えて、実は別のことについて言っているようなトリック詩[ずるいたくらみの詩]」
と表現していました。
そういう何か意味ありげなフレーズを使っている歌詞ならば、"look for the hidden meaning" songs と言うことは可能ですね。


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posted by Rach at 12:50| Comment(8) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして! mon(もん)と申します。
大阪にある大学の文学部で言語学を勉強しています。

mon、というハンドルネームは私の実際のあだ名から来ているのですが、
フレンズを初めて観た時、モニカがMonと呼ばれているのを見て
すごく嬉しくなったので、こちらでも使わせていただきます(笑)。
フレンズのメインキャラの中でもモニカが一番好きです♪

英語に関しては、今までずっと受験英語しか知らなかったのですが、
去年の初めに短期留学をして以来、英語力の足りなさを痛感して
勉強を始めました。フレンズも1年かけてようやくシーズン3まで
来たところです。。
TOEICも何度か受けたのですが、まだ900点の大台には程遠く・・。
たった◯日で、ラクして英語がペラペラに! みたいな教材が
世の中にたくさん出回っている昨今、私の勉強方法が間違って
いるのかなあ・・と不安になっていた折、こちらのブログに出逢いました。
rachさんのように、コツコツ努力型で素晴らしい実績を重ねて来られた方も
いるんだ、と知ることができて、私も自信を持てるようになりました。
去年からずっとROMしていたのですが、今日はちょっと疑問に思った
ことがあって、書き込ませていただいております。

今日の記事のPhoebeの台詞に対する解釈ですが、
「a song with rhyming words! Oo, I never thought of that before. 」
は、単に韻を踏んだ歌詞なんて思いつかないわ、という意味ではなく
反語のニュアンスなのではないか、と思ったんです。
つまり、韻を踏んだ歌詞なんてありきたりなもの、誰にでも書けるわ、
という皮肉を込めた意味ではないかと。
実際、rachさんが言及されているように、Phoebeも過去に
韻を踏んだ歌をたくさん作っていますし。
逆のことを言って皮肉を込める、というのはChandlerが
よくやる手法ですよね。
確信がある訳ではないのですが・・・その後ろの
「"look for the hidden meaning" songs」というのも同じ類の
皮肉ですし、これはもしかしたら、と思ったのです。

違ってたらごめんなさい・・・
そして初書き込みから、こんな長い文を書いてしまって申し訳ないです(汗)。
どうかよろしくお願いします。
Posted by mon at 2009年01月31日 19:39
monさんへ
はじめまして! コメント、ありがとうございます。

Rachel が Rach と呼ばれているように、Monica は Mon と呼ばれることが多いですよね。言いやすく音的にも可愛らしいので、Mon というニックネームは素敵ですね。

「たった◯日で、ラクして英語がペラペラに! みたいな教材」のお話ですが、世の中にはそういうものが多いですよねぇ…。私のこのブログでの口癖が、「英語がそんなに簡単に学べるのであれば、日本の英語業界はこんなに発展していない!」なんですが(笑)、そういう宣伝文句が頻繁に使われることで、「みんな英語では苦労している」ということが逆に証明されている気がします。短期間でペラペラ…などと言う人の英語は「短時間で身に付けた程度」の英語だろう、くらいに思っていれば良いのではないでしょうか。頻出決まり文句を呪文のように覚えて、それで話を繋いでいるくらいのことで、短期間で自分の思ったことをすらすらしゃべれるレベルになれるとは、到底思えません。やっぱり、大量の英語をある程度の期間浴びないことにはダメだ、というのが真実ですよね。

それから、フィービーのセリフについての解釈、ありがとうございます。
monさんのおっしゃる通りですね。Oo, I never thought of that before. 「そんなこと思いつかなかった、思いもしなかった」というのは、そうやって大袈裟に言うことで、逆に「ありきたり」であることを言っているのですね。私自身が上の記事で書いたように、フィービーの歌「でさえ」(!)、韻は踏んでいるわけですから。
フィービーの歌は歌詞がトンチンカンでズレたものが多いですが、上の彼女の歌は、ドラマティックな歌詞の中できちんと韻も踏んでいる、その部分に嫉妬したフィービーが歌詞を褒めたくなくて、「わぁすごいすごい、韻もちゃんと踏んでるもんね!」と韻を踏んでいることを強調したのかもしれません。「私だって、韻を踏む歌くらい作れるけどね」という気持ちが、Oo, I never thought of that before. という言葉に出ている、ということかもしれません。

ですから、フィービーのセリフは、「逆のことを言って皮肉を込める」というパターンですね。ご指摘ありがとうございました!
こちらこそ、これからもどうかよろしくお願いします。
Posted by Rach at 2009年02月01日 06:36
丁寧なお答え、ありがとうございました!

>「英語がそんなに簡単に学べるのであれば、日本の英語業界はこんなに発展していない!」

その通りですよね。
rachさんの英語学習に対する考え方には本当に説得力があって、
いつも、私もがんばろう! って気持ちにさせて頂いてます。。

これからも応援してます。
また来ますね♪
Posted by mon at 2009年02月02日 15:47
monさんへ
こちらこそ、お返事ありがとうございます。

やはり、英語は「ある程度の期間、継続して学ばないと伸びない」もので、それをわかった上で、どれだけ興味を持ちながら、楽しく学んでいけるかがポイントだと思います。

応援ありがとうございます! またお越し下さいね♪
Posted by Rach at 2009年02月03日 06:23
こんにちは。
Youtubeでたまたま【レスリー】役の歌手、エリザベス・デイリーの歌ってるところを観てしまい、そういえばフレンズに出てたなぁ、と思い出して、このシーズン3に戻ってきてしまいました。相変わらずいい声してましたが、ライブで【ネコはくちゃい】もやってるようです。それはそうと、この3−14の回から脱出できずにいます。あれほどセミナーで、立ち止まらずに次のエピソードに行ってください、と言われていたにもかかわらず、どうしても納得するまで何回も観てしまいます。この頃のRachさんも1エピソードの解説が長かったですよね。凄いありがたいし全部吸収しようとしてしまいますね。やっぱり先に行ったほうがいいでしょうか?
Posted by チャン虎ー at 2014年10月30日 00:31
チャン虎ーさんへ
コメントありがとうございます。
レスリー役の歌手エリザベス・デイリーさんが、ライブで Smelly Cat をやってる、、なんて、楽しいですね(^^)

「エピソードを繰り返して見るのか、そのまま先に進んでもいいのか」という話は、このブログ開始当初から(笑)、それはもう何度もいただくご質問で、私はいつも「立ち止まらずに次のエピソードに行ってください」とお答えしていますが、ご自身が「納得するまで何回も観たい」と思われるのであれば、私はそれを止めるつもりもないのです。

東京セミナー2日目の懇親会で、やはり同じようなご質問をいただきました。その時も、「ご自身が観たいと思われるのなら、何度でも観てください」とお答えしました。何度も観たいほどそのエピソードが気に入っている、あともう少しわかりたい、納得したい、というお気持ちがあるのなら、それが「英語をより深く学びたい」という原動力になると思うからです。

私が「立ち止まらずに次に進んで下さい」と口を酸っぱくして(笑)言うのは、「全部わからないと先に進んではいけない」というような思い込みを打破したいからですね。ネイティブが娯楽として楽しんでいるような「容赦のない英語教材」だから、わからないところがあって当たり前、全部わからなくて当たり前、そういう気持ちで臨まないと、続けられないと思うからです。
「ある程度、聞き取れるようになるまで、何回も繰り返し観ましょう」的なことを言って、仮にそれを「5回」のように回数を設定したりすると、回数をこなすことがノルマになってしまうようで、私はあまり効果がないと思うわけです。回数というのは数字のマジックみたいなもので、回数を設定した時点で、回数をクリアすることにばかり気が向いてしまうというか、少なくとも私の場合は「同じことを何回もする」場合、最後の方は意識が朦朧として、全然頭に入ってこない気がするのです。

「わからないのに次に進むのは良くないんじゃないか、、」という不安を持つ方が多いので、「気にせず先に進んで下さい」と言うようにしているだけですから、チャン虎ーさんがこのエピソードがお好きなら、何度でも観て下さい。シーズン3のこの頃は、私の解説が、だだ長かった頃ですね^^ それだけ私もエピソードをじっくり観ていたということだし、「このエピソードは好きだからじっくり、このエピソードは自分的にはイマイチだからあっさり」みたいなメリハリをつけるのもオッケーだと思います。特にこのエピソードが好きで、丸暗記するくらいの勢い(笑)になってもいいですよね。

好きなエピソードはとことん楽しんで、フレンズ学習を続けていただければ嬉しいです(^^)
Posted by Rach at 2014年10月31日 12:45
ありがとうございます。
皆さん同じことでやはり悩んでいるんですね。
少し気が楽になりました。
違うエピソードを行ったり来たりする変なクセがあるんで、自分なりに考えて、ひとつのエピソードでフレンズの6人が何をしたのか、簡単な言葉でまとめ、エクセルにしています。

例えばこのエピだったら
ロス:レイチと講習会に行く
チャンドラー:3つの乳首
フィービー:ネコの歌CMになる とかですね。

これを見ると記憶のフックというんですか、そのエピのストーリーが頭に浮かんできて、楽に探せるようになりました。あとはRachさんのブログがあれば鬼に金棒ですね。
Posted by チャン虎ー at 2014年11月02日 21:10
チャン虎ーさんへ
ご丁寧なお返事ありがとうございます。

私もチャン虎ーさんのコメントを読ませていただいて、「こないだ質問されたことと同じだ!」と思ったんですよ^^ 皆さんに共通の悩みがある、と同時に、私もこれからはそのあたりをもっと具体的に話していかなければいけないな、と改めて思いました。

そんな風に「彼らが何をしたか」をまとめるというのはグッドアイデアですね。日本語または英語タイトルに出ているキーワードだったらわかるのですが、そうでないものはそういう記憶のフックがあると便利ですね。
そういう「まとめ」をご自分でされていたら、私のブログでセリフやシーンを検索するのもずっと楽になるだろうと思います。今後ますます拙ブログを活用していただけると嬉しいです(^^)
Posted by Rach at 2014年11月04日 14:39
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