2008年07月07日

黙ってて!と口に指を当てる フレンズ3-14その4

[Scene: Central Perk, the gang's putting their coats on to leave.]
セントラルパーク。フレンズたちは外に出るために、コートを着ているところ。
フィービー: Where's Chandler? (チャンドラーはどこ?)
ジョーイ: Ah, he can't make it. He said he had to go back to his job and... (sees Ginger) Whoa-oh! (hides behind the coat rack.) (あぁ、彼は行けないよ。チャンドラーは、仕事に戻らないといけないって言ってたし… [ジンジャーを見て] わぁっ! [コート掛け[コートラック]の後ろに隠れる])
ジンジャー: Joey? Joey Tribbiani? (ジョーイ? ジョーイ・トリビアーニ?)
(She walks over behind the coat rack, but Joey picks it up and moves it so that he's still behind it, and she can't see him.)
ジンジャーはコート掛けの後ろまで歩いてくる。が、ジョーイはコート掛けを持ち上げて動かす。そのため、ジョーイは依然としてコート掛けの後ろにいて、ジンジャーは彼を見ることができない。)
ジンジャー: Joey, I can see you, okay? You're hiding behind the coats. (ジョーイ。私にはあなたが見えてるわよ、いい? あなたはコートの後ろに隠れてるわね。)
(Joey puts his finger over his mouth to tell Ross to keep quiet. Ginger looks at Monica who looks away and leaves.)
ジョーイはロスに黙っててと言うために、口に指を当てる。ジンジャーは、視線をそらすモニカを見てから、立ち去る。)
ジョーイ: Phew, close one. (ふー、危ないところだった。)

ジョーイはジンジャーを見つけて驚いています。
このシーンでは、なぜジンジャーから逃げているかについての理由は語られないままなのですが、ジョーイはプレイボーイなので、女性から逃げなきゃいけないことはいろいろあるだろう、とフレンズたちも思っているようです(笑)。
ジンジャーから見えないように、コート掛けを持ち上げて、その後ろに隠れながら逃げています。

Joey puts his finger over his mouth to tell Ross to keep quiet. について。
「シーッ、お願い、(俺がここにいること)黙ってて!」という時の表現は、こういうト書きになるんですね。
put his finger on his mouth じゃなくて、over his mouth なのが、なるほどな、という感じです。
口の上、というより、上唇と下唇の上をまたいで、という感じなので、over がふさわしい、ということですね。

ネットスクリプトには、Ginger looks at Monica who looks away and leave. と書いてあるのですが、最後の leave は leaves となるはずですね。(上では訂正してあります。細かい話ですみません。)
このト書きだけでは、leave という行為の主語がジンジャーなのかモニカなのかよくわかりませんが、実際の画面を見ると、立ち去ったのはジンジャーです。
Ginger と Monica の部分、どちらかが複数形であれば、leave の主語はその複数形だとわかるのですが、今回はどちらも単数形(一人の人物名)なので、いずれにしても「3単現」の -s が必要になります。

look away は「横を向く、視線をそらす、目をそらす」という感じ。
子供のかくれんぼのようにバレバレの隠れ方をしているのにあきれて、「全くあなたの友達は…」みたいな感じで、ジンジャーはモニカを見たのですが、「他人のふりしとこう」みたいに、視線をそらしたのですね。

close one の one は何かしらの名詞を指す代名詞ですね。
ですからその名詞のニュアンスを出そうとすると、「きわどい”やつ”だった、あぶない”ところ”だった」みたいな感じでしょうか。
close の発音は「クロウス」で、「近い、接近した」という意味の形容詞です。
そこから「きわどい、かろうじて、やっとの」という意味にもなります。
close shave, close call, close thing などだと「危機一髪」という意味になるそうです。
また、正解などに対して「近い、惜しい」という意味もありますね。

ここでは「ふー、危なかったぁ。もう少しで見つかっちゃうところだった。」という意味の「きわどい」感じになります。
明らかに「見つかってしまった」のに、さも上手く隠れて難を逃れたかのように言っているのがジョーイらしいですね。


(Rach からのお願い)
このブログを応援して下さる方は、下のランキングサイトをクリックして下さい。
人気ブログランキング
にほんブログ村 英語ブログ
皆様の応援クリックが、とても励みになり、ブログを続ける大きな原動力となっています。心より感謝いたします♪
posted by Rach at 16:40| Comment(5) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ブログ3年目突入敬意と感謝の気持ちで今日も読ませてもらいました。
高橋尚子が金メダルを取ったのはもう、8年前ですね時間は速いです。Rachさんのブログもシリーズ10まで行くと思いますね。その頃には四子がいたりして、お祝いコメントをずらして書くのはシャイだからではなく、直後は多くのコメントで返事が大変だろうという思いからです。
意志の動作動詞を進行形にして、特にalwaysなどがつくと非難を表すことが多いのですが、面と向かって、すなわちYouを主語にして相手に直接、意志の動作動詞を進行形で言う場合その動作をやめてと言う意味を含んでいると思います。
You're hiding behind the coats? は単に状況をのべてるのではなく、(隠れてないで出てきなさい)という含意あると思われます。
You are hurting me!痛いからやめて。
You're barking up the wrong tree.(決まり文句で)お門違いだよ
You are kidding me!冗談やめて
You're freaking me out. 気持ち悪いこと言わないで。
Posted by catch at 2008年07月08日 00:29
ちょっと失礼させていただいてもいいですか。

"Ginger looks at Monica who looks away and leaves."って微妙なところですね。実は、誰が立ち去ったのか理解するには、読点が必要なんです。

"Ginger looks at Monica, who looks away and leaves."だと、立ち去ったのはモニカです。(ジンジャーは、視線をそらして立ち去るモニカを見る、という感じです。)

"Ginger looks at Monica, who looks away, and leaves."だと、モニカはただ目をそらしたことで、立ち去ったのはジンジーです。(上に書いてある通り、ジンジャーは、視線をそらすモニカを見てから、立ち去る。)

例文をあけましょう。
Sally turned to Wendy, who screamed[,] and fainted.
その「読点」があったほうは、
「サリーは、叫び出すウェンディに向かって気絶する」です。
「読点」がないほうは、
「サリーは、叫び出して気絶するウェンディに向かう」です。

テクニカル的にはよく説明できないものですが、上の例をご覧になればある程度わかるでしょう。正しい英文で前半の読点は必ず入ってきますが、後半の読点は必要なのかどうか、上の例文のように文脈によって違います。使うべき時に使わないと、ト書きのように分かりにくくなってしまうんです。

英語の句読法って難しいですね。実は、こういった点ならば多くのアメリカ人もよく理解してないと思いますよ。

じゃ、こういういまいちで日本語力不足の説明で、参考になれたかどうかわかりませんが、こういったことです。〈汗〉
Posted by ジョン at 2008年07月08日 11:43
catchさんへ
ブログ3年目突入へのメッセージ、ありがとうございます。
そうなんですか…てっきりシャイだからだと思っていました(笑)。いろいろとお気遣いありがとうございます。
隔日更新にして、さらにスピードが落ちると思うのですが、このブログを読んで下さる方がおられる限りは、ライフワークとして続けて行こうと思っています。

「always+進行形」が非難を表す、というのはよくありますね。She's always complaining. 「彼女はいつも愚痴ばかり言っている。」など。
それに対して、「面と向かって、すなわちYouを主語にして相手に直接、意志の動作動詞を進行形で言う場合」のニュアンスは、「その動作をやめてと言う意味を含んでいる」とのお話、言われてみれば納得です。今までそういう視点で考えたことがありませんでしたが、確かにそうですね。

その行為をやっている本人に対して、相手が今やっていることの「状況を述べる」のは無意味ですよね。だから、あえて進行形でそれを言葉として発しているのは、「あなたは今何をしているかわかってる? あなたは今、コートの後ろに隠れているのよ、そんなばかばかしいことやめなさい。」みたいな感じなのですね?
相手が今まさにしている行為を口に出して言うことで、その行為について考えてみなさい、みたいに促している感じでしょうか?

「君は僕を痛めつけてるよ。」→「痛いからやめて。」のような流れですね。
bark up the wrong tree というイディオムは「間違った木に吠える」→「見当違いをする」なんですね。

その You're ...ing のニュアンスのお話は大変勉強になりました。これからはそういう視点で見てみることにします。参考になるご意見ありがとうございました!


ジョンさんへ
>ちょっと失礼させていただいてもいいですか。
ご丁寧な始めのご挨拶、誠にありがとうございます。

そうですね、読点(カンマ)が大事ですよね。ネットスクリプトでは概してカンマが省略される傾向にあるようです。また、本来ピリオドで文が終わるところでも、カンマで区切って、だらだらとセリフが続いているように書かれていることもよくあります。
自然な会話だと、話している人たちも考えながらしゃべっているので、それをリアルにディクテーションすると、確かにピリオドを付けにくい文章になってしまうようですが。
でも、必要な場所に読点がないと、意味が不明瞭になってしまいますね。ト書き部分は、テレビでそのシーンを見ていることを前提で書いているので、余計にカンマなどがあいまいになっているのでしょうか?

ジョンさんが示して下さったように、who の前にカンマを入れると、どこからどこまでの部分がモニカにかかっているか(who looks away and leaves か、who looks away だけか)が明白になり、意味がはっきりしますね。

実際のシーンを見てみると、「ジンジャーがモニカを見た、モニカはそこから視線を外した、そしてジンジャーは立ち去った。」という感じです。ですから、主語を明白にして書くと、
Ginger looks at Monica, and (then) Monica looks away, and (then) Ginger leaves.
ということになるでしょうか?
その ", and Monica looks away" の部分を、「関係代名詞の非制限用法」を使って、", who looks away" と表記すべきだ、ということですね。

ジョンさんの日本語でのご説明、大変わかりやすかったです。日本語で英語のことを説明できる、というのは素晴らしいです!
私が上に書いたことは、表現が稚拙でわかりにくいかもしれません。こちらこそ、もし不明瞭な点がありましたらごめんなさい。
Posted by Rach at 2008年07月12日 08:27
Rachさんが言ったとおり、「Ginger looks at Monica, and (then) Monica looks away, and (then) Ginger leaves.」になるんですね。

Rachさんの表現は稚拙なんてではなかったですよ。ただネイティブの人からもなんか説明が出ると役に立つかもしれないと思ったんです。いまいちの日本語が何とか通じたようで、嬉しいです。〈汗〉
Posted by ジョン at 2008年07月14日 03:43
ジョンさんへ
お返事ありがとうございます! "..., and (then) ..." と書き換えた文のとおりになる、と言っていただけて嬉しいです。

ネイティブの方に説明していただけるのは本当にありがたいですし、助かります。心より感謝しております。

ジョンさんのことをいつもすごいなぁ〜!と思うのは、日本人読者でも読むのをためらうほどの(笑)私の長い解説をきちんと読んで、またきっちり内容を掴んで下さっている、ということです。
「いまいちの日本語」だなんてとんでもないですよ。知らない人が見たら、ジョンさんが「日本語を勉強中の英語ネイティブスピーカーの方」だなんて気付かないと思います。それくらい、ジョンさんの日本語は堪能です。私もジョンさんを見習いたいです。
これからもまた有益なアドバイスをいただけると光栄です。よろしくお願いいたします!
Posted by Rach at 2008年07月14日 10:31
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。