[Scene: Ross's bedroom, Rachel getting into bed while Ross is reading and laughs.]
ロスのベッドルーム。レイチェルはベッドに入ろうとしている、その時、ロスは本を読んでいて、笑う。
レイチェル: Funny book? (面白い本なの?)
ロス: Hmmm. Oh, no, no, I'm just thinking about something funny I heard today. Umm, Mark, Mark saying, "I'll see you Saturday." (うーん。違う違う。僕はただ今日聞いた面白いことについて考えているところなんだよ。マーク、マークが言っていた「土曜日に会おう」ってこと。)
レイチェル: Yeah, at the lecture. I told you that last week. You said you didn't mind. (そう、レクチャー[講義、講演]でね。そのことは先週あなたに話したわよ。あなたは構わないって言ってたわ。)
ロス: Oh, no, no, no, it's-it's not the lecture ah, I mind, umm.... (あぁ、違う違う。講演会のことじゃないよ。僕が気にしてるのは…)
レイチェル: Oh, please tell me it's not because I’m going with Mark. (あぁ、お願いだから、「私がマークと一緒に行くからじゃない」って言って。)
ロス: Oh, well... (あぁ、うーんと…)
レイチェル: Oh my God! Ross! (なんてこと! ロス!)
フレンズ3-14その5 で、マークが職場を変わると聞いて大喜びのロスでしたが、別れ際にマークが「土曜日に会おう。」と言っていました。
ロスは今、その話題を持ち出しています。
レイチェルは、at the lecture と言っていますね。
the という定冠詞がついているのは、「ロスも当然知っているはずの例のレクチャーよ。前に話したレクチャーのことよ。」というニュアンスでしょう。
It's not because A but because B というのはよく使われるフレーズですね。
Aだからではなく、Bだからだ。という理由を述べる文です。
この場合は、「僕が気にしてるのは、君がマークと一緒に行くから、という理由ではなくて…」とロスに答えて欲しい、ということです。
「土曜日にマークと一緒に講演会に行く」ということに不満そうなロス、そこで「講演会が問題なんじゃない」と言っているわけですから、気になっている理由はただ1つ、「マークと一緒に出かけること」なのは、疑う余地がありません。
またマークの話を持ち出されそうになったレイチェルは予防線を張って、「まさか、またマークのことでひっかかる、とか言うんじゃないでしょうね、お願いだからそれだけは言わないで。マークのことは理由じゃない、って言って!」と懇願しているわけです。
それに対して言葉を濁しているので、やっぱり理由はそれなのね!と言う感じで、レイチェルは、Oh my God! と言っています。
ロス: Well, I'm sorry, but ah, look, if you're not working with him anymore, why do you have to still do stuff with him? (あぁ、ごめんよ。でも、ねぇ、もし君が彼ともう一緒に働いていないのなら、どうして君はまだ彼とそういうことをしないといけないわけ?)
レイチェル: Because, he's my friend. (だって、彼は私の友達だもの。)
ロス: Okay, but do you really need another "friend"? I mean... (わかったよ。でも、君は本当にもう1人別の「友達」が欲しいの? つまり…)
レイチェル: Okay, well if I stop playing with Joey and Chandler, can I play with Mark? (じゃあ、そうね、もし私がジョーイやチャンドラーと遊ぶのをやめたら、マークと遊んでもいい?)
ロス: Is that funny? Am I supposed to be laughing? (それって面白いの? 僕は(今ここで)笑うことになってるの?[ここは僕が笑うべきところ?])
レイチェル: I don't know. You thought "See you Saturday" was funny. Look, honey, Mark is in fashion, okay? I like having a friend that I can share this stuff with. You guys would never want to go to a lecture with me. (さあね。あなたは「土曜日に会おう」が面白いって思ったんでしょ。ねぇ、ハニー。マークはファッション業界の人よ、そうでしょ? こういう(ファッション関係の)ことをシェアできる友達を持つのって素敵なの。あなたたちは、私と一緒に講演会に行きたいと思ったことなんてないでしょ。)
ロス: Pa-haa!! I would love to go with you. (プハー! 僕は(ぜひ)君と一緒に行きたいと思ってるよ。)
レイチェル: Really? (ほんとに?)
ロス: Yeah, hey I-I have clothes. I even pick them out. I mean for, for all you know, I could be a fashion..... monger. (そうだよ。ねぇ、僕も服を持ってる。服を選ぶことだってする。つまり、ことによると、僕だって、ファッション・マンガー[ファッション屋]になることは可能なんだ。)
レイチェル: Okay. Honey, I would love for you to go with me. (Ross has a worried look on his face) What? (わかったわ、ハニー。あなたに私と一緒に来て欲しいわ。[ロスは心配気な表情を浮かべる] 何?)
ロス: What should I wear? Now I'm all nervous.
(何を着ていけばいいかな? 今、すっかりナーバスになってるんだ。)
do stuff というのは、漠然とした表現で、「ものごとをする」みたいな感じでしょうか。
今回みたいに、講演会に行くとか、そういうことをする、ということを、そう表現しているわけです。
子供のように「遊ぶ」 フレンズ3-7その34 で、play with という言葉は「子供の遊び」っぽいニュアンスがある、と書きました。
今回は、レイチェルはわざと、フレンズたちがよく使う hang out with ではなくて、play with を使っているようです。
friend という言葉を出したレイチェルに対して、do you really need another "friend"? とロスは言っています。
わざわざ another 「もう一人別の」と言っているのは、君にはもう男友達として、Joey や Chandler がいるだろ、と言いたいわけですね。
それを察したレイチェルは、限りなく子供のニュアンスに近い「遊び友達」のニュアンスを込めて、その二人と「遊ぶ」のをやめたら、他の「遊び友達」を作ってもいいでしょ?みたいに尋ねているようです。
まるで親が「新しいオトモダチを作らなくても、いまのオトモダチがいるじゃない。」と言ったのに対して、「じゃあ、ジョーイくんとチャンドラーくんと遊ぶのはやめる。今度はマークくんと遊ぶの。」と言っている子供のような雰囲気が漂っているような気もします。
Am I supposed to be laughing? について。
be supposed to... はフレンズによく登場するフレーズですが、「…することになっている、…することを予期(予想)されている」ということですね。
直訳すると、「僕は(今ここで)わははと笑うことになってるの?」みたいなことです。
冗談のつもりで言っているんだろうけど、笑えないね。僕を笑わせようとしてそういうことを言ってるの?、ここで僕は笑うところなのかな?、という感じです。
冗談めかして言っているようだけど、ちっとも笑えないよ、面白くもおかしくもないよ、と言いたいわけです。
ロスの「プハー」みたいな音が面白いです。
「なんだってぇ?、ご冗談でしょう」みたいな感じ。
I would love to go with you. について。
フレンズ3-10その22 で、レイチェルが、"I would love that!" と言っていました。
そのコメント欄で、「I would love that. は相手の申し出や誘いに、喜んで、とか、ぜひに、とかいう気持ちが出ている」というご意見をいただいたのですが、今回のロスのセリフもそういうニュアンスですね。
monger は複合語を作って、「…商人、…屋」という意味になります。
ironmonger だと「金物屋」、fishmonger だと「魚屋」。
日本語でも、その職業についている場合に、「私は経理屋です」「事務屋ですから」みたいに言ったりしますが、そういう感覚と似ているのでしょうか?
えらそうに、fashoinmonger にだってなれるさ、と言っておきながら、何を着て行っていいかわからない、とオロオロし始めるロス。
マークと行くのを阻止するために、ファッションに興味があるかのように言っていただけ、というのがよくわかりますね。
(Rach からの嬉しいお知らせ)
幻冬舎「英語ベストセラー本の研究」の晴山陽一さんのホームページ、
晴山陽一オフィシャルサイト の INFO で、
2008.7.20 『英語ベストセラー本の研究』が多くのブログで取り上げられています (付録『知的生産のためのすごい!仕事術』の反響)
という記事を書かれています。
そこで、多くのブログへのリンクをはっておられるのですが、私が「英語ベストセラー本の研究」について書いた記事へのリンクを「一番最初」(!)に挙げて下さっています。
有名な書評ブログもある中で、私の記事を筆頭に挙げて下さったこと、光栄で嬉しいです!
晴山さん、いつもありがとうございます!!
このように多くのブログで取り上げられていることからもわかるように、本当に面白い本なので、まだ読んでおられない方は是非!
(Rach からのお願い)
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子どもじみたロスの言動に子供じみた理由で応えてるともとれますね。ただ私は大人同士が使うplay withにはプレーするという意味が最初に来るので違う解釈になりました。ロスはレイチェルとマークの男女の関係になるのを心配してるわけですね。だからロスにたいして強烈なジョークを言って、非難してます。ジョークとはいえそれを聞いたロスは、たじたじになるのですが,そのジョークが"レイチェル: Okay, well if I stop playing with Joey and Chandler, can I play with Mark?"で子供じみた言い方ではなくてジョーイとチャンドラーとプレー(SEX)するのをやめたら、マークとしてもいいの?と頭にきてるレイチェルは刺激的なことを言ってロスをあたふたさせてるように思えました。
貴重なご意見ありがとうございます。私は「子供じみた理由」だと思ったのですが、catchさんは「アダルトな関係を示唆したジョーク」だと捉えた、ということですね?
play around with という形になると、特にそういう「異性との性的関係」を示唆した言葉になりますよね。そういうニュアンスで play with を使った、ということでしょうか。
考えてみると、ロスはわざわざ、friend という言葉を使っていますが、本当は、boyfriend (彼氏、恋人)というニュアンスで言っているんでしょうね? レイチェルは本当に「マークはファッション業界の貴重な友人」だと思っているのに、そこにケチをつけられたので、「あなたが、friend だと言いながらその実、男女の関係になるのを心配してるんだったら、ジョーイやチャンドラーとはそういうこと(エッチなこと)するのはやめるわね。」みたいに言い返した、ということになるのでしょうか?
もう一度、英語のみでDVDを何度か見返してみたのですが、実はどちらの解釈が良いのかよくわかりません。あまり深読みをせずに見ると(笑)、「もう友達はたくさんいるのに」と言われて、自分の友達くらい自分で選ぶわ、誰と友達になるかまで彼氏に決められたくない、という気持ちから、「友達を増やしすぎないように、ジョーイとチャンドラーを減らす」と言い返した、という感じに私は受け止めました。
恋人同士の辛辣なジョークということであれば、catchさんの解釈も「なるほど!」と思えます。
いつもご意見ありがとうございます!
晴山さんのHPのおすすめ本に、伊藤サムさんの本を加えて下さったとのこと、その本を拙著でおすすめしていた私としては、本当に光栄で嬉しいです。ありがとうございます!
貴HPでのご説明にも、
「前項の『シットコムで笑え!』の中で第一に推薦されているのがこの本。さっそく購入して読みましたが、たしかに本当に素晴らしい本です。」
と書いて下さっていますね。ありがとうございます。
週刊STのコラム「これであなたも英文記者」で、伊藤サムさんから多くのことを学ばせていただきました。その私が自分の本でおすすめとして挙げさせていただき、それを読んで晴山さんが購入して下さった、ということは、本当に素晴らしいことだと思います。
今日発売の、AERA English 9月号(表紙はミーシャ・バートン)、早速、近所の本屋さんで買ってきました。「晴山さんの単語バテ処方箋」、楽しく読ませていただきました。「記憶のトリッガー、引き金」は私もよく利用します。私はガチンコ派ではなく、ながら派、で、実際に使われたセリフなどと絡めて覚えないと覚えられないタイプです。私ももう少し語彙を増やして行きたいと思っているので、大いに参考にさせていただきます。いつも英語学習者に有用な情報をありがとうございます!
Oxford Advanced American Dictionaryによるとfunnyのおおまかな意味として1amazing 2strange 3suspicious/illegalがあげられています。
最初の
レイチェル: Funny book?
についてはamazingの意味で言っている。
しかしロスの思い出し笑いの本当の原因はマークがレイチェルの職場を去ったからだった。でもそれをそのまま素直に答えず気にかかっているマークが言っていた「土曜日に会おう」がfunnyだねと答えた。ロスの意図はstrangeあるいはsuspiciousの意味のfunnyだった。レイチェルもこの意味でロスのfunnyを受け取っている。
次のロスのIs that funny? Am I supposed to be laughing? のfunny(amazing)は雲行きが怪しくなってきたふたりの話を和らげようと思わず言ってしまった。
最後のレイチェル: I don't know. You thought "See you Saturday" was funny.でのfunnyは茶化されたことに皮肉をこめて1amazing 2strange 3suspicious/illegalを全部含んだ言葉として言っている、ロスはそれを感じ取って余計なことを言ってしまったかなと思っている。
英語のfunnyは日本語の《おかしい》という言葉に偶然意味内容も似ていますね。
funny についての考察、ありがとうございます。
おっしゃるように、このやり取りでは、funny という言葉が何回も登場していますね。それぞれの funny にそれぞれのニュアンスがある、というお話、興味深いです。
最初にレイチェルが言った funny は amazing という感覚ですね。
ロスが笑っているから、funny book なの? と尋ねたわけで、普通の会話、世間話的な感覚で使っているんですよね。
funny という言葉をレイチェルが使ったので、ロスもその後、funny を使っていますが、おっしゃるように、「ちょっとそれっておかしいんじゃないか、変なんじゃないか」的な意味で funny を使っているようです。funny は funny でも、別の意味の funny だけど、みたいな感じですよね。
「笑うべきところ?」の funny はまさに「笑える面白さ」の funny ですね。それに対してレイチェルは、あなただって funny だと言ったくせに、みたいに「皮肉をこめて」返しているというのは、まさにその通りだと思います。その最後の funny はいろんなニュアンスを全部ひっくるめてのもの、というお話もなるほどなと思いました。
日本語の「おかしい」も、「面白い」というポジティブな意味と、「変な」というネガティブな意味とがありますね。ここのやり取りも、文脈でいろんな意味に取れる funny を使うことで、お互いの探り合いみたいな会話をさらに面白くするという効果があるのでしょうね。
興味深いご意見、ありがとうございました。