[Scene: Monica and Rachel's, Phoebe is looking at her beeper still in the pot. She takes it out, shakes it, and puts it back in.]
モニカとレイチェルの部屋。フィービーはまだ、鍋に入っているポケベルを見ている。フィービーはそれを取り出して、振って、鍋の中に戻す。
モニカ: Y'know, they say "A watched pot never beeps." (ねぇ、よく言うでしょ[ことわざにあるでしょ]。「見ている鍋はビープ音を鳴らさない[鍋をじっと見ていても、ビープ音は鳴らない]。」って。)
フィービー: Y'know, it's just been a couple of hours, and she hasn't called. Not that I even care. I don't. (2、3時間経ったけど、彼女は電話して来ないわ。気にしてるってことじゃないのよ。気にしてないわよ。)
モニカ: Phoebe, why don't you just call her? You obviously want to. (フィービー。ただ彼女に電話したらどう? あなたは明らかに電話したいと思ってるわよ。)
フィービー: You think you know me so well. (私のことよくわかってると思ってるのね。)
モニカ: Well, don't you wanna? (それじゃ、電話したくないの?)
フィービー: Yeah. (電話したいわよ。)
モニカ: Okay, so I do know you. (ほら。だから私はあなたをよくわかってるのよ。)
フィービー: That's what I said. (それは私が言ったことよ。)
モニカ: Well, so? (そうね、それで?)
モニカが言っている、"A watched pot never beeps." は、A watched pot never boils. ということわざをもじったものです。
研究社 新英和中辞典には、以下のように説明されています。
A watched pot never boils. (諺(ことわざ)) 待つ身は長い(あせってはだめ)。
直訳すると「じーっと見つめられている鍋は決して沸騰しない。」となるでしょうか?
鍋でお湯を沸かしている時に、鍋をじーっと見つめてしまうけど、そんなことをしたって早く沸くわけじゃない、観察していても無駄だ、みたいな意味ですね。
フレンズ2-24その28 にもこのことわざに関係したセリフが出てきました。
フィービー: Chandler, you gotta stop staring at the door. It's like a watched pot. You know, if you keep looking at it, then the door is never gonna boil. I think what you have to do is try not to... (チャンドラー、ドアを見つめるのをやめなさい[やめなくちゃ]。「見られてる鍋」みたいなものよ。ほら、それをじっと見てたって、ドアは沸騰しないんだから。あなたがすべきことは、(ドアを見)ないようにすることで…)
この 2-24 のセリフは、そのボケ加減がとてもフィービーっぽいです。(意味がよくわからない方は、上の過去記事をご覧下さい。)
they say は「人々が言う」という感じで、そういう「ことわざ、言い伝え」が存在する、よくそういうことがちまたで一般に言われる、ということです。
今回のモニカのセリフは、その鍋のことわざをもじって、「じっと見てたって、ポケベルが鳴るわけじゃないのよ。」、つまり「そんなに気になるのなら自分から電話したら?」と暗に促しているわけです。
ちょうどポケベルを鍋の中に入れているので、その鍋のことわざが使える、という脚本の妙にもご注目下さい。
You think you know me so well. について。
普通、このセリフを言う場合は、「私のことをわかってるように思ってるようだけど、ほんとはわかってないわ。わかったようなことを言わないで。」というニュアンスになるでしょうね。
そんなこと言うってことは、電話したくない、とでも言うの?とモニカが尋ねると、フィービーは、Yeah、つまり、Yes と答えています。
これは過去記事でも何度か触れていますが、電話したくない場合は、No, I don't wanna. になりますし、実は電話したい場合は、Yes, I wanna (call her). となりますね。
ですから、この Yeah は「電話したい。」という意味です。
ほら、やっぱり電話したいんじゃない、私の言った通り、私はあなたのことをよーくわかってるのよ…と自慢げに話すモニカですが、「それは私が言ったことだ」とフィービーは返しています。
あなたが私のことをわかっているのは、私もわかってるわよ、さっき私はそう言ったでしょ?と。
フィービーが「あなたは私のことをわかってるように思ってる」と言ったことを指しています。
このやり取り、ややこしいですが、整理してみますと、
フィービーの "You think you know me so well." は、「モニカは私のこと知らないくせに」みたいなニュアンスに聞こえるけれど、実際の言葉としては「あなたは私のことを知ってると思ってる」と言ったわけで、そういう意味では「モニカが私(フィービー)のことをよく知ってる、わかってる」ってことは、私がその前にすでに言ったことだから、モニカが勝ち誇るようなことじゃない、という感じです。
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この前後のやりとり、Rachさんの解説、さすがにわかりやすいです。
(ややこしい、とおっしゃってますが、ややこしいことがスッキリ!
フィービーも負けずぎらいだ。)
久しぶりに書き込みさせていただきました。romってました。
とことわって、またまた「私の愛情の対象」です! ナントカのひとつ覚え。
ポール・ラッド扮するジョージのところに、かってのゲイ相手のジョリーから電話でお誘い。
横にいた「ルームメイト」のニーナ(ジェニファー・アニストン)が焼いて!?
ニーナ「行くの?」
ジョージ「わからない」
ニーナ「わからないってのは、行きたいってことでしょ」
ここでジョージが、
I hate you know me so well.
「まいったな。お見通しだな。」って感じでしょうかね。
ここでのジョージは素直にニーナはよくわかってると認めて、「行きたい」と告白してるんですね。
フィービーのはちょっと複雑ですね。
一度「アンタはわかってない」という意味で逆説的に
You think you know me so well.
と言ってから、自分に都合が悪くなると、
だからあたしはyou know me so well. と言ったじゃない。と開き直り。
Rachさん解説の通りでした。わざわざ焼き直すことはなかったんですが、
you know me so well が目について思わず長々書き込みでしたm(_ _)m
久しぶりのコメントありがとうございます! ブログを読んで下さっていたとのこと、嬉しいです。
私のややこしい説明を理解して下さりありがとうございます。そうなんですよ、フィービーのセリフは「負けずぎらい」な部分が出ていて、「私も確かにそう言ったわよ。」と開き直っているんですよね。
「私の愛情の対象」の I hate you know me so well. はまさに「まいったな。お見通しだな。」のニュアンスですね。相手に何でもかんでもわかってるように言われてしまうと、こう言うしかないですよねぇ。
今回のセリフとの比較で、I hate... のセリフを見ると、それぞれのニュアンスがよくわかります。良い例を挙げていただいて、感謝です!
フレンズは、テレビでやっているのを何度か見たことがある程度ですが、フィービーの"That's what I said."は、まさにフィービーらしくて、読んでいるだけでも、笑ってしまいました。
コメントありがとうございます。
フレンズのキャラクターを知っている人なら、このフィービーのセリフの「フィービーらしさ、フィービーっぽさ」がわかっていただけますよね? 「この人らしいセリフ」というのがわかってくると、ますますドラマでの英語学習が楽しくなるし、ニュアンスも掴みやすくなると思います。