2008年07月30日

キャンペーンに最適のCMソング フレンズ3-14その13

[Scene: The lecture, Rachel is listening closely, Ross is bored out of his mind.]
講演会。レイチェルは真剣に聞いている。ロスは心の底から飽き飽きしている。
講演者: We're beginning to see a lot of layering of sheer fabrics and colors. For instance, a sheer navy blouse over a pink.... (これから薄手の生地や色の重ね着をたくさん見ていきます。例えば、ピンクの上に薄手のネイビー(ブルー)のブラウスを…)
ロス: (to Rachel) I'm really glad we came. (Rachel smiles and rubs his arm) You're so pretty. I love you. ([レイチェルに] 僕たちが(二人で)来たこと、ものすごく嬉しいよ。[レイチェルは微笑んで彼の腕をさする] 君はとっても可愛いよ。愛してる。)
レイチェル: Oh. (puts her hand over his mouth) (えぇ。[自分の手を彼の口の上にかぶせる])

be bored out of one's mind は「心の底から飽き飽きする、うんざりする」。
out of one's mind と、日本語の「心の底から」という感覚はよく似ていますね。

sheer は「全くの」という意味でよく使われますが、今回は「(布や服が)薄手の生地の、透き通るような」という意味です。

layer は名詞だと「層、積み、重ね」。
動詞だと「…を層にする」、また「(衣服を)重ね着する」という意味にもなります。
服を何層にも重ねる感覚ですね。
ですから、上のセリフの layering は「重ね着(すること)、生地を重ねること」という意味になります。
navy は「海軍」ですが、ここでは navy = nave blue 「ネイビーブルー、濃紺」ですね。

レイチェルは、「えぇ、あなたの気持ちはわかってるわ、ありがと」という感じで腕をさすっています。
今は講義に集中しているので声を出してありがとうと言いたくないからそうやっているのですが、ロスはまだしゃべり続けます。
そこで、ロスの口を手で覆うのですね。

黙ってて!と口に指を当てる フレンズ3-14その4 では、
Joey puts his finger over his mouth to tell Ross to keep quiet. ジョーイはロスに黙っててと言うために、口に指を当てる。
というト書きがありました。
この時は、人差し指だから「シーッ!」という感じになり、今回は hand つまり、手、手のひら全体で口の上を覆っているので、「(あなた)黙ってて」という感じになるのですね。


[Scene: Central Perk, Phoebe is teaching Leslie how to sing Smelly Cat.]
セントラルパーク。フィービーはレスリーにスメリーキャットの歌い方を教えている。
フィービー: (singing)
Smelly cat, smelly cat
What are they feeding you?
Smelly cat, smelly cat
It's not your fault

♪スメリーキャット(くさい猫)、スメリーキャット
飼い主はあなたにどんなエサを与えてるの?
スメリーキャット、スメリーキャット
あなたのせいじゃない♪
レスリー: Wow, that's great. (わぁ、その曲、素敵。)
フィービー: Oh, yeah! (えぇ、そうでしょ!)
レスリー: Y'know, you could totally sell this. It'd be perfect for, like, umm, a kitty-litter campaign. (ねぇ、これ絶対に売れるわよ。ほら、子猫のトイレの砂を売り出すのに完璧だわ。)
フィービー: A..., a jingle? No, no-no-no, no. (ジングル[CMソング]? だめだめだめだめ。)
レスリー: What? Why not? You'd make a ton of money. (何? どうしてだめなの?[いいじゃない]。ものすごくお金が儲かるわよ。)
フィービー: Okay, well, if I was in this for the money, I'd be a millionaire by now, y'know. You just gotta get out of that jingle-head, sweetie. (いいわ。ねぇ、もし私がお金のためにこういうことをやってたら、今頃は大金持ち[大富豪]になっているでしょうね。あなたはそういう「ジングル頭」から抜け出さないといけないわ、スィーティ。)
レスリー: Aw, you're right, you're right. I'm sorry. (あー、あなたは正しい、正しいわ。ごめんなさい。)
フィービー: That's okay. All right, I'm gonna play a song now that's really, really sad. It's called "Magician Box Mix-Up." (she turns her guitar upside down to play it.) (いいのよ。よし、今から本当に本当に悲しい歌を演奏するわよ。そのタイトルは「マジシャンの箱の取り違え」よ。[フィービーはそれを演奏するために、自分のギターを上下逆にする])

スメリーキャットを聞いてレスリーが That's great. と言っているので、レスリーは初めてこの曲を聴いたようですね。
以前の記事で、Sticky Shoes と Smelly Cat の曲調が似ていると書きましたが、どうやら Smelly Cat は、レスリーとコンビを解消した後に、フィービーが一人で作ったようです。

フィービーは目をキラキラさせて嬉しそうに、Oh, yeah! と言っています。
Oh, yeah! の語尾は上がり調子で発音しています。(そういう意味では、Oh, yeah? と書くべきなのか…?)
グレイトだと褒められたので、「そうでしょ? そう思うでしょ?」みたいに相手に同意を求めている感じです。
モニカなら、ここで、I know! 「そうなのよ!」と叫ぶでしょうか?(笑)。

litter は「猫のトイレ用の砂」。
ロングマン現代英英辞典では、
litter [noun]: FOR CAT'S TOILET
[uncountable] small grains of a dry substance that is put in a container that a cat uses as a toilet indoors

つまり、「入れ物(箱)に入れて、猫が屋内のトイレとして使う、乾燥した物質の小さな複数の粒」。

campaign はキャンペーンと日本語になっています。
上のセリフの意味は、そのカタカナ英語のキャンペーン(「ただいまキャンペーン中!」など)に近いニュアンスですね。
「販売促進などを目的とした活動」という意味です。

また、英語のニュースで campaign という単語が出てくる場合、選挙の話題だと、「選挙運動、遊説」、戦争の話題だと、「軍事作戦、軍事行動」という意味で使われますね。

レスリーは、「その歌、ネコのトイレ砂の売り出し・販促に使えるわよ」と言っているのです。
「そんな Smelly Cat でも、このトイレの砂なら、もう臭いが気になりません!」みたいなコピーでも付くんでしょうか?(笑)

millionaire は、「クイズ$ミリオネア」という番組があったので、日本人にもおなじみですね。

レスリーの、「ジングルにしたら売れる、儲かる」とすぐに考えてしまう思考回路のことを、フィービーは、jingle-head と呼んでいます。
日本語でも「○○頭」と表現すると、「そのことしか考えていない」感じが出ますよね。
日本人にもわかりやすいニュアンスだと思います。

「この歌をジングルにしたらお金が儲かる」と言われて、フィービーは、Okay, well, if I was in this for the money, I'd be a millionaire by now... と答えています。
この okay は、レスリーの発言を押しとどめながら、「私が今から言うことを落ち着いて聞いてね。」と言っているような感じでしょうか。
「儲かる、儲かる」としつこいので、「儲かることくらい、私にもわかってるわ。私は別に、お金を儲けたくて歌を作ってるわけじゃないから。」みたいな気持ちを説明するために、ワンクッション置いている感じかな、と。

mix up は句動詞だと「まぜこぜにする」「混同する、取り違える」という意味。
ここでは、歌のタイトルとして、mix-up とハイフンで繋がれているので、名詞でしょうか。
英辞郎にも、
mix-up=(名詞)混乱、混同、取り違え、ゴタゴタ、思いこみ
という名詞の意味が載っています。

ですから、次の曲のタイトル "Magician Box Mix-Up" は「マジシャンの箱の取り違え」という意味なのだろう、と。
ウサギを出すはずが、ハトが出たとか?
人体を切り離したり、剣で突き刺したりする手品で、タネの違う箱を使ってしまって、間違って本当に中の人を傷つけてしまった…とか、そういう感じのことでしょうか??
ト書きにもあるように、何故かフィービーはギターを反対に持ち変えています。
意味があるのかないのかよくわからないこの言動が、またフィービーらしい、ということでしょうか?
箱の取り違え、というタイトルと、ギターを逆に持つという「ギターの持ち違え」(?)をかけている、のかなぁ?(よくわかりません)


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posted by Rach at 12:21| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。

2ヶ月ほど前に、Rachさんの本をamazonで購入させていただきました。あと一緒にフレンズのDVDの1と2シーズンも勢いで買いました。そしてただいま英語猛勉強中です。また非常に驚いていることがありまして、それはRachさんが私と同じく、京大生であったということ、ファーストガンダムが好きだということです。笑

近々TOEICを受ける予定なので結果が出たら報告させていただきます。こういうのは長期間継続して初めて良い結果が出るんでしょうけど、がんばります。
Posted by yama at 2008年07月31日 05:48
yamaさんへ
はじめまして。拙著を購入して下さったとのこと、本当にありがとうございます。嬉しいです!
さらには、フレンズのDVDも買って下さったのですね。私の学習法を試して下さってありがとうございます。

おっしゃる通り、英語学習というのは、ある程度継続して、初めて良い結果に結びつくものですね。特に、ドラマを使った学習法の場合は、TOEIC のような試験の点数にすぐに表れる、ということもない…のですが、「英語の底力」みたいなものが付くのかなぁ?みたいな気はしています。

こういうドラマで学ぶ学習法は、自分が実際に英語を使ってコミュニケーションする場合に、使えるフレーズがどんどん蓄積していく、というメリットがあります。それは多分、TOEIC向けに勉強しているよりも、実際に応用が利くものが多いかな、と思います。実際に使っている場面を目で見て知っているからこそ、自分も同じ状況で使えるように思うのですね。

同じ大学の出身であること、またファーストガンダムがお好きだということ(笑)、非常に親近感を感じます。ファーストがお好き、ということはもしかして同世代(私はアラフォー)かなぁ?(笑)

TOEIC、頑張って下さいね。やはり点数が上がると、自分の中で自信に繋がりますものね。ご健闘をお祈りしております。
Posted by Rach at 2008年08月01日 06:11
魔術師箱の取り違えという歌は「とってもとっても悲しい歌」といっているので、きっと人体切離で誰かが殺されたのでしょう。(笑)フィービーの歌詞ってグロイのがたくさんありますよね。きっと箱を刀で刺したら真っ赤な血が出てきて〜中の人は死んじゃった〜とかいう歌詞なんですよ。こわっ!(あくまでも想像ですが。)
Posted by テリトリー at 2008年08月07日 20:41
テリトリーさんへ
そうですね、「とってもとっても悲しい歌」と説明しているので、何かものすごい悲劇が起こってしまったことを示唆しているのですね。
だとすると、おっしゃるように、「人体切離で…」というテーマである可能性が高いですね。

フィービーの歌は、グロいというか、毒がありすぎというか、「死」をテーマにした歌が結構多いんですよね。今回のは、実際の歌詞を聞かずに済んで良かったのかもしれませんねぇ?
Posted by Rach at 2008年08月09日 09:44
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