ロス: Y'know what, a hundred million people went to see a movie about what I do. I wonder how many people would go see a movie called Jurassic Parka. (ねぇ、1億人の人が、僕がやっていること[僕の仕事]に関する映画を見に来たんだよ。ジュラシック・パーカという名前の映画を何人の人が見に来るんだろう、って僕は思うね。)
レイチェル: Oh, that is so... (まぁ、それ[今の発言]は、ものすごく…)
ロス: No-no-no, a bunch of out-of-control jackets take over an island! (Makes an unusual sound, then he realises that he still has his jacket on and quickly tries to shake it off, thinking it's alive and attacking him.) (いやいやいや。統制を失ったジャケットの大群が、一つの島を占拠するんだ! [奇妙な音を出して、それから、自分がまだジャケットを着ていることに気付き、ジャケットが生きていて、彼を攻撃しているように思って、すばやくそれを振り落とそうとする。])
what I do は「僕がすること」「僕が日頃やっていること」で、「僕の仕事、職業」みたいなことですね。
具体的には、「恐竜に関すること、古生物学」を指すでしょう。
恐竜が出てくる映画は大ヒットしただろ? 僕はそういう仕事をしてるんだよ、それをつまらないものみたいに言わないでよ、ということですね。
その後に、Jurassic Parka という名前を出しています。
これはご存知、Jurassic Park (ジュラシック・パーク)をもじったものですね。
ここで、その前にロスが言っていた、a movie about what I do とは、やはりジュラシック・パークのことだった、というのがわかるわけです。
parka とは「パーカー、パーカ、パルカ、アノラック」のこと。
park と発音が似ている衣料関係の言葉(服の種類)だから、しゃれに使ったのですね。
日本語では「パーカー」と呼ばれることが多いですが、英語の発音は「パーカ」と聞こえますし、まさにパーク(park)の語尾に -a がついた形なので、「ジュラシック・パーカ」とした方が、よりあの映画をもじったものであることがわかりやすいかな、と思いました。
a bunch of は「たくさんの、大勢の」。
out-of-control は「制御不能の、抑えが利かない」。
shake off は「振り払う、振り落とす」。
「ゆすって落とす」という感じですね。
ジャケットが襲ってくる恐怖映画のイメージを、自分で実演しているロス。
ヒッチコックの「鳥」みたいな感じですかね?
恐竜が登場するジュラシック・パークは大人気だったけど、パーカという服が登場するジュラシック・パーカという映画なら人はたくさん見に来るかな?とバカにしているのです。
ちょっと話がずれますが、一昨日(8/5)に、NHK教育テレビ「体感! ニューヨーカーの会話術」という番組で、アメリカ自然史博物館(American Museum of Natural History)が登場しました。
この博物館については、過去記事、ロスの勤務先の話 フレンズ3-2その3 で触れました。
一部には、ここが「ロスの勤務先」だ、という記述もあるのですが、私は「ロスの勤務先は架空のもので、そのモデルがアメリカ自然史博物館だ」と思っています。
興味のある方は、上の過去記事を覗いてみて下さい。
ちょうど、ロスの恐竜ネタがセリフに出てきた時に、タイミング良くその博物館がテレビに登場したので、ちょっと嬉しいです。
レイチェル: Y'know, if what I do is so lame, then why did you insist on coming with me this morning? Huh? Was it so I just wouldn't go with Mark? (ねぇ、もし私の仕事がそんなにつまらないことなら、どうして、今朝、私と一緒に行くって主張したの? ねぇ? それは、そうすれば私がマークと行かないことになるから?)
ロス: No. I... I wanted to be with you. I don't know, I feel like lately, I feel like you're slipping away from me, y'know, with this new job, and all these new people. And you've got this whole other life going on. I-I-I know it's dumb, but I just hate that I'm not a part of it. (違うよ。僕は、僕は君と一緒にいたかったんだ。わからないけど、最近、思うんだ。君が僕からそっと離れてしまいそうな気がするんだ。この新しい仕事と、この新しい人たち全員と一緒にね。そして、君はこの全く違った生活を続けている。愚かなことだってわかってるけど、でも、僕がその一部じゃないってことが、ただ嫌なんだよ。)
レイチェル: It's not dumb. But maybe it's okay that you're not a part of it. Y'know what I mean? (Ross looks confused) I mean, it's like, I-I-I like that you're not involved in that part of my life. (愚かなことじゃないわ。でも、多分、あなたがその一部でなくてもいいのよ。私の言いたいこと、わかる? [ロスは困惑した様子] つまり、それはこんな感じなの。私の生活のその部分にあなたが関与していない、ってことが、私は好きなの。)
ロス: That's a little clearer. (その説明だと、少し意味がクリアになったね[わかりやすいね]。)
レイチェル: Honey see, it doesn't mean that I don't love you, because I do. I love you, I love you so much. But my work... it's-it's for me, y'know, I'm out there on my own, and I'm doing it and it's scary, but I love it because it's mine. I, but, I mean, is that okay? (ハニー。ねぇ、私があなたを愛していない、という意味じゃないのよ。だって私は愛しているもの。あなたを愛しているわ。あなたをとっても愛しているの。でも、私の仕事は…それは私のためのものなの。私は、自分の力で、その外の世界にいるのよ。そして、私はその仕事をしている。怖いけど、それが大好きなの、だって、それは私のものだから。それで納得できたかしら?)
ロス: Sure, I-I-I... (hugs her and mouths No!!) (もちろん。僕は僕は… [レイチェルをハグするが、口では声に出さずに「ノー!(わかんないよ!)」と言う。])
lame は「良くない」。
フレンズ3-9その28 でも触れましたが、「足が不自由な」という意味もあり、その場合は差別的響きが出るので、使い方には注意すべきだそうです。
恐竜のことをけなされたので、ファッションのことをバカにするロス。
それで、「ファッションに興味があるから、講演会に一緒に参加した」のがウソだとバレてしまいます。
slip away は「こっそり去る、静かに立ち去る」。
slip は「滑る(すべる)」で、「そっと動く」という意味もあります。
僕の腕からするりと抜け出してしまう、みたいなニュアンスかな、と思います。
you've got this whole other life going on は、you have other life going on で、other life を go on している状態を持っている、みたいな感じでしょうか。
ロスの言いたいことはわかります。
レイチェルが生き生きと生きている新しい人生、そこに自分の入る余地がないことがつらい、ということですね。
I-I-I know it's dumb, but... 「馬鹿なことを言ってると思うけど、でも…」 It's not dumb. 「馬鹿なことなんかじゃないわ」というやり取りは、恋人ならではの会話ですね。
お互いの仕事をけなしまくっていたけれど、ロスがここでやっと素直な気持ちを吐露したので、レイチェルも「あなたの気持ちもわかるから、決して馬鹿なことなんかじゃない」と相手を気遣うことができるのです。
その後、レイチェルに説明してもらって、clearer である、意味がより clear である、と言っているのですが、表情は相変わらず曇っているので、「そんな説明じゃ、全然わかんないよ」という皮肉です。
ロスはわからないと言っていますが、レイチェルの言っている意味もよくわかりますよね?
愛している人がいても、自分の人生を自分で生きてみたい、という気持ち。これは女性なら誰でも持っている気持ちかなぁ、と。
ロスに不満があるわけではないけれど、自分がどこまでやれるのか見てみたい、もちろん怖いこともあるけれど大好きなの。だってそれは、「私の仕事」だから、ということですね。
レイチェルはずっとお嬢様として育てられて、誰かにレールを敷かれたような人生を歩むところでした。
それが結婚式を逃げ出して、フレンズたちと暮らすようになって、だんだん自分の人生というものを考えるようになったのですね。
そういうレイチェルだからこそ、it's for me, I'm out there on my own, I love it because it's mine というセリフが重く聞こえてきます。
レイチェルの言うことを理解したかのようにハグするロスですが、実際はちっともわかってないことがその表情からわかります。
レイチェルの真実の叫びを理解していないようなロスを見ていると、前途多難の予感…。
(Rach からのお願い)
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今までどちらかというとかわいくて性的な魅力だけが取り柄のような女性として見ていましたが自分の才能を伸ばす世界を持てたことを象徴している場面に思えます。RachさんがHNにされたのもやっと納得できました。
コメントありがとうございます。
HN を Rach にしたのは、まず、レイチェルみたいな顔立ちが好みだったからで(笑)、自分が男性なら、こんな彼女が欲しいと思うかな、と。
でも、おっしゃるように、今回のエピソードのレイチェルのセリフや気持ちに、非常に共感できる部分がある、というのもやはり理由としては外せない気がしています。