[Scene: Chandler and Joey's, Chandler and Ginger are eating dinner.]
チャンドラーとジョーイの部屋。チャンドラーとジンジャーはディナーを食べている。
ジンジャー: You're thinking about my leg, aren’t you? (あなたは私の脚のことを考えているわね?)
チャンドラー: No. No. Actually, I forgot. What is the deal with that again? (違う、違う。実は、忘れてたよ。またそれがどうかしたの?)
ジンジャー: Look, it's okay if it bothers you. Really. I mean the only thing I need to know is how much it bothers you, because I don't like wasting my time. Am I wasting my time? (ねぇ。もしそのこと[私の義足のこと]があなたを悩ませるなら、それは構わないのよ。本当に。私が言いたいのは、私が知る必要があるただ一つのこと[これだけは知っておかないといけないこと]は、そのことがあなたをどれほど悩ませるか、ということよ。だって私は自分の時間を無駄に使いたくはないから。私は(今)時間を無駄にしてるかしら?)
チャンドラー: No. No. I don't think so. (いや、いや。そうは思わないよ。)
ジンジャー: Okay. It's just like anything else. You just have to get used to it. (いいわ。別の何かみたいなものよ。あなたはただそれに慣れなければいけないだけね。)
I forgot. というのは、「今まで忘れてた。君に言われてそれをやっと思い出したよ。」みたいなニュアンスですね。
フレンズ3-6その17 でも、そういう「過去形」を使うことによって出るニュアンスについて触れています。
What is the deal with that again? について。
「俺は全く忘れていたけど、そんな話を再び持ち出して、一体どうしたって言うの? それがどうかしたの?、また何か問題が出てきたの?」という感じでしょうね。
そんな風に「すっかり忘れてたよ」というチャンドラーのセリフが、却ってしらじらしいのかもしれません。
ジンジャーは、誰もが自分の義足のことを気にする、ということを、経験上わかっているようですね。
ですから、it's okay if it bothers you. Really. I mean the only thing I need to know is how much it bothers you.... と言っています。
気になるのは構わないけど、「どのくらい」気になるのかが知りたい、ということです。
誰もが気にすることだから、それが気になるのは無理もない。
そのことが、これからの二人にとって大きな障壁になるほど、あなたを悩ませているのかどうかを知りたい、ということです。
その事実を無視することも、忘れることもできないけれど、二人で乗り越えられるレベルかどうかを、チャンドラーに確認しているのです。
I don't like wasting my time. Am I wasting my time? について。
今、こうして食事をしていることは無意味なのかしら? こんなことを続けていても、二人に明るい明日はないのかしら?というところですね。
ジンジャーとしては、もしチャンドラーが二人の関係を続けることが難しいと考えているとしたら、ここですっぱり別れて家に帰った方がいいと思っているのですね。
問題から目を背けて、ただ、何となくだらだらと関係を続けているのはいや、ということです。
It's just like anything else. You just have to get used to it. について。
「誰にだって何がしかの問題がある。だから、これだけが特別な問題じゃなくて、これもそういうものの一種よ。次第に慣れていけばいいだけよ。」ということです。
(They start making out. She opens his shirt and feels inside and stops.)
二人はいちゃいちゃし始める。彼女は彼のシャツを開いて、中を触るが、動きを止める。
ジンジャー: What's that? (それは何?)
チャンドラー: That's-that's my "nubbin." (それは、それは俺のナビンだよ。)
ジンジャー: What's a nubbin? (ナビンって何?)
チャンドラー: It's kind of a, ah, a third nipple kind of thing. (それはその、「3番目の乳首」みたいなものだよ。)
ジンジャー: You have three nipples? (あなた、乳首を3つ持ってるの?)
チャンドラー: Well, y'know, two regulars. And ah one that barely qualifies as... (starts to kiss her again, but she gets up.) Ahh, what? (あぁ、ほら。2つのレギュラー[通常版]と。そして、ほとんど(乳首とは)みなされないものと… [彼女にもう一度キスしようとするが、彼女は立ち上がる] あぁ、何?)
ジンジャー: Nothing. You know, I... I just remembered. I have to leave. (何もないわ。ほら、私はただ思い出したの。行かなくちゃ。)
チャンドラー: You ah, you have, you have to leave, now? How come? (君は、君は行かなくちゃいけないの? 今? どうして?)
ジンジャー: Ah well, it's nubbin. Nothing! Umm. Y'know what, I'll see you later. Okay. (She leaves and in the hall we see her shake her shoulders like when someone runs their fingernails across a blackboard.) (あぁ、えっと、ナビンよ。[慌てて言い直して] 何もないわ! ねぇ、また会いましょう。それじゃ。[彼女は出て行く、そして視聴者には、廊下で彼女が肩を震わせているのが見える。まるで誰かが黒板に指の爪を走らせる時のように(彼女は肩を震わせている)])
nubbin について。
フレンズ2-4その1 と フレンズ2-4その2 に、a third nipple (3番目の乳首)と a nubbin (ナビン)という言葉が出てきました。
そこで nubbin という単語について解説しています。
チャンドラーにはそういう「3番目の乳首」があって、それを人には「ナビン」という名前で説明しているのですね。
two regulars. And ah one that barely qualifies as... について。
qualify as は「…としての資格を得る」ということ。
as の後には、a nipple が省略されています。
「乳首を3つ持ってるの?」と驚かれたので、「2つは通常の乳首で、もう一つは、乳首としての資格がないものだ」と説明しています。
barely は「ほとんど…ない」という副詞ですね。
チャンドラーは、いちゃいちゃを続けようとするのですが、ジンジャーはすっくと立ち上がります。
I just remembered. I have to leave. は、「今ちょうど、行かないといけないことを思い出した。」ということですね。
どうして?と聞かれて、とっさに「ナビン」と答えてしまうジンジャー。
でも、そのすぐ後に、nothing と言い換えています。
「ナビン」がその理由であることを言ってはいけなかったのについ口から出てしまったので、慌てて訂正しているのですね。
廊下に出たジンジャーは、思い出しただけで身体が震えるわ、という感じでいや〜な顔をしています。
チャンドラーにはその顔が見えていないのがせめてもの救いですね。
その部分のト書きの表現が大変興味深いです。
黒板に爪を立てて引っかくと、キーッ!といやーな音がしますが(私もあの音、嫌いですが)、その音を聞いたときみたいに、肩を震わせる、と表現しています。
思わず顔をしかめたくなるような「わー、やめてー」的な感じだということですね。
英語圏の人も、あの音嫌いなんだぁ〜、嫌いな音と言えばあの音を思い出すんだ、と思って、興味深いなぁ、と思いました。
「嫌いな音ベストテン」を実施すると、どこの国でもあの「黒板を爪でキーッ!」は、高順位に入るんでしょうかねぇ?
それにしても、今回のエピソードは「ここですっと笑ってしまって良いものかどうか?」という「ギリギリの笑い」が多いです。
日本ではこういう展開のドラマは放映しにくいような気もします。
義足という事実に対して抵抗のある人は多い、ということは、ジンジャー本人が承知していました。
そして、チャンドラーは、それを乗り越えて、この関係を続ける意思を示しました。
ところが、今度はジンジャーが、「チャンドラーには3番目の乳首がある」という事実に抵抗を感じてしまった…という流れです。
人間のこだわりは人それぞれで、チャンドラーが意を決してジンジャーが抱える問題を受け入れようとしたのに、ジンジャーは、他の人なら笑い話で済ましてしまうこと(実際、2-4 では笑いのネタになっています)がどうしても受け入れられず、あっさり別れを告げてしまう、というオチです。
オチ、と表現していいのかすらわからないのですが、異様なほど、nubbin をいやがっているジンジャーの描写に、ここで笑っていいのかなぁ?という微妙な気持ちになります。
かるーく考えると、「それほどまでに、チャンドラーの3番目の乳首は嫌われるのか!」ということになるのですが、素直に笑えないというか、後味がちょっと悪いというか何と言うか…う〜ん。
(Rach からのお願い)
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今月の初めに、友人の薦めもあって、Rachさんの本と「フレンズ」のDVDを購入致しました。
Rachさんの「完全5段階」を実践させて頂いておりますが、第1段階の状態で、落胆するよりも、「知りたい!」という好奇心や学習に向けての意欲が湧いてきました☆
Rachさんの説得性のある学習法は、英語学習だけでなく、良い意味での自分に優しい生き方も同時に教えて頂いた気が致します。
第5章の中にある「積極的撤退」、「戦略的撤退」という言葉にはとても勇気付けられました(すみません、本の内容を少し抜粋してしまいましたね・・・)。
私は、悪い意味での完璧主義者で、正直このような自分に疲れが溜まっていました・・・。
でも、力を抜いて、うまくいかなかった一日も、肯定的に受け入れていこうと思います☆
長々と申し訳ございませんでした。
Rachさんにお礼を言いたくて、コメントをさせて頂きました。
私はまだTOEICでのスコアは600点代なので(Rachさんを前にして、お恥ずかしいスコアですが・・・)、結果を残して、Rachさんにご報告したいです☆
暑い日が続いておりますが、どうぞお身体をご自愛下さいませ。
What is the deal with that again?は「何か問題があったっけなぁ」という感じでチャンドラーが誤魔化してる感じがします。フレンズには時々ちょっと笑えないなぁと思う台詞やシーンが出てきまね。ジンジャーの Okay. It's just like anything else.はいい台詞でジンジャーの良い性格を表してると思えたのに最後の態度がオチと言えばオチかもしれませんね。6-9でGuess Who's Coming To Dinnerとモニカが質問した台詞にチャンドラーはSidney Poitierと答えてますが、30年前ならこの台詞は使えないと思いました。邦題の「招かれざる客」も翻訳としてどうなんでしょうね。
初めまして。拙著とフレンズのDVDをお買い上げ下さったとのこと、本当にありがとうございます!(そのお薦めして下さった友人の方にもよろしくお伝え下さいませ。)
また、早速、私の5段階学習法を試して下さっているとのこと、とても嬉しいです。
>第1段階の状態で、落胆するよりも、「知りたい!」という好奇心や学習に向けての意欲が湧いてきました☆
そういう感想をいただけるのは、本当に嬉しいです。人間は「さぁ、やるぞ!」と意気込めば意気込むほど、わからないものにぶつかった時の落胆が激しいようです。ですから、拙著の中でも、「最初は誰でもわからないのだから」ということを強調しました。その部分を理解していただけたのがとても嬉しいのです。
「知りたい!」と思う気持ちが、学習を続けるための力になるのですね。
また、内容について触れていただけて光栄です。「積極的撤退」、「戦略的撤退」という言葉は、「一体、誰のために勉強しているのか?」という部分を見つめ直す必要がある、ということを言いたかったのですね。人にとって有効なことが自分にとっても有効だとは限らない、だから、合わないなと思った時に、スパッとやめる思い切りの良さも必要だと私は思っています。
私もどちらかと言うと、完璧主義者なタイプかなぁ、と思っていたのですが、自分の中で「これはしょうがない」と思えることは、すんなりあきらめられるタイプでもあるようです。
とにかく、海外ドラマを字幕なしでわかるレベルというのは(私が言うのも何ですが)非常に高いレベルの話なのです。ですから、かれこれ3年間ブログを書いてきて、本まで出したのに、まだわからないことがポコポコ出てきても、「それは当たり前だから」と納得できる自分がいます。わからないことは悪いことではないです。わからないからやめる、のはもったいないことだと思うのですね。わからないからこそ、わかるように学び続ける、という姿勢が大切かな、と。
TOEIC ははっきりと点数化されてしまうため、比較もされやすいのですが、どんな点数であっても「恥ずかしいスコア」などと謙遜される必要はないと思いますよ。あくまで目安に過ぎませんし、英語の実力よりも慣れがものを言う試験でもあります。
ですから、点数が上がれば「世間で認められている試験だから」と喜び、点数が下がれば「TOEIC で英語力の全てが測れるわけではないから」とあっさり流す、ということも必要かなと思います。とにかく、「自分が英語を使えるようになること」が目標であれば、そういう試験類も、自分の都合の良いように使えばいいのだと。
TOEIC 向けの勉強をすることで、身に付く知識もたくさんあります。私も900点オーバーを目標として勉強していた頃があったので、良いペースメーカーであることは間違いないのですが…。点数として出てしまう以上、できることなら少しでも良い点を取りたい、というのも人情ですよね? 良い結果が出ることを心よりお祈りしております。
温かいコメント、ありがとうございました。ちょっとバテ気味ですが(笑)、マイペースで頑張ります!
catchさんへ
>前に質問してその答えをうっかり忘れたときに同じ質問を繰り返す時によくagainをつけますね。
おっしゃる通りですね。
TOEICテスト新公式問題集の p.15 Part 3 の二人の会話で、
I heard you went to that new restaurant on **. What's the name of it again?
「…に新しくできたレストランへ行ったって話していたよね。店の名前は何て言ったっけ?」
というやり取りがでてきます。これも、「前に名前を教えてもらったけど、忘れちゃったんだ。何だったっけなぁ?」みたいな感じが出ていますよね。
そのニュアンスで言うと、今回も、I forgot. と言った後のセリフですから、「また問題をぶりかえしてどうしたの?」じゃなくて、「問題って何だったっけ?、何が問題だったんだっけ?」みたいに「誤魔化している」という解釈が正しいような気が私もしてきました。
おっしゃるように、ジンジャーって良い性格だなぁ、と私も思ったんですよ。自分の状況をちゃんと冷静に受け入れていて、そのことで悲観的になったりしていないところが。でも、最後に、「そこまで嫌わなくてもええやんか」的な態度を見せて、優等生的キャラクターで終わらないところがまた、フレンズというコメディっぽいところなのかな、と思ったり。
6-9 に、映画「招かれざる客」(原題: Guess Who's Coming to Dinner)に関連したジョークが出てきますね。これも、racism が絡んでくるので、昔ならそれをジョークとして使うのは難しかったでしょうね。この映画を実際に見たことはなくて、だいたいのあらすじしか知らないのですが、この邦題だと、ネタバレになってしまうような気もしますよねぇ?
今こちらで追いかけて…
来週、友人からシリーズ4を借りるのでがんばりますっ!!
(ただ今週は仕事が忙しく毎日23:00帰りなので無理かなぁ。。。今休憩中です)
ジンジャーは…差別っていうより、
生理的に無理だったんでしょうねー。
うん、生理的に無理なものは無理だ!笑
最初フレンズを見出したころ、
いろいろと生理的に無理なところがあったのですが、
今や、うーん、私は違う意見やけど、
まー、そういうひともいるか~
世の中広いもんね。と受け入れられるようになりました。
びっくりです。
これもフレンズ効果でしょうか。
コメントありがとうございます。
もうすぐシーズン3が終わりそう、、とのこと、お疲れ様でした(^^)
お仕事お忙しいのですね。どうかご無理をされずに、シーズン4も楽しんで下さい!
時には、生理的に無理としか言えないことってありますよね。でも、kさんがおっしゃるように、私も「フレンズ」などの海外ドラマを見る中で、日本人以外の人たちの価値観、習慣などをたくさん見てきたからでしょうか、前よりも「そういう人もいるよね」と受け止められることは増えた気がします。
外国語を学ぶからには、自分が同じことをするかしないかは別にして、その国の文化を、「そういうものがある、それを大切に思っている人がいる」と受け入れられるようになりたいですよね(^^)