2008年08月12日

怒る理由を与えないで フレンズ3-14その19

[Scene: Central Perk, Phoebe is getting ready to sing as Leslie enters.]
セントラルパーク。フィービーが歌を歌おうと準備していると、レスリーが入ってくる。
フィービー: (to Leslie) Oh, I thought you weren't coming. What? Where were you? ([レスリーに] まぁ、あなたは来ないと思ってたのに。で何? あなたはどこにいたの?)
レスリー: Come here, come here. (they go to the side of the stage) Okay, don't get mad, okay? (こっちに来て、こっちに来て。[ステージの端に来る] ねぇ、怒らないでね、いい?)
フィービー: Okay, don't give me a reason to get mad, okay? (ねぇ、私に怒る理由を与えないでね、いい?)
レスリー: I played Smelly Cat for the people at my old ad agency, they went nuts. (私の昔の広告エージェンシー[広告会社]の人たちに、スメリーキャットを演奏したの。彼らは興奮してたわ。)
フィービー: No, look, I told you that I didn't want you to try and sell it, and you just, you big, fat did it anyway! God, y'know what, I think, five years ago, I probably would've done anything to play with you. But I can do it by myself. And if I can't trust you, then just forget it. (だめよ、ねぇ、私は言ったでしょ、その曲を売ろうとしないで、って。それなのにあなたは、強欲なあなたは、それをやっちゃったのね。あぁ、ねぇ、私は思うの。5年前なら、多分私は、あなたと一緒に演奏するためにどんなことでもしただろう、って。でも(今の)私は一人でできるの。そして、もし私があなたを信用することができないのなら、それ[私と一緒にコンビを組んで歌うこと]をただ忘れて。)
レスリー: No, no, I don't wanna forget it. (だめよ、だめ。私はそれを忘れたくはないのよ。)

レスリーが、"Okay, don't get mad, okay?" と言った後、フィービーが "Okay, don't give me a reason to get mad, okay?" と同じようなパターンで返すのが面白いですね。
レスリーは、フィービーが怒るかもしれないな、と思っているので、前もって予防線を張っているのですが、フィービーは、「怒るな、と言うのなら、怒るようなことを言わないでね。」と釘を刺しているのですね。
「怒らないでね」「怒らせないでね」という「ああ言えばこう言う」反射的やり取りを見るのも、コメディの楽しみ方の一つです。
最後の okay? で、人差し指を立てて、「お願いね」という感じを出しているレスリーに対して、フィービーも最後の okay で同じように人差し指を立てています。
「こっちの方こそお願いね。」という感じですね。

go nuts は「気がふれる、変になる」という意味もありますが、ここでは「夢中になる、すっかり気に入る」という意味で使われています。
そういう nuts については、過去記事、nutsとcrazyの話 フレンズ3-1その15 で触れています。

I told you は「私は(そう)言ったでしょ、言ったのに…」というニュアンス。
私ははっきりそう言ったはずなのに、どうしてそんなことするの?という非難の気持ちが込められています。
「やって欲しくない、と言ったのに、あなたは実際にやってしまった」と怒っているのですが、そのセリフは、and you just, you big, fat did it anyway! となっています。
この you big, fat というのは、「あなたという、big fat な人間」みたいなニュアンスでしょうかねぇ?
DVDの日本語訳では、「この欲張り」「全く欲張りね」と訳されていましたが、私もそんな感じだろうと思いました。
研究社 新英和中辞典では、
fat=(仕事など)実入りのよい、もうかる
a fat contract もうかる契約
a fat salary 高給

という語義が載っています。
そういう fat のニュアンスから、「CMソングにすると儲かる」とすぐに考えてしまうところ、儲け話に目がないところを、fat と表現しているのかな、と思います。
big を名詞につけると、a big liar 「大うそつき」などのように、「大変な…、非常な…」という意味を出すことができますね。
今回も、ものすごく強欲、みたいな感じで、big fat と言ったのかな、と思います。
本来なら、big fat の後に何らかの名詞がつくところなのでしょうが、フィービーは怒って興奮しているのもあって、あえてその名詞を言っていないようです。
You liar! "うそつき!" と似た感じで、you big fat... と言っているのだろうと思います。

fat cat という言葉もあります。
フィービーのセリフは fat で止まっていて、fat cat ではありませんが、今は、Smelly Cat という歌の話をしていますし、fat cat のイメージとも関係あるかもしれませんので、ついでに説明しておきます。

fat cat は、研究社 新英和中辞典には、
fat cat=(多額の政治献金をする)金持ち
という意味が載っています。
ロングマン現代英英辞典では、
fat cat: (informal) someone who has too much money, especially someone who is paid too much for their job - used in order to show disapproval
つまり、「非常にたくさんのお金を持っている人、特に、自らの仕事でたくさんのお金をもらっている人。(非難・不満・難色を示すのに使われる)」
Merriam-Webster Online Dictionary では、
fat cat:
1. a: a wealthy contributor to a political campaign fund
b: a wealthy and privileged person

つまり、a. は「政治的キャンペーンの基金に寄付をするお金持ち」、b. は「裕福で特権階級の人」。

I probably would've done anything to play with you. But I can do it by myself. について。
5年前、つまり、レスリーがCMソングを作るために、フィービーの元を去った時なら、何でもあなたの言う通りにしただろう、と言っていますね。
あなたが私の歌をCMソングに使うことで、二人のコンビを解消しなくて済むのなら、私はCMソングとして使うことを許可しただろう、ということです。
「あの時だったらそうしただろうと思うけど、でも今は…」という感じで、その後、But I can do it... という言葉が続いていますね。
別れた後、私は一人でこうして歌を作って歌ってきた。だから、今は、あなたがそんな勝手なことをするのなら、私はあなたを信用できないから、コンビを続けることもできない。私のことも、私とコンビを組んで歌うことも忘れて、と言っているのですね。
if I can't trust you は「私があなたを信用することができないのなら」ですが、これは「あなたが私の信頼を裏切るようなことをするのなら」というニュアンスでしょうね。


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posted by Rach at 06:42| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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