2008年08月18日

アトラスとグローブ フレンズ3-15その1

シーズン贈 第15話
The One Where Ross and Rachel Take a Break (恋の行方<前編>)
原題は「ロスとレイチェルがブレイクをとる話」
(take a break については、ネタバレにならないように、また、意味に幅を持たせるように、あえてぼんやり訳しました。)

[Scene: Monica and Rachel's, Joey is taking a jar of olives out of the fridge.]
モニカとレイチェルの部屋。ジョーイは冷蔵庫からオリーブの瓶を取り出している。
ジョーイ: (to Monica) Hey, how much will you give me to eat this whole jar of olives? ([モニカに] ねぇ、この瓶に入ってるオリーブを全部を食べたら、いくらくれる?)
モニカ: I won't give you anything, but you'll owe me $2.95. (何もあなたにはあげないけど、(それを食べたら)2.95ドルの貸しになるわね。)
ジョーイ: Done. (了解[それでオッケー、契約成立]。)

人の冷蔵庫を開けて、このオリーブを全部食べたら、いくらくれる?とジョーイは尋ねています。
「完食したらご褒美くれる?」みたいに言っていますが、当然のことながらモニカは、「ジョーイが、うちのオリーブを食べちゃって、その上、ジョーイにお金をあげる、なんてことはないけど、その代わり、それを食べたら、2.95ドル払ってもらうわね。」と言っています。
ジョーイの Done. は「完了」というニュアンスで、Deal. 「取引成立」と似た感じでしょうか。
じゃあ、2.95ドル払うから、これ、ちょうだい、ということですね。


フィービー: (entering) Hey. I need an atlas! I need an atlas! ([入ってきて] ねぇ。地図帳[アトラス]が必要なの。地図帳が要るのよ!)
モニカ: Why? (in a motherlike tone) Do you have a report due? (どうして? [母親のような口調で] レポートの宿題があるの?)
フィービー: I have a date with this diplomat I met while I was giving free massages outside the U.N. and, I don't know where his country is. (UNの外で、無料のマッサージをしていた時に出会った外交官とデートするのよ。それで、彼の国がどこかわからなくて。)
モニカ: Okay, let's start with the free massages at the U.N. (いいわ、まずはその「UNでフリーマッサージ」の話から始めましょうよ。)
フィービー: Oh!! It's my new thing. I figure, "Bodies at peace make peace." (あぁ! これは私が新しく始めたことなの。私はこう思ってるの。「平和な肉体が平和を作る[生み出す]。」って。)
モニカ: Wow! You might just get the first Nobel prize in rubbing. So what country is this guy from? (まぁ、あなたは、マッサージ[こすること]の最初のノーベル賞を取っちゃうかもしれないわね。それで、その人はどこの国出身なの?)
フィービー: Ick-neck-tree-anis..... There's a "g" in there. (イック・ネック・トゥリー・アニス… g が名前の中に入っていたわ。)
モニカ: Where's that? (それはどこ?)
フィービー: In your atlas! (あなたの地図帳の中よ!)
モニカ: I don't have an atlas. (地図帳は持ってないのよ。)
フィービー: Oh. (あぁ。)
モニカ: Oh, but wait, I do have a globe. (あぁ、でも待って。地球儀はあるわ。)
フィービー: Oh. (まぁ。)
モニカ: Hold on. (ちょっと待ってて。)

atlas は「地図帳」。
日本でも、「地図帳」は学生時代の社会科の副読本として使っていましたね。
地図帳!と大騒ぎしているフィービーを見て、まるで学生が何かしらのレポート[リポート]を書かないといけないみたいに聞こえるので、母親口調で「レポート書かないといけないの?」と冗談を言っているのです。

due について。
due には形容詞で「(支払い)期限の来た、満期の」という意味があり、the due date だと「(手形の)支払期日」という意味になりますね。
英辞郎にも、
My report is due next week. リポートの締め切りは来週だ。
という例文が載っています。
また名詞としては、研究社 新英和中辞典に以下の語義が載っています。
due=1. (通例単数形で) 当然払われる[与えられる]べきもの
2. (通例複数形で) 賦課金、税、料金、会費、使用料


今回の "Do you have a report due?" というセリフの due はどういうニュアンスなんでしょうね?
a report due で「レポートの締め切り」ということなのか、それとも「当然しなければならない課せられたもの」というニュアンスの「レポートの宿題」という感じなのか。
「締め切り」のニュアンスがあるとしたら、「提出期限が近いからそんなにあせってるの?」ということなのかな、と思います。
ただ、辞書には、due という「名詞」に「締め切り」という意味が載っていないので、ここでは特に期日のことは関係なく、ただ「レポートの宿題」というニュアンスで言っているような気もします。

U.N. は United Nations 「国際連合、国連」。
UN とも表記します。
Wikipedia 日本語版: 国際連合 にもあるように、本部はマンハッタンにあるわけですから、彼女たちの暮らしている近くですね。
だから、UNの外で、お店の宣伝を兼ねて、無料でマッサージを行っていた、という話も、それらしく聞こえる、というところです。
実際はそんなところでやっていたら、「こんなところでやっちゃだめだ」と怒られたりしそうにも思うのですが。

Let's start with は、「…から始めよう、始めましょう」ですが、この場合は、atlas はともかく、その the free massages at the U.N. の話を先に聞かせてよ、どうしてそういうことをやっているのかを先に知りたいわ、という感じですね。
それでフィービーはまずそのマッサージについて説明するのです。

my new thing は「私が新しく始めたこと」という感じでしょうか。
at peace は「平和で、安らかな気持ちで」。
マッサージで体が楽になって平和な気持ち、安らかな気持ちになれば、UNで働いている人たち(外交官など)が世界を平和にするのだ、と私は考えているの、と言っています。

rub は動詞で「こする、摩擦する」ですから、その動名詞は「こすること」、つまり、マッサージをさしています。
ノーベルマッサージ賞、という感じですね。
マッサージをすることで世界に平和を!みたいなことをフィービーが言っているので、それが実現したら、ノーベル平和賞みたいなものがもらえそう、と言っているのです。

それで彼の国はどこなの?と聞かれて、"In your atlas!" と atlas を強調してしゃべっています。
よくわかんないけど、地図帳には載ってるわ、だからさっきから地図帳を貸してって言ってるんじゃん、みたいなことですね。

I don't have an atlas. だけど、I do have a globe. と do を使って have を強調しています。
それはないけど、「これなら確かにある」「こっちならあるはずよ。」という感じです。

globe は「球、球体」、the globe で「地球、世界」という意味にもなりますが、ここでは「地球儀」という意味です。

日本語で「グローブ」と書くと、まずは野球のグローブを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、あれは英語では glove (発音はグラヴ)です。
小室哲哉さん率いる音楽ユニットに globe (グローブ)という名前のグループがあるので、今ではこの綴りを思い出す人も多いでしょうか。
そのグループ名以外にグローブ(グロウブ)というカタカナはあまり見かけませんが、「グローバル」(global)という形容詞とその意味は、すっかり日本語として定着していますね。
グローバルな視点で、のように、「全世界の、地球上の、世界的規模の、国際的な」という意味ですね。


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posted by Rach at 07:31| Comment(6) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「レポートの提出があるの?」と聞いていますね。締め切りというよりは課題と理解したほうがあうかもしれません。ここのシーンでは「地図帳が必要だよ〜!」とまるで子供が学校の宿題のために地図帳をいきなり必要としている感じで、だからモニカがわざとおかあさん口調でジョークっぽく「なぁに、レポートの提出でもあるの?」みたいなかんじで言っています。大人が家に帰ってきていきなり地図帳をほしがるとは普通あんまりないですからね。イメージとしては学校の地理の科目で宿題を課された子供が家に帰ってきたシーンみたいなのがモニカの頭の中に浮かんだのでしょう。I have a report (that is )due.で、レポートの課題があるんだ。I have a report due in three weeks.三週間後に提出のレポート課題がある。でも日にちを入れると日本語訳が「締め切り」というふうになってしまうんですね。
Posted by テリトリー at 2008年08月19日 06:12
テリトリーさんへ
貴重なご意見、ありがとうございます。

テリトリーさんは、「締め切り」よりも「課題」と解釈されたのですね?
テリトリーさんの解釈では、due は形容詞で、後ろから、名詞 a report を修飾している、ということですね?

私は、a は due にかかっていて、a report due というのは、「レポートの a due」という「名詞」だと思ったんです。が、「due である a report」という意味で、課題のレポート、という感じが近いのかもしれませんね。

今、改めて思い出したのですが、神崎正哉先生のご著書、「新TOEIC TEST ウルトラ語彙力主義」の Unit 24 でも、TOEIC の頻出単語として、due が取り上げられています。(以下にその文を引用させていただきます。)

W: Isn't the quarterly report due soon? (四半期の報告書はもうすぐ締め切りではなかったですか?)
M: Yes, the deadline is the day after tomorrow. (はい、締め切りはあさってです。)

この質問では、the quarterly report は、due soon 「もうすぐ締め切り」ではないですか?という内容になりますね。ここでも、soon という時期を表す言葉が入っているので、「締め切り」という日本語訳になるのですね。

そういう時期や期限・期日を表す言葉がない場合は、「いつまでとは言わないけれど、やらなければならない課せられたもの・課題」みたいなニュアンスになる、ということでしょうか?
もし、モニカのセリフが、Do you have a report due soon? だったとしたら、「もうすぐ締め切りのレポートがあるの?」という意味になるのでしょうね?

神崎先生のご本にあるように、TOEIC では、そういう「期限、締め切り」という意味でよく出てくるので、今回のセリフも「締め切り」というイメージがパッと浮かんでしまいました。それで、実際のところは、締め切りというニュアンスがあるのかどうか?が気になってしまったようです。

「いきなり地図帳を欲しがる」様子が宿題の出た子供みたいだから、モニカが母親口調でそう言った、というのは全くその通りですね。

due についていろいろ考えることができました。いつもありがとうございます!
Posted by Rach at 2008年08月21日 07:53
そうですね、時間的要素がはっきりかかれてない時は「いつまでとは言ってないけど、でも期限/締め切りがある物事を課された」みたいな感じでしょうか。ただの課題ではなく期限的な要素をふくんだ課題かな?
この単語もむずかしいですね。
Posted by テリトリー at 2008年08月21日 11:23
テリトリーさんへ
お返事ありがとうございます。
おっしゃるように、例え期限がはっきりと書かれていなくても、何がしかの期限があることを前提とした課題、というニュアンスなんでしょうね。

たった3語の単語なのですが、私も due は難しい単語だと思います。日本語だと「締め切り」という名詞なので、The deadline is... ならすんなり理解できるのですが、それを形容詞の due を使って表現する感覚に慣れないといけないわけですね。
今回のセリフのように期限が書かれていない due の使い方が珍しいな、と思ったので、これからも注意して見て行きたいと思います。
Posted by Rach at 2008年08月23日 08:09
モニカのセリフ

Okay, let's start with the free messages

messages→massages ですね。
Posted by emec at 2009年07月23日 19:38
emecさんへ
おっしゃる通り、messages ではなく、massages ですね。
上の記事も訂正させていただきました。
ご指摘ありがとうございました。
Posted by Rach at 2009年07月26日 07:00
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