[Scene: The Xerox place, Chandler and Joey are waiting in line.]
コピー屋(ゼロックスのお店)。チャンドラーとジョーイは並んで待っている。
チャンドラー: Come on, Chloe! Finish up with your customer first. Come on, Chloe! Come on, Chloe!! (クロエ、来い! 君のお客を先に終わらせろ。来い、クロエ! 来い、クロエ!)
アイザック: (to Chandler and Joey) Can I help you? ([チャンドラーとジョーイに] いらっしゃいませ。)
チャンドラー: Uh-oh. (あっちゃー。)
ジョーイ: Uh, y'know what, we're having second thoughts about our copying needs. And we'll need a little more time to think about it. (あぁ、ねぇ。コピーの必要(性)についてもう一度考えてみることにするよ。それで、それを考えるのにもう少し時間が必要なんだ。)
アイザック: Chloe, switch with me, there's some guys here that got a crush on you. (クロエ。俺と交替してくれ。ここにクロエにのぼせている男たちがいるんだ。)
Chandler: (to Joey) Okay, that hurt us. ([ジョーイに] あぁ。今のは傷付いたな。)
Come on, Chloe! と呪文のように唱えているのが面白いです。
second thought は「2番目の考え」なので、つまりは「再考、考え直し」。
クロエ目当てで来たのに、男に担当されちゃうことになっちゃいそうだったので、「ちょっともう少し考えてみるわ。だから俺たち飛ばして、次の客に応対して。」みたいなことですね。
でも、そういうことを言われ慣れているアイザックは、チャンドラーたちの意図に気付いて、ダイレクトにクロエに告げてしまいます。
switch with me は「私と交替する」ですね。
コピーの用事を無理やり作って来ているのに、その本心(got a crush on you クロエに惚れている)を見抜かれてそれをはっきり口に出して言われてしまったので、「今のセリフは俺たちを傷付けた」と言っています。
hurt の動詞の活用は、hurt-hurt-hurt で、上のセリフの hurt は過去形ですね。
もし現在形なら、主語が that なので、hurts となります。
クロエ: Hi, guys. I haven't seen you since this morning. (はーい、あなたたち。今朝から見てないわね。)
チャンドラー: Well ah, ........y'know. (あぁ…あの。)
クロエ: Hey, what are you guys doing tomorrow night? (ねぇ。明日の晩はあなたたちは何をする予定なの?[明日の晩、何か予定ある?])
ジョーイ: Both of us? (points to Chandler and himself) (俺たち二人? [チャンドラーとジョーイ自身を指で指す]
クロエ: Maybe. Does that scare ya? (多分ね。それって怖い?)
(They both start laughing. They look at each other, stop and step apart a little bit.)
二人は笑い始める。二人はお互いを見て、笑うのをやめ、少しだけ離れる。
クロエ: Relax. It's just Issac's deejaying at The Philly. You should come. (安心して。ただ、ザ・フィリーでアイザックがDJをするのよ。来たらいいと思うわ。)
ジョーイ: We'll be there. (俺たち、そこに行くよ。)
クロエ: Great. I'll ah, see ya then. (良かった。その時に会いましょう。)
チャンドラー: All right, rock on. (Does the 'Hang 10' sign, then hides his face in shame.) (わかった。ロックオン! [ハングテンのサイン[仕草]をするが、その後、自分の顔を恥ずかしさで隠す]
「今朝も来てたのに、また来たの?」というところを、「今朝以来、あなたたちを見かけなかったわ。」と表現しているのが面白いです。
クロエに誘われて嬉しいのですが、それは、俺たち二人とも誘ってるの?と聞き返すジョーイ。
「多分二人ともだけど、それだと何だか怖いかしら?」とクロエは答えています。
クロエをセクシーだと思っている二人は、クロエのお誘い=何かエッチなこと、と想像するのですが、それが2人だけではなく、3人で、それもこいつを含めた3人で?と思うと、げっ!と思って我に返るのですね。
DJ (disc jockey、ディスクジョッキー)は日本語になっていますが、英語では、deejay と綴ることもあるのですね。
ネットスクリプトでは、D.J.-ing と表記されていたのですが、DVDでは deejaying となっていたので、上ではそれに合わせました。
D.J.-ing の方が見た目わかりやすい気もしますが。
最後のチャンドラーのセリフの、rock on と、そのト書きの 'Hang 10' sign がよくわかりません。
まず、hang 10 について。
ハングテンというサーフィン用語があるようで、それは「サーフィンのノーズ先端に足の指10本をかける」という意味だそうですが、今回のはそれとは違うようですね。
rock on は、英辞郎に、
rock on=思う存分楽しむ
という語義が載っています。
また、Urban Dictionary にも説明があります。
Urban Dictionary: rock on
一番、支持の多い語義はこれ。
1. rock on:
A hand signal rock n' roll fans use at concerts to say "rock on" to the band
つまり、「ロックンロールのファンがコンサートでバンドに「ロックオン」と言う時に使う、手のサイン」。
その語義の下に、アスキー画みたいなもので、そのサインが描かれています。
rock on images という写真でも、その手の仕草の画像が見られます。
2番目に支持が多い語義はこれ。
2. rock on:
A phrase rockers use to greet each other, say goodbye, or just say when someting is cool.
つまり、「お互いに挨拶するために、さよならを言うために、またはただ何かがクール[かっこいい]ことを言うために、ロッカーが使うフレーズ」。
つまりは、ロッカー(ロックファン)のお決まりの挨拶、フレーズということですね。
クロエの I'll see ya then. (See you then.) に対する返事ですから、上の語義にある、say goodbye のニュアンス、「じゃあね」というニュアンスで、Rock on. と言ったのだろうと思います。
Urban Dictionary によると、Rock on! と言う時の仕草も rock on と言うようですが、上のト書きでは、hang 10 と表記されていますね。
あの手のサイン、hang 10 とも言うのでしょうか?(rock on と hang 10 との関係を調べてみたけど、わかりませんでした)
アメリカ人がよくするジェスチャーとその名称、その意味がわかるといいなぁ、といつも思っているのですが、そういうのをまとめたサイトってないのでしょうか?
英語版でもいいから、ウィキペディアにそういう項目があればいいのにな、と思います。
rock on を hang 10 と言うかどうかは裏が取れないのですが、どっちにしても、ちょっと死語に近いことを言ってしまった恥ずかしさ、でしょうね。
「フィーバーだね。イエーイ!」みたいな感じでしょうか。
クロエのノリに合わせたつもりが、ヘンな顔をされたので、ダサいことしちゃった…みたいに泣いているチャンドラーが面白いです。
ちなみに、日本語で「ターゲット・ロックオン」などと言う場合は、rock on ではなく、lock on ですね。
lock on は「レーダーやミサイルなどが目標を自動追跡する」という意味になります。
(Rach からのお願い)
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まとめレスで申し訳ありません。お二方とも、いつも私の知らないような貴重な情報を教えて下さり、感謝しています。本当に、こういうネイティブの仕草関連の話は、あまり映画もたくさん見ていない私にとっては、非常に難しい部分なんですよねぇ…。
やはりハングテン(hang 10)も、手や指の形を表す呼称なんですね。
テリトリーさんのコメントで、ロックオンとハングテンの違いを説明して下さっていますね。ロックオンは人差し指と小指、ハングテンは親指と小指…など。(手のひらの向きについては、わからない部分があるので後述します。)
DVDでチャンドラーの指のサインをもう一度改めて見てみたのですが、チャンドラーは、どうやら、「親指と小指を立てている」ように見えます。左手に紙を持っていて、右手でその仕草をしているのですが、親指と小指を立てて、それを耳の傍で揺らしている感じです。私には「電話をかける、電話する」みたいな仕草に見えました。(手が受話器を表している感じ)
英語圏で「電話をかける」ことを表す仕草は、これでしょうか? それともこれは日本人だけが持つイメージでしょうか?
そう考えると、ト書きでわざわざ、hang 10 と書いてあるのは、「rock on ではなくて、hang 10 である」ことを説明しているのかもしれませんね?
チャンドラーは Rock on! と言いながら、rock on によく似たサインの、hang 10 のサインをした、ということでしょうか? 「それは、rock on じゃなくて、hang 10 でしょ?」という意味で、クロエは顔をしかめた、ということなのかなぁ?? チャンドラーはほんとに勘違いして間違ったのか、ジョークのつもりでわざと間違えたのにウケなかったので恥ずかしかったのか…。
画面を見た時の印象は、「無理にクロエのノリの合わせようとしてスベった」(笑)という感じだったので、仮にそれが本当に rock on のサインをしていたとしても、同じような流れになっていたような気がするのです。だから、スクリプトを書いた人が、rock on と hang 10 を同じものとして認識していた可能性もあるし、ごっちゃになっていた可能性もあるような気もします。明らかに別のものとして認識していたということだと、「言ったセリフと仕草が違っている」ことをト書きで示したかった、ということになりますね?
以下は、今回のセリフとは離れて、サイン全般の話になりますが、ちょっと思ったことを書かせて下さい。
Vサインの V は Victory の V のようですが、日本ではピースサインとも言いますよね。この V sign もこだわりだすとかなり深いものがあるようで(笑)、英語版ウィキペディア: V sign にいろいろと詳しく書いてあります。
DAIGOくんが、「〜うぃっしゅ!」とか言いながらやっているあのサインも、rock on なんでしょうねぇ? 彼の場合は、あれを両手でして、手首のところで腕をクロスしてますよね?
日本語版ウィキペディアをたどって行ったら、
DAIGO☆STARDUST→メロイック・サイン→コルナ(corna)
に行き着いて、そこに、「Rock on(めいっぱいロックしよう)程度の解釈でも使用される。」という説明があります。だからやっぱりあれは、rock on なんだ(笑)。
Urban Dictionary のアスキー画や写真を見ると、rock on は、人差し指と小指を立てた仕草であることがわかりますが、手のひらの向き、つまり、手の甲を見せるか見せないか、がよくわかりません。
Urban Dictionary の写真のお兄ちゃんは、手の甲をこちらに見せていますね。こんな風に手の甲を見せて、これが中指を立てていたとしたら、相手を侮辱する仕草になってしまいますよねぇ。
上で紹介した、Wikipedia日本語版: コルナ に写真がいくつかありますが、やはり、手のひらは相手の方に向けていて、手の甲を見せてはいませんね。テリトリーさんがお持ちだという実物大の手の彫刻(笑)も、手のひらはこっち向きなんですよね?
あれで親指を立てると、I love you. なんですね。手の仕草ってややこしいなぁ。でも、仕草というのは、何の説明もなしに、瞬時に何らかの意味を示すことができるので、使い方を間違えると、トラブルの元になりますから、気をつけないといけませんね。
いろいろとありがとうございました。勉強になりました。私が誤解している部分があれば、ご指摘下さいませ。
いろいろ見てきたけど、やはり hang 10 という単語にあまり出会わないなぁ。hang 10 という名称の語源が気になる…。サーフィン用語の場合は、足の指10本でぶら下がっているようなイメージでしょうから、よくわかるんですが。
とすると、チャンドラーが恥ずかしかったのはサインを間違えたのと、状況的にその場ではちょっといけてなかったからかもしれませんね。ここでハングテンと呼ばれているサインは「ハワイでよく使われているサイン」と自分で認識していたんですが、それがハングテンと呼ばれていたとは知りませんでした。ハワイではサーファーが多そうだし、なにかハワイと関係があるのかもしれませんよ。
ダイゴのはアイラブユーのサインの手のひらが自分の方に向いてるサインですね。あれもロックオンの意味にもなるんですね。僕の実物大のロックオンの手の裏表はどっちがどっちかははっきりしてません。。ラベルが前に来てもおかしくないし裏にきてもおかしくないんで。でも手のひらが内側でも外側でもあまり関係ないのかもしれません。というのもサインを胸のレベルでやろうとするとピースサインにしろ、手のひらを外側にするのは難しくなります。でも手話のサインは裏表はっきりしていないといけませんが。
なかなかおもしろい話題でした!レスを何回もしちゃうほど!
私の想像では、ハワイの魔除けのジェスチャーがサーファーの挨拶になって、ロッカーも使うようになったような気がします。実際今でもサーファーの挨拶で用いられます。サーファー用語は4-29でも出たきます、微妙ですけど。
また、まとめレスで申し訳ありません。ご丁寧なお返事ありがとうございます!
シーンを見た時は、「その場ではちょっといけてなかったから」恥ずかしがっていた、と思ったのですが、ロックオンではなく、ハングテンをしていた、ということだと、「サインを間違えた」というのも関係してきますよね。
表裏の話ですが、テリトリーさんの「胸のレベルでやろうとすると、手のひらを外側にするのは難しくなる」というのは全くその通りですね。(今、手がつりそうになりました…笑)
コンサートなどでアーティストに向かって手を突き上げる場合は、手のひらがステージの方を向くのが自然でしょうね。
DAIGOさんのは、親指も立てていましたか!(今度、テレビで見たら、よく観察してみます。)
あれも、ロックオンの another version という感じなのでしょうね。そういう意味では、今回の「ロックオン、ハングテン」ネタも、タイムリーと言えばタイムリーなのか…(笑)。
サーファーと関係がある、ということで、お二人とも、ハワイとの関係を指摘されていますね。きっとその辺りに語源があるのでしょうね。(私はサーフィンは全くわからないです。)
えーっと、catchさんの、「4-29 にサーファー用語が出てくる」とのお話ですが、シーズン4は24話までしかないような…?。こんな解説を書いている人間としては、本来なら「サーファー用語が出てきます」と言われて、あぁ、あれか!と、どのエピソードかピンと来ないといけないんでしょうね。(まだまだ修行が足りません。)
貴重な情報を提供していただき、ありがとうございました!