晴山陽一さんが私に送って下さった2冊のサイン本のうちの1冊目「使える英語すごいノウハウ―「英語がスラスラ出てくる」ようになる本」(三笠書房)についての記事を先週書きました(↓)。
晴山陽一さんの「使える英語すごいノウハウ」を読んで(その1)、(その2)
(サイン本をいただくことになった経緯については、上の記事で説明しています。)
今日は、もう1冊の本について語ります。
それがこちらの本です(↓)。
知的生産のためのすごい!仕事術 (青春新書INTELLIGENCE 206) (青春出版社)
晴山さんの「英語ベストセラー本の研究」(幻冬舎)を読んだ時、多くの英語ベストセラー作家への尊敬のまなざしと、多くの英語学習者の人々への温かい視線を感じました。
また、先日ご紹介した「使える英語すごいノウハウ」は、英語初心者向けの本ということで、言葉遣いも大変優しいものになっていました。
それらと比較すると、今回ご紹介する「知的生産のためのすごい!仕事術」は、厳しい言葉がたくさん並んでいました。
目次を見るだけでも、
「言われたことしかできないタイプ」「有能で忙しい人と無能で忙しい人」「序文ばかりの人生」
などなど…。
晴山陽一氏が拙著を紹介して下さいました のコメント欄で、晴山さんと初めてお話させていただいたのが、2008年7月13日。
まだそれから2ヶ月弱しか経っていないのですが、それ以来、コメントやメールを通じてやりとりさせていただいている私の晴山さんのイメージは「常に優しい方」でしたので、その晴山さんの違った一面を見た気がして、非常に興味深かったです。
驚異的なペースで本を出版されている「仕事人」としての晴山さんの姿を、この本で知ることができました。
晴山さんの語る「仕事術」は、私が日常生活を送るに当たって、家事や子育てなどの主婦業を行なう際にも関係のある話ですが、この記事では特に、英語学習ブロガーの私にとっての「英語学習の進め方」と結びつけて考えてみたいと思います。
以下、私の感想を交えながら語っていきます。
第4章 ストレスフリーの仕事術
p.60 私は予定を組みすぎることには反対である(もちろん職種にもよるが)。なぜなら、予定を組みすぎると、予定したことしかできなくなるからだ。
予定に縛られる人は、どこか受動的な生活に甘んじている人だと思う。
これは、「予定を立てて、それに合わせることで充足感を得る」ことを指しているように思います。
この晴山さんのおっしゃること、よくわかります。
私も予定を立てるのは好きではありませんし、予定に縛られることは極力避けようとします。
もちろん、私のような専業主婦でも、「いついつまでにやらなければいけないこと」という期限付きの事項があって、そういうのはカレンダーには書いていますが、自分が好きでやっている趣味としての英語学習では、ほとんど予定は立てません。
いつまでにこの問題集を終わらせようとか、一日何ページやろうとか、今日は何時間勉強しようとか、そういう予定は全くと言っていいほど立てないのです。
また、今日は何時間勉強したか、ということを振り返ることもしません。
ただ、自分の気の向くままやっているだけなんですね。
何かを行なう場合に、予定通りにことが進むことだけを喜ぶべきではないのだろうと思います。
それは何かを始める前から、自分を縛って、自分の限界を決めているような気がするのです。
何かを「こなす、処理する」ことが仕事なのではなく、そこで何かアイディアが思い浮かんでいるか、学習であればそこで何かが身に付いているか、が大事なのかなぁ、と。
自分で立てたつもりの予定であっても、それに振り回されすぎてしまうと、結局は「受動的」なものとなってしまう。
仕事や学習を進めながら、臨機応変に自分のペースを決めていきたいものだと思います。
第5章 仕事のコンディションを整える
人は気分で生きている
p.74 自分の中のボルテージと言えばいいだろうか、どうにもクリエーティブな仕事に向かない時があるのだ。そのような時は、さっさとあきらめて、単純作業に精を出したほうがいい。
p.75 人は気分の中で生きている。この何でもない事実を見つめることからすべての仕事術は始めなくてはならない。人間、絵に描いたようにはいかないものだ。残念ながら。
ほんと、その通りですねぇ…。
気分の乗らない時は何をしてもうまくいかない。だから、「そんなこともあるさ」とそれを受け入れる気持ちも大事なのでしょう。
気分の乗らないことを気にしている暇があったら、気分の良し悪しにあまり左右されないような作業をした方がいい、ということですね。
そのためにも、普段から自分のやっていることを、「これは頭が冴えてる時の仕事」「これはイマイチな時の作業」に仕分けておく必要があるのです。
ページが戻りますが、第4章に以下の文章がありました。
「仕事」と「作業」を分ける
p.62 私はまず、自分の仕事をクリエーティブな部分とそうでない部分に分ける。これを私は「仕事」と「作業」と呼んでいる。言い方を変えると、「能動的な仕事」と「受動的な作業」とも言える。
自分にとっての「仕事」と「作業」は何か?を常に考えながら、自分の気分に合った方をやっていく、というやり方が大切だということですね。
やはり人間ですから、どんなにすごい人でも、気分が乗らない時、頭がイマイチ回転しない時、というのはあるはずです。
仕事を進めるのが早い人は、そういう「自分の気分との付き合い方」「自分の気分とマッチするもの(仕事 or 作業)の選び方」をよくわかっている人なんじゃないかな、と思います。
p.78 自分の調子に合わせて仕事の内容を変えれば、ストレスも減るし、時間の無駄も防げる。
そう、仕事するのも勉強するのも自分なのだから、「自分の調子」をよく知らなければいけません。
会社勤めの場合は、自分の調子をそれほど考慮してもらうわけにもいきませんが、自分が英語力を伸ばすために英語学習をしている場合には、この「自分の調子に合わせて」という言葉は大きな意味を持ってくるはずです。
調子の悪い時には自分を責めない、調子の良い時は自分でブレーキをかけない、という風に、うまく自分の気分の波に乗る術を身に付けたいものですね。
第8章 仕事は「問う」ことから始めよ!
p.134 教育の最も大きな弊害は、子供たちに「答えはひとつ」と信じさせてしまうことだろう。たしかに学校で与えられる問題の多くは答えがひとつになるように作為されている。このようなテストに慣れてしまうと、世の中なんでも答えはひとつきり、という幻想を持ってしまうのである。ひとつ答えが見つかると、それで片付いたことにしてしまう淡白な子供(長じては大人)を大量に生み出すことになる。
そうそう、「淡白」!
何か見つけて、「そうか、これか!」で終わってしまう人は確かに淡白だと思います。
でも、そういう淡白な人は、人から聞いたことを覚える、知識として頭に入れるだけで終わってしまう気がします。
逆に、それが例えその道の権威の言ったことであっても、「そうなのかなぁ?」と疑問符を打てる人、そこから考えを広げられる人はすごいなぁと思います。
今のネット依存に警鐘を鳴らしている人も、そういう淡白な人が多いことを危惧しているのですね。
ですから私は出来るだけ「淡白にならないように」心がけています。
(それで、私のフレンズ解説記事は「しつこい」わけですね…笑)
私はネットで調べ物をしても、絶対にそれが「正解だ」とは思いません。
全て「そういう意見がある」という参考意見としてしか聞いていません。
世間ではどう思われているのか、どう思っている人がいるのか、という意見をまとめるツールとして便利だから活用しているのです。
会ってもいない人の意見を聞くことができるのがネットの利点で、その人の意見を聞いて、自分の考えを構築していく、という行為が大事なのだろうと。
私自身、答えが見つからないことを気持ち悪いとは思いません。
答えを見つけることが最終的なゴールではないからです。
答えは何?何?ということばかり気にしていると、私がこのブログでやっているような、海外ドラマを使った英語学習は出来ません。
はっきりとした答えがどこにも書いていないからです。
「早く答えを知ること」だけを目標にしてはいけません。
大切なのは、答えを導き出す論理的過程を身に付けることです。
TOEIC などの問題集をたくさんこなすのは得意だし、楽しいけれど、映画や海外ドラマのDVDを題材にして英語を学ぶのはどうしたらいいかわからない、という方も多いですよね。
その二つには、「ある答えがあって、そこに到達する」という行為と、「何がわからないかを探して、それについて自分なりに仮説を立ててみる」という行為の違いがあるのかもしれません。
その立てた仮説を答え合わせすることができない、というところが、問題集の答え合わせをするみたいな達成感も得られないし、自分がどれだけわかったかも計りにくいということかもしれません。
でもあらかじめ答えが与えられているものをこなしているだけでは、本当に「自分で考える能力」というのが身に付きにくい気がします。
答えを知っているものは解けるけれど、答えを知らないものはお手上げ、ということになってしまう。
問題集として「問い」が与えられているものをこなすだけではなく、自分で「問い」を発見し、それに対する答えを探すことができるようになった時、身の回りのあらゆるものが、自分の教材となり得ます。
何事もそんな風に学んでいけるといいですね。
第12章 果報は仕組んで待て!
p.191 私の著作のほとんどは、思いついたアイディアの売り込みである(悠長に執筆依頼を待っていたら生活が成り立たない)。
p.194 こちらから働きかけなければ、世の中は何も答えを出してくれない。しかし、働きかければ、必ず答えが返ってくる。必ず。
p.200 迷ってやめたら、何も残らない。
やれば必ず結果が残る。
「仕組む」というのは、あまりずるい意味ではなく、ぼーっと待っているだけではダメだ、自分が強い明確な意志を持って動かないといけない、ということですね。
晴山さんのようにたくさんの本を出版されている方でさえ、「悠長に執筆依頼を待っていたら生活が成り立たない」とおっしゃっているのを聞いて、くすっ、と笑ってしまうと同時に、非常に納得できる気がしました。
どんなにすごい人でも、ただじっと待っているだけじゃないんだと。
自分の思う方向に進むように、自分で積極的に動き、多くの人に働きかけているんだと。
「こうしたら、こうなるはずだ」という信念のようなものも必要ですね。
私もブログを始めて、本を出版するなど、いろいろと未知の分野に進出してきましたが、「今の自分にできることは何でもやってみる」という気持ちでやってきました。
「後悔だけはしたくない」という気持ちでここまで来ました。
「死ぬ時に自分の人生を振り返って、後悔するような人生は送りたくない」というのもありますが、死ぬという最期の瞬間にそう思うだけならまだいい、私はどちらかと言うと、10年後に「あと10年若かったら、こうすることができたのに!」というような後悔の仕方をしたくなかったのです。
人間はどんどん歳を取ります。
歳を取ることが悪いことだとは思っていませんが、その歳でなければできないこと、というのもあるような気がします。
若い時に留学していれば…!などと今さら思ってもしょうがないので、それならそれで、「留学しないで、日本にいながらにして、英語を学ぶ方法」を見つければいいと私は考えました。
自分が過去に手を出さなかったことを悔やむのではなく、今のこの年齢で、今の境遇だからこそ言えること、を探求し、それを多くの人に伝えられればいい、と思ったのですね。
今、目の前にあるかもしれないチャンスを逃すようなことはしたくない、とも思うのです。
「だめもと」でもいいからとりあえずやってみる、それに挑戦してみて、失敗したり、思った通りにならなかったりしても、「やらないよりはずっといい」んじゃないかと思うのです。
「本を出版する」という夢が叶った私が言っても説得力がないかもしれませんが、「やれば必ず結果が残る」というのは、私の場合、必ずしも成功した話だけのことではありません。
「やってみてだめだった」ということでもいいのです。
「やってみてだめだった」なら、あきらめもつくから。
何年後かに、「あの時こうしていれば、人生が変わっていたかもしれない…」などと思いたくないのです。
これからの私の人生がどうなるかはわかりませんが、私も晴山さんのお言葉通り「迷ってやめたら、何も残らない。やれば必ず結果が残る。」という言葉を胸に、全力でいろんなことにぶつかっていきたいと思っています。
以上、私が「特に」反応した部分について、語ってみました。
この「知的生産のためのすごい!仕事術」という本は、タイトル通り、「仕事術」について語られている本ですので、ビジネススキルを紹介する本として、多くのブロガーの方に取り上げられています。
超有名な書評ブログ、smoothさんの マインドマップ的読書感想文 でも、この本が紹介されています。
その記事はこちら(↓)。
【知的仕事術?】「知的生産のためのすごい!仕事術」晴山陽一:マインドマップ的読書感想文
私の今回の記事は、内容の取り上げ方が偏ったものとなってしまっていますが(笑)、smoothさんの記事は、本の内容を全般に渡って、わかりやすくまとめて下さっています。
興味のある方は是非そちらもご覧下さい。
なお、今回ご紹介した本と同じシリーズ、青春出版社の青春新書INTELLIGENCE から、この9月2日に晴山さんの最新刊 英語にもっと強くなる本 が発売されました。
本当に驚異的なペースですね。
まさに「すごい!」です。
晴山さん、いろいろとありがとうございました!
(2008.9.6 追記)
この「知的生産のためのすごい!仕事術」以外にも、晴山さんのご本は、多くのブロガーの方に取り上げられています。
超有名書評ブログ、聖幸さんの 俺と100冊の成功本 では、「英語ベストセラー本の研究」(幻冬舎)が紹介されています。
その記事はこちら(↓)。
「英語ベストセラー本の研究」英語学習法の黄金律とは:俺と100冊の成功本
(私の過去記事、晴山陽一氏の「英語ベストセラー本の研究」を読んで(その1) からもリンクをはらせていただきました。)
興味のある方は是非、聖幸さんの記事をご覧下さい。
(追記はここまで)
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2008年09月05日
この記事へのトラックバック
おかげさまでこちらからのアクセスがかなりありました!
ただ、おそらく英語好きの方にしてみたら、ウチのブログは「ポカーン」状態だったかもしれません(英語勉強本くらいしか取り扱ってませんし(汗))。
ところで今さらですが、Rachさんのご本、アマゾンでも評判ですね〜。
ウチのDVDプレーヤーには「しまじろう」か「ディズニー」が常時セットされているのですが、いつか私も!!
拙ブログをご訪問して下さり、誠にありがとうございます。大変光栄です!
smoothさんのブログは、数々のベストセラー本で紹介されていますし、新聞の書籍広告でもしょっちゅうブログ名をお見かけします。そんな超有名ブロガーの方とこうしてお話させていただけるなんてとても嬉しいです。
「ポカーン」なんてことは「決して、ない」ですよ。
私は英語ブロガーなので、どうしても「英語学習者」としての視点でばかり見てしまうのですが、ビジネススキルとして見た場合など、なにごとももっと広い視野で見なければいけないな、と smoothさんの記事を読んで思いました。たくさんの本を読まれて、それをご自分の言葉で記事にしておられること、素晴らしいことだと思います。私はめったに書評記事は書かないのですが、smoothさんの記事はとても勉強になりました。
さらには、「私の本」の存在にも気付いて下さったようで、ありがとうございます!!
2008年3月発売だったので、今では随分順位も下がってしまいましたが(泣)、アマゾンでは最高位 115位までいきました。(smoothさんがご紹介されているようなベストセラー本とは桁が違いますけれど…笑)。
「しまじろう」や「ディズニー」でお子様が英語を学んでおられるのですね? smoothさんのようにお忙しい方は、私のおすすめする「海外ドラマのDVDを利用した英語学習」にトライする時間を捻出するのは大変難しいだろうと思います。が、問題集をカリカリやるよりも、「使える英語、生きた英語」が学べる気がしています。お時間があれば、お好きなドラマで是非!!(笑)
本当にご丁寧なコメント、ありがとうございました。これからも素晴らしい記事を書き続けて下さいね!