レイチェル: Well, let me just check that with what I've got here, all right, see 038 is not the number for (Ross starts making a lot of noise with a handheld pepper grinder) this store, 038 is Atlanta. And I... (stops and looks at Ross) (そうね。私がここに持っているもので、それをちょっとチェックさせて。いい、ねぇ、038 はこの店の番号じゃないの… [ロスが手で操作するこしょうひきで、大きな音を立て始める] 038 はアトランタよ、そして… [話すのをやめてロスを見る])
ロス: (stopping grinding) Pepper? ([こしょうをひくのをやめて] こしょう、いる?)
レイチェル: (angrily) None for me. ([怒って] 私はいらないわ。)
ロス: Okay, sorry, whew. (わかった、ごめんよ。フー。)
レイチェル: I'm sorry, as I was saying, the store number is wrong, and I'm sorry but that's... (notices a fire that Ross's candle has started) Oh my God!! ((電話を中断して)ごめんなさい。私が言っていたように、その店番号が間違っているのよ。悪いんだけど、それは… [ロスのろうそくが起こした火に気付く] まぁ、大変!)
ロス: (putting out the fire with a squeeze bottle of water) Okay, that's a fire. Oh yeah. Oh yeah. ([スクイーズボトルの水で、火を消している] あぁ、火だ。[火が消えてきたので] あぁ、いいぞ、いいぞ。)
レイチェル: (on phone) Excuse me, I'm sorry, I'm gonna have to call you back, I've got Shemp in my office. (hangs up) (to Ross) What are you doing? ([電話で] 失礼、ごめんなさい。折り返し電話をかけ直さないといけなくなりそうなの。オフィスにシェンプがいるの。[電話を切って] [ロスに] 何をやってるの?)
a handheld pepper grinder の handheld は「手持ち式の、手のひらサイズの、手で操作できる、携帯用の」という意味。
squeeze bottle は「スクイーズボトル、小型容器」で、squeeze は「絞る、圧迫する、強く押す」ということですから、押すことで中身が出るボトル、ということですね。
I'm gonna have to call you back, I've got Shemp in my office. について。
Shemp というのは、先頭が大文字になっていることから固有名詞だとわかりますが、どうやら人名のようです。
ぐぐっていると以下の人を発見しました。多分、この人のことだと思います。
Wikipedia 英語版: Shemp Howard
この人は、The Three Stooges という、コメディ・トリオ(comedy trio)の一員のようです。
Wikipedia 英語版: Three Stooges には画像がたくさんあるのですが、いわゆるドタバタ喜劇みたいなものを演じる人たちのようですね。
次から次へととんでもないことをしでかすロスのことを、「ドタバタ喜劇のコメディアンが一人、今、このオフィスにいるから大変なの」みたいに言っているようです。
ロス: I'm sorry. But ah, hey, oh, somebody's off the phone! How 'bout a glass of wine by the fire? I can get it going again.... (ごめんよ。でも、ほら、誰かさんは電話を終えたよね! 火のそばでワインを1杯どうかな? もう一度やり直すことができるし…)
レイチェル: Ross, you're not listening to me, I don't have time to stop. (ロス、あなたは私の言うことを(ちっとも)聞いてないのね。私は仕事の手を止める時間がないのよ。)
ロス: Come on, Rach, you don't have what, 10 minutes? (よしてよ、レイチェル。例えば10分の時間もないの?)
レイチェル: I don't have 10 minutes!! (10分の時間もないわ!)
ロス: What? (to Sophie) Sophie, does she have 10 minutes? (何だって? [ソフィーに] ソフィー、彼女は10分の時間もないのか?)
レイチェル: Hey, Ross!!! I told you, I don't! (ねぇ、ロス! 私は言ったわよね。時間はないの!)
ロス: Don't yell at me, okay? This is the most I've seen you all week. (僕に向かって怒鳴らないでくれ、いいか? この1週間、こればっかり見てるんだ。)
レイチェル: Look, I cannot do this right now, okay? I've got a deadline! Would you just go home? I'll talk to you later. (storms out) (ねぇ、私は今、こんなことできないのよ、わかるでしょ? 私には締め切りがあるの! ただ(つべこべ言わずに)家に帰ってくれる? 後で話をするから。[怒って部屋を出て行く])
ロス: Yeah, but wait...! (あぁ、でも、待って!)
レイチェル: Goodbye! (さよなら!)
(Ross starts to pack up the picnic in anger, and throws a three-hole punch in the basket.)
ロスは怒りながらピクニックを詰め始める。そしてバスケットに3穴パンチを投げ入れる。
ソフィー: Actually, that's our three-hole punch. (実は、それは私たちの3穴パンチなんだけど。)
somebody's off the phone! 「誰かさんは電話を終えた!、電話から離れた!」と言っています。
誰かさん、というのは、仕事が忙しくて話す暇もないレイチェルのことで、それをわざと somebody と呼んでいるのですね。
それまでずっとおちゃらけた、というか、ふざけた感じのロスでしたが、レイチェルが怒鳴った時、顔がマジになります。
怒鳴るレイチェルに対して、"This is the most I've seen you all week." と言っています。
この1週間、君の姿で「最も」見たのがこれだ、みたいなニュアンスでしょうね。
これというのはその「怒鳴っている姿」で、この1週間、怒鳴ってばかりだ、僕が何を言ってもいらいらしてて…みたいな感じです。
(2008.8.19 追記)
下のコメント欄でご意見をいただきました。
"This is the most I've seen you all week." は、
「今が今週一番多く君に会えた時なんだから」=「しばらく満足に会ってなかったんだから」
というニュアンスのようです。
詳しくは、下のコメント欄をご覧下さい。
(追記はここまで)
レイチェルも我慢の限界を超えたようで、ついには、"Would you just go home?" とまで言ってしまいます。
この Would you...? は、フレンズ2-17その15 に出てきた、
レイチェル: Would you guys stop! (あなたたち、もういい加減にやめてよ!)
の Would you...? のニュアンスに近いでしょうか。
just は「ただ」ということですが、この場合は、「とにかく、つべこべ言わずに」という感じが出ていますね。
フレンズ3-2その23 で、そういう just について説明しています。
ロスにもいろいろと不満がたまっていて、それを説明しようとするのですが、とにかく時間がなくてそれどころではないレイチェルは、「ごちゃごちゃ言わずに、今はとにかく家に帰って。話は家に帰ってからよ。」とロスを追い返してしまった、ということです。
storm は「嵐、暴風(雨)」。
それが動詞になると、「嵐が吹く、天気が荒れる」という意味になり、その荒々しい感じから「突進する」という意味にもなります。
storm out は「嵐のように部屋を出て行く」イメージで、「怒って勢いよく部屋を出て行く」という感じですね。
このソフィーという人はえらい修羅場を見たわりには妙に冷静ですね。
ロスが間違って、オフィスの文具(a three-hole punch 3穴パンチ)をバスケットに入れたことを指摘しています。
どんどん状況が悪化するロスとレイチェル。
You're not listening to me. 「あなたは私の言うことを(ちっとも)聞いてない。」
I told you... 「私は(確かに)言ったでしょ…」
Don't yell at me! 「僕に怒鳴らないでくれ!」
Would you just go home? 「とにかく家に帰ってくれる?」
など、喧嘩する時の表現がいろいろと学べるのですが、見ている方もちょっと辛いシーンですね。
(Rach からのお願い)
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こんばんは。
勝間さんのブログから来ました。
私も今年の5月からフレンズを見始めました。
とても面白くて、かつほんわか胸が温かくなるドラマで大好きです。
ご本、とても興味深いですね。私も英語勉強したいです!
ブログ、また遊びに来させてください。
勝間さんのブログから来て下さったのですね。わざわざお越しいただきまして、ありがとうございます。嬉しいです!
最近、フレンズを見始められたとのこと、こういうブログをやっている者として、フレンズのファンの方が増えるのは本当に嬉しいです。フレンズ、面白いですよね。ああいう友達がいたらいいな、と思える温かさもありますよね。
また、本についても言及して下さり、ありがとうございます。私もフレンズが大好きで、その大好きなドラマを使って、楽しく英語を学んできましたし、これからも学び続けていきたいと思っています。
また、お越しいただけると嬉しいです。コメントありがとうございました!
テリトリーさんへ
貴重なご意見ありがとうございます。
テリトリーさんの解釈が正しいような気がします。
というのは、
DVDの日本語字幕では「久々に会って怒るわけ?」
吹替では「怒鳴るなよ。今週になってやっと初めて会えたのに。」
となっていたのです。
これは、テリトリーさんの解釈に近いですよね。
the most というのは、「いろんな姿の中でこれを一番よく見た」という意味ではなくて、「君の姿を一番良く(長く)見た、君に一番多く会えた」のが、これだ、という意味、なんですね?
確かに、いつも留守電ばかりで、実際に顔を合わせることはなかったであろうことを考えると、「いつ見てもそうやって怒鳴ってばかり」という解釈はおかしいですものね。
日本語訳を確認したはずなのに、最初にそう思い込んでしまったせいでしょうか、何故か、上のように訳してしまいました。
ご指摘ありがとうございました!
レイチェルは仕事のことで頭がいっぱいなのに、ロスは何とか時間を取ろうと頑張っていますね。ロスとしては、恋人として、せめて記念日くらいは少しだけでもロマンチックな時間を…と思ったのでしょうが、女性はムードや気持ちが大切ですからねぇ(笑)。こんな風に強引に押しかけられても、忙しい今、急に気持ちを切り替えることはできないでしょう。
こういう時こそ、陰ながらそっと見守ってあげるとか、優しいメッセージをどこかに置いておくとか、が効果的なのかもしれませんね。でもそんなことを言っていると、ますます距離が離れてしまいそうなので、あせるロスの気持ちもよくわかるのですが。自分のことを忘れて欲しくない!という意思表示なんでしょうね。
完全語は
This is the most (furious Rachel or furious moment) I've seen you all week.のようなものでしょう。
furiousは恋人のRachelに対して、言わなくてもいいということで、省略されたと思います。
「そんなに怒っているのは始めて見てます。」のことで、
「そんなに怒らないでください」というニュアンスは正しいだと思います。
(この前のDon't Yell at meからも伺えます。)
この "This is the most I've seen you all week." の文は、今、見返してみても解釈が難しいなと思う部分です。
私の考えでは、”the most の後に「形容詞+名詞」が省略されている”という可能性はないと思います。そういう語句であれば、恐らく省略不可能だと思います。
また、the most の後に、I've seen you という「see の目的語の you」があるので、the most furious Rachel のような名詞句が来ると、see の目的語が2つあるような形になってしまうように思います。
フレンズ1-12その4
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470083.html
に、
It's the most beautiful table I've ever seen. (僕がこれまでに見た中で、一番美しいテーブルだ。)
というセリフがありますが、このように、「最上級の形容詞+名詞+I have (ever) seen」という形はよく出てきますよね。
今回のセリフは、I've seen all week ではなくて、I've seen 'you' all week なので、the most は副詞であると考えるべきだと思います。
I've seen you the most. という文章の the most が前に出た形だろうと思います。
私もあまり確信はないのですが、今のところの私の見解は、上のコメント欄に書いた、
「君の姿を一番良く(長く)見た、君に一番多く会えた」のが、これだ
が近いかな、と思います。