2008年09月19日

「村上式シンプル英語勉強法」を読んで(その1)

米 Google 副社長(兼日本法人社長)の村上憲郎さんが書かれた本として話題の、
村上式シンプル英語勉強法 を読みました。
私がこのブログを書くのに、なくてはならない存在の Google。
そのトップの方が書かれた本としても、英語勉強法の本としても、とても面白く、一気に読み終えてしまいました。

まず最初に、「私が勝手に親近感を覚えてしまった点」(笑)を3点挙げます。

一つ目。
著者略歴によると、村上氏は、1970年京都大学工学部をご卒業、とのこと。
私事で恐縮ですが、私は、1969年生まれで(このブログでは、初めてはっきりと年齢を書くことになりますが…笑)、1992年に京都大学農学部を卒業しました。
(学部は違いますが、私も理系出身ということになります。)
…ということで、村上氏は、「私が生まれた頃に大学を卒業された大先輩」ということになります。

二つ目。
本の帯にも紹介されていますが、村上氏は31歳で外資に転職、そこから自力で英語を身につけられたそうです。
過去記事、学習暦 でも語ったことがありますが、私が子持ち専業主婦になってから、英語のやり直し学習を始めたのが、2001年4月。
それは年齢で言うと、私が32歳の時になります。
同じような年齢で英語学習を始めた、という点でも、共感を覚えます。

さらにもう一つ。
Amazon.co.jp: 村上式シンプル英語勉強法 の「商品の説明」に、「週刊ST」のレビューが書いてありますね。
僭越ながら、私の著書 シットコムで笑え! 楽しくきわめる英語学習法 も、週刊STのレビューで取り上げていただきました。
そのことについて触れた記事はこちら(↓)。
週刊STの書評で取り上げていただきました!
「同じように週刊STの書評欄で紹介された!」というのが、私にとってはとても嬉しいです。

「勝手に親近感を抱く」話はこのくらいにして(笑)、以下、この本を読んで思ったことを書いてみます。

この本を読んで、私はやってないなぁ、と思うこともたくさんありました。
また、私と考え方が全く同じ!と思う部分もたくさんありました。
私は、どんな方の勉強法・学習法の本を読ませていただく場合でも、必ず「自分の方法とどこが同じで、どこが違うか」という視点で、その本を読ませていただきます。
以下、村上氏の本について語らせていただくにおいて、どうしても「私の本、私の方法、私の考え」との比較で語ることになってしまいますが、その点はお許し下さいませ。
英語学習者であれば誰でも、自分の方法や考え方と比較しながら他の方が語る勉強法の本を読んで、「何を取り入れるか?」を決めていくべきだと思うからです。
引用部分については、
村上氏の本からの引用
私の本からの引用
と、色分けして区別させていただきます。


まずは、この本を読んで、意外であり、また同時に面白いと思った部分。

p.14 私が Google のトップだから、Google のツールを駆使した勉強法を紹介するのでは……と期待をしていた読者の方には申し訳ありませんが、モバイルやパソコンを駆使した勉強法なども、本書ではほとんど紹介していません。

そうなんですよ。私も「それ」を期待していた読者の一人でした(笑)。
私はこのブログを、Google なしでは書けません。
私のブログに何度「ぐぐる」という動詞が登場することか。
フレンズに頻出する固有名詞などのサブカルネタは、必ず Google で検索する私です。
アメリカで暮らしたことのない私が、アメリカのドラマの解説を書けるのも、Google があってこそ!です。
拙著では、サブカルネタの調べ方、自分のデータベースを検索する方法などの項目で、Google の『画像』検索や Google デスクトップというツールについて説明しています。
米 Google 副社長の村上氏の本よりも、私の本の方が、Google についての言及が多いのです(笑)。
それだけ、私の英語学習には、パソコンもネットも必要不可欠なものなのに、村上氏の本に書いてある方法はそうではない。
それが、まさに「意外」だったんですね。
その理由は、まだそういうツールが存在しない、村上氏が自力で英語を身につけた30年前の方法が、この本では述べられているからです。

Chapter 1 英語を読む
p.31 「英語を読む」とは、英語を、英語のまま、「内容を英語で読む」ということなんです。

全く同感です。拙著も、それと同じことをリスニングの話として語っています。
p.23 長い文章が聞こえたままの姿で頭に入ってきて、当然その語順のまま頭の中でイメージされていく、それが「英語を英語のまま理解する」ということです。

村上氏は「多読」を勧めておられるのですが、そのジャンルの話で、
p.47 SFものは×。
一般の小説には出てこない、何とも言い難いへんてこりんな単語がいっぱい出てくるんです。


これには笑いました。
私はトレッキー(Trekkie=スタートレック・ファン)で、スタートレックのDVDを見ながらの英語学習もやったのですが、確かに「へんてこりんな単語」は多いですね。
よりSFチックに見せるために、余計にそういう「わけわかんない」単語が多くなってしまう、というのもあるでしょう。
そんな中でも、人間同士の普通の会話はあるとは言え、日常会話で使う単語・表現を覚える、という意味では、効率は悪いだろうな、と思っていました。
時々、このブログでも脱線して、トレックネタを披露することもありますが、とにかくあの世界観を知らない人には何のことやらわからないでしょうから、そういう意味でも、効率が悪いのです。

私は、スタートレックを見ている時は、英語学習の一環ではあるけれど、限りなく「趣味として」(笑)見ていた気がします。
「フレンズ」よりも「スタートレック」の方が、より詳しい英語ブログを書ける自信があったりするのですが(笑)、スタートレックの場合だと、「使える生きた英語表現を学ぶ」よりも、「マニアックな専門用語に酔いしれる」ようなブログになってしまいそうな気がします。
でも、英語がある程度わかるようになると、そういう専門的なものでも英語でチャレンジすることは良いことですね。
自分の「趣味」が英語で楽しめるというのは、とても楽しいことですから。
村上氏も、
初心者にはSF小説はオススメしません。
と書かれていて、「初心者には」という限定がついています。
ご自身は「実はSFモノは大好きで何冊も読んだ」とのことです。
スタートレックはお好きかしら?(笑)


Chapter 2 単語を覚える
では、語彙を増やすことについての方法を述べておられます。
恥ずかしながら、私は語彙については全く自信がありません。
過去記事、Pass単断念 1級一次(語彙編) で書いたように、英検1級向けの単語を覚えることをさっさとあきらめてしまった私なので、ボキャビルに関しては大したことは言えません。
そんな私ですが、村上氏のおっしゃる、
「ひたすら眺める」「毎日1万語、全部を見る」「その単語に何回も出会う」
というのは面白い方法だな、と思いました。

拙著では、ボキャビルの話ではなく、頻出表現に関する話で出てくるのですが、「単語に出会う」ことについて書いています。
p.47 何度も何度も出てくる表現が、日常生活でもよく使われる表現だということですね。一つのエピソードで出てきた単語を全部覚えても、そのうちのいくつかは普段はあまり使わない単語かもしれません。そういう頻度の低い単語を完璧に覚える時間があったら、何度も出会う単語を覚える方に力を注ぐべきです。

私の場合は、「ドラマでよく使われる英語表現をどう覚えるか?」という話なのですが、「何度も出会うと覚える」という部分は同じかな、と思います。
私が本で言いたかったのは、日常会話として、覚える単語に優先順位をつけるのであれば、出会う頻度の高い単語を優先的に覚えるべきだ、ということです。
村上氏の場合は、本を早く読むためには、語彙を増やすべきだ、というお考えのもと、覚えるべき単語に「毎日、強制的に出会うようにせよ。」とおっしゃっているような気がします。

長くなりましたので、続きは 次回 にします。


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posted by Rach at 13:53| Comment(4) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちわ。Rachさん。
わたしも先日この本を立ち読みでほとんど読んでしまいました(笑)
困った読者ですね。へへへ。

わたしも語彙力には問題を抱えているので、「単語を覚える」に
ついては、かなり魅せられてしまい、巻末で勧められていた
「ピー単」を購入してしまいました。
非常につられやすい・・・(笑)

やっぱり語学習得に近道はないんだなと納得し、ぼちぼちでいいから
頑張ろうと思い直しました。

わたしのフレンズ学習も、やっとseoson3に入りました。
オンタイムでRachさんの解説読めるように、あとちょっと
頑張ります!!
Posted by eringe at 2008年09月29日 17:56
eringeさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。

私も語彙力増加については、これだ!という方法論をあまり持っていなかったので、その部分は特に興味を惹かれました。
その巻末で勧められていた「英単語ピーナツ」ですが、最近、アマゾンでその名前をよく見かけるなぁ、と思っていたんです。この村上さんのご本で推薦されていたからのようですね。改めて、この本の反響の大きさを知った、というところです。

「近道はない」という当たり前のことを改めて知ることも大切だと思うんです。「簡単に身に付く」というキャッチフレーズに惑わされない強い心も必要ですよね。

最近のフレンズ解説の進度は非常に遅いので、すぐに追いつかれると思いますが(笑)、これからもよろしくお願いします!!
Posted by Rach at 2008年09月30日 09:30
「中国語をどう勉強するのか?」と計画を立てていたところで、
「英語もやり直した方が良い」と、色々なサイトをチェックしていました。そうしたら、このブログにたどり着きました。
素晴らしいブログですね。
仕事も忙しいので、効率的に語学を学びたいと思っています。
この記事は参考になりました。
あと、中国語以上に、フレンズで英語をやり直したくなりました。
ありがとうございました。
Posted by azabuconsultant at 2010年08月07日 20:29
azabuconsultantさんへ
ご訪問&コメント、ありがとうございます。また、拙ブログに対するお褒めのお言葉もありがとうございます。
村上憲郎さんのこのご本は、ビジネスパーソンが効率的に英語を学ぶコツがたくさん書かれていますよね。私は中国語はさっぱりわからないのですが、他の語学を学ぶ時にも、この村上さんのご本は素晴らしいヒントを与えてくれると思います。
「フレンズで英語をやり直したくなりました」とのお話も、こういうブログを書いている人間として、とても嬉しいです。こちらこそ、ありがとうございました。
Posted by Rach at 2010年08月10日 09:55
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