前回 に引き続き、米 Google 副社長(兼日本法人社長)の村上憲郎氏の書かれた、
村上式シンプル英語勉強法 について語ります。
Chapter 3 英語を聴く
p.92 1日1時間×3年。生の英語を1000時間聴く
とあります。
やはり、「1000時間」は必要だろうな、と私も思います。
有名な教材、「アルクのヒアリングマラソン」も、1000時間、なんですよね。
アルク・オンラインショップ 1000時間ヒアリングマラソン
アルクが「1000時間」という時間を設定しているのは、やはり、それだけの時間が必要である、と多くの人が考えていることの証だろうと思います。
私はこの教材を試したことはないのですが、良い素材をこれだけの時間聞き続ければ、必ず英語が聞こえるようになるはずだと思います。
「英語が聞けるようになりたい!」と思う人は、これくらいの時間をかけなければいけない、という覚悟は絶対に必要だと思いますね。
私も、耳が空いている時間は、DVDプレーヤーをリピートモードにしてひたすら聞いていました。
そして、1年半くらいでプレーヤーを壊してしまいました(笑)。
が、それを聞いている時はいつでも、「アルクのヒアリングマラソンも1000時間と言っているのだから…」と、それくらいの時間、英語を耳にすることができるようにできるだけ努めました。
Chapter 4 英語を書く
p.104 日本人には英作文は無理。あきらめて”英借文”を。
p.106 ただ、上手に英借文するためには、準備も必要です。
つまりコピー元になる文章の手持ちを増やすことが大切になるんです。
p.108 英借文用のテンプレートをストックせよ
とにかく常に「これは、いつか使えそうだな」という視点で英語の文章を見る習慣、そしてそれをストックしておく習慣をつけるんです。
これは本当にその通りですね。
私も全く同意見です。
拙著でも、
p.93 私は問題集に出てきた表現でも、これは使えそうだな、と思ったものを、自分のパソコンにメモしています。自分で英語を書く時に、これはかなり使えるデータベースとなります。
p.105 インプットしている時に常に思うこと、それは「これをいつか使ってやろう」という気持ちです。使うことのない言葉なら、はっきり言って覚える必要がありません。
究極を言うと、言葉というのは全て、最初は「借り物」だ、と私は思っています。
「こんにちは、ありがとう、さようなら」という簡単な言葉ですら、そうです。
自分が子供の頃、初めて何らかの言葉を発した時、その言葉を自ら生み出したわけでも、作り出したわけでもないはずです。
ずっと大人の会話を聞いていて、こういう状況の時、こういう言葉を使う、というのを知り、その状況になった時に、その大人が使っている言葉を「借りて」使ってみた、ということですね。
借り物として使っているうちに、だんだん自分の心情とリンクしてくる、そうして自分の気持ちを直接伝える言葉となっていくのだろうと。
これは、自分の子供たちが日本語を覚えていく様を目の当たりにしていて感じたことです。
子供はうまく大人の言葉を「借りながら」、自分の言葉を覚えていくのです。
英語を学ぶ日本人も、ネイティブの英語を上手に「借りながら」英語を覚えていきたいですね。
p.110 作文より、借文より、まずはタイピング
そもそも英語を手で書くというスキルなど必要ないのです。
そうですね。タイピングのスキルは大切ですね。
私は、こんな風にブログを書いているせいで、日本語・英語ともお陰様でタイピングはかなり早くなりました。
パソコンでタイピングしている時が、一番ものを考えるのがスムーズになります。
考えるスピードとタイピングのスピードがほとんど同じだからです。
手書きだと、スピードがものすごくトロくて、頭の回転速度も一緒に下がってしまう感じがします(笑)。
鉛筆で書くのに慣れてなくて…(?) 1級一次(英作文) でも書きましたが、1級一次試験のライティングでは、ほんとに手書きで書けなくなっていて困りました。
手書きではなくタイピングだったなら、あまりスペルの間違いもしなかっただろうし、時間もそれほどかからなかっただろうと思っているのですが。
そういう意味では、学生さんが大学受験をする際には、今でもまだやはり手書きの部分があるでしょうから、学生さんの場合は、「ある程度書ける」ことは必要かもしれません。
ただ、社会人になってからの場合は、手書きで書く機会は本当に少ないでしょうね。
英検1級ライティングは手書きですが、他のライティングのある試験、TOEFL iBT(Internet-based Testing) や、TOEIC Speaking & Writing Tests は、コンピュータ上で文字を入力するんですよね?(受けたことないので、詳しくは知りません)
そして、ビジネスでは、書類は手書きではなくワープロでしょうし、連絡も e-mail でしょうから、なおさら、手書きが登場する出番はありませんね。
村上氏がおっしゃるように、ビジネスの世界では、英文タイピングの能力がものを言うことになるでしょう。
Chapter 5 英語を話す
p.120 自分に関する100の話題を丸暗記する
p.122 英語では話題を事前に準備できていないだけです。
p.124 話すことで「マイ・ストーリー」を磨く
p.126 自分の周囲の「関心事」も、英語で言えるようにしておく
話すためには、話すためのネタのストックが大切、ということですね。
私はネイティブと話すチャンスがないので、この「話す」というスキルを磨くことについては、いつも頭を悩ませています。
私の場合は、村上氏がおっしゃったようなことを、「ネット上で書く」ことで、代用しようとしています。
それが、Karen という別のハンドルネームで書いている、Karen's blog supplemental という英語日記です。
(この英語日記については、過去記事、もう一つの私のブログ で詳しく語っています。)
これはアウトプットの練習としてやっていることですが(今は更新頻度がものすごく低くて、ちっとも練習になっていないのですが…笑)、こんな風に、自分の日記を書く、ということは、自分に関する話題、自分の関心事を英語でまとめることの良いきっかけになるかな、と思います。
何か書け!と言われると、結局は、自分の身近な話題を書くことになるわけですよね。
私の英語日記も、子供の話か、ある日の出来事か、趣味の話か、もしくは英語学習者としての悩みや考えなど…になるでしょうか。
同じような日常を過ごしているので、どうしても似たりよったりの内容になってしまうのは否めませんが、それでも、自分のことを語る世間話としてのネタのストックにはなっているのかな、と思います。
これを書いているからと言って、それがネイティブ相手にすいすいと会話となって流れ出るか、というと、これまた少々別問題のような気もするのですが、少なくとも、何も用意していないよりはましかな、と思います。
ネイティブの友達が読んでくれていると想像して、その人に語りかける気持ちで、その人に伝わるように、自分のことを英語で綴ってみれば、それが、実際に会話する時の大きな材料になるのではないか、と。
話は戻りますが、こういう「英語日記」は、Chapter 4 英語を書く の「英借文」の話にも関係がありますね。
自分の日記に使えそうなフレーズを探しながら英語を見る習慣ができますし、それを実際に「英借文」してアウトプットする貴重な場となるわけです。
村上氏の本について長々と語ってきましたが、タイトルに「シンプル」と銘打っているだけのことはあって、部門ごとに、「着実でもっともだ」と思える方法が、わかりやすく具体的に書いてありました。
私が多くの勉強法の本を読んでいつも勇気付けられること、それは、「こんなにすごい人も、こんなに時間をかけて、こんなに努力をして、英語を身につけてきたんだ!」という事実です。
見たこともない単語が読めるはずはない。聞いたこともない単語が聞けるはずもない。
やはり、「大量の英語を読む、聞くことが大切」というのは、この村上氏の本でも強調されていました。
私もそれだけは絶対に譲れないと思っています。
帯には「必要なことしかやらない」と書いてありますが、裏を返せば「必要なことは必ずやらなければならない」ということでしょう。
村上氏が英語を学ぶ過程で、何を「必要なこと」だと思ったのか、何を「不必要なこと」だと思ったのか、それを知り、さらには自分が目指している英語との兼ね合いを考えて、自分にとっての「必要なこと」とは何かを探して行くべきなんだろうと思います。
Google がなければ、このブログを書けない、と私は前回の記事で書きました。
Google を始めとする、ネット環境の整備があってこそ、Rach というブロガーが存在し得ると思っています。
Google の村上氏は、パソコンやネットがない時代に、自力で英語を身につけた。
私は、その村上氏の会社 Google のツールを使って、こうして今、英語の勉強を続けている。
時代によって、使うツールはいろいろと変わってくるのかもしれません。
ただ、間違いなく言えることは、どんなにツールが進化しても、「時間をかけて、大量の英語を浴びる」ということが重要であることに変わりはない、ということです。
改めてそれを多くの人に伝えて下さった村上氏に感謝したいと思います。
ありがとうございました。
そして、英語学習をサポートしてくれる Google のツールが、今後ますます発展してくれることを心より願っています。
(Rach からのお願い)
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2008年09月21日
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