2008年09月24日

謝るチャンスをあげようとしたのに フレンズ3-15その12

[Scene: Monica and Rachel's, Ross is eating the picnic as Rachel comes home from work.]
モニカとレイチェルの部屋。ロスはピクニックの食事を食べている。その時、レイチェルが仕事から家に帰ってくる。
ロス: Hey. (やぁ。)
レイチェル: Hi. Look um, about what happened earlier... (はい。ねぇ、さっき起こったことについてだけど…)
ロス: No, hey, well, I-I completely understand. You were, you were stressed. (いいや。ねぇ、僕は完璧に理解しているよ。君は、君は、ストレスがたまってたんだ。)
レイチェル: (throws her stuff down) I was gonna give you a chance to apologize to me. ([自分の持ち物を投げ落として] 私はあなたに、私に対して謝るチャンスを与えてあげようとしていたのよ。)
ロス: For what? For letting you throw me out of your office? (謝るって何に? 僕を君のオフィスから追い出すことを、僕が君に許してあげたことに対して?)
レイチェル: You had no right coming down to my office, Ross. You do not bring a picnic basket to somebody's work! Unless maybe they were a park ranger! (あなたに私のオフィスに来る権利はなかったのよ、ロス。あなたは、誰かの仕事場にピクニックバスケットを持ってきちゃいけないのよ。多分、その(差し入れをする相手の)人が、パークレンジャー[公園管理者]であったなら、話は別だけど。)
ロス: Yeah, well, excuse me for wanting to be with my girlfriend on our anniversary. Boy, what an ass am I! (そうだね。じゃあ、「申し訳ありませんが、僕たちの記念日に彼女と一緒にいたいと思ってもいいでしょうか?[一緒にいたいと願うことをお許し下さい。] わぁ、僕ってなんてバカなんだ!)(→下に追記と訂正あり)
レイチェル: But I told you I didn't have the time! (でも私は言ったわ。私は時間がない、って!)
ロス: Yeah, well, you never have the time. I mean, I don't feel like I even have a girlfriend anymore, Rachel. (あぁ、そうだね。君は常に時間がないんだ。つまり、もう、僕に恋人がいるような気持ちを感じられないんだよ、レイチェル。)

レイチェルは帰ったそうそう、さっきのオフィスでのトラブルを話題として持ち出しています。
「さっきの僕はどうかしてたんだよ。ごめん。」と言ってもらうのを期待していたわけですね。
さっきのロスの行為はあまりにもひどかった、だから当然ロスの方から謝るだろう、と。

でも、ロスの口から出たのは、「君のさっきの行為については理解しているよ。君はストレスがたまってたんだよね。」という言葉でした。
「ストレスがたまってたから、レイチェルはあんなひどいことをしたんだよね。」と言いたいわけです。
それで、とうとうレイチェルはブチギレてしまいます。
「私はあなたに謝るチャンスをあげようとしたのに、反省するどころか、私の行為を非難するわけ?!」

ロスはロスで自分は悪くないと思っています。
いくら忙しくても、わざわざやってきた恋人をオフィスから追い出すのはひどすぎる、と思っているのですね。
僕が謝るのはおかしい、謝る理由なんてない。オフィスを追い出されたのは僕で、傷ついたのは僕なんだから、と。

ranger は「森林警備隊員、森林監視員」。
また「突撃隊員」のことも指しますね。
park ranger だと「公園管理者、公園保護官」。

日本でも、男児に人気の「戦隊もの」というジャンルがありますが、あれも「ゴレンジャー」など「レンジャー」という言葉がついています。
「突撃隊員」のニュアンスでしょうね。
過去記事、フレンズ1-22その5 でも触れましたが、そういうレンジャーもののアメリカ版のタイトルは、Power Rangers で、英語でもやはり ranger という単語が使われています。
英語の発音では正しくは「レインジャー」ですが。

レイチェルは、ロスが仕事場にやってきたこと、そしてそこにピクニックセットまで持ち込んだことを怒っています。
事務的な仕事をしている仕事場にピクニックの差し入れはふさわしくない、と言いたいのですね。
例えば、それが「公園管理者(park ranger)」であったなら、仕事場が屋外でピクニックセットを広げてもさまになったでしょうけど、違和感ないでしょうけど、その人も怒らないでしょうけど…みたいなことです。
You do not bring a picnic basket to somebody's work! Unless maybe they were a park ranger! ですが、they は somebody を言い換えたものです。
その「誰か」の性別がはっきりしないために、通常なら、he/she (he or she) was a park ranger などと言うところですが、そういう性別の使い分けをしないで済む、they を使っているのですね。
そんな風に、口語では、somebody などの性別のわからない単数名詞を they で受けることがよくあります。

レイチェルは忙しいと言っているのに、それでも強引に尋ねてきたロスが許せない、そしてピクニックみたいにお遊び気分のものを持ち込んだのがなおさら許せないわけですね。
せめて、レイチェルの好きなベーグルとかを持ってきて、Good luck! とだけ言って去っていく、とかなら、優しい気遣いありがとう、で終わっていたはずで、レイチェルもここまで怒らなかっただろうと思うのですが。

権利はないと言われたことにロスは反論します。
ロスは、恋人なら彼女のオフィスを訪ねる権利はある、と言いたいのですね。

Excuse me for doing... は「僕が…することを許して下さい」。
記念日に恋人と一緒にいたいと思うのは当然だ、それをわざわざ、Excuse me for ... という表現を使って、そう願うことを許してくれ、と許可を得る必要があるのか?と言っています。
そんなことをいちいち言う人がいたとしたらそれはバカだよ、ということですね。
(2008.9.26 追記)
Excuse me for doing... について、下のコメント欄でご指摘いただきました。
上の訳、解説では「僕が…することを許して下さい」と私は書いてしまいましたが、正しくは、「僕が…したことを許して下さい。…してすみません。」で、自分が過去に行なった行為を詫びる表現です。
また、「…して悪かったね。」と皮肉っぽく使うこともあります。
ですから日本語訳は、「僕たちの記念日に彼女と一緒にいたいと思って悪かったね。何てイヤなやつなんだ、僕は!」になると思います。
下のコメント欄に訂正と追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)

レイチェルは「時間がない」とはっきり言ったのに…と思っているのですが、ロスはそれが今回だけのことではなく、このように仕事するようになってからは、それが口癖のようになっていることをいやがっているのですね。
恋人らしいことが全く出来ていない、これじゃあ、恋人がいないのと同じことだよ、ということです。


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posted by Rach at 07:06| Comment(3) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは

excuse me〜 は、「〜してすみません、ごめん」
what an @$$〜 で 「なんて嫌な奴なんだ」なので、
「仕事場にピクニックを持ち込んですみませんね!そんなことするなんて、なんてヤな奴なんだろうね僕は!」という皮肉ではないでしょうか。

どっちにしても反省の色が見えないので、余計レイチェルが怒りそうですね。
Posted by 長月 at 2008年09月24日 09:36
ごめんなさい、間違えました。

「恋人と記念日を一緒に過ごしたいと思ってすみませんでした!(恋人と記念日を一緒に過ごしたいと思うなんて)なんて嫌な男なんだろうね僕は!」
ですよね。
当て付けていて、喧嘩腰ですね。
Posted by 長月 at 2008年09月24日 09:43
長月さんへ
ご指摘ありがとうございます。おっしゃる通りです。
上の解説では、Excuse me for doing... は「僕が…することを許して下さい」と書いてしまいましたが、「僕が…したことを許して下さい」ですよね?(何で間違えたんだろう?…笑)

Excuse me for ...ing は「…してすみません。私が…したことをお許し下さい。」で、「過去に実際にしてしまったこと」について、詫びる表現ですよね。

英辞郎には、
excuse me for
1. (謝る)〜で失礼しました
2. (皮肉)〜で悪かったね
例) Excuse me for being rough. がさつで悪かったね。

という語義が載っています。今回のロスのセリフもその「皮肉」に近いニュアンスで、「記念日に彼女と一緒にいたいと思ったりして、申し訳ありませんでしたね。悪かったね。」
というニュアンスですね。

そう願った自分を、an ass 「最低なやつ」だと言っているのですね。ロス自身は、恋人なら当然そう思ってもおかしくないと思っているのに、レイチェルに対して、そういう自分を、an ass というキツい言葉で卑下することで、当て付けている、ということですね。

ご指摘ありがとうございました。これからもよろしくお願いします!
Posted by Rach at 2008年09月26日 11:20
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