ロス: Is this about Mark? (これって、マークが関係してる?)
レイチェル: (shocked) Oh, my God. ([ショックを受けて] なんてこと。)
ロス: Okay, it's not, it's not. (わかった。違う、違うんだね。)
レイチェル: Oh my God. I cannot keep having this same fight over and over again, Ross, no, you're, you're, you're making this too hard. (なんてこと。こんな同じ喧嘩を何度も何度も繰り返し続けることはできないわ。ロス。あなたは、あなたは、あなたはこの状況をものすごく困難にしているのよ。)
ロス: Oh, I'm, I'm making this too hard? Okay, what do you want me to do. (あぁ、僕が、僕がこれをものすごく困難にしているんだね? わかった。君は僕に何をして欲しいの?)
レイチェル: I don't know, I don't know. Look, maybe we should just take a break! (わからない、わからないわ。ほら、多分、私たちはただ、ブレイク(break)をとるべきだと思うの。)
ロス: Okay, okay, fine, you're right. Let's ah, let's take a break. (goes to the door) Let's cool off, okay? Let's get some frozen yogurt or something.... (opens the door) (わかった、わかった。いいよ。君は正しいよ。ブレイクを取ろう。[ドアのところに行く] 頭を冷やそうよ。フローズンヨーグルトか何かを買ってこよう。[ドアを開ける])
レイチェル: No. (Ross is standing in the doorway.) A break from us. (違うの。[ロスは戸口に立っている] 私たち二人(の関係)からブレイクを取るのよ。)
(Ross looks at her, then leaves slamming the door behind him.)
ロスはレイチェルを見る。それから後ろのドアをバタンと閉めて立ち去る。
お互いどうしたらいいかわからない、と言った後のロスのダメ押し。
「君がこんなに仕事に熱心なのは、それがマークと繋がる仕事だから?」みたいに言ってしまいます。
レイチェルは、まだそんなことを考えていたのかと知ってショックを受けます。
レイチェルのリアクションで、やっぱりマークは全く関係ないと気付き、さすがのロスも、それは違うよね、と撤回するのですが。
レイチェルが今の仕事が楽しくてしょうがないと思っていること、だからどんなに忙しくても責任感を持ってそれを果たそうとしている気持ちは、レイチェル自身の発言でわかりますね。
それなのに、その仕事を愛する気持ちを、「もしかしてあのマークって男のせい?」みたいに、恋愛問題にすり替えられて、というか、男のためにやっているように思われてしまう、ということは、レイチェルにとっては衝撃的な一言だったでしょう。
これだけ説明しても、まだわかってもらえてないのか、みたいな気持ちでしょうね。
you're making this too hard. の this は今の状況を指しているのでしょうね。
確かにレイチェルは仕事が忙しくて、恋人のロスに会えない、という困った状況なわけですが、そこにロスが感情的に絡んでくることで、ますますこの状況を hard にしている、あまりにも hard な状態にしている、ということかな、と思います。
cool off は「頭を冷やす、冷静になる」。
Look, maybe we should just take a break! について。
ここで、今回のエピソードのタイトル The One Where Ross and Rachel Take a Break にもある、break という言葉が出てきました。
フレンズ3-15その1 でタイトルを書いた時に、私は「ロスとレイチェルがブレイクをとる話」と訳した上で、「take a break については、ネタバレにならないように、また、意味に幅を持たせるように、あえてぼんやり訳しました。」と説明したのですが…この break のニュアンス、訳しにくいですねぇ。
break という動詞は「切断する、壊す」「中断する、遮断する」という意味です。
それが名詞になると「割れ目、切れ目」という意味になり、そこから「(仕事などの)小休止、休み時間」という意味にもなります。
コーヒーブレイク、ティーブレイクなどは日本語になっていますね。
レイチェルの take a break という言葉を聞いて、ロスは、「このまま頭に血が上ったままで口論・喧嘩をしていても埒が明かないから、一休みしましょう。」という意味に捉えました。
そこで、cool off 「冷静になる、頭を冷やす」という言葉を使って、興奮しているのを冷ますために、冷たい食べ物の frozen yogurt を買ってくる、と言いながら部屋を出て行こうとするのですね。
ところが、レイチェルの言っている意味はそうではありませんでした。
喧嘩からのブレイクではなく、a break from us つまり、「私たちからブレイクを取る」、「お互いが相手から距離を置く」みたいなニュアンスでしょうか。
(この from us のニュアンスも訳しにくい。)
break には「断絶、絶好、決別」のようなニュアンスもあり、make a break with tradition なら「伝統と決別する」という意味になります。
ロングマン現代英英辞典にも以下の語義が載っています。
break [noun]: END A RELATIONSHIP
[singular] a time when you leave a person or group, or end a relationship with someone
つまり、「ある人やあるグループを去る時、または、誰かとの関係を終える時」。
ロスの思っているような「休憩、一休み、小休止」の意味ではなく、A break from us. だと言うレイチェルですが、それ以上深く説明はしません。
ロスもそれを聞いて意味を悟って去っていきます。
ですから、ここでの、a break from us という言葉は、その言葉以上の具体的な説明はされないまま終わります。
ロスは口論からの break かと思った、するとレイチェルは、from us つまり、our relationship のブレイクであると言った、ということです。
が、それが relationship に関する break だとわかったところで、レイチェルの発言だけでは、「休み」の感じのブレイク、つまり「少し距離を置く、しばらく離れる」という感じなのか、「切断」という完全に切れてしまう「別れ」のイメージのブレイクなのかがよくわからないような気がします。
レイチェルが最初に言ったのは、we should just take a break! で、その後、A break from us. と説明を付け加えています。
男女の別れにおいてよく使われるのは、break up (with...) という表現ですが、レイチェルは、we should break up. と言ったわけではありません。
take a break, a break from us という表現からは、break up ほどはっきりとした「別れる」ニュアンスが感じられないような気がするのですが、どうでしょう?
脚本上、ロスが休憩というニュアンスのブレイクと勘違いする、という話の流れになるように、take a break という表現を使った、ということは大いにありますが、break up ではなく、take a break (from us) となっているのにも大きな意味があるような気がします。(今後の展開に関係するので、ここでは詳しく語れませんが…)
お互いが、a break from us をどういうレベルのブレイクだと理解しているか、が、今後の展開の鍵となっていくように思います。
ですから、今の時点では、ブレイクというカタカナでの理解にとどめて、これは「離れる」なのか「別れる」なのか?という最適な日本語を探すことはしません。
「私たち二人の関係からブレイクを取るのよ。」という妙な日本語のままの理解で、ここは納得して下さい。
寂しそうに少し笑ってドアをバタンと閉めるロス。
見ている方もつらいですね。
(Rach からのお願い)
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2008年09月28日
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