2008年10月02日

めんどくさそうに訳す通訳 フレンズ3-15その16

[Scene: A Restaurant, Monica and Phoebe are on their dates with Sergei and Mischa.]
レストラン。モニカ&フィービーは、セルゲイ&ミーシャとデート中。
モニカ: Oh, and I can also speak a little French. Voulez vous couchet avec moi, saiz soi. (Mischa laughs) Why? What did I say? (まぁ、それで私も少しはフランス語が話せるのよ。[フランス語をしゃべる] [ミーシャが笑う] どうして(笑うの)? 私は何て言ったの?)(フランス語部分について、下に追記あり)
ミーシャ: Well, you just asked if I wanted to go to bed with you tonight. (そうだね。君は、僕が今夜君とベッドインしたい[君と寝たい]と思っているかどうかを尋ねたんだ。)
モニカ: Oh, my God! No wonder I get such great service at Cafe Maurice. (なんてこと! カフェ・マリースであんなに素晴らしいサービスを受けたのも不思議じゃないわね。)
フィービー: (laughing and banging her spoon on the table) Knock, knock, knock, knock, hi. Um, could you please tell Sergei that um, I was fascinated by what Boutros Boutros-Ghali said in the New York Times. ([笑いながら、そしてスプーンをテーブルにたたきつけながら] ノック、ノック、ノック、ノック。はーい。お願いだからセルゲイに伝えてくれるかしら、ブトロス・ブトロス・ガリがニューヨークタイムズで言ったことに私は興味を抱いた[魅了された]、ってことをね。)
(Mischa does so.)
ミーシャはそうする。
フィービー: You didn't say "Boutros Boutros-Ghali." (あなたは、ブトロス・ブトロス・ガリって言ってなかったわ。)
ミーシャ: (to Sergei) Boutros Boutros-Ghali. ([セルゲイに] ブトロス・ブトロス・ガリ。)
(Sergei responds.)
セルゲイが答える。
ミーシャ: He says he was too. (彼も魅了されたと言っています。)
フィービー: Interesting. (興味深いわ。)
ミーシャ: (to Monica) So I was wondering.... ([モニカに] それで僕は思ったんだけど…)
フィービー: Okay, ah, before you get all talky again, umm, could you also please tell Sergei that... I really like his suit. (いいわ。あなたがまたすっかりおしゃべりになっちゃう前に、お願いだから、これも言ってくれるかしら…彼のスーツ素敵だわ、って。)
(Mischa does so, and Sergei compliments Phoebe, and says it slowly)
ミーシャはそうする。そしてセルゲイはフィービーを褒めて、それをゆっくり言う。
ミーシャ: (to Phoebe, very quickly) Eh, he said thank you very much, he thinks you look very pretty tonight, your hair, golden like the sun. (to Monica) So you're a chef? ([フィービーにとても早口で] とてもありがとう、とセルゲイは言いました。セルゲイはこう思っています、君は今夜とっても可愛く見える、君の髪は金色で太陽のようだ、と。[モニカに] それで君はシェフなの?)
モニカ: I'm also thinking about opening up my own restaurant. (私も自分のレストランを開こうかなって考えているの。)
ミーシャ: Oh, really. (あぁ、そうなんだ。)
フィービー: Monica, could I talk to you behind my menu, please. (Behind the menu) What are you doing? (モニカ。メニューの後ろであなたと話せるかしら? [メニューの後ろで] あなた何をやってるの?)
モニカ: Well, I was having a conversation. (そうね。私は会話をしていたんだけど。)
フィービー: Yeah but, Mischa's so interested in you that Sergei and I haven't been able to say two words to each other. (そうね。でも、ミーシャはあなたにものすごく興味があるから、セルゲイと私はお互いに2語を言うことも出来なかったわ。)
モニカ: What do you want me to do? Just sit here silently while you three have a conversation? (あなたは私にどうして欲しいの? あなたたち3人が会話をしている間、ただここで黙って座っていて欲しいの?)
フィービー: That would be great. Thank you. (それだといいわね。ありがとう。)

誰かに外国語の文章を習ったけど、その内容はトンデモナイものだった、ということ、ありますよね。
モニカが言ったのは、「あなた、今夜、私と寝たい?」という意味のフランス語だったそうです。
モニカはその意味を知らず、フランス(もしくはフレンチのお店?)のカフェ・マリースでその言葉を言ったので、えらくサービスが良かった、と言っているようです。(逆にヒカれてしまう恐れもありそうなセリフですが。)

(2008.10.4 追記)
下のコメント欄で教えていただいたのですが、上でモニカが言ったフランス語は、正しくは、
Voulez-vous coucher avec moi ce soir?
のようです。
Lady Marmalade という曲に出てくるコーラス部分のフレーズで、その曲は後に映画「ムーラン・ルージュ」の中でも使われました。
詳しくは、下のコメント欄をご覧下さい。
(追記はここまで)

Boutros Boutros-Ghali というのはこの方(↓)。
Wikipedia 日本語版: ブトロス・ブトロス=ガーリ
国連の事務総長をされていた方ですね。
ウィキペディアにも書いてあるように、当時は、「ガリ事務総長」と新聞では表記されていたように思いますが、正しい発音は、ガーリなのでしょうか?
(フィービーの発音は、「ガーリ」と伸ばしているように聞こえなくもないけど(微妙)、ミーシャの発音は、「ガリ」にしか聞こえません。)

ブトロス・ブトロスと同じ音が続く珍しい名前ですね。
フィービーは、「ブーチョロス」という感じで発音し、ミーシャは「ブートロス」と発音しています。
ブートがブーチョみたいになるのは、ブルックリン・アクセントでしょうかね。(street がシュチュリートみたいな発音になっているのをたまに聞きますので。)

他の言葉はちゃんと訳されているかどうかはわからないけど、人名は基本的に万国共通だから、フルネームを言わずに済ましたことがバレてしまったのですね。
「あなた、適当に訳してるでしょ?」とでもいいたげです。
きちんと丁寧に訳しているかを知るために、その名前をあえて選んだのだとしたら、フィービーはなかなかのやり手ですね(笑)。

通訳の役割が済むやいなや、またモニカとの会話に戻ろうとするミーシャに、また通訳を依頼するフィービー。
特に話すことも思い浮かばないようで、 I really like his suit. というありきたりの言葉しか出てきません。
どうしても今すぐ訳さなければならないような内容でもないのですが、とにかく二人を無視して話に夢中になっているミーシャを通訳のポジションに戻したい、という意図が感じられますね。

セルゲイはフィービーに対する褒め言葉を、ムードを込めてゆっくり話しているのに、いかにも訳すのが面倒くさいという感じで、ちゃっちゃとしゃべっているミーシャに笑えます。
その辺りはト書きにも、slowly と quickly で違いを表現してありますね。

Could I talk to you behind my menu, please? について。
席をわざわざ立つのは面倒くさいのか、メニューの陰でこそこそしゃべるのが面白いです。
普通なら、相手に気取られないようにと思うものですが、カチンと来ているフィービーは、別にミーシャに内容がバレても構わないと思っていて、一応、見た目だけは二人だけで内緒で話している風を装っているような感じがします。

フレンズ3-15その6 で、could you come and be the translator's date? 「(ダブルデートに)一緒に来て、通訳のデート相手になってくれる?」と頼んだのはフィービーです。
それが、思いがけずミーシャとモニカだけで盛り上がってしまい、ミーシャが本来の通訳の仕事を忘れてしまうことになるなんて…これはフィービーにとっては誤算でしたね。
フィービーは不服そうに、"What are you doing?" 「(全く)モニカは一体何やってるのよ!」と言うのですが、モニカは、"Well, I was having a conversation." と返事しています。
実際の発音では、was の部分をはっきりと発音して、I WAS having a conversation. となっています。
何をしてるの?って聞かれても、”フィービーに言われた通りに”私はミーシャの話し相手になっていた、ミーシャと会話をしていたのよ、ということですね。
それはあなたが私に頼んだことでしょ、と言いたいのです。

「私は黙ってればいいの?」と言ったモニカに、自分が頼んだことも忘れて、「そうしていてくれると嬉しいわ。」と勝手なことを言うフィービーです。


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posted by Rach at 13:20| Comment(9) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさんが提示されたスクリプトサイトの一つからですけど、モニカの
「今夜わたしと寝たい?」のところは
Voulez-vous coucher avec moi ce soir? になってますね。
こっちのほうがフランス語としては正しいみたい。
(ってほど私は知らないんですが。)
今もモニカの発音を聞いてみたんですが 、私の耳ではよくわからない。
saiz soi セスワ みたいにも聞こえます。だけどそれだと意味が・・
ce soir ススワ(ル)にも聞こえるし。
まあ、モニカのにわかフランス語ってことで発音はテキトーで。
通訳さんがtonight としてくれたからそれでよし。
Posted by engl at 2008年10月02日 23:05
モニカのフランス語は映画「ムーランルージュ」の主題歌からとったものでしょうか? 
最近、といってももう8年ぐらいまえ?に、二コールキッドマン主演でムーランルージュをやっていましたが、その映画用にはクリスティーナアギレラ、ピンク、マヤ、リトルキムで主題歌を歌っていました。そのうたのサビがそんなフランス語でした。ムーランルージュはもっと昔にも映画化もしくは舞台化されていたようですが。僕が知っているのはキッドマン主演の映画のほうです。
Posted by テリトリー at 2008年10月03日 05:39
englさん、テリトリーさんへ
まとめレスで申し訳ありません。御二方とも、私がさらっと流してしまったフランス語の部分に注目して下さって、ありがとうございます。
私はもう「フランス語は”さっパリ”わからない」もので…(土曜の朝っぱらからベタなギャグ…爆)

englさんがおっしゃったように、フレンズのスクリプトの二つのサイトで、フランス語の部分の内容が異なっているんですね!

別のサイトでは、
モニカ: Oh, and I can also speak a little French. Voulez-vous coucher avec moi ce soir?
と書いてありますね。

"saiz soi" でぐぐっても、ほとんどヒットがありません。こういうフランス語は存在しない、誤植(タイポ)ということでしょうか?

ce soir の意味を知ろうと思って、"ce soir means" とぐぐったら、このモニカが言ったフランス語のフレーズを英語に訳した文章が何度もヒットしました。

で、こちら(↓)にたどりつきました。
Wikipedia 英語版: Lady Marmalade

Labelle の1974年の曲に、Lady Marmalade というのがあって、"voulez-vous coucher avec moi (ce soir)?" というコーラス部分が有名、だそうです。
ウィキペディアによると、このフレーズは、Lady Marmalade という prostitute(娼婦)が使う、お客への誘い言葉のようですね。

この曲はヒットして、何度もカバーバージョンが作られたようですが、その中でも特に成功したのが、
The Moulin Rouge! version of "Lady Marmalade"
つまり、映画「ムーラン・ルージュ」(原題:Moulin Rouge!)のために作られた曲、テリトリーさんがおっしゃっている曲ですね。

ニコール・キッドマン、ユアン・マクレガー主演の「ムーラン・ルージュ」は2001年に公開、今回のエピソード、フレンズ3-15 の放映は 1997年2月13日。
モニカは、1974年にヒットしたというオリジナル曲、またはそれ以降のカバー曲で、このフランス語のフレーズを聞いて知っていた、ということなのでしょうが、日本でもヒットした映画で使われていた曲、となると、非常にわかりやすくていいですね。

iTunes Store で、
Lady Marmalade (アーティスト Christina Aguelera, Lil Kim, Mya & P!nk) (アルバム Moulin Rouge (Soundtrack from the Motion Picuture))
というそのものズバリを視聴することができました。
ちょうど、そのセクシーなフランス語コーラスの部分が聴けます。

フランス語を知ってるといっても、歌詞、コーラスの一部だった、それも、娼婦がお客を誘う時に言う言葉だと知らずに披露してしまった、というところが面白いわけですね?

お陰様で、フランス語のフレーズから、こんなに話を広げることができました。貴重で有用な情報、ありがとうございました!
Posted by Rach at 2008年10月04日 10:20
ト書きの

Mischa does so, and Sergei complements Phoebe, and says it slowly

にある complements は compliments のタイプミスでしょうね。
Posted by emec at 2009年07月21日 14:14
emecさんへ
おっしゃる通りです。compliment と complement はよく似ているので間違いやすい、と過去記事でも説明したことがあるのに、私自身が見逃していました(笑)。
上の記事のト書きも訂正しておきました。
ご指摘ありがとうございました。
Posted by Rach at 2009年07月23日 08:37
趣味でフランス語を勉強しています。
いい加減にやっていますので、自信を持っては言えないですが、分かる範囲で書きます♪

Voulez-vous coucher avec moi ce soir?
であってると思います。

vous(ヴー)は「あなた(tu:トゥー)」の丁寧な呼び方
voulez(ヴレ)はもともとvouloir(ヴロワー)(英語ではwant)で、主語がvousなので変化しています。
(フランス語はI,you,it, (s)he, they,weすべてに合わせて動詞が変化します)

coucher(クーシェ)は「寝かせる」という動詞です。
「寝なさい」はVa te coucher.(ヴァ・トゥ・クシェのような発音)

avecはwith (発音はアヴェク)
moi はme (発音はモア)
ce はthis (発音は「ス」です。「セ」ではないです)
soirはevening (発音はソワー)

ちなみに、私の友人(フランス人)が言うには「日本には正しくフランス語を使ったモノが存在しない」そうです。
有名な「コムサデモード」も本来なら「モード」は女性名詞なので、「コムサデュラモード(「このような流行」という意味)になるはずなんですって。
フランス人が3人集まれば文法会議が始まってしまったり、小さい頃使った文法書を大人になっても、普通に持っているフランス人が言うことですから、「正しいものが存在しない」は言いすぎだろう、と思うのですが、それほど「正しいフランス語」というのは難しいのだ、と思うこの頃です(笑)
Posted by ぷり at 2010年11月11日 19:41
ぷりさんへ
フランス語の貴重な情報ありがとうございます。
フランス語のことは全然わからないので、そのようにいろいろ教えていただけるととても勉強になります。

フランス語は動詞変化が激しいのですね。
英語以外の外国語を学ぶと、英語が(なじみのある分だけ)簡単に思えてくる…という話を聞いたことがありますが、ぷりさんのご説明のように、フランス語の単語を英語に置き換えてもらえるとすごくわかりやすいです。こんな風に英語と他のヨーロッパの言語を並行して学ぶ、というのも一つの方法だなぁ、と思いました。

ミーシャの訳した英語から判断すると、モニカのフランス語は、Do you want to go to bed with me tonight? という意味だったことになりますが、ぷりさんが英語の単語に置き換えて下さったものを並べると、まさにそういう意味になりますね。
何だか暗号解読に成功したみたいで嬉しいです。

コムサデモードもフランス人に言わせれば、正しくない、のですねぇ。フランス人は言語に厳しい国民だという話はよく聞きますね。でもそういう感覚は失いたくないものだと思います。
国際化で、共通語としての言葉が必要となってくる一方で、民族や文化の象徴である自国の言語も大切にしていけたらいいですよね。私も英語を学び始めてから、日本語とか大阪弁とか(笑)の美しさを再認識し、それぞれの言葉に対して愛おしさを感じるようになりました。英語を上達させると共に、自国の言葉も美しく操れるような人間になりたいと思っています。
Posted by Rach at 2010年11月12日 13:51
細かいことですがcoucherはここでは他動詞の寝かせるではなく自動詞の寝る(肉体関係を持つ)として使われています。
Posted by teruchan at 2011年02月11日 20:15
teruchanさんへ
フランス語に関する情報、ありがとうございます。
他動詞「寝かせる」ではなく、自動詞「寝る」なのですね。
とすると、Do you want to sleep with me tonight? が一番ストレートな英訳でしょうか。
sleep with は文字通り「…と寝る」ですが、フランス語も英語も、そして日本語でも、それが「肉体関係を持つ」という意味になるのは興味深いです。やはり人間の発想は同じ、ということなのでしょうね。
Posted by Rach at 2011年02月12日 09:01
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