2008年10月06日

食後すぐに泳ぐ フレンズ3-15その17

[Scene: Monica and Rachel's, Rachel is lying in front of the bay window, and the phone rings.]
モニカとレイチェルの部屋。レイチェルは出窓の前に横たわっている。すると電話が鳴る。
レイチェル: (jumping up to answer the phone) Hello! ([電話に出るために飛び起きる] ハロー!)
マーク: Oh, hi. It's Mark. (あぁ、はーい。マークだ。)
レイチェル: (disappointed) Oh. ([がっかりして] あぁ。)
マーク: What? Is it my breath? (何? 僕の息が原因?)
レイチェル: No! Sorry, I just thought you were somebody else. Hi! (いいえ! ごめんなさい。ただ、あなたが他の誰かだと思ったものだから。[改めて挨拶をする] ハーイ!)
マーク: Hi. Well, look, I was just gonna leave a message. Isn't tonight your, your big anniversary dinner? (ハーイ。ねぇ、僕はただメッセージを残そうとしていただけなんだ。今夜は君の盛大な記念日ディナーじゃなかったの?)
レイチェル: Yeah. Well, umm.... (そうね。えぇ…)
マーク: Rach, are you okay? (レイチェル、大丈夫?)
レイチェル: (on the verge of tears) Yeah, I'm fine. ([泣き出しそうになって] えぇ、私は大丈夫。)
マーク: You wanna talk, I mean I can come over? (話したいんだろ。つまり、僕がそっちに行くこともできるけど?)
レイチェル: No! Really, no, please, please, that's, that's okay. (いいえ! 本当に、いいえ。お願い、お願いだから。大丈夫よ。)
マーク: All right, all right, I'm coming over, and I'm bringing Chinese food. (いいよ、いいよ。僕がそっちに行くよ。それで、中華料理を持っていくね。)
レイチェル: Oh, yeah, I'm not, I'm not hungry. (あぁ、そうなの。私はお腹はすいてないわ。)
マーク: It's for me. (僕の分だよ。)
レイチェル: Oh. Okay, bye. (あぁ、わかったわ。じゃあ。)

ト書きにある bay window は「出窓、張り出し窓」。
Wikipedia 英語版: Bay window には写真もあります。

マークの "What? Is it my breath?" について。
breath というのは「息、呼吸」ですが、have bad breath だと「息がくさい、口臭がある」という意味になります。
フレンズ2-20その5 では、"who has breath issues" 「その人は口臭があって」という表現もありました。

ここは私の受けたイメージに過ぎませんが、It is my breath? というのは、電話で名前を言っただけなのに、がっかりしたような返事をされたので、「何にため息をついてるの?、僕の口臭がいやだった?」みたいに言っているのかな、と思います。
もしその解釈が正しいとすれば、このセリフの面白さは、直接面と向かって話しているわけではなく電話越しなので、臭いが伝わることはないのですが、それを「あれれ、口が臭かったかなぁ?」みたいに言っているのが、彼なりのユーモアなのかな、と思いました。
ただ、そのセリフの時に観客の笑い声がないんですよねぇ…でも他の意味はあまり思いつかないし…。

電話の呼び出し音があまり鳴らないうちに相手が出て、マークだ!と言った途端にがっかりされると、「あ、別の人を待ってたんだな」と思うものだし、マークもピンと来たとは思うのですが、それに気付かないふりをして、わざとそんな風にジョークにしているところが、彼のスマートなところかなと思います。
その後も、言いよどむレイチェルの気持ちを察して、そっちに言って話を聞くから、とテキパキ決めてしまうマークです。


[Scene: The Philly.]
フィリーにて。
ジョーイ: So what are you gonna do? (それで、お前はどうするつもりなんだ?)
ロス: What can I do? One person wants to break up, you break up. (僕に何ができる? 一人の人間が別れたいと思ってるなら、別れるしかない。)
チャンドラー: Hey, no way! Come on, this is you guys. Call her and work it out. (おい、とんでもないぞ! いいか、これはお前たち(の問題)だ[お前たちのことなんだぞ]。レイチェルに電話して、何とかうまく解決しろよ。)
ロス: Oh, come on, we just had this huge fight, all right, don't I have to wait awhile? (あぁ、やめてよ。僕たちはたった今、大喧嘩をしたんだ。しばらく待つ必要があるんじゃないか?)
チャンドラー: Hey, this isn't like swimming after you eat. Pick up the phone!! (なぁ。これは「食べた後に泳ぐ」っていうのとは違うんだぞ。受話器を取れよ!)
(Ross goes to call her.)
ロスはレイチェルに電話をしに行く。
チャンドラー: Y'know that whole swimming thing is a myth. (泳ぎの話は迷信だって知ってるよな。)
ジョーイ: Yeah, tell that to my Uncle Lenny. (あぁ、それをレニーおじさんに言えよ。)
チャンドラー: Why? What happened to him? (どうして? 彼に何か起こったのか?)
ジョーイ: Nothing, he just really believes in that. (何も。ただ、おじさんはそれを本当に信じてるんだよ。)

One person wants to break up, you break up. という文章、聞いた感じでイメージはよくわかりますね。
前の文章が原因で、後ろが結果みたいな感じでしょうか。
コンマを→に変えると、わかりやすいかもしれません。

this is you guys. という言い回しも意味はわかるのですが、日本語に訳しにくいですよね。
ロスは「恋人の一方が別れたいといえば、別れるしかない。」と言いたいのですが、チャンドラーは、一般では世間ではどうだろうと関係ない、「これはお前たちの問題だ、自分と彼女のことなんだぞ。そんなひとごとみたいにあっさり言うな!」と言いたいのでしょうね。
当事者はお前たちなんだ。お前たちがお互いに努力したり解決策を見つけたりすれば、そんな単純な結論にはならないよ、と言いたいのかなぁ、と。

work out は「問題などを解く」という意味がありますので、電話して、その問題を解決しろ、今の状況を打開しろ、ということでしょう。

さっき大喧嘩したばっかりだから、電話するにしても、もう少し時間が経ってからの方がいい、と言うロスに対して、this isn't like swimming after you eat. と返すのが面白いですね。
「食べた後にはすぐには泳ぐな。少しお腹がこなれてから、いっぱいになったお腹が少し収まってからにしろ」というアドバイスがあるらしく、そういうのじゃないんだから、時間の経過なんか気にせず、さっさと行動しろよ、と言いたいようです。
ニュアンスはよくわかりますが、日本ではそのまんまの言葉はありませんね。
日本語だと、「食べて(すぐ)寝ると、牛になる」というのはありますが。(そのため、DVDの日本語音声(吹替)では、食べた後水泳、ではなくて、食べて寝ると牛になる、という話に意訳されていました。)

そういう格言や言い伝えのようなものが、英語圏にはあるのかな?と思って、"swim after you eat" とぐぐってみると、「食べた後、泳ぐまで何分待つべきか?」とか、親や祖母に「食後すぐに泳いじゃダメだと言われた」とか、そういう話がヒットします。
やはり一般的によく言われる話だ、ということですね。

myth は「神話、伝説、俗説、作り事」。
whole というのは、「食べた後にすぐに泳ぐと身体に悪い」という一連の話、その話全体のことを言っているのですね。

Tell that to my Uncle Lenny. について。
それが迷信だってことを、レニーおじさんに tell しろ、ということですが、この話の流れだと、「そんなこと言ったら、それは迷信じゃないって反論されるぞ、だっておじさんは実際に食べた後にすぐに泳いで身体を壊したんだから」みたいな話の流れになりそうな気がします。
そんな話の流れを察したチャンドラーは、「それが迷信でないと証明できる出来事が彼に起こったのか?」と尋ねるのですが、ジョーイの答えは、「ただそれを信じてるから、あれはウソだと教えてやってくれ。」ということだった、というオチのようです。
ちょっとピントのずれたところのあるジョーイなので、おじさんもそういう人なのね…という面白さもあるのでしょうが、大爆笑、というほどのオチではないですね。

ですから、Tell that... という命令文を、「…って言え、…って言ってみろ」みたいなニュアンスに捉えるか、「…って言ってやってくれ」みたいに、「教えてやってくれ」的ニュアンスに捉えるかの違い、ということかな、と思いました。


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posted by Rach at 13:00| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
This is you guys. は、確かに日本語訳は難しいですね。
ロスが長い間片思いしてやっとレイチと一緒になった、という背景と、一緒になる前も一緒になったあとも他の友も含めて親友という関係があるのだという意味を含んで、「お前らはそんな簡単に別れる関係じゃないだろう」と意味しいるのではないか、と思いました。
「冗談じゃないよ、(親友の/関係の長い/歴史がある)お前達だろう!(あっさり別れないで)レイチに電話して解決しろよ」と訳してみました。
Posted by テリトリー at 2008年10月07日 06:21
テリトリーさんへ
貴重なご意見ありがとうございます。その訳、素敵だな、と思いました。フレンズをずっと見ている私たちは、ロスとレイチェルの二人にいろんな背景や歴史が存在していることを知っていますよね。当然、ずっとそれを見てきたチャンドラーにとっても、「あっさりと簡単に別れることなんてできるわけない」という気持ちがあるんですよね。

お互いそういうことを了解した上での、you guys 「お前達」= Ross & Rachel なんですよね。ロス&レイチェルがそんなことでいいのかよ、という感じでしょうね。
日本語にしにくいけれど、英語のニュアンスはよくわかる、親友の発言として、素敵な言葉だと思いました。
一緒にニュアンスを考えて下さって、ありがとうございました!
Posted by Rach at 2008年10月08日 13:06
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