昨日の記事 に引き続き、今日も、勝間和代さんの 読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか~ (小学館101新書) (小学館101新書 1) について語ります。
第四章 「売る」仕組みを進化させる
出版業界は「プレイス」と「プロモーション」が弱い では、マーケティングの4P「プロダクト(商品)、プライス(価格)、プレイス(流通チャネル)、プロモーション(広告宣伝)」という基本的なフレームワークを使って、「売る仕組み」について説明されています。
p.169 出版社のプロモーションはどうしても新聞広告や書評が中心なのですが、それ以外の方法もいろいろ、複層的に使うことが効果的だと思います。
拙著でも、「新聞広告」や「書評」などのプロモーションがありました。
伝統的な手法とは言え、やはりこれはそれなりの効果が見込めるものです。
特に、最初に日経新聞に広告を出した時は、アマゾンの順位が115位まで上昇しました。(関連記事 アマゾンで115位!?)
この頃、ちょうど、紀伊國屋書店のキノビジョンで紹介され、本来の本籍地である「語学・英語コーナー」以外に、全国の紀伊國屋さんにある「キノビジョンコーナー」というところにも何冊も置いてもらいました。(関連記事 紀伊國屋書店キノビジョンで紹介されます!)
私の行きつけの紀伊國屋書店梅田本店でも、それぞれのコーナーにたくさん並べてもらっているのをこの目で見ました。本当に感動しました。
日経の広告1回目と、キノビジョンでの紹介時期が重なった時は、アマゾンでも、リアル書店でも(紀伊國屋さん以外にもジュンク堂さんなどでも)たくさん売れた、という話を、週明けに編集者さんから聞きました。
ですから私は、数少ない私の体験談(笑)から、プロモーションが大事だ、ということはいやというほどわかっていますし、そのようにいろいろなプロモーションをさせていただけたことを、とてもありがたいと思っています。
また、書評に載る、というのもとても嬉しいことです。
私は英語を職業とする「英語のプロ」ではないけれども、その私の本が、ジャパンタイムズ発行の英語学習紙「週刊ST」の書評に載った、ということは、素人の私にとって大きな自信となりました。(関連記事 週刊STの書評で取り上げていただきました!)
決して、おちゃらけた本でも、うさんくさい本でもないんですよ!(笑)というのを訴えるのに、英語専門紙での書評、これほど効果的なプロモーションはありません。
(最近の週刊STの書評では、ベストセラーとなっている村上憲郎さんの 村上式シンプル英語勉強法 (ダイヤモンド社)も載っていました。そういう本と同じように扱ってもらえた、ということがとても嬉しいのです。)
p.171 本は、「いかに人に知ってもらうか」ということに、実は読者の方々が思っているよりも、ずっとコストがかかります。
(中略) ネットのほうで本に誘導するような動線を設計し、ネットユーザーの本へのタッチングポイントを増やしていけばいいのです。
本当にその通りなんですよね。
出版不況にも関わらず、出版点数が増えている、というこの現状では、本の存在を知ってもらうのが至難のわざなのです。
私の基本はブロガーなので、私もご覧のように、ブログのサイドバーなどに、アマゾンの拙著へのリンクをはっています。
本を出しているブロガーなら誰でもやっていることとは言え、これもネットから本に誘導する動線の一つですね。
勝間さんは、「ネット書店のアマゾンは、ネットユーザーにとって、共通カタログとして機能している」「データベースの役割を果たしている」と表現しておられますが、全くその通りで、私もできるだけそのアマゾンが「カタログ、データベース」として充実したものになるように、できる限りたくさんの情報を表示するように努めています。
p.204 ウェブには、コンテンツは無料という文化がありますので、今、ウェブ上で1500円のものを買わせるのは至難の業です。
(中略) それに対して、書籍の形を取っただけで、プライスがつくのは面白い現象です。
情報を得る側の立場から見ると、お金を払うことは「面白くない」かもしれませんが(笑)、やはりその現象は「興味深い」という意味で「面白い」ですね。
私の場合もブログの書籍化ということで、無料で見ることのできるブログを本にするにあたっては、当然、プライスをつけるだけのプラスアルファがないといけないと思いました。
ですから、メインのDVD学習法については、ブログの記事を元に書いたのですが、編集者の方と相談しながら、「読者がもっと深く知りたいと思う部分」を掘り下げ、それ以外の、ポリシーとか哲学、学習に対する考え方のようなものについては、ブログでは話題にしたこともないことを含め、新たに書き下ろしました。
ウェブとの棲み分けについては、「本でやった方が良いこと」と「ウェブでやった方が良いこと」というのがありますので、それを上手に使い分けていくべきなのでしょう。
私の学習法は、パソコンを使う方法ですので、実際に私が学習する様子を追体験するには、私がブログでやっている様子を、パソコン上で直接見てもらうのが早いのです。
理屈も説明しながら、きちんと順序立てて、方法論を語るものが本で、具体的な例に当たって、実際にやっているのをお見せするのがブログ、という使い分けですね。
勝間さんも本のことをブログでフォローされていますが、本を読んだ方がブログで質問して下さったり、ブログをいつも読んでいる方が本を購入して下さったりと、相互に良い方向に働く、というのが、今後のウェブと紙媒体の本との望ましい関係なんだろうと思います。
終章 これから「読みたい」「書きたい」「売りたい」と思っているみなさんへ
すべての人にフェア(公平)な可能性を秘めている「読書」の世界
ここでは、「出版のようなコンテンツビジネスでは、マイノリティに対する差別は限りなくゼロに近い」という内容の話が書いてあります。
そういう意味で、すべての人にフェアである、と。
確かにそうだと私も思いました。
今のようにブログという形で素人でも自分の意見を発信できる時代になったことで、フェアであることがより鮮明になった気がします。
私は出版社などに何のコネもない人間で、自分が本を出版することになるなんて、以前は想像もしていませんでした。
もう、「私がノーベル賞をとる」のと同じくらい、あり得ない話だと思っていました。(←ちょっとタイムリーなネタ…笑)
それが、ブログを書くようになり、読者の方が増えてきて、ブログランキングで上がってくると、本という可能性が少しずつ見え始めてくる…。
p.130 に「知り合い以外の人にも面白い、と思ってもらえるようになれば、商業用にも通じる可能性が出てきます。」という勝間さんの言葉がありますが、私もブログを続けることで、自分でその可能性を感じられるようになってきた、ということです。
私は英語を職業としていないけれど、私の言っていることは私の書いた文字で多くの人に伝わっている、それを読んで何かを感じて下さった方がいて、それがコンテンツビジネスとして成り立つと判断してくれる…。
私にとっては、英語で何か仕事をしたというキャリアがなくても、この3年間で書いてきたことすべてが「私の履歴書」なわけですね。
何かの課題や問題にぶつかった時に、私がどう対処してそれを切り抜けていくか、という様子が、ブログ上で読者の方々とコメントのやり取りをすることで、はっきりと見えるということなのでしょう。
勝間さんがこの本の中で、読書を通じて、著者も読者もみんなが一緒に進化していくのを望んでおられる、というのがよくわかりました。
そのためにウェブ版の専用サイトを設け、読者とのさまざまなコミュニケーションができることを望んでもおられます。
私も今回、この書評を、勝間さんのブログ Book Lovers にトラックバックすることで、私の考えが、著者の勝間さんに伝わることをとても嬉しく思います。
また、私も、ブログで意見を発信する者として、そして英語学習法の本の著者として、英語学習者の方々と活発に意見交換をし、みんなが一緒に英語学習を楽しく続けられるように、みんなが一緒に英語の使い手として進化するように、意見を発信し続けたいと思っています。
「読書進化論」は、ブロガーとして、著者として、これから私はどうあるべきか?ということをじっくり考えさせてくれた本でした。
勝間さん、素晴らしいご本をありがとうございました。
今後ますますのご活躍を、心よりお祈り申し上げております。
(Rach からのお願い)
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参加賞を郵送にてお届け致します。勝間さんのサイン入り『読書進化論』となります。お名前&ひとことを書き添えてお届け致しますので、ご住所と、ご希望のお名前などがおありになる場合には、1月20日までに上記アドレスまでお知らせくださいませ。
また、読書進化論サイト上にて、受賞作品の紹介を行う予定です。ご了解いただけますと幸甚です。小学館出版局 小川美奈子
とても嬉しいご連絡、ありがとうございます! 参加賞をいただけたとのこと、大変光栄で、とっても嬉しいです。本当にとても長い感想文でしたが(笑)、これを審査ご担当の皆様が読んで下さったこと、ありがたく思っています。
読書進化論サイトでの受賞作品の発表、楽しみにしております。発表後、拙ブログで、改めて受賞の喜びについて語りたいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。