2008年10月16日

ウィズオアウィズアウトユー フレンズ3-15その20

[Scene: The Philly, With or Without You is playing. (Which is the same song Ross played for Rachel in TOW the List.)]
フィリー。(U2 の) With or Without You が店内にかかっている。その曲は、リストの話(The One With the List)で、ロスがレイチェルのためにかけた曲と同じである。)
ロス: (to Chloe) I like this song. ([クロエに] この歌好きなんだ。)
クロエ: Well, you're practically dancing, already. Why don't you just do it over here? (ねぇ、あなたはほとんどもう踊ってるのよ[踊ってるのも同然よ]。こっちでそれをしたらどう?)
ロス: Oh, no, no. (あぁ、いいよ、いいよ。)

フィリーでは、U2 の With or Without You がかかっています。
ト書きにもあるように、これは、過去のエピソード、フレンズ2-8 (The One With the List)にも登場した曲です。
ト書きの TOW は、The One With/Where の略。
フレンズのタイトルのほとんどは、The One With または、The One Where で始まるため、ファンはタイトルを書く時、最初の部分を TOW と訳すことが多いようです。

フレンズ2-8その16 で以下のセリフを解説しました。
ロスに頼まれてラジオをかけるモニカ。
ラジオのDJ: The next one's dedicated to Rachel from Ross. (次の曲は、ロスさんからレイチェルさんに捧げられた曲です。)
過去記事では詳しく触れませんでしたが、その曲が、With or Without You でしたね。

その時のラジオの DJ のセリフをここで簡単に説明します。

ラジオのDJ: The next one's dedicated to Rachel from Ross. Rachel, he wants you to know he's deeply sorry for what he did and he hopes you can find it in your heart to forgive him. (With or Without You plays) Uh, we've just gotten a call from Rachel, and she told us what Ross did. It's pretty appalling, and Ross, if you're listening, I don't wanna play your song anymore. (次の曲は、ロスさんからレイチェルさんに捧げられた曲です。レイチェル、ロスは彼のしたことを深く反省していることをあなたに知って欲しい、彼を許すことに気付いて欲しい、と思ってる。[With or Without You がかかる] あぁ、たった今、レイチェルからの電話がありました。レイチェルはロスがしたことを説明してくれました。とってもひどいことね。だから、ロス、もしあなたが聞いているのなら、あなたの曲をこれ以上かけたくないわ。)

せっかくリクエストしてかけてもらった曲を、途中で切られてしまう、というオチでした(笑)。

この曲、いい曲ですよねぇ。
私もこの曲大好きですし、これを聞くと、いつもロス&レイチェルを思い出します。

ここから、この曲とフレンズに関してのトリビアネタになります。

Wikipedia 英語版: With or Without You の Appearances in other media にも、フレンズのどのシーンで使われたかについての説明が載っています。(ちょっとネタバレっぽい部分もあるので、今後の展開をご存知ない方は、読まない方がいいかな、と思います。)
そのウィキペディアには、フレンズでは3回この曲が使われた、とあります。
今回の 3-15 と、上で説明した 2-8 以外に、2-7 でも使われたようにウィキペディアには書いてあるんですよ。
その部分を引用させていただくと、
The first half-minute was also played when they had their first kiss, in Central Perk.
つまり、「(この曲の)最初の30秒が、セントラルパークでロスとレイチェルが初めてキスをした時にも演奏された[使われた]。)
過去記事で言うと、フレンズ2-7その10 辺りのシーンです。(曲については触れていませんが)

あの時の BGM も With or Without You だったよなぁ…と私もずっと思っていたのですが、実は、あれは、U2 の曲ではなくて、「限りなく U2 っぽく作られた別の曲」なんだそうです。

Friends Music Questions というサイト(英語サイト)には、フレンズで使われた音楽についての詳しい情報が書いてあるのですが、そこに、2.07 TOW Ross Finds Out - What music is playing when Ross and Rachel kiss in the coffee house? という項目があります。
その情報によると、「U2 の With or Without You を使いたかったけれど、(使用する)権利の手配の時間がなかったので、a studio music clip that sounded "U2-ish"、つまり、「U2 っぽく聞こえる、スタジオ用音楽クリップ」を見つけてそれを使った」ということのようです。
次のエピソードの 2-8 では、その U2 の曲を使うことができた、ということも書いてあります。

で、私も改めて、2-7 のセントラルパークでのロス&レイチェルのキスシーンの音楽を聴き直してみたのですが…限りなく With or Without You に似てる!、でもあの曲の前奏とはちょっと違う!のです。
(ちなみにその音楽は、half-minute(30秒)ではなく、20秒くらいです…って細かい話…笑)

ですから、フレンズで With or Without You が使われた件については、ウィキペディア英語版の情報よりも、Friends Music Questions の情報の方が正しい、ということのようですね。

U2-ish という言葉、面白いな、と思いました。
-ish は、selfish, foolish, childish などに使われる、「…のような」という形容詞語尾ですね。
また、フレンズ1-5その2 に出てきた、
ロス: 7-ish? (7時ごろでどう?)
のように、時間の後につけると「およそ…ごろ」という意味にもなりますね。
ですから、sound "U2-ish" だと、「U2 のように聞こえる、U2 っぽく聞こえる」という意味になるわけです。

トリビアネタが長くなり、すみません。
セリフの解説に戻ります。

クロエの、you're practically dancing, already. Why don't you just do it over here? について。
フィリーでかかっているこの曲が、ロスの好きな曲であり、ラジオにリクエストして途中で消されたという(笑)レイチェルとの思い出の曲でもあるから、座りながらでも体が動いている、無意識に踊っている、踊ろうとしている…それを、クロエは、you're practically dancing, already. と表現しているのですね。

practically は「実際的に、実用的に」「実際には、事実上」という意味、また「ほとんど…も同然」という意味もあります。
過去記事、フレンズ3-11その29 でも、practically を解説しています。
そんな風に体が反応してるんだから、それなら、踊るべき場所に立って踊ったらどう?、という意味で、over here で just do it したらどう?と言っているのですね。


(Rach からのお願い)
このブログを応援して下さる方は、下のランキングサイトをクリックして下さい。
人気ブログランキング
にほんブログ村 英語ブログ
皆様の応援クリックが、とても励みになり、ブログを続ける大きな原動力となっています。心より感謝いたします。
posted by Rach at 12:32| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
クロエの、you're practically dancing, already. について。
I like this song.というロスの台詞をうけてクロエは Well, you're practically dancing, already. Why don't you just do it over here? と言っています。この曲踊れるんだと言うような意味かなと思いました。以前、She's always complaining. 「彼女はいつも愚痴ばかり言っている。」というのを解説してもらいましたが、進行形に副詞が入ることによって意味が広がりますね。
Posted by ジョーイ at 2008年10月19日 07:05
ジョーイさんへ
フレンズ3-14その4 のコメント欄
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471255.html#comment
で、「You を主語にして、面と向かって相手に直接、動作動詞を進行形で言う」ニュアンスについての話がありましたね。

そのコメント欄で私は、
「相手が今まさにしている行為を口に出して言うことで、その行為について考えてみなさい、みたいに促している感じでしょうか?」
と書いたのですが、今回の You を主語にした進行形も、そういうニュアンスでしょうか??

「この曲踊れるんだ」というのは、ロスが無意識のうちに体が動いていることを、「(今は踊る気分じゃないって言ったけど)そんな風に踊れてるじゃない。」とはっきりロスに対して言葉に出して言うことで、ロスに気付かせようとしている、ということでしょうか??

ロングマンでは、practically=almost と書かれています。ニュアンスはわかる気がするのですが、なかなか適切な日本語に訳しにくい副詞だな、といつも思ってしまいます。

私の解釈が間違っている場合は、ご指摘下さいませ。
Posted by Rach at 2008年10月20日 12:52
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。