踊りたいと体が動いているのに、なかなかクロエと踊りたがらないロスに対して、
クロエ: What are you, married? 'Cause that's okay. (あなたは何? 既婚者なの? それでも構わないのよ。)
[Scene: Monica and Rachel's, Rachel is next to the bay window again, Mark has left.]
モニカとレイチェルの部屋。レイチェルは、再び、出窓の隣にいる。マークは帰ってしまっている。
レイチェル: (picks up the phone and calls Ross) Oh, be home, be home, be home, be home, be home, be home. Be home. Be home, be home, be home. Oh, you're not home. ([受話器を取って、ロスに電話する] あぁ、家にいて、家にいて… あぁ、あなたは家にいないのね。)
[Scene: The Philly, Ross is dancing with Chloe.]
フィリー。ロスはクロエと踊っている。
クロエ: Still no smile? (まだ笑顔はないの?)
(She kisses him. Ross leans back for a second, and then they both kiss, more passionately this time.)
彼女はロスにキスする。ロスは少し後ろにのけぞり、その後、二人はキスをする、今回はより情熱的に。)
画面には、TO BE CONTINUED (続く)の文字。
クロエの "What are you, married? 'Cause that's okay." について。
"What are you, married?" は、「私とのダンスに躊躇する、あなたは何者なの? 結婚している人なの? もしくは結婚していると言ってもいいくらい、ステディな彼女がいる人なの?」みたいな感じでしょうね。
日本語だと、周りの者全てが認めている仲の良いカップルの場合、結婚していなくても「あの子のダンナ」「あいつの嫁さん」などと言ったりすることがあります。
今回のも、ロスが本当に既婚者かどうか、というよりも、他の女性とダンスしたらマズいような、決まった恋人がいるのかどうか、みたいな質問だろうと思います。
その後、"'Cause that's okay." と続いていますが、話の流れで言うと、"What are you, married? But you don't have to worry about it. Because (I think) that's okay." みたいな感じかな、と思います。
「結婚してようが、ステディな彼女がいようが、別に問題ないわよ[心配することないわよ]。だって、そんなこと、オッケーだから。」ということで、クロエはロスに彼女がいたって、別に何も気にしてないわよ、という意思表示ですね。
「あなた、既婚者? でも問題ないじゃん。」という感じでしょう。
Oh, be home, be home.... Oh, you're not home. と言うレイチェルに泣けますね。
「家にいて!」って、"Be home." なんだぁ…と改めて感心してしまうのは私だけ?(笑)。
クロエに軽くキスされて、最初は拒むロスですが、次には情熱的なキスに変わってしまいます。
フレンズのト書きで passionately という副詞が使われている場合のキスは、その言葉通り、情熱的で激しいですね(笑)。
こんな passionate なキスの後、TO BE CONTINUED と出てしまうと、やばい!まずい!という感じです。
[Scene: Central Perk, Sergei is teaching Phoebe how to sing The Day The Music Died, by Buddy Holly.]
セントラルパーク。セルゲイはフィービーに、Buddy Holly の The Day The Music Died の歌い方を教えている。
(Both Phoebe and him are singing along and they get to the chorus.)
フィービーとセルゲイの二人は一緒に歌って、二人はコーラス部分に入る。
セルゲイ: (singing) Touchet, touchet, Miss Americccan pie. (stops to correct Phoebe) Ameri-ccan. (トゥーチー、トゥーチー、ミス・アメリケェン・パイ。[歌をやめて、フィービーを訂正する] アメリケェン。)
フィービー: Ameri-can. (アメリ、ケン。)
セルゲイ: Ameri-ccan. (アメリ、ケェン。)
フィービー: Ameri-can. Y'know it's a very hard language. Let's do it again. (アメリ、ケン。ねぇ、とっても難しい言語ね。もう一度やりましょ。)
(They start singing, and Phoebe covers her mouth at the American part.)
二人は歌い始める。そしてフィービーはその「アメリカン部分」で口を覆う。
セルゲイ: (to the rest of Central Perk) Everybody!! (In his language, and continues.) ([セントラルパークの残りのみんなに] みんな![と彼の言語で言う、そして歌を続ける])
まず、このセルゲイの歌っている歌について。
ネットスクリプトのト書きには、The Day The Music Died, by Buddy Holly と書いてあるのですが、これはこの曲のタイトルではないような気がします。
(前回の記事、ウィズオアウィズアウトユー フレンズ3-15その20 に引き続き、歌のトリビアネタばかりですみません。)
私が調べたところ、この曲のタイトルは、American Pie(アメリカン・パイ)で、この曲を歌っていたのは、Don McLean(ドン・マクリーン)というシンガーソングライターのようです。
その曲の説明は、以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: アメリカン・パイ
この「アメリカン・パイ」という歌詞には、
But something touched me deep inside
The day the music died
というフレーズが出てきます。
そのウィキペディアの「解説」にも書いてあるのですが、バディ・ホリーを含む3人の乗った飛行機が墜落し、彼らは死亡、という事故があったそうです。
その事故の日、1952年2月3日は、The day the music died 「音楽の死んだ日」と呼ばれているらしいです。
アメリカン・パイは、それを歌った歌なんですね。
ですから、その歌は、「バディ・ホリー、音楽の死んだ日」について触れている歌なので、ト書きを書いた人は、American Pie というタイトルではなく、The Day The Music Died, by Buddy Holly と表現したのだろうと思います。
そのフレーズが有名なので、それが歌のタイトルだと思っていた、ということかもしれません。(よくわかりません。)
「アメリカン・パイ」は、マドンナもカバーしているようですね。
私は洋楽に疎いので、この曲に詳しい方がおられましたら、教えて下さい。
本来の英語の歌詞は、
Bye-bye, Miss American Pie
となっています。
セルゲイが歌っているロシア語(?)バージョンでも、Miss American Pie の部分は同じなのが面白いです。
でも、その American の部分がロシア語風で、フィービーには発音するのが難しいようです。
2回目に歌う時は、また発音を訂正されると困るから、口を覆って、セルゲイに見せないようにしながら歌っていますね。
酔っ払ってヤケになっているような感じですが、それでも楽しそうなセルゲイです。
ロスとクロエのキスで重くなったところを、少しでも軽くして次に繋げるエンディングですね。
(Rach からのお願い)
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僕はこのアメリカンパイはなぜかジョンデンバーが歌っているものだと思っていました。でも、たった今ドンマクリーンの声をYouTubeで聞きましたが、やっぱり聞いたことがあるのはこの声です!!ジョンデンバーじゃなかった! レイチさんのブログは勉強になります。
有名なのはサビの「bye bye miss american pie 〜」のところじゃないでしょうか。ト書きを書いているのがアメリカ人ならこの曲が「アメリカンパイ」だというのは知っていると思いますが。。なんで、ト書きで「音楽が死んだ日、バディーホリー」なんだろう、と不思議でなりません。だって、バディーホリーさんというのは死亡したなかの一人なんですよね?なぜ、普通にアメリカンパイと書かないで「音楽が死んだ日」という歌詞を使い、それも事故で死亡した人の名前を出しているのか??いやぁ、まったく不思議です。セルゲイの歌がひどいから「音楽が死んだ日」にしたんですかね??(笑)
これはロスが独身なのを知っるのを前提で、ちょっとバカにした言い方ですね。それでもいいといっていますが質問ではないと思います。フレンズには同じような使い方が何度も出てきます。たとえば
10-14 What are you? Eight? 8歳のダコタ・ファニングがジョーイに言う台詞
8-22 Rachel: Make love? What are you a girl?ロスのMake loveといった言い方に、まるで女の子みたいな言い方をするといって揶揄してます。
「勉強になります」と言っていただけて光栄です。私は洋楽に疎くて、こういう情報も「今回調べてみて、初めて知った」ことばかりなんですよね。ですから、自分の洋楽経験・知識とあまりリンクしていないのがちょっと寂しいのですが、逆にこれからこの曲を聴く時に、あぁ、セルゲイがロシア語(?)で歌ってたヤツね!と思ったりするのでしょう(笑)。
私も YouTube 見てみました。ドン・マクリーン、いい声ですし、いい歌ですね。
ト書きを書いている人の国籍ですが、アメリカ人ではなく、イギリス人の方なのかもしれません。というのは、フレンズのネットスクリプトではよくあることなのですが、綴りがアメリカ式ではなく、イギリス式のものが結構登場するのです。今回の 3-15 のネットスクリプトでも、colour, realise という綴りが出てきました。(私のブログでは、DVDの英語字幕に合わせるために、それをアメリカ式の綴り、color, realize に直してしまっているのですが…。)
ですから、ト書きを書いた方は、American Pie という曲にあまりなじみがない方、だったんでしょうね、きっと。The day the music died というフレーズを知っていて、それは Buddy Holly さんが事故に会った日のことで…というのが頭にあって、つい、The Day The Music Died, by Buddy Holly と書いてしまった、ということなんだろうな、と。
セルゲイの歌は確かにちょっと…って感じでしたが(笑)。
これって、アメリカの曲で、American っていう言葉も出てきて、アメリカ人であるフィービーの "American" の発音を、ロシア系のセルゲイが "Ameri-ccan" と訂正する、っていうのが面白いんですよね。America という言葉が出てくる歌ということで、この曲に白羽の矢が立った、ということでしょうか?
catchさんへ
おっしゃるとおり、What are you? というのは、確かに、ちょっとバカにした言い方ですよね。相手の言動を見て、信じられないといった感じで、「あなた、一体何者なの?」と言う感覚ですよね。
私は上で「質問」と書いてしまいましたが、おっしゃるように「質問ではない」ということ、よくわかりました。
漫才のツッコミ風に乱暴に言うと、「あんたは既婚者かっ!」みたいな感じでしょうか。「既婚者じゃあるまいし、何ためらってるの?、何が問題なの?」、そして、'Cause that's okay. で、「だって、全然問題ないじゃない。」みたいに繋がるのでしょうかね?
okay というのは、「ロスが例え既婚者であっても、クロエは構わないと思っている」という意味の okay じゃなくて、「既婚者でもないくせに、何も問題ないじゃない、オッケーじゃない。」というニュアンスなんでしょうかねぇ?
10-14 や 8-22 のセリフはまさに「8歳(子供)かっ!」「女の子かっ!」という感じですよね。その別の例を聞いて、What are you? のニュアンス、よくわかりました。ありがとうございます。
実は今日ひょんなことから、まったく関係もなにもないサイトで読み物をしていたら「バディーホリーのThat will be the dayを歌う」というのを偶然見たんですよ。ドンマクリーンのアメリカンパイのなかに似たような文章(絶対バディーホリーの歌詞を意識して書いてる)がサビの部分にあるんですよ。アメリカンパイのサビの後半は「Saying, this will be the day that I die, this will be the day that I die..」とあるんですが、ホリーのザットウィルビーザデイの歌詞のメーンは「That will be the day when I die。。」なんですよ。やっぱりト書きを書いた人がこんがらがったのかもしれませんね。
いろいろと情報のご提供、ありがとうございます。嬉しいです。
バディ・ホリーの歌で、That'll Be The Day というタイトルの曲があるんですね。The Day The Music Died というタイトルの曲があるかどうかは、検索で探してみて、存在しないらしい…とわかったのですが、ちょっと違うタイトルの曲は存在したのですね。
アマゾンにあるCDにも、いろんなバージョンで入っているようですから、彼の中で有名な曲だということでしょうね。
Not Fade Away: Buddy Holly 1957 Complete Recordings [Best of] [Import] [from UK] ~ Buddy Holly & the Crickets (アーティスト)
http://www.amazon.co.jp/Not-Fade-Away-Complete-Recordings/dp/B000X23KA2
私も、両方の歌詞を改めて見比べてみました。
バディ・ホリーの方には、'Cause that'll be the day when I die という歌詞があり、
アメリカン・パイの方は、私が調べたものでは、
And singin’, "this'll be the day that I die.
"this'll be the day that I die."
と書いてありました。
That'll Be The Day の歌詞とは微妙に違っていますが、その歌によく似たフレーズをみんなで歌った…みたいな歌詞になっているような気がします。
おっしゃる通り、「バディーホリーの歌詞を意識して書いてる」のは間違いないでしょうね。
和歌の「本歌取り」みたいなもので、American Pie のネタになっている歌が That'll Be The Day で、そのイメージから、The Day The Music Died, by Buddy Holly とト書きに書いてしまった、ということなんでしょうね。
ただ、American Pie という曲を知っているだけではなくて、その背景知識があったために、却ってタイトルを勘違いしてしまった…ということでしょうか?
洋楽に疎い私にとっては、楽しいトリビアです。ご協力ありがとうございました!