レイチェル: No, we kinda broke up instead. (違うのよ。その代わりに[ディナーを食べる代わりに]、別れた、って感じなの。)
モニカ: What?! (She accidentally starts the blender without the lid on it and fruit flies everywhere.) (何ですって? [モニカはブレンダーのフタをしないまま、誤ってブレンダーをスタートさせてしまう。そしてフルーツがあちこちに飛び散る。])
レイチェル: (looking up at the ceiling) God, Monica, it's on the ceiling! ([天井を見上げて] まぁ、モニカ。フルーツが天井についてるわよ!)
モニカ: That's okay, this is more important than fruit... (pause) (angrily) on my ceiling! You broke up?! (そんなこといいのよ。このこと(レイチェルの件)が、もっと大切だもの、フルーツが… [沈黙した後、怒りながら] 天井についたことよりもね! あなたたち別れたの?)
レイチェル: Yeah, but it's okay because when Ross left, Mark came over. (そうよ。でも、大丈夫。だってロスが去って、マークが来てくれたから。)
モニカ: Oh no!! (もう、なんてこと!)
レイチェル: No. (違うのよ。)
モニカ: Rachel, you and Mark?! (レイチェル、あなたとマークが?)
レイチェル: No, no-no, it's okay, calm down. Mark and I talked, and I realized how much I love your stupid brother, and, yeah, we got our problems, but I really want to make it work. (いいえ、違う、違うの。大丈夫よ、落ち着いて。マークと私は話をしたの。そしてわかったの。私があなたのばかなお兄さんをどれほど愛しているかってことに。そして、そう、私たちは問題を抱えてるわ。でも、私は本当にその問題をうまく解決したいと思っているの。)
ここで、fruit という単語に注目です。
ト書きには、fruit flies everywhere. とあります。
a などの冠詞もついていないし、fruits という複数形にもなっていない、つまり、fruit は、基本的には不可算名詞なのですね。
日本語では「フルーツ」と言うだけに、fruits と複数形で使われるのかと思ったら、そうではないのです。
「たくさんの果物」だと、much [plenty of] fruit になります。
種類が複数であることを言う場合は、fruits という複数形が可能なようで、研究社 新英和中辞典には、
Apples and oranges are fruits. リンゴとオレンジは果物である。
という例文が載っています。
このように、fruits という複数形で使うのは「複数の種類を指す」特別な場合のみのようです。
「果物と野菜」は、fruit and vegetables となります。(「野菜」の vegetable は、通常、複数形 vegetables の形で使うことが多いようです。)
「果物は好きですか?」なら、Do you like fruit? になります。
flies everywhere というのが、「あちこちに飛び散った」感じが出ていますね。
it's on the ceiling! の it も、fruit を指しています。
on は「接触」を表すので、ここでは、「天井に接触している、天井にくっついている」感じが出ています。
on を「…の上に」と日本語に訳すクセをつけてしまうと、on the ceiling, on the wall という感覚が掴みにくくなります。
「接触」のイメージを持っていると、上の天井だろうが、横の壁だろうが、とにかく何かにくっついているから on なのだ、というのがわかりやすくなりますね。
きれい好きのモニカは、天井にべちゃっとついてしまったのが気になってしようがないのですが、でも、そんなことよりも今は友達の一大事だから…と無理に自分を納得させてあきらめようと努力している様子が伺えます。
モニカにとっては、fruit on the ceiling という現実に我慢できない、というか、「このまま放っておく」なんて、ありえないことなわけです。
もう早く掃除したくて、何とかしたくてたまらないけど、レイチェルが大変な時にそれは言えないから、on the ceiling の部分を「ううん、もう!」という感じで怒って言っているのですね。
「ロスが去り、マークが来た」というと、まるでロスと別れた後、マークという男性が来てくれて、それでことは解決した、今度はマークに乗り換えた、みたいに聞こえますね。
それで、「ロスと別れた後、あなたとマークが付き合うことになったの?」とモニカは驚いているのです。
レイチェルの、"I realized how much I love your stupid brother." というセリフに泣けます。
stupid という言葉をつけるのが、また愛情表現の一つですね。
ヤキモチを焼きすぎて、事態をどんどん悪化させちゃう、あなたの困ったお兄さんだけど、それでも、彼を愛しているのよ、ということですね。
make it work の work は「うまくいく」という意味です。
レイチェルは今回、broke up (break up) という言葉を使っていましたが、モニカへのセリフで、ロスとの仲を修復したい旨を告げていますね。
一時的に、broke up したような形になってしまっているけど、まだ完全に切れてしまったわけではない、とレイチェルは思っている、ということです。
[Scene: Ross's Bedroom, Ross is waking up. He straightens himself out on the bed and puts the covers over his head.]
ロスのベッドルーム。ロスは目覚める。彼はベッドの上で背筋を伸ばし、頭の上にカバーをかぶせる。
クロエ: (entering from bathroom) Morning! ([バスルームから入ってきて] おはよー!)
(Ross sits bolt upright, without moving the covers.)
ロスはカバーを動かさずに、背筋を伸ばして座る。
レイチェルがロスへの気持ちを再確認しているセリフの後、ロスの部屋が映ります。
ロスは自分が裸で寝ているのに気付いた後、ベッドの隣に誰も寝ていないのを確認して、ホッとします。
それでカバーを頭にかけて横たわるのですが…なんと、シャワーを浴びた後のクロエがバスルームから出てきます!
クロエの声を聞いて、やばっ!と思ったロスは、カバーをかぶったまま、ビクッとなって起き上がるのですね。
ト書きにある sit bolt upright は、英辞郎にそのままのフレーズが載っていました。
sit bolt upright=背筋を伸ばして座る、硬直して座る
bolt upright が「まっすぐ、しゃちこばって」という意味になります。
upright は「まっすぐな、直立の」「直立して」という意味。
upright piano 「アップライトピアノ、たて型ピアノ」というのもありますね。
ロングマン現代英英辞典では、
bolt [adverb]:
sit/stand bolt upright
to sit or stand with your back very straight, often because something has frightened you
つまり、「しばしば、何かに驚いたために、背中をまっすぐにして座る、または立つこと。」
カバーからちらっとクロエを見るロスの顔が「やばいことになっちゃった」という表情になっています。
この先、一波乱ありそうなオープニングです。
(Rach からのお願い)
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2008年10月22日
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