[Scene: Monica and Rachel's, Phoebe is entering carry a large box, Monica is mopping the ceiling.]
モニカとレイチェルの部屋。フィービーが大きな箱を持って入ってくる。モニカは天井をモップで拭いている。
フィービー: Hey, why are you mopping your ceiling? (ねぇ、どうして天井をモップで拭いてるの?)
モニカ: Oh, there's banana on it. (あぁ、天井にバナナがあるの[ついてるの]。)
フィービー: Wow, I have the spirit of an old Indian woman living in mine. (まぁ。私のアパートには、年老いたインディアンの女性の霊が住みついてるわ。)
モニカ: So, then, you know? (Phoebe nods her head) (そう。それなら、わかるわよね?[それで、あなたにはわかるのね?] [フィービーはうなずく])
フルーツが天井についてしまった時は、レイチェルの問題の方が大事よ、と言って、そのまま放っておいたモニカでしたが、やっぱり気になるからモップで天井を拭いています。
mop はご存知「モップ」ですが、「モップでふく、掃除する」という動詞にもなります。
まぁ、「動詞にもなります」というか、動詞があるのを知っているとか知っていないとかではなくて、mop を動詞として使うと、「あぁ、モップで掃除することなんだろうな」」と自然にわかるわけですね。
使い方や位置から、それが動詞だとわかればいいわけです。
天井にバナナが、と言ったモニカに対して、うちにはバナナじゃなくて、an old Indian woman の霊がいる、みたいなことをフィービーは言っています。
I have the spirit of an old Indian woman living in mine. の構造は、in mine は、in my apartment ということでしょう。
have ... living で、「…が住んでいる、という状態を持っている」という感じかな、と思います。
ここでの spirit は「霊、霊魂」という意味で、うちのアパートには、そういう霊が住んでるのよ、と説明しています。
モニカの返事、"So, then, you know?" の意味がよくわかりません。
you know? が「わかるでしょ?」みたいに相手に同意を求める表現ならば、あなたのところにも何かがついているらしいから、私のやっていることわかるでしょ?みたいに言った、ということかなぁ?
モニカは飛び散ったバナナが天井についてしまった、と言っているのですが、それを「バナナが天井にいる」みたいにフィービーは解釈し、モニカのところがバナナなら、うちは女性の霊よ、と言っているように思いました。
天井にいるバナナや霊のために、天井をモップがけして、掃除してあげている、もしくは、霊を取り除くために、こすり落とそうとしている、みたいにフィービーは思ったのでしょうかねぇ?
何かスピリチャルなことだとフィービーが勘違いしているようなので、バナナが天井についた経緯を説明するのは面倒くさいと思ったモニカは、「そうそう、フィービーが考えているようなことよ。」と適当に返事したのが、You know? なのかな?と思いました。
もしくは、you know? というのは、あなたは知ってるのね?という質問で、年老いたインディアンの女性、というえらく細かい情報を知ってるけど、そんなものがついているのが、あなたにはわかるわけ?という意味で質問した、それに対して、フィービーは当然のように、そうなの私にはわかるのよ、という感じでうなずいた、ということなのか。
ただ、それだと、you know that? と that がつくような気もします。
ちなみに、Indian というのは、「インド人」という可能性もありますし、ネイティブ・アメリカンのインディアンの可能性もありますが、今回は、ネイティブ・アメリカンの方でしょうね。
Indian という表現については、フレンズ2-21その2 でも触れています。
その記事で私は、「ネイティブ・アメリカンのことを、インディアンと呼んでも良いのだろうか?」みたいなことを書きましたが、コメント欄でお話させていただいた結果、Indian という呼称そのものは「不適切」というほどのこともない、という結論に落ち着いたようです。
フィービー: The mailman was downstairs, so I brought up your mail. (郵便配達人が階下にいたから、あなたの郵便物を持ってきたわ。)
モニカ: Oh, good. Thanks. (あぁ、良かった。ありがとう。)
フィービー: Now, what is Fabutech? (それで、ファービュテックって何?)
モニカ: Okay, all right, don't judge me too much, okay? Um, but I saw this infomercial, and um, I swear to you I have never ever bought anything on TV before. Except for this mop. But there was this stuff on leg-waxing, it just, it looked so amazing.... (いいわ。あんまり私を非難しないでね、いい? 私はインフォマーシャルを見たの、それで、あなたに誓って言うけど、私はこれまで決して、テレビで何かを買ったことはないのよ。このモップ以外はね。でも、足のワックスの商品があって、それはとってもすごいと思えたから…)
フィービー: Waxine!! (ワクシーンね!)
モニカ: Yes! Have you seen it? (そうよ! それ見たことある?)
フィービー: Oh, it's incredible! I so want to be a Waxine Girl! (あぁ、信じられないわよね! 私は、ワクシーン・ガールにものすごくなりたいわ!)
モニカ: I know!! (そうでしょ!)
フィービーはすばやく梱包を開ける。
フィービー: God. Do you think it really doesn't hurt? 'Cause how can they do that? (あぁ。本当に痛くならないって思う? だって、そんなことどうやってできるの?)
モニカ: Hello! Organic substances recently discovered in the depths of the rain forest? (もしもし? 熱帯雨林の奥地で最近発見された天然有機物[オーガニック]の物質よ?)
フィービー: They have the best stuff in there. (そこに、最高のものを使っているのね。)
don't judge me too much について。
ここでのjudge は「(人を)批判する、非難する」という意味ですね。
judge についての詳しい説明が、過去記事、フレンズ3-8その9 にあります。
Don't be judgmental. 「決め付けないで。批判的なことを言わないで。」という表現もありますね。
informercial は過去のエピソードにも何度も出てきます。
フレンズたちはテレビっ子(?)なので、informercial ネタもよく登場するのです。
インフォマーシャル フレンズ3-4その1 は、ジョーイがインフォマーシャルに出演している話でした。
フレンズ2-15その12 では、Miracle Wax という車の塗装について、ジョーイとチャンドラーが感動していましたね。
普段は通販でものを買ったりしないんだけど、今回は特別で…と言おうと思ったら、その手にしているモップ、天井もふける便利なモップも、通販で買ったものだった、という。
それで、付け足しのように、Except for this mop と言っているのです。
leg-waxing という言葉を聞いて、フィービーもその商品を知っていると大騒ぎします。
すかさずその商品名 Waxine を叫ぶのがおかしいです。
wax はいわゆる「ワックス」ですが、この商品は脱毛用ワックスなのですね。
フレンズ2-20その22 でも、
モニカ: I can learn how to do a bikini wax with leftover Christmas candles. (クリスマスの残り物のキャンドルでビキニラインの脱毛をする方法が学べるし。)
というセリフがありました。
ここの wax も脱毛関係の話です。
そして、出ました、モニカの決めゼリフ(?)、I know!
勝ち誇ったように言うのがモニカチックです。
こんなの買って非難されるかもしれないけど、とおどおどと告白したのですが、フィービーもその商品を知っていて、さらにはそれを使ってみたいと思っていたと知って、急に強気になった感じですね。
「そうなのよ!、そうでしょ!、でしょ?」みたいに、きっとフィービーもそう言ってくれると思ってたわ!、みたいな感じの I know! です。
Hello! ですが、こういう場合のハローは、日本語の「もしもし、おたく何を言ってるんですか?」みたいな感じのニュアンスですよね。
あのインフォマーシャルを見てなかったの?みたいな感じでしょうか。
depth というのは、deep 「深い」の名詞形なので、「深さ、深度」という意味があります。
また、「奥行き」という意味もあります。
深い、という意味なら、in the depth of the ocean なら「深海で、海の底深くで」になりますし、in the depth of depression なら「不況のどん底に」という意味になります。
(2008.11.2 追記)
「深い所、深み、どん底」という意味では、通常、the depths という「the+複数形」を使うようです。
ですから、
「深海で、海の底深くで」は、in the depths of the ocean
「不況のどん底に」は、in the depths of depression
と、それぞれ、depths という複数形になります。
セリフでも、in the depths of the rain forest と複数形になっていますね。
(追記はここまで)
今回は、the rain forest の話なので、底が深いか浅いかの話ではなく、奥行きの方の意味ですね。
in the depths of the rain forest で「熱帯雨林の奥に、奥深くに」ということで…あっ、日本語でも、「奥深く」という表現に「深い」という言葉が登場していました。
depth と「深さ」の感覚は同じなんだぁ。
Organic substances 以下は、ものすごい早口です。
興奮してしゃべってる感じですね。
「熱帯雨林の奥地で発見された天然有機物」のイメージは、「深層水(海洋深層水)」のイメージに似た感じで、そういう、人が簡単に入れないようなところ、到達できないようなところにある物質、と言われたら、今まで見たこともないような効果のある物質、神秘的な物質なんだろうという期待が高まりますよね。
そういう消費者心理をついた宣伝文句なわけです。
すっかりその宣伝文句にひかれている二人。
多分、substances recently discovered in the depths of the rain forest ってどんなものか、全く見当もつかないだろうのに、何だかすごい素材を使っていそうな雰囲気だけ、しっかり伝わっている、ということですね。
CMの宣伝文句ってすごい(笑)。
(2008.11.2 追記)
最後のフィービーのセリフ、They have the best stuff in there. について、下のコメント欄でご意見をいただきました。
上に私が書いた和訳のニュアンスは間違っているようです。
下のコメント欄に訂正と追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)
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ご指摘ありがとうございます。テリトリーさんのコメントを読んで、私も、in there は、in the depth of the rain forest だと思いました。
They と文頭に来ているのを見た時に、そのワクシーンを作った会社の人、製造業者みたいな意味の、they かと思ったのですね。
彼らは、ワクシーンに、その最高の素材を投入している、みたいなイメージを持ったのですが、その場合だと、確かに、there ではなくて、here か this になる、でしょうね。
They = Organic substances で、「天然素材は、in there (熱帯雨林の奥深くで)、最高の素材を持っている」→「熱帯雨林の奥深くにある素材は、天然素材の中でも、ベストなものである」ということですね。
They と見ると、「その関係者である人々」だと思ってしまいがちなのが、私の悪い癖かもしれません。
上の和訳では、「そこに、最高のものを使っているのね。」(=製造業者は、ワクシーンに最高のものを使っているのね。)と解釈してしまいましたが、「そこには、最高のものがあるのね」(=熱帯雨林の奥地には、最高のものがあるのね。)ということになるのですね?
「どうして痛くないなんてことが可能なの?」「インフォマーシャル、ちゃんと見てなかったの? 熱帯雨林の奥地で発見された天然有機物よ。」「そうよね、奥地には最高品質の素材があるものね。」
と、in the depths of the rain forest という宣伝文句にすっかり乗せられているのがわかる、一連の会話なのですね。納得です。
この部分、セリフの解説はしていませんでしたが、私の和訳だけで、私が they と there をどう解釈しているかを掴んで下さって、ありがとうございました。やっぱり、和訳を書くことで、解釈を勘違いしていることをわかってもらえることもあるのだ!と、しみじみ思いました(笑)。
とにかく天然有機物なりそこの動物からとれるものとかいろいろ、そんな奥深い熱帯雨林からとれるものはベストのものだと勝手に「断言」しています。
フィービーはその熱帯雨林でとれるものがはっきりいって良くわかってないくせに(レイチさんのおっしゃるとおり)、いきなり「その熱帯雨林には最高のものがある」とまでの賛美。それが、そのあとの話に続きますね。(笑)
お返事ありがとうございます。they は、organic substances を指すのではない、ということですね?
私は、「organic substances のような物質は、熱帯雨林の奥地で、その最高品質のものを持っている」と解釈したのですが、そうだとすると、They have their best stuff in there. と、所有格の their がつく方が自然かもしれません。
そうではなくて、「熱帯雨林(の奥地)は、(あらゆる物質の)最高素材を持っている」→「熱帯雨林の奥地には、ベストなものがある」みたいな感じでしょうかね?
今、気付いたのですが、 the depths of the rain forest と、depth が複数形になっていますね。
「深い所、深み、どん底」という意味では、通常、the depths という「the+複数形」を使うようです。
(上の記事で書いた「深海で」「不況のどん底に」も、本来は、depths と複数形になるようなので、訂正しました。)
ですから、The depths of the rain forest have the best stuff. という文章が最初にあって、それを、漠然と、they と表現したので、最後に、in there をつけて、they が the depths of the rain forest であることをはっきりさせた、という可能性もあるような…?
They have が、There is という感じを表す、というのはよくありますよね。
研究社 新英和中辞典では、
have=(ものが)(部分・付属物・特徴などを)もっている、(…には)(…が)ある、(…を)含んでいる
This room has five windows. この部屋には窓が5つある。
(変換) There are five windows in this room. と書き換え可能
とあります。
ですから、
There is the best stuff in the depths of the rain forest.
↓
The depths of the rain forest have the best stuff.
↓
They have the best stuff.
に、「熱帯雨林の奥地で」的ニュアンスをつけ加えるために、
↓
They have the best stuff in there.
にした。
みたいな感じもあり得るでしょうか?
テリトリーさんのおっしゃるように、They は「特に何かを指すのではない」ということもあり得ると思います。いずれにしても、There is っぽい「存在する、ある」というニュアンスを表している文だ、ということですね。
そして、ここのポイントは、二人とも専門家ではないから、そういう科学的なことは何もわかっていないくせに、「熱帯雨林の奥地には最高のものがある」ということを周知の事実のように「断言」しているのが面白い、ということですね。「漠然とした”もの”」を表す時に、フレンズではよく stuff という単語を使いますが、ここでも、フィービーはあまりそういう専門用語に詳しくないから、stuff という単語を使って「もの」と表現している、という感じなのでしょうね。
フィービーの断言は、人の受け売りをそのまんま、自信満々でいろんな人に触れて回っている感じの人のそれと似ています(笑)。ここでの大絶賛が、あとの話にうまく繋がっていくところが、フレンズの脚本の面白さですね。
辞書には、mine は 「my+先行名詞の代用」とあります。
ここでの先行名詞はモニカのセリフ中の it、すなわち ceiling のことだと思うのですがいかがでしょうか。
mine は「私のもの」であることと、in という前置詞があったため、どうやら私は「雰囲気で」、in my apartment と解釈してしまったようですが、ここでの先行名詞は確かに apartment ではなく、ceiling ですね。mine は「所有代名詞」ですから、やはりそれは「my+先行名詞の代用」ということになるはずですよね。
「私の天井(の上、表面)にバナナがついてる」と言ったモニカに対して、「私の天井の中にはインディアンの霊が住んでる」と返した、ということなのでしょうね。
天井という場所が、いかにも霊の住んでいそうな場所なので、その返しが面白く聞こえるという仕組みですね。
ご指摘ありがとうございました。
またしても、フィービーは変な言葉の選択を振るいますね。
英語で、「they have the best stuff in there」という言葉は確か、服飾店かブティックか何かについて話す時の感じと思います。そこで、「they」が「〜屋さん(たち)」だとする。
そうと言ったら、この場合に「they」は、多分、「熱帯雨林屋さんたち」のようなものになるのでしょう。ちょっと意味不明な言葉になる…ね?(笑)だが、もちろん、この無邪気の事はフィービーの魅力の一つあるよね。
--John
(I'm that guy from Canada―still trying to learn Japanese! Sorry about any mistakes.)
コメントありがとうございます。ネイティブの方からの貴重なご意見、とても参考になります。心より感謝申し上げます!
「服飾店かブティックか何かについて話す時の感じ」というご説明、非常にわかりやすいですね。「in there に the best stuff がある」ということを言う時に、There is のような存在を表す文ではなく、They have という形を使うことで、その最高級品を準備する人がいるかのような言い回しになって、Johnさんのおっしゃる「熱帯雨林屋さんたち」って誰?! みたいな面白みが出る、ということなのですね。
They have を使った形になっていることの効果が、大変よくわかりました。ありがとうございます<(_ _)>
Last but not least, I always thank you for giving me intriguing & informative comments here on my blog and there on Twitter. Like, I have the best teacher in here & there. ;)
So glad that I finally read your wonderful Japanese, which encourages me to learn English more!
Thanks for everything, again. :)
I'm very glad I could be of assistance to you! I really only wish that I could help more often. Your articles are almost always correct in the subtlest distinctions; I think you've done a fantastic job at getting the nuances of the English language.
And yeah, "Who is the They in the rainforest?" instantly becomes a question that begs to be asked.
Though I think that what you said about the humour of a non-expert just deciding that "The Best Stuff comes from rainforest, and that anything made with it is going to be fantastic", was definitely another big part of the joke. Anyone who has ever seen an ad for anything, can probably relate to this feeling―hahaha.
Again, you're very welcome!―and I hope I can be of assistance in the future.
Thank you so much for your wonderful reply! And I'm very glad you said good things about my articles. Now I'm like, "Could I BE any more honored?!"
So, "Who is the They?" and "What do you know about rain forests?" questions lead to laughter, right? The nuances of "they" are as deep as rain forests. ;)
I'll keep trying hard to get the nuances of the English language. Please correct me if I say anything wrong. ;)