2008年11月05日

絶好のタイミングを待って言う フレンズ3-16その7

ジョーイ: Ross, look, I'm onboard about the total-honesty thing, I am, just not about stuff that's gonna get you in trouble. (ロス、いいか。完全に正直であること、については、全く賛成だよ。ただ、お前をトラブルに陥れる[巻き込む]ことになることについては、賛成じゃない、ってことだ。)
チャンドラー: He's right. Nobody's gonna benefit, and you're just gonna hurt her. (ジョーイは正しいよ。誰も得をしない[誰の利益にもならない]。そして、お前がただレイチェルを傷付けることになるだけだ。)
ジョーイ: Yeah, and there won't be a relationship left to rebuild. (そうだよ。そして、立て直すべき関係も残っていないことになる。)
ロス: Yeah, but don't you think.... (あぁ。でも、こう思わない…?)
チャンドラー: All right look, if you absolutely have to tell her, at least wait until the timing's right. And that's what deathbeds are for. (よし、いいか。もし、お前が絶対に彼女に言わないといけないとしたら、少なくとも、ふさわしいタイミングになるまで待て。そして、そのタイミングっていうのは、死の床が向かう時だ[死ぬ時だ]。)

I'm onboard about ... について。
on board だと「船上に、機内に」という意味ですね。
board は「板、盤、台、卓、テーブル」などの意味があり、the Board of directors だと「取締役会、役員会」という意味になります。
今回のセリフの、onboard については、辞書になかなか意味が載っていなかったのですが、on board 「台の上に乗っている」みたいな意味から、その意見に自分も同調していること、を表しているのかな、と思います。
DVDの日本語訳も「大賛成だ」となっていたので、やはりそういう賛成、同意、という意味なんだろうと思います。
が、どうして辞書には載っていないんだろう??

Nobody's gonna benefit, and you're just gonna hurt her. では、2箇所、be gonna が使われています。
これは、ロスがもしレイチェルに事実を告白して、その流れでことが進行すると、結局、誰も得することなく、レイチェルを傷付けるという結果になってしまう、ということを言っているのですね。
チャンドラーが未来をそう推測している、ということではなく、「自然の流れでいくと、そういう結果になる」という感じです。

there won't be a relationship left to rebuild.
関係が「ない」だろう、というよりも、「残っていない」だろう、というニュアンスです。
こんな風に、There is 構文で、存在すべき名詞の後に left をつけて、それが「残っている、残されている」と表現することがよくあります。
leave は「…を残す」という他動詞ですね。
英辞郎には、
There are only two days left in this year. 今年もあと二日で暮れてしまう。
という例文が出ています。
また、研究社 新英和中辞典の例文では、
There was little coal left. 石炭はもうほとんど残っていなかった。
というのもあります。
フレンズ2-21その12 では、I have no family left という表現も出てきました。

deathbed を直訳すると「死のベッド」ですから、日本語と同じく、「死の床」であり、「臨終」という意味になります。
普通は、on one's deathbed 「臨終に、死の床で」という風に使うようです。

deathbeds are for... の for の後に続く部分が、その right なタイミングだ、と言いたいようです。
for は方向を表す前置詞ですから、deathbeds が向いている方向、というニュアンスで、死の時、死ぬ時が、そのグッドタイミングだよ、と言っている、どうしても言いたけりゃ人生の最期にしろ、もうじき死ぬっていう最後の最後に言え、今は言っちゃだめだ、と説得しているのですね。


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posted by Rach at 12:25| Comment(9) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは(o^∇^o)ノ 、Rachたん!(←とっても迷った 爆)

>for は方向を表す前置詞ですから・・・

ここでは、この言い方アメリカ人好きだなと思うのですが、歌にもあるように(That's what friends are for)、"that's what deathbeds are for"は、「死の床はそのためにあるんじゃないか」だと思いました。
Posted by まゆみ at 2008年11月05日 13:19
I'm onboard about ... について。
onboardは初めから搭載されているというイメージが浮かびます。純正のカーナビが車の一部として搭載されてるみたいに。
ジョーイ:正直な性格なるものは自分には間違いなく備わっているが、人を怒らせるようなものだけは備わってない。
一般的な言い方ではなく、ジョーイが正論を述べるときのちょっとピントのはずれた言い方に思えます。
男性陣の一人が二人からアドバイスを受けて行動したときは結果がとんでもないことになるパターンですね。ロスは愛されるキャラクターでないとダメなので、二人のアドバイスやマーク、クロエ、ガンターがちょっと悪者になってる感じがします。
Posted by catch at 2008年11月07日 00:04
まゆみたんへ
「この言い方アメリカ人好きだなと思う」「歌にもある」というのは、まったくおっしゃる通りですね。気付かなかった自分が恥ずかしいです。

フレンズ2-9その12 で、
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470291.html
急ブレーキがかかって、運転席と客席との間のガラスに頭をぶつけた時に、
チャンドラー: So that's what this is for! (これは、そういう時のためのもんだったんだな。)
というセリフが出てきます。
その時のコメント欄で、That's what friends are for という歌のタイトルを教えてもらいました。

Wikipedia 英語版: That's What Friends Are For
http://en.wikipedia.org/wiki/That's_What_Friends_Are_For

ディオンヌ・ワーウィック(Dionne Warwick)が、Dionne & Friends 名義で発表した曲ですね。
(共演したのは、Elton John, Gladys Knight and Stevie Wonder)

Friends are for .... 「友達は…のためにある」の「…」の部分が前に来ている、という構造の文ですよね。
ですから、日本語に訳すとすると、「そのために友達はいるのよ。」みたいな感じですね。

今回のセリフも deathbeds are for .... で「死の床は…のためにある」の「…」が強調で前に来ている、という構造ですね。

ですから、上のセリフを訳すとすると、
「もし、お前が絶対に彼女に言わないといけないとしたら、少なくとも、ふさわしいタイミングになるまで待て。死の床ってのはそのためにあるんだよ。」
ということになるんですね。

こういう「いかにも英語チックな典型的な構文」なのに、どうして気付かなかったのか…反省します。

「お前が死ぬ時だよ。」というありきたりな答えではなくて、「そのために死の床ってのは存在するんだろ。」と、さも、墓場に持っていきそうな究極の秘密を最後に告白するために死の床が存在するかのように言っているのが、面白いということですよね?

気付いてくれて、ありがとうね、まゆみたん。


catchさんへ
コメントありがとうございます。

catchさんがおっしゃるように、onboard には、「初めから搭載されている」という語義がありますね。
私が辞書で調べた時も、その語義が載っていました。

ロングマン現代英英辞典では、
on-board [adjective]: [only before noun]
carried on a ship, plane, car etc
例) an on-board computer
という語義が載っています。

only before noun と書いてあるのがひっかかるんですよねぇ。only before noun とは、名詞の前でしか使えない形容詞、つまり、限定用法(attributive)ということですね。
今回のセリフでは、be onboard about... と使っているので、be動詞の補語として使える、叙述用法(predicative)の形容詞ということになりますね。
その叙述用法の語義や例文が辞書に書いてあると良かったのですが…。

研究社 新英和中辞典の例も、
an onboard computer 「機[船, 車]載コンピューター」
と、
「機[船, 車]内で提供される」という意味の、
onboard service(s) 「機[船, 車]内サービス」
が載っていて、やはり、be動詞の補語として使われている例は載っていません。

それで、ジョーイのセリフの解釈ですが、一連のセリフの流れを考えると、ここでのジョーイの発言は、「ロスが正直でいること、もしくは、一般的に人が自分の恋人などに対して正直でいること」についての「自分の考え、自分の状態」を述べているように思えました。

「正直な性格なるものは自分には間違いなく備わっている」という意味にしたい場合は、the total-honesty thing is onboard... みたいな語順で、I ではなく、その備わっている内容である the total-honesty thing の方が主語に来るような気もします。そうした場合に、onboard の後をどう続けていいかわからなくて、文を完成できないのですが。about という前置詞もなんとなくしっくりきません。

やっぱり、the total-honesty thing というのは、ロスがいまやろうとしている「恋人に対して全て正直であること」を指しているように思うのです。

話の流れを考えると、I'm all for the total-honesty thing. 「その完全に正直でいることについては、全く賛成だよ。」みたいな意味で、I'm onboard about the total-honesty thing. と言っているように思えるんですよね。
日本語でいうと、「その話には乗る」みたいに、まさに何かに「乗っかっている」ようなイメージを感じるんですよ。あくまでイメージなんですが。

ですから、catchさんのおっしゃる「純正のカーナビが車の一部として搭載されてる」みたいな語義が、本来の正しい意味ですよね。
そして、辞書に載っていない、be onboard about という表現は、またそれとは違ったニュアンスになるんじゃないかなぁ?というのが私の考えなのですが、どうでしょう?
賛成、同意みたいな意味である、という裏が取れないので困っています(笑)。

それから、「ロスは愛されるキャラクターでないとダメ」というのはその通りですね。そのために、特に今回のエピソードでは、周りの人間がいつもより悪者っぽい役柄になってしまっているようです。
ロス&レイチェルの恋に関しては、男性二人のアドバイスで余計にことを悪化させてしまう、というパターンがこれまでに何度もありました。そこがフレンズの面白いところなのですが、ロス&レイチェルを応援するものとしては、はがゆい気持ちにもなります。
Posted by Rach at 2008年11月07日 12:32
be onboard aboutについてはonboardを形容詞と捉えた思い付きの解釈です。Rachさんがしらべてうらがとれないくらいですから、私も調べるのは無駄でしょうからやめます。レイチェルには話すなといってることは間違いないと思うのですが、一般論としていってるか自分の身に置き換えていってるのかの違いでしょうか。吹き替えでは一般論としていっていておもしろみがないような感じがしました。ジョーイのちょっと幼稚っぽいいいかたで正統な英語ではないと思うのですが。最初のコメントにも書いたように難しい言い回しを無理して使おうとしてる感じがします。 I am, just not about stuff that's gonna get you in trouble.のあと笑い声が起こりますが。吹き替えでは出てきません、I am,と強調して発音していますが自分が正直であると言った事への強調とjust not about以下にもかかっていて、プレーボーイのジョーイがどれだけ女性を怒らせたかを解ってる観客の笑いのように思いました。
Posted by catch at 2008年11月07日 20:27
僕も「賛成」「同意」と解釈しました。
ロスが、自分がやったことを全部正直に話さないで、どうやって恋人という関係の修復をすることができるんだよ、と前回いってますね。

そして、ジョーイは「お前が言う全部正直に話すということには賛成だよ、でも、自分が不利になるようなことを正直に話すことには賛成しないよ」と解釈しました。ここでおもしろいのはおそらく、「ジョーイ、それじゃ、ぜんぜんトータルオネスティーに同意してねーだろ!」とつっこみたくなるジョーイの思考、ということじゃないでしょうか。ジョーイ、お前のトータルオネスティーの定義はいったいなんなんだよ!って感じですね。こんなジョーイのアドバイスを聞いていいのかなぁ、とおもわせる会話がおもしろいのではないでしょうか。
Posted by テリトリー at 2008年11月08日 06:38
there won't be a relationship left to rebuild.について
私の戯言妄想として聞き流してください
9-15でロスが強盗に襲われるシーンがあります。そのときの台詞 Mugger: Alright. Just give me your wallets and there won't be a problem.(黙って財布をよこせ、そうすればなにもしないからな)
there won't be a relationship.だけで文章は完結しています。以前文章に形容詞が最後につくとコメントしたのですが今回もその説です。動詞からくる形容詞は現在分詞と過去分詞があり、純粋な形容詞はbeing省略されていると考えます。これらはそのフレーズの動詞と同時性を表します。またto不定詞はそのフレーズの動詞からみて未来を表します。それで、there won't be a relationship left to rebuild.を私なりに訳すと恋愛感情はなくなり気持ちは離れていくそしてto rebuildはそのご恋愛感情が元通りになるのは難しいと考えます。意訳するとレイチェルに話したりすると二人の関係は離れてしまい、元に戻らなくなってしまうよ、と言うような意味になります。あくまでも私の解釈なので返事は必要ないですので、くれぐれも。ただ一つだけいっておきたいことはもうすぐChristmasまで4週間前になります、ラブ・アクチュアリをお勧めします24Uで残忍なテロリスト役の女優とジャック・バウアーのむすめ役の女優がおもしろい場面で出ていますよ。
Posted by catch at 2008年11月09日 00:52
catchさん、テリトリーさんへ
be onboard about について、まとめレスで申し訳ありません。

onboard を英英を含めた辞書で調べても、「搭載されている」みたいな意味しか出て来ないので、「賛成、同意」と決め付けて良いのかどうか?とは思うのですが、話の流れを考えると、それが一番自然かな?と思います。

get you in trouble の後に笑い声が起こったのは、テリトリーさんのおっしゃるように、
「ジョーイ、それじゃ、ぜんぜんトータルオネスティーに同意してねーだろ!」とつっこみたくなるジョーイの思考
なのでしょうね。

その前のセリフで、
ロス: How am I supposed to do that here without being totally honest with each other? (お互いに完全に正直になることをしないで、どうやってそれを[関係修復を]することになるんだ?)
というのがあります。その being totally honest with を受けて、ジョーイが、 the total-honesty thing 「そのお前の言う、完全に正直になること」について意見を言っている、賛成しているように言っておきながら、そこには「例外としての条件」があるのですね。「お前(or 当人・当事者)を、トラブルに陥れるようなトータル・オネスティーはダメだ」という感じですね。

I'm onboard about... I am. という感じで、I am を強調してしゃべっていますが、just not about 「ただ、これだけはダメなんだ」みたいに付け足した部分が、非常に自分勝手な言い分(完璧に正直になるのはいいが、都合の悪いことはだめだ)だったので、観客が笑っている、ということなんでしょうね。totally, total と言っておきながら、条件付きかよ、それじゃ totally, total じゃないじゃん!という面白さ、なのでしょう。

その後、チャンドラーが He's right. とジョーイの意見に同意した上で、ここでは「ある程度の正論」を述べています。正直になるのもいいが、状況も考えた方がいい。確かにこのままじゃ、ロスがレイチェルを傷付けるというトラブルを生むだけだ、と言っています。
やはり、「ロスが正直であろうとしていること」について、ジョーイとチャンドラーが自分の意見を述べている、という流れになるのかな、と思います。

onboard に「賛成、同意」の意味があるかどうか?については、今後またこの表現がどこかに出てくるのを期待して待っていたいと思います。
お二人とも、ご意見ありがとうございました!


catchさんへ
there won't be a relationship left to rebuild. について、ご意見ありがとうございます。
聞き流して下さいとのことですが、私も思ったことを少しだけ。

フレンズ3-1その28 で、
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470732.html
パパ: Well, he's doing terrible! (リチャードはひどい状態だよ!)
というセリフが出てきた時に、形容詞が文末につく時のニュアンスについて、ご意見をいただきましたよね。今回の left to rebuild も、それと同じく、「完結した文章の文末に、形容詞がついた形」という解釈なのですね?

rebuild という単語は、その前のロスのセリフ、
ロス: Look, we're trying to rebuild a relationship here, right? (いいか、僕たちはここで、関係を立て直そうとしているんだよ。)
に出てきます。
ロスの言うとおり、何もかも話してしまうと、その rebuild すべき対象となる a relationship そのものが存在しないことになってしまう、それが残っていないことになる、「関係を修復する前に、関係がなくなってしまう、大前提が崩れてしまう、それじゃ元も子もない」みたいに私は解釈しました。
「to不定詞はそのフレーズの動詞からみて未来を表します」というのはその通りですよね。
私は to を「…すべき」と訳しましたが、それも「未来にそうなる(べき)」「その後、rebuild することになる」みたいなニュアンスになるだろうと思いました。

catchさんの解釈を、自分なりの言葉で練り直してみようと思ったのですが、うまくまとまりません。「完結しているはずの文章に形容詞がつく形」がまた出た時に、今回の件も合わせて思い出せればな、と思います。ありがとうございます。

catchさんのお勧めについて。
去年の12月の記事、フレンズ3-9その14 のコメント欄
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471039.html#comment
で、Love Actually に関する言及「7回目」がありますね。
今回は多分、「8回目」…ですよね?(笑)
catchさんお勧めの映画なのに、本当なら、「24」よりもこちらを先に見るべきでした(笑)。
今年こそ、クリスマスになるまでに必ず見ます! I promise!
ですから、「9回目」はもうしばらくお待ち下さいませ(笑)。
Posted by Rach at 2008年11月10日 13:45
I am, just not about stuff that's gonna get you in trouble.のstuffについて
ここのstuffは「RachelにRossがやったことを述べる行動」を指していると思います。

Slang: Specific talk or actions
Posted by Fen at 2009年06月10日 11:32
Fenさんへ
その stuff というのは、具体的に言うと「RachelにRossがやったことを述べる行動」を指していることになりますが、このセリフではそれをわざと「漠然とした stuff という言葉」で表現しているように思います。
全く正直になることには賛成だが、自分をトラブルに陥れるような”こと”については賛成しかねる、と言っていて、「stuff =ロスがレイチェルに正直に話すこと」なわけなので、ジョーイのセリフが完全に矛盾している、その自分勝手な論理に笑ってしまう、ということだと思います。
Posted by Rach at 2009年06月12日 12:40
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