2008年11月10日

ペインフリーとペインフル フレンズ3-16その9

[Scene: Monica's Bedroom, Monica and Phoebe are waxing their legs.]
モニカのベッドルーム。モニカとフィービーは、脚にワックスを塗っている。
フィービー: (reading from the instructions) "After applying the Waxine and linen strips to leg number one...." ([取扱説明書を読んで] 「ワクシーンとリネンの細長い一片[リネン片]を一つ目の脚につけた後…」)
モニカ: Did that! (それ、やったわ!)
フィービー: "Grasp one of the linen strips by its 'easy grab tab' and pull it off in one quick, pain-free motion." (リネン片の一つを、「簡単に掴めるタブ」で掴んで、すばやい、無痛モーション[痛みなしモーション]でひっぱりはがす。」)
モニカ: Okay. (Does so.) Ow!!!!! Ow-oh-oh! (わかった。[そうする] あぁ! あぁあぁあぁ![と痛がる])
フィービー: Was it not "pain-free"? (「無痛」じゃなかったの?)
モニカ: No, it was pain-ful! Oh my God , they should call it "Pain-zine, now with a little wax." (いいえ。ペイン・フルだったわ! なんてこと。こう呼ぶべきよ、「ペイン・ジーン。今、少しのワックスで。」)
フィービー: Huh, well, the girls in the satin nighties on the commercial don't seem to think it's that bad. (フーン。そうね、コマーシャルのサテンのパジャマを着ていた女の子たちは、そんなに(痛みが)ひどいと思ってるようには見えなかったけど。)
モニカ: That's because their nerves are probably deadened from being so stupid. But hey, y'know if you don't believe me, please, be my guest. (それは、あの子たちがすっごくバカだから、多分神経が無感覚になってるからよ。でも、ねぇ、ほら、もしあなたが私の言うことを信じないのなら、どうか、ご自由に試してみて。)
フィービー: (Removing one of the strips) Ow-ow-ow-ow! Oh my God!!! (リネン片の一つをはがす。) あぁあぁあぁあぁ! なんてこと!)
モニカ: Now, are you glad we didn't start with the bikini strips? (ねぇ、ビキニ用の一片から始めなくて良かったと思うでしょ?)

instruction は「使用説明書、取扱説明書」。

apply は TOEIC 頻出単語ですね。
apply to 「応募する、適用する」という意味でよく出てきます。
今回の applying the Waxine and linen strips to leg number one は、apply A to B の形で、「(Aを)Bに塗る・つける」という意味ですね。
ワクシーンはワックスですからそれを脚に塗り、その後、linen strips つまり、リネンでできた細長い一片をいくつかペタッと脚にくっつける、という感じです。

'easy grab tab' というのが「いかにも」という感じのネーミングですね。
ここを掴んではがすとはがしやすいですよ、痛みを感じずに楽にはがせますよ、ということでしょう。
ところが、はがしたとたん、叫び声を上げるモニカ。

ネットスクリプトでは普通に painful と書いてありますが、DVDでは pain-ful と書いてあります。
pain-free じゃなくて、pain-ful よ、と比較している感じでしょう。
形容詞の語尾として使われる -ful は、研究社 新英和中辞典によると、
-ful
=(接尾)[形容詞語尾] …に満ちた、…の多い、の性質を有する
語源:full (形容詞=いっぱいの、満ちた)から

と出ています。
ですから、pain がない、という意味の、pain-free どころか、pain がいっぱいの、pain-ful よ! という意味で、ful の部分をはっきり発音し、同じ f で始まる音でも、「free ではなくて ful (full) だ!」と強調しているのです。

they should call it "Pain-zine, now with a little wax." は、この商品の名前(とキャッチフレーズ)を変えるべきよ、みたいなことですね。
「ちょっとのワックスで、激痛」みたいなイメージの、「ペインジーン」という名前に変えるべきだということです。

deaden は「(苦痛などを)消す、無感覚にさせる」。
dead な状態にする、ということですね。
ワクシーンのCMの女の子たちは、おしゃれなパジャマを着て、痛くなさそうにワクシーンで脱毛してたけど、あの人たちはきっとおバカさんで、感覚まで麻痺してるのよ、ととんでもないことを言っています。

Be my guest. は「どうぞご自由に(お使い下さい、お食べ下さい)。」という意味。
「ゲストとして、遠慮なく行動して下さい。あなたの好きなように、ご自由にして下さい。」ということでしょう。
フレンズ3-11その2 にも出てきました。

the bikini strip(s) は、ビキニラインを脱毛するための一片、ということで、脚用のストリップはこれ、ビキニライン用はこれ、とその形状に合せた形や長さの strip が何種類も入っているということでしょう。

Now, are you glad we didn't start with the bikini strips? のニュアンスについて。
直訳すると、「私たち二人とも、ビキニ用の一片から始めなかった。それを嬉しく思うでしょ?」ということで、「ビキニ用から始めなくて良かったわねぇ。脚でこの痛さだから、ビキニラインみたいな繊細で敏感な場所から始めていたら、大変なことになってたわよねぇ。」という感じです。


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posted by Rach at 15:02| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは、「捨てる英語、拾う英語」を書いた井上大輔です。ブログに書き込んでいただいたのに、ずっと返事をしなくて申し訳ありませんでした。貴著の「シットコムで笑え」拝読しました、僕自身DVDを使って英語を勉強したので、DVDを使った勉強法がもっと広がればいいと思ったので、自分の本でも推薦させてもらいました。もし捨てる英語で何か参考になりそうなことがあれば、ぜひ引用していただければと思います。ではでは失礼します。
Posted by 井上大輔 at 2008年11月10日 19:22
井上大輔さま。
拙ブログにコメントを下さり、誠にありがとうございます。嬉しいです!
井上さんのご本「捨てる英語、拾う英語」で、拙著の名前を挙げて下さったこと、本当に光栄です。ありがとうございます。
貴ブログの最新記事でも、拙著について触れて下さり、ありがとうございます。DVD勉強法をテーマにした本の原稿を書かれたとのこと、そのご本が出版されるのを、楽しみにしています。

「捨てる英語、拾う英語」について、拙ブログで近日中に記事を書かせていただきたいと思います。「捨てる」「拾う」という概念は、何かを学ぶにおいてとても大切なことですよね。

これからもよろしくお願いいたします。
Posted by Rach at 2008年11月12日 10:36
stripはareaの意味もあるので、
bikini stripsはbikiniを着る際coverされたbody領域ではないかと思います。

Posted by Fen at 2009年06月10日 11:54
Fenさんへ
LAAD には、
strip: a long narrow area of land
という語義が出ています。
また、研究社 新英和中辞典には、
strip=細長い土地 〔of〕
a strip of grass 1区画の細長い草地
という語義も載っています。

「細長い一片」という元々の意味から、同じような形状の土地も strip と呼ぶ、ということでしょう。

ですから、ビキニラインのエリアを strip と呼ぶのは、細長いエリアではないので、ちょっと無理があるように思います。また、細長いエリアが複数あるわけでもないので、strips という複数形も合わない気がします。

上のセリフにも、linen strips という言葉が何度も出てきますので、やはり strip は脱毛テープの一片を指していると私は思います。
Posted by Rach at 2009年06月12日 12:44
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