[Scene: The Xerox Place, Ross is trying to break the trail.]
コピー屋。ロスは、トレイルを断ち切ろうとしている。
ロス: (entering) Chloe? Hi... ([入ってきて]クロエ? やぁ…)
クロエ: Is this about me taking your watch? (これ[今、あなたが来たこと]って、私があなたの腕時計をとった[盗んだ]こと(について)?)
ロス: You took my watch? (君は僕の腕時計を盗ったのか?)
クロエ: I'm sorry, I do that. (ごめんね。そういうことするのよ。)
ロス: Just you keep it, listen did you, did you tell anyone about us? (それはとっておいて。ねぇ、僕たちのこと、誰かに話した?)
クロエ: Oh no. I feel it isn't really anybody's business, y'know. (いいえ。それは他人には関係のないことだと感じたから。)
ロス: Exactly. So you didn't, didn't mention anything to Issac, right? (その通りだよ。それで、君は話さなかったよね、アイザックに何も話さなかったよね?)
クロエ: Oh, well, I tell Issac everything. (あぁ、そうね。アイザックには全てを話すから。)
ト書きの Ross is trying to break the trail. は、クロエからレイチェルにつながる道筋を断ち切ろうと奮闘している、ということですね。
ロスが慌ててやってきたのを見て、ロスの時計を盗んだことがバレて、それで来たの?とクロエは尋ねています。
You took my watch? と過去形で尋ねられているので、I did that. という過去形なら、「そうよ、(確かに)盗んだの。」と、その過去の行為を認めたことになるでしょう。
I do that. と現在形になっているのは、「習慣、習性」を表す、ということでしょうね。
フレンズ2-22その2 でも、she steals stuff 「彼女はものを盗む、盗癖がある」という現在形が出てきました。
business は「関係する権利、干渉する権利、筋合い」という意味。
That's none of your business. 「それはお前には関係ないことだ。お前の知ったことではない。」というのは決まり文句ですね。
それを聞いて安心したロスは、確認のため、アイザックにも話してないことを尋ねるのですが、クロエはあっさりと、アイザックには全てを話すから、と答えます。
ここも、「今回のことをすべて話した」という意味ではなくて、普段から、私はアイザックには何でも話すのよ、という習慣のニュアンスですね。
ロス: You tell, of course you do. Issac. Issac. Hey, Issac. Issac, hi! Y'know we haven't actually met.... (君は話す、もちろん、君は(アイザックには)話すんだよね。アイザック、アイザック…やぁ、アイザック、アイザック。やぁ! 僕たちは、実際には会ったことないけど…)
アイザック: You dog! (この、犬野郎!)
ロス: Yes, I suppose I am a dog. But Issac, see I-I happen to have a girlfriend. (そうだよ、僕は最低の男だと思う。でも、アイザック、ねぇ、僕には彼女がいるんだ。)
アイザック: Oh right, that Rachel chick from the coffee place. (あぁ、そうだね。コーヒー屋[コーヒーハウス]のあのレイチェルって女の子だろ。)
ロス: Yeah, that's the one. Listen, I don't want to hurt her. (そうだ。それが、彼女なんだ。ねぇ、僕は彼女を傷つけたくないんだよ。)
アイザック: Oh, hey, man I know, doesn't matter how much we love 'em. Monogamy is too cruel a rule. (あぁ、ねぇ、わかってるよ。僕らが女性たちをどれほど愛しているかは関係ない。一夫一婦制は残酷すぎるルールだよね。)
ロス: Yeah. Listen, can you keep this information to yourself? (そうだね。ねぇ、この情報を、自分の中にとどめてくれる?[秘密にしといてくれる?])
アイザック: Aw, no problem dude. Y'know we got to look out for each other. We're the same, you and me. (あぁ、問題ないよ。俺たちはお互いにかばいあわないとな。俺たちは同じだよ、あんたと俺は。)
ロス: Actually, no, we're not. (実際には、違う。僕らは同じじゃない。)
アイザック: Yeah, we are. (俺たちは同じだよ。)
ロス: No, we're not. (いいや、僕たちは同じじゃない。)
アイザック: Yeah, we are. (いや、同じだ。)
ロス: No, we're not!! (いや、同じじゃない!)
アイザック: Okay, we're not. (わかったよ、同じじゃない。)
ロス: Right. (そうだよ。)
アイザック: But, we are. (でも、同じだ。)
ロス: Fine. I just need to know that you're not gonna tell your sister. (もういいよ。ちょっと知りたいんだけど、君は君の妹[姉]に言うつもりはないよね。)
アイザック: I can promise not to tell her again. (約束できるよ。妹に言わないって。もう一度はね。)
we haven't actually met. というのは、お互い、その存在は認識していたけど、ちゃんと話をしたり、自己紹介したりしたことがない、という意味でしょうね。
You dog! について。
「この犬野郎!」みたいな感じだろうと思いました。
思慮もなく本能のまま行動しちゃう、みたいな意味かなぁ、と。
英辞郎に以下の語義が載っていました。
dog=(名詞)(俗)よくナンパする男、最低の男、卑劣なやつ、不誠実なやつ、裏切り者、女性を虐待するひどい男
本気でけなしている、というよりも、詳しい事情を知っているので、「彼女と仲直りする前に、他の女と寝ちゃうなんて、お前、悪い男だねぇ。」という感じでしょうね。
chick は「女の子」。フレンズにはこの意味でよく登場します。
今はアパレルで働いているレイチェルですが、セントラルパークでウェイトレスをしていたのを、アイザックは知っていて、あのコーヒーハウスで働いていた、レイチェルって名前の女の子だろ、と言っているのです。
doesn't matter how much we love 'em. について。
we というのは男性のことで、them というのは女性を指すのだろうと思います。
男というものが、女というものをどれほど愛しているか、は関係ない、好きな女の子が何人もいても、それは関係ない。
一夫一婦制だから、それはあきらめないといけない、みたいなことでしょうか。
Monogamy is too cruel a rule. の too の語順について。
このように、too は、「too+形容詞+a+名詞」という語順になることがありますね。
研究社 新英和中辞典では、
This is too large a room for us. これは我々には大きすぎる部屋だ。
(用法) a too large room ということもある
と説明されています。
一夫一婦制については過去記事、フレンズ1-6その2 にも出てきました。
チャンドラーに男性として賛同してしまったロスは、
ロス: You know monogamy can be a tricky concept. (一夫一婦制ってのが扱いづらい[難しい]概念なんだよ。)
と言っていました。
浮気や複数の女性と付き合う話を正当化するために、そもそも一夫一婦制という制度がいけない…みたいな話に持っていくのは、よくあるパターンですよね。
見た目もそうですが、アイザックはロスとはちょっと住む世界が違う人のようで、レイチェルに言わないでほしい、という気持ちがなかなか伝わりません。
というより、アイザックはわざとしらばっくれているのでしょうね。
keep something to oneself は「…を胸にしまっておく、自分だけの秘密にする、他人に言わない」という意味。
keep it secret と同じです。
Y'know we got to look out for each other. We're the same, you and me. について。
look out for は「…の面倒を見る」という語義が合うでしょうか。
DVDの日本語字幕は「お互いさまだもんな 俺らは同類だ」となっていました。
お互いが、お互いをかばって助け合わないといけない、みたいなことだと思います。
ロングマン現代英英辞典では、
look out for somebody/something [phrasal verb]:
to try to make sure that someone is treated well
例) My older brother always looked out for me when we were kids.
つまり、「誰かがよく扱われるように計らうようにすること」。
例文は、「私たちが子供の頃、私の兄はいつも私をよく世話してくれた。」
アイザックと同類だと見られるのがいやなロスは、何度もアイザックと問答をしています。
その問答がとりあえず終わった後、彼の妹ジャスミンに話していないかどうかを尋ねるのですが、一番言って欲しくない相手であるジャスミンには、すでに話をした後でした。
I can promise not to tell her. なら、「妹に言わないって、約束できるよ。」という意味になるのですが、最後に again がつくことで、すでに一回は言ってしまっている、ということがわかります。
この最後につく again が、オチというか、again が入ることで全く意味が違ってしまうのですね。
そこが英語のセリフの面白いところだと思います。
(Rach からのお願い)
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英語って苦手意識があり、いざ仕事で話す機会があると頭の中はパニックになっていましたが、改めて生きた英語に触れることの大切さをこのサイトで知りました。
フレンズはシーズン10まであるので大変でしょうが、お体に気をつけながらブログの更新をされていただけたら、と思います。
まだ全てを読んでいないのでこれから質問もするかもしれませんが、その時は出来る範囲で構いませんのでよろしくお願いします。
ご訪問&コメント、ありがとうございます。拙ブログを参考にしていただいているとのこと、大変光栄です。
DVDを使って、海外ドラマの生きた英語に触れる、ということは、英語を学ぶのに大変効果的だと思っています。
おっしゃる通り、フレンズはシーズン10まであるんですよね。このブログがシーズン10まで続けばいいなぁ、とは思っているのですが、そんなに長い間、読者の方が付き合って下さるだろうか?というのが、正直疑問です。私はやる気満々なのですが(笑)。
とりあえず、自分でできるところまで続けたいと思っています。頑張ります。
気になる点、わかりにくい点は、どんどん質問して下さい。いつも言っているのですが、私がわからない場合でも、一緒に考えて下さる読者の方がおられますので。その点、いつもありがたいと思っています。これからもよろしくお願いします。