[Scene: Phoebe's Work, Ross is now trying to stop Jasmine from telling Phoebe.]
フィービーの仕事場。ロスは今、ジャスミンがフィービーに話すのを止めようとしている。
ロス: (entering out of breath) Jasmine? ([息を切らして入ってきて] ジャスミン?)
ジャスミン: Uh-huh. (はい。)
ロス: We met at Phoebe's birthday party, I'm, I'm Ross Geller. (僕たち、フィービーの誕生日パーティーで会ったよね。僕は、僕は、ロス・ゲラーだ。)
ジャスミン: You did a bad thing! (あなた、ひどいことをしたわね!)
ロス: Yes, I did. (あぁ、その通りだ。)
ジャスミン: Very bad! (とてもひどいことを。)
ロス: Very bad. (とてもひどいことだ。)
ジャスミン: Very, very bad! (とても、とてもひどい!)
ロス: I'm agreeing with you. Did you, listen, did you happen to tell Phoebe yet? (僕は君に同意しているよ。ねぇ、もうフィービーに話したりした?)
ジャスミン: No. (いいえ。)
ロス: Okay, Jasmine, please, please don't. I love my girlfriend very much and I want more than anything to just work it out with her. Okay? (よし。ジャスミン、どうか、どうか言わないで。僕は彼女をとても愛しているんだ。そして、何よりも、彼女とやり直したいんだ。わかるだろ?)
ジャスミン: All right. (わかったわ。)
ロス: Thank you, thank you. (ありがとう、ありがとう。)
ジャスミン: But you should probably talk to my roommate, because I told him and he knows Phoebe too. (でも、私のルームメートに多分話をすべきだわ。私は彼に話をしたの、彼もフィービーを知ってるのよ[彼もフィービーの知り合いだわ]。)
ロス: (angrily) Who's your roommate? ([怒って] 君のルームメートって誰?)
[Scene: Central Perk, Gunther is wiping down the counter as Ross rushes in.]
セントラルパーク。ガンターがカウンターをふいていると、ロスが慌てて入ってくる。
ロス: Gunther! Gunther. Gunther, please tell me you didn't say anything to Rachel about me and the girl from the copy place. (ガンター! ガンター、ガンター。どうか僕に言ってくれ、レイチェルに何も言ってないって。僕とコピー屋の女の子とのことを。)
ガンター: I'm sorry. Was I not supposed to? (ごめんよ。僕は話しちゃいけないことになってたの?[言っちゃいけなかったの?])
(Ross turns around and sees Rachel sitting by the window. She is just glaring at him.)
ロスは振り向いて、レイチェルが窓の傍に座っているのを見る。彼女はただロスをにらみつけている。
stop someone from doing は「〜が…するのを妨げる(さまたげる)、〜に…させないようにする」。
discourage someone from doing 「〜に…することを思いとどまらせる」の from と同じ使い方ですね。
out of breath は「息切れして、息を切らして」。
フレンズ3-6その20 では、"We're out of beers." 「俺たち、ビールを切らしちゃってさ。」というセリフが出てきました。
この「ビールを切らす」のように、何かあるべき物体が存在しなくなっていることを日本語で「切らす」といいますね。
out of を、研究社 新英和中辞典で調べると、以下の語義と用例が載っています。
out of=
1. (…の状態)から離れて、…を脱して、…がなくて、…を失って
out of date 時代遅れで
out of danger 危険を脱して
out of breath 息を切らして
out of work [a job] 失職[失業]して
2. (もの)が不足して、…がなくなって
We are [have run] out of coffee. コーヒーが切れている。
out of breath と、out of coffee は別の語義として挙げられているので、厳密には意味が少々違うようですが、どちらの out of も、日本語で「切れる、切らす」と表現するのが面白いな、と思いました。
フレンズ3-16その10 で、ロスがアイザックに話しかける時、" we haven't actually met...." 「僕たちは、実際には会ったことないけど…」と言っていました。
今回のジャスミンにも、まず最初に、"We met at Phoebe's birthday party." と言った後、自己紹介しています。
ロスにとって、アイザック、ジャスミンは多少の顔見知りのはずなのですが、一応、お互い認識している相手であっても、それまであまり親しく話をした経験がない場合は、こんな風に、自己紹介みたいなものをすべきなんでしょうね。
全く知らない仲でもないから、どうか、僕のお願いを聞いてくれ、みたいな話の流れに持っていくためにも、相手との接点、自分がどういう経緯で相手を知っているか、というのを説明してから、深い話にもっていく必要がありますね。
more than anything は「どんなことよりももっと」ということですから、何よりも、彼女との仲を修復することについて頑張ってみたい、やり直したい、ということでしょう。
職場の同僚のフィービーには話してないと知って安心するロスですが、ルームメートには話してしまったとジャスミンは言っています。
それは、チャンドラーが考えたトレイルには出て来なかった繋がりです。
「ルームメートって誰?」と聞いたところで、ジャスミンの答えを画面に出さずに、ロスが慌てて「彼」を探しているシーンに移るのが、(ドラマではありがちな設定ではあるけれど)面白いですね。
wipe down について。
研究社 新英和中辞典では、
wipe down=(…を)(湿った布などで上下に)ふいてきれいにする
wipe down a horse=wipe a horse down 馬をきれいにふく
ただふいているだけではなくて、上下に動きがあって、より丁寧にふいている感じが出るのでしょうか。
Was I not supposed to? について。
be supposed to 「…することになっている」はフレンズに頻繁に登場しますね。
be supposed to については、フレンズ1-1その6 で詳しく説明しています。
今回のセリフは、not がついています。
be not supposed to は「…してはいけないことになっている」ですね。
英辞郎には、以下の例文が載っています。
I'm not supposed to be talking to you. あなたとこうして話していることは内緒なのよ。
また、研究社 新英和中辞典には、以下の例文が載っています。
We're not supposed to smoke in the classroom. 教室ではたばこを吸ってはいけないことになっている。
ロスが「僕とあの娘とのことをレイチェルに何も話してない、って言ってくれ。」と言った後のセリフですから、「僕は、そのことを話しちゃいけないことになってたの?」みたいな意味になりますね。
つまり、「話しちゃいけないだなんて知らなかったよ。」と言っていることになります。
そのセリフを聞いて、ガンターがもうレイチェルに話してしまった、ということがわかるのですね。
過去のエピソードからもわかるように、ガンターはレイチェルに片思いしています。
フレンズ3-7その7 では、レイチェルとイチャイチャしているロスに対して、We'll see. 「今にわかるよ。」と言っていました。
レイチェルに恋しているガンターが、ロスの決定的弱点を知って黙っているはずがありません。
「あれ、話しちゃいけなかったの?」などととぼけていますが、それは「だって、誰にも口止めされなかったし。」みたいな言い訳ですね。
ロスがガンターへのトレイルに気付いて、ロスが直接ガンターに「どうか言わないでくれ!」と頼んでいたら、どうなっていたでしょうか?
ガンターにとっては、ロスは恋敵ですから、自分が直接言わないまでも、何とかしてレイチェルにその事実を伝えたかもしれないので、必ず口止めできていたかどうかはわかりません。
ただ、スマートな(賢い)チャンドラーがトレイルを考えた時に、ガンターへの繋がりに気付かなかったことで、今回のような最悪な伝わり方を許してしまうことになった、つまり、ロスのことをよく思っていない人物(恋敵)から、浮気がバレてしまうことになった、というのが何ともやりきれない感じがします。
フレンズたちも、観客もそうですが、「まさか、ジャスミンのルームメートがガンターだったなんて!」という、びっくり仰天の結末なのですね。
ロスにとっては、あまりにも不運な展開です。
そして、レイチェルはセントラルパークにいました。
She is just glaring at him. というト書きが、レイチェルの様子をよく表しています。
glare は「にらみつける」。
glare については、過去記事、英英辞典で補完する で詳しく説明しています。
「見る」を意味する単語にはいろいろあるけれど、今回のレイチェルのように、angrily という「怒った感情」でじっと見つめることを glare と言うのですね。
ここでは何も言葉を発していませんが、そのことが却って、レイチェルの怒りや悲しみを表現している、という感じがします。
(Rach からのお願い)
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2008年11月17日
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