2008年12月07日

”ロスとレイチェル”だぞ フレンズ3-16その19

[Cut to Living Room]
ロス: Hey, can I, can I get in on that? Because I'm kinda hungry myself. (ねぇ、僕も、僕もそれに乗っていい? だって僕自身もちょっとお腹がすいてるから。)
レイチェル: Fine. (on phone) Hi! Yes, I'd like to order a large pizza. (いいわ。[電話で] はーい。そうよ、大きな[ラージの、Lサイズの]ピザを注文したいの。)
ロス: No anchovies. (アンチョビは、なしで。)
レイチェル: With ah, extra anchovies. (アンチョビは増量で。)
ロス: That's okay, I'll just pick 'em off. (それでもかまわないよ。ただアンチョビを(手で)つまんで取り除くから。)
レイチェル: Yeah, and could you please chop some up and just put it right there in the sauce? (そうねぇ、で、お願いだから、そのアンチョビを細かく刻んでソースの中にそれを入れてくれるかしら?)

get in on は「…に加わる、参加する」。
get in on a discussion は「討論に加わる」、get in on the act は「仲間に加わる、(人の始めたことに)加わる、一口乗る」。
今回のセリフでは、ピザを電話で注文しようとするレイチェルに対して、自分もピザの注文に参加していい? 僕の食べたいものも一緒にオーダーしていい?、僕の希望も言っていい?ということですね。

ロスはアンチョビ(カタクチイワシの塩漬け)が嫌いらしく、アンチョビなしで、とお願いするのですが、それを聞いたレイチェルは、「アンチョビなしで」どころか、"With extra anchovies." と言っています。
これは元々のラージのピザにアンチョビが入っていて、それをさらに増量、というニュアンスだと思います。

フレンズではピザを注文するシーンが何度か出てきましたが、extra という単語は、extra cheese という表現で2回登場しています。
フレンズ1-4その2 では、
レイチェル: We ordered a fat-free crust with extra cheese! (注文したのは、脂肪分を含まないクラスト(皮)のチーズ増量よ!)
フレンズ2-15その7 では、
チャンドラー: Two larges, extra cheese on both. (Lサイズを2枚、チーズ増量で。)
というセリフでした。

いらないって言ったのに増量されたので、「いいよ、自分でアンチョビを手で取り除くからさ」と言うロス。
pick は「つまむ」で、off は「分離」ですから、ピザの上の乗っているアンチョビを手でつまんで取り除く感じですね。
それを聞いたレイチェルは、細かく切ってソースに混ぜちゃって、と言っています。
どれがアンチョビかわからないような形にしてソースに混ぜ込んでしまって、ということですね。
アンチョビの嫌いな子供に食べさせるための方法みたいな手ですが(笑)。


[Cut to later, they are finishing up the pizza, there's one piece left.]
しばらく後のシーンに画面がカット。二人はピザをすっかり食べ終わって、ピザの一片だけが残っている。
ロス: You can have the last piece if you want. (最後のピザ、欲しかったら食べていいよ。)
レイチェル: Well, I should think so. You slept with someone. (そうね、そう考えるべきね。あなたは誰かさんと寝たんだから。)

一通りピザを食べ終わって、最後に残ったピザを勧めるロス。
You can have... というのは、「僕は君に譲ってもかまわないと思ってるから、もし君が欲しいなら食べてもいいよ。」みたいなニュアンスでしょうね。
それに対して、I should think so. というのは、「私が食べることができると思うのが当然ね。」という感じでしょう。
最後に残った分を、彼女のために譲ってあげるみたいな言い方(You can have... if you want.)をしたロスでしたが、「譲る」も何も、食べたいと思ったら私が食べるのが当然でしょ、だってあなたは浮気という大きな罪を犯したんだもの、ということでしょうね。


[Cut to Monica's bedroom, they're all eating the wax, Chandler and Phoebe, don't like it. Joey tries some and makes a face like: 'Hey, that's not so bad.']
モニカの寝室に画面がカット。彼らは全員、例の(脱毛用)ワックスを食べている。チャンドラーとフィービーはワックスが嫌い・まずいという顔をしている。ジョーイはワックスを試食してみて、「おぉ、そんなにまずくないじゃん。」という顔をしている。
フィービー: They're gonna get through this, aren't they? (二人はこの(辛い)状況を切り抜ける[乗り越える]わよね。)
チャンドラー: Yeah, come on, it's Ross and Rachel. They've got to. (あぁ、そりゃそうだよ。”ロスとレイチェル”だぞ。二人は(きっと)切り抜けるはずだ。)
モニカ: What if they don't? (もし切り抜けなかったら、どうなるの?)
(Long pause.)
長い沈黙。

隣ではピザを食べているのに、モニカの寝室では「オーガニックだから食べられそう」という理由で、4人が脱毛用ワックスを食べています。
モニカは寝転がっているので顔は見えませんが、チャンドラーとフィービーはいやそう、まずそうな顔をしています。
ト書きにもあるように、ジョーイはいやそうな顔をした後、ちょっと眉毛を上げて「いけるかも?」みたいな顔をしています。

get through は「…を通り抜ける」で、そこから「(困難などを)乗り越える、切り抜ける」という意味にもなります。
フレンズ2-22その20 などにも出てきました。

二人はこの困難を切り抜けられるわよね、と付加疑問文で尋ねるフィービーに、"it's Ross and Rachel." と答えるチャンドラー。
この it's も、前回の記事、イッツ・ユーのニュアンス フレンズ3-16その18 で説明した it's のニュアンスと同じだと思います。
チャンドラーの言いたいことは、"They're gonna get through this, because it's Ross and Rachel." ということで、「あの二人はこの問題を乗り越えるさ、だって(あの二人は)ロスとレイチェルだから。(俺たちがずっと見てきたベストカップルの)”ロスとレイチェル”なんだぞ。」というニュアンスでしょうね。
親友のチャンドラーが言う "it's Ross and Rachel." という言葉、とても素敵だなと思います。

でもその後のモニカの "What if they don't?" という質問を聞いて、みんな沈黙してしまいます。
そんなことこれまで考えてもみなかったけど、と深刻そうなみんな。
今回の喧嘩は今までのものとは違う、ということをみんな感じ取っているということですね。


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posted by Rach at 12:53| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです
it's Ross and Rachel. They've got to. (あぁ、そりゃそうだよ。”ロスとレイチェル”だぞ。二人は(きっと)切り抜けるはずだ。)
の部分の They've got to.が 切り抜けるはずだ になるんですよね!
そこのところが少し引っかかるんですが・・・・
彼らは切り抜けた!  が  ・・・はずだ になる理由みたいなものがあるのでしょうか?
Posted by かつての読者 at 2008年12月07日 23:37
かつての読者さんへ
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
They've got to. についての説明を省いてしまって、申し訳ありません。

They've got to. は、have got to で、have got to = have to となります。
have to には「…しなければならない」という must と同じような意味がありますね。(厳密に言うと、ニュアンスはやや異なりますが)
must には同時に「…に違いない、きっと…のはずだ」という意味がありますが、have to や have got to にも同じように「…に違いない、きっと…のはずだ」という意味があるようです。

研究社 新英和中辞典には、
have got=(+to be [do])(米)(…に)ちがいない、きっと(…の)はずだ
It's got to be the postman. 郵便屋さんに違いない。
You've got to be kidding. きっと冗談でしょう。

というのが載っています。
上のセリフの意味も、They've got to get through this. ということで、「彼ら二人はこの状況を切り抜けるに違いない、きっと切り抜けるはずだ。」という意味になる、ということだと思います。チャンドラーがそれを「確信している」ということですね。でもモニカに「もしそうならなかったら?」と言われて、改めて今回の喧嘩はいつもと違うほど深刻であることに気付き、絶句してしまう…という感じでしょうか。
Posted by Rach at 2008年12月08日 09:46
解説、、、ありがとうございました   
言い訳させてもらえば その前の文が They're gonna get through this, aren't they  このgetは、動作への変化ですよね?
それを受けてのgetかなと思ったんですのですが     モヤモヤがすっきりしました
Posted by かつての読者 at 2008年12月08日 20:52
かつての読者さんへ
モヤモヤがすっきりした、と言っていただけて光栄です。

その前の文に、get が使われていたのですね。それで got がその get の流れだと認識してしまう、というのはよくわかります。お返事ありがとうございました。
Posted by Rach at 2008年12月10日 12:20
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