2009年01月02日

カブスカウトの後にさらわれる フレンズ3-17その3

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。


チャンドラー: Y'know what this is like? This is like when my parents got divorced. Man, I hope Ross doesn't try to kidnap me after Cub Scouts. (これって何に似てるか知ってる? これは、俺の両親が離婚した時と同じなんだ。あぁ、ロスがカブスカウトの後で、俺を誘拐しようと[さらおうと]試みないことを願うよ。)
フィービー: Y'know I had a dream where Ross and Rachel were still together, they never broke up. And we were all just like hanging out, and everyone was happy.... (ねぇ、私はロスとレイチェルがまだ(今までどおり)一緒にいて、決して別れない、って夢を見たの。そして、私たちは一緒に遊んでいて、みんなが幸せで…)
ジョーイ: I had the same dream! (俺も同じ夢を見たよ!)
フィービー: Yeah, and nobody slept with that Xerox girl. (そうね、そして、誰もあのコピー屋の女の子とで寝てないのよ。)
ジョーイ: Oh, I had the opposite dream. (あぁ、俺はその反対の夢を見てた。)

cub scout は、研究社 新英和中辞典では、
cub scout=(ボーイスカウト団(Boy Scouts)の)カブスカウト (8−10歳の年少隊員)

つまり、8歳から10歳のボーイスカウト、ということですね。

kidnap は「(身代金目当てに)(人を)誘拐する」という意味で使われることが多いですが、kid (=child)という言葉が使われていることからもわかるように、「子供をさらう」という意味もあります。
多分、元々は「子供をさらう」という意味だったのが、「誘拐」という意味で使われる場合は、相手が大人であっても、kidnap という言葉を使うようになった、ということでしょう。

ここでチャンドラーが語っているのは、自分の経験ですね。
両親が離婚した時、カブスカウト、つまりボーイスカウトが終わった頃に、パパが自分をさらいに来た、と言っているのです。

離婚に伴って、両親が親権争いをしている場合、親権のない方の親が、幼稚園や小学校に子供を迎えに来て、そのまま一緒に逃げてしまう、妻の知らない間に、夫が子供をどこかに連れ去ってしまう、というニュースを時々聞きますが、それと同じことですね。
ロスとレイチェルの話のこじれ方が、自分の親が離婚した時と同じなので、男性側、つまり、チャンドラーの家族に例えるとパパに当たるロスが、あの時と同じように「自分を」連れ去ったりしないだろうな、というジョークを言っているのです。

I had a dream where Ross and Rachel ... は「ロスとレイチェルが…する、という夢を見た」ですね。
関係副詞 where が使われていて、「ある夢を見た、そのある夢の中ではロスとレイチェルが…だった」というニュアンスです。
フレンズのタイトルに良く使われている、The One Where+S+V と同じ感じですね。

この dream ですが、英語の dream は日本語の「夢」と同じで、「(睡眠中に見る)夢」と「(心に抱く)夢、希望、理想」という意味がありますね。
ここではどちらなのか?
何となく私のイメージでは、「夜寝る時に見る夢」のような気がするのですが、正直、よくわかりません。
I had a dream last night などのように、last night 「昨晩、そういう夢を見た」と言っていれば問題ないのですが、残念ながらここではそういう過去のどの時点かを表す言葉がありませんよねぇ。

フレンズ1-15その2 では、アメリカの黒人指導者マーティン・ルーサー・キング牧師による「I have a dream スピーチ」について少し説明しました。
この演説は、

"I have a dream that my four children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character. I have a dream..."
「私には夢がある。いつの日か、私の四人の子供たちが、皮膚の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むことができることを。私には夢がある…」

というものですね。
このキング牧師の演説の I have a dream... は、夜見る夢ではなくて、未来に対しての希望という意味の夢です。
それと同じように、上のフィービーのセリフが、私は「ロスとレイチェルがずっと一緒で決して別れない」という「夢を描いていた、夢を持っていた」のよ、という意味だとすると、
I had a dream where Ross and Rachel would be together forever.
というような英語になりそうに思うのです。
フィービーのセリフの still という言葉が、どうもひっかかるんですよね。
still は「今でもまだ、今もなお、やはり、今までどおり」という意味。
研究社 新英和中辞典では、「still は前の動作や状態がその時なお続いている場合に用いる」との説明があります。

still が使われているために、「ロスとレイチェルが今でもまだ一緒にいる(別れていない、付き合っている)という夢を見た、実際には別れてしまったけれど、その現実とは異なる夢を見た」というニュアンスになりそうに思うのです。
実際には別れてしまった、ということを踏まえた上で、still が使われているように思うので、「以前はずっとこんな風に思っていたのよ、夢見ていたのよ」というニュアンスとは違う、という気がするのですね。あまり自信はないのですが。

それに対して、ジョーイが「俺もそんな夢を見たよ」と同調するのですが、フィービーが「もちろん、私たちの誰かがコピー屋の女の子クロエと寝る、っていうのもなし、の夢よ。」と言ったので、「それは「あり」がいいな、俺がロスの代わりにクロエと寝る役どころだったら良かったのに…」みたいな意味で、その部分は正反対、つまり「ロスの代わりに俺がクロエと寝た、そしてロスとレイチェルは別れなかった」という夢を見たよ、と言い直しているように思います。


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posted by Rach at 08:16| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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