2009年01月12日

違反切符を逃れる方法 フレンズ3-17その8

[Scene: Ross's, the gang, minus Rachel of course, is there. Chandler is forced to smoke by an open window.]
ロスの部屋。フレンズたち(もちろんレイチェル抜き)がそこにいる。チャンドラーは開いた窓のそばでタバコを吸うように強要されている。
ジョーイ: (obviously cold) Hey, can you close that window, Chandler? My nipples can cut glass over here! ([明らかに寒そうにして] なぁ、その窓閉めてくれる、チャンドラー? ここにいても、俺の乳首でガラスが切れるよ。)
フィービー: Wait. Really?! 'Cause mine get me out of tickets. (ちょっと待って、本当? だって私の乳首は私を違反切符から救い出してくれるのよ。)

the gang, minus Rachel of course というト書きが面白いですね。
「マイナスレイチェル」、つまり、「レイチェル抜き」ということで、ロスとレイチェルは喧嘩中で、とても一緒にいられないので、「当然のことながら」という意味で、of course と言っているのですね。

ジョーイが言っている nipples の話は、寒いと乳首が硬くなる、という話ですね。
寒さで乳首が硬くなっちゃって、まるでガラス切りの道具みたいに、ガラスでも切れちゃいそうだ、ガラスを切ることが可能だ、と言っているのです。
glass は「(飲み物を入れる)コップ、グラス」の場合は可算名詞なので、その場合だと、cut glasses になるでしょうか。
ここでは、ガラスという材質、窓ガラス、集合的にガラス製品を指している、ということで、無冠詞の glass になっているようです。
ここでは、ジョーイがもっている瓶、フィービーが持っているワイングラス、チャンドラーのそばの窓ガラスのどれかを指しているというよりも、「ガラス」という物質を切ることができそうに硬く立っている、みたいなことが言いたいのでしょうね。

over here というのは、窓から少し離れたこちら側でも寒くて、硬くなってるよ、ということが言いたいのかな、と。

乳首が「ガラスを切る」というすごいことできる、みたいに言っているので、「ジョーイの乳首はそんなことができちゃうのね、私の乳首はこんなことができるのよ」とフィービーは自分の乳首ができることを説明しています。
mine = my nipples ですね。
tickets というのは、「違反切符」のことです。
フレンズ2-18その3 にも tickets という言葉が登場しました。

get me out of tickets は、チケットから私を救い出す、みたいな感じなので、違反切符を切られそうになった時、乳首がそれを助けてくれる、つまり、警察官の人にちらっと胸元を見せることで、「まぁ、今回は大目に見てやろう」と許してもらえるのよ、ということが言いたいようですが…(そんなことは可能なのかっ?!)

ガラスが切れたり、違反切符から逃れられたり、と、乳首はいろんな機能があるんだね、というお話でした(笑)。


ロス: Look, you guys I just wanna say, I really, really appreciate you spending this time with me. It's been a pretty hard time right now, so I just wanna say thanks. (ねぇ、みんな。僕はただこう言いたいんだ。本当に本当に僕と一緒にこの時間を過ごしてくれて感謝してる。ちょうど今は、すごくつらい時期だから、ただ、ありがとうって言いたいんだ。)
チャンドラー: Can somebody else hug him? I have to stay by the window. (他の誰か、ロスをハグしてやってくれる? 俺は窓のそばにいないといけないから。)
ロス: Oh hey, hey, huh, how about this weekend we have a laser-disc marathon, okay? And maybe a tournament on my new... dart board? Huh, huh, what do you think? (in an Irish accent) Two days of darts, it’ll be great! (あぁ、ねぇねぇ。この週末は、僕たちでレーザーディスク・マラソンをするのはどうかな? それから多分、トーナメントをするのはどう? 僕の新しい…ダーツボードで。ねぇ、ねぇ、どう思う? [アイリッシュのアクセントで] ダーツを2日間、最高だね!)
ジョーイ: It'll be great for next weekend. (来週の週末には最高だね。)
ロス: No, no, no, this weekend, guys! (いやいやいや、今週だよ、みんな!)
ジョーイ: It'll be great for next weekend. I mean, (in an Irish accent) "It'll be grrreat." (来週には最高なんだよ! つまり[アイリッシュ・アクセントで] 「最高だ!」)
ロス: What's going on? (どうなってるの?)
フィービー: Well, we were um, sorta invited to go skiing, y'know, Rachel's sister's cabin. (Chandler goes back to the window to smoke again.) (そうね、私たちは、なんていうか、スキーに行くように誘われたのよ、ほら、レイチェルの妹のキャビンに。[チャンドラーはタバコを再び吸うために、窓のところに戻る])
ロス: So, for the whole weekend? (つまり、週末の間ずっと?)
モニカ: We're really sorry, but um, she did ask us first. (本当にごめんなさい。でも、レイチェルが最初に私たちに尋ねたのよ。)

a laser-disc marathon について。
レーザーディスクとは懐かしいですねぇ。
ちょっと時代を感じさせるアイテムです。
アルクさんの超有名な英語教材で「ヒアリングマラソン」というのがありますが、今回の a laser-disc marathon の marathon もそれと同じニュアンスですね。
研究社 新英和中辞典では、
marathon=(各種の)耐久コンテスト[レース]
a dance marathon (持続時間を競う)ダンスマラソン


耐久、というと、辛いことのような感じですが、今回のような「レーザーディスク・マラソン」のように、楽しいことにも使えるようです。

ロングマン現代英英辞典では、
marathon [noun]: an activity that continues for a long time and needs a lot of energy, patience, or determination
例) We finished the job but it was quite a marathon.

つまり、「長い時間続く活動で、多くのエネルギー、忍耐、決意(決断力?)が必要な活動。」
例文は、「我々はその仕事を終えたが、それはかなりのマラソンだった(エネルギーや忍耐を要する長期間の活動だった)。」

日本語でも「ダーツ」と呼ばれているゲーム「ダーツ、投げ矢遊び」は、darts と複数形で表し、単数扱いとなります。
play darts で「ダーツをする」になります。
あの投げる矢を dart というので、ダーツボードは、dartsboard ではなく(つまり darts と複数形にならず)、dartboard 、つまり、「ダートボード」になるのですね。

その後、ト書きでは、「アイリッシュ・アクセントで」と書いてあります。
つまり、アイルランドのアクセントでそのセリフをしゃべっている…ということなのですが。
days of darts (デイズ・オブ・ダーツ)というのは、d で始まり s で終わる言葉を重ねて、リズムを出している感じでしょうか。

Wikipedia 日本語版: ダーツ には、「イギリスで生まれたスポーツ」とは書いてあるのですが、British ではなく、わざわざ Irish のアクセントを使うのには、何かわけがあるのでしょうかねぇ。

ウィキペディアによると、ダーツ世界選手権は、会場がロンドン郊外だそうですが、ダーツ・ワールドグランプリ(Darts World Grand Prix) はアイルランドのダブリンで開催されるそうです。

「ダーツ アイルランド」でざっとぐぐってみたところ、「アイリッシュパブにはダーツがあって…」という一般的なイメージがあるようなので、「アイリッシュパブにあるもの」→「ダーツの話をする時は、アイリッシュ・アクセントで」という連想なのかなぁ?
アールの音がアメリカっぽくないような気は確かにしますが、ロスやジョーイの発音がアイリッシュ・アクセントかどうかは私にはわかりません。
ネットスクリプトでは、great を grrreat と表記していますが、確かにそういう一風変わったグレイトの発音になっていますね。

ジョーイが「来週」と何度も口にするので、何か事情があると察したロスは、What's going on? と尋ねます。

she did ask us first は、フレンズ3-17その5 でジョーイが言っていた、"Ross did ask us first, and we set that night aside." と同じですね。
ここでも「実際に、レイチェルの方が先に尋ねた、という事実があるから」という感じで、過去を強調するための did が入っています。


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posted by Rach at 08:23| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
marathonといえば、休日のTV番組ですな。
ケーブル(私のいたところではTime Warner Cable)や衛星放送(Dish network)放送はチャンネルがたくさんあってジャンルが細分化されているのですが、ほとんど24時間放送するそんなにたくさんのチャンネルをカバーするほど番組がたくさん作られているのかというと当然そんなことはなく、再放送が何回もかかるのです。この辺は日本のケーブル放送etc.も一緒かな。
で、休日ともなれば、映画チャンネルではロッキーシリーズを1作目から最新作まで、Food TVでは食べ歩き番組、医療ドキュメントをよくやってるチャンネルでは出産前後を扱うBaby Story、動物チャンネルではFunniest Animals系の家庭ビデオで撮ったものを投稿する番組、という風にそれぞれが"Back to Back, NON-stop on-Air!!!"となるわけです。どこのチャンネルも、他に変えられたくないのよね。
ドラマチャンネルだとFriendsの最新シーズンを、とか言うのもやってたかも。あんまりチェックしてませんでしたが。

ダーツのくだり、BritishではなくIrishなのは、ひょっとするとニューヨークにはアイルランド系移民が多いので、PubといえばIrishがほとんどだから、とか?
(・・・すんません、この辺りは想像と偏見で話をしてます。)
Posted by おちか at 2009年01月12日 08:58
おちかちゃんへ
アメリカ情報ありがとう!
>ほとんど24時間放送するそんなにたくさんのチャンネルをカバーするほど番組がたくさん作られているのかというと当然そんなことはなく、再放送が何回もかかるのです
というのは、全くその通りだろうと思います。日本のケーブルテレビも、そういうマラソンをやっていますよね。結局、昔の名作などを再放送する方が、安定した視聴率を取れるんじゃないかと思ったりします。アメリカでは、フレンズを始め、他の有名なドラマも、何度も再放送されるんですよね。だから、若い人でも、昔のシットコムやドラマを普通に知っているようです。そういう世代を超えて共通認識のあるドラマの存在、って大切だと思うなぁ。

映画「ギャング・オブ・ニューヨーク」(原題:Gangs of New York)も、ニューヨークに来たアイルランド系移民の話でしたね。(見てないんですけど…笑)
だから、「NYで Pub と言えば、Irish Pub をイメージする」というのは確かにあるかもしれませんね。
Posted by Rach at 2009年01月14日 07:05
アイリッシュアクセントについて、地球の歩き方のホームページにアイルランドに住む日本人女性のレポートが紹介されています。(下のリンク)
http://tokuhain.arukikata.co.jp/galway/2009/06/post_60.html
フレンズのこの場面ではRの発音がはっきりとした巻き舌になるというところが特に強調されているようです。具体的にはロスの台詞のTwo days of dartsのdartsをdarrrtsと発音しているのとジョーイのIt'll be grrreat(もともとスクリプトでそうなっていますが)の2か所。
Dの発音の変化については全然聞き取れませんが。
Posted by teruchan at 2011年02月12日 22:23
teruchanさんへ
コメントありがとうございます。
紹介して下さったサイトでも、R の巻き舌のことが最初に書いてありますね。やはりそれが一番特徴的な部分である、ということなのでしょう。
そのサイトによると、D の発音も特徴的だそうですが、今回のフレンズのセリフではその特徴は顕著には出ていないような気がしますね。
Posted by Rach at 2011年02月15日 13:27
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