ジョーイ: If you wanna get back in the car, we need the wire. Your call. (もし君らが車に戻りたいんだったら、その(ブラの)ワイヤーが必要なんだ。君らが決めなよ]。)
フィービー: Okay, Monica's are the biggest. (わかった。モニカの胸が一番大きい。)
モニカ: These tiny, little non-breasts?! Please! It's gotta be Rachel. (この、小さな、小さな、胸とも呼べないようなものが? やめてよ! レイチェルに決まってるわ。)
レイチェル: What, no, no, no, mine are deceptively small. I mean, I-I-I actually sometimes, st-stuff my bra. (何ですって。違う違う違う。私のはみんなが思っているよりも[見た目よりも]ずっと小さいの。つまり、私は実際、時々、ブラに詰め物をしているから。)
モニカ: All right then, your bra would still be big. (わかったわ。それじゃあ、あなたのブラは、それでもなお[依然として])大きいわね。)
レイチェル: No, I stuff outside the bra. (違うのよ。私はブラの外側に詰め物をしているの。)
チャンドラー: Ladies, ladies, let's just compromise, okay? Phoebe, Rachel, take off Monica's bra. (ご婦人方。ただ、歩み寄ろうよ[妥協・譲歩しようよ]。いいか? フィービー、レイチェル、モニカのブラを剥ぎ取れ。)
フィービー: All right, forget it, nevermind, you can have mine. (わかったわ。(今までの論争・口論は)忘れて[気にしないで]。私のを使えばいいわ[私のを使っていいわ。私のをあげるわ]。)
call は、英辞郎に、
call=審判の判定、決定
例) Should we have Chinese food or Italian food? It's your call. 「中華料理にするか、イタリア料理にするか、あなたが決めて。」
と出ています。
ロングマン現代英英辞典でも、
call: DECISION
b) [singular] (especially American English) (informal) a decision
例) Don't just say what you think I would like. It's your call.
例文は「僕が何を望むと思っているか言うのはやめて。君が決めて。」
つまり、「あなたはこうしたいだろうから」などと僕の気持ちを推し量るのはやめて、君の一存で君が決めなよ、というニュアンスでしょうね。
ジョーイのセリフの場合は、「君らだって車に戻りたいだろ、女性同士の問題だから俺は口を挟まない、自分たちで誰のブラを使うか決めなよ」ということです。
non-breasts について。
non- は名詞などにつけて「非…」「不…」「無…」などの意味を表す接頭語ですが、研究社 新英和中辞典に、
non- =(口語)「その名に値しないほど悪い」の意
non-poem 詩とはとてもいえないへぼ詩
という意味が出ています。
今回の non-breasts も「breasts とはとてもいえないような貧弱な(笑)もの」というニュアンスですね。
Mine are deceptively small. I mean, I-I-I actually sometimes, st-stuff my bra. について。
deceptive は、deceive 「(人)をだます、あざむく」の形容詞形ですから、「人をあざむくような、誤解させるような、当てにならない、見掛け倒しの」という意味になります。
ロングマン現代英英辞典では、
deceptive: something that is deceptive seems to be one thing but is in fact very different
例) Some snakes move with deceptive speed (= move faster than you think or expect).
例) Gwen's students may look angelic, but appearances can be deceptive.
つまり、「deceptive なものというのは、あるもののように見えるけれど、実際はとても違っているもの。」
例文は、「deceptive なスピードで動くヘビもいる」(=人が考えたり予想したりするよりも早く動く。)
「グウェンの生徒は天使のように見えるかもしれないが、見かけは当てにならない。」
日本語の「見掛け倒し」という言葉も結構当たっていると思うのですが、ロングマンのヘビの例文では、「見掛け倒しのスピードで動く」と訳してしまうと変になりますね。
「見掛け倒し、見掛倒」(みかけだおし)は広辞苑によると、「外見は立派だが、実質は劣っていること。」
上のヘビくんの場合は「見た目はのろそう、遅そうなのに、実際は想像以上に速く動く」という意味ですから、「見掛け倒し」という悪い意味の日本語は相応しくありません。
このように「外見は劣っているように見えるけれど、実際は優れている」場合にも、deceptive は使えるようなので、そこが日本語の「見掛け倒し」とは違って面白いなと思いました。
とにかく、いい意味でも悪い意味でも「人の目を欺く、見た目と実際が違う」というニュアンスですね。
ですから、Mine are deceptively small. というのは、直訳すると「見た目と実際が違うような感じで小さい」、つまり、「見た目は大きく見えるかもしれないけど、実際は思ったよりもずっと小さいのよ。」という感じでしょう。
stuff は動詞で「…に詰める、詰め物をする」。
フレンズ1-9その3 では、stuffing 「七面鳥の中に詰める詰め物」という言葉も登場しました。
Mine are deceptively small. というだけでは、意味不明または抽象的なので、それを具体的に I mean 以下で追加説明しています。
見た目は大きく見えるけど、それは偽りで、実は詰め物・パットを入れてるのよね、と言うレイチェル。
それに対してのモニカの返事 Your bra would still be big. は、詰め物を入れて大きくしてるんだったら、やっぱり、レイチェルのブラが大きいことに変わりはないわよね、詰め物を入れて大きくした外側のブラのサイズは「やはり依然として」大きいことになるわよね、というニュアンスの still です。
論理の穴を突かれて、「詰め物は外にしてるの」などと苦し紛れの言い訳をするレイチェルが面白いですね。
(Rach からのお願い)
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2009年01月26日
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