[Scene: Carol and Susan's, Carol is setting a romantic dinner for Susan as there is a knock on the door.]
キャロルとスーザンの家。キャロルはスーザンのためにロマンティックなディナーのセッティング中。その時、ドアにノックの音が。
キャロル: (answering the door) Hi! ([ドアに応対して] はーい。)
ロス: (entering) Hey. ([入ってきて] やあ。)
キャロル: Hey, what are you doing here? (まぁ、ここで何をしてるの? [今日はどんな用事で来たの?])
ロス: Well, oh just ah, I was just wondering, when you and I split up, did you get the tape that was half the last episode of M.A.S.H... and half the hostages coming home? (そうだね、あぁ、ただ、ちょっとどうかなって思ったんだけど、君と僕が別れた時、君は(ビデオ)テープを持って行ったよね。半分がマッシュの最終回で、半分が人質が家に帰る、っていうテープだよ。)
キャロル: Ah yeah, but now it's Susan and me in Mexico and the hostages coming home. (あぁ、そうね。でも今は、メキシコにいるスーザンと私と、人質が家に帰る、っていうテープになってるわ。)
ロス: Where's Ben? (ベンはどこ?)
キャロル: He's sleeping. (ベンは寝てるわ。)
What are you doing here? は「ここで何してるの?」と訳してしまうと、何だか失礼な感じがしますね。
フレンズ3-11その39 で、面接の終わったレイチェルをロビーで待っていたロスに対して、
レイチェル: What are you doing here? (ここで何をしてるの?)
と言っていました。
その記事で、そのセリフには「びっくり、驚き」のニュアンスがあると説明しましたが、今回のキャロルのセリフも同じニュアンスですね。
DVDでは、「あら、突然どうしたの?」という日本語訳になっていましたが、要はそういうことで、思いがけない訪問にびっくりしている感じです。
M.A.S.H について。
これはアメリカの人気ドラマのことですね。
ウィキペディアに内容が詳しく書いてあります。
Wikipedia 日本語版: マッシュ (TVシリーズ)
Wikipedia 英語版: M*A*S*H (TV series)
"M*A*S*H" (1972) TV series 1972-1983
DVD英語字幕では、M.A.S.H と表記されていますが、ネットスクリプトでは、M*A*S*H と書いてあります。
上の英語版ウィキペディアや IMDb に、タイトルロゴの画像がありますが、実際のタイトルで、*(アスタリスク)が使われているので、ネット上では、M*A*S*H と表記されることが多いようです。
MASH とは、Mobile Army Surgical Hospital (陸軍移動外科病院)のことで、辞書にも載っている言葉です。
ロスのセリフにマッシュの最終回(the last episode of M.A.S.H)の話が出てきますが、ウィキペディアにも書いてあるように、「(マッシュの)最終回は、米国史上最も視聴率が高いテレビのエピソードとして有名」です。
ウィキペディアの「エピソード」の項目にも書いてありますが、1983年に放送されたその最終回の視聴率は 77% (!)、1億600万人近くの人が見たそうです。(それはすごい)
同じく視聴率の高い人気ドラマであるフレンズのセリフで、視聴率最高記録を持つマッシュの最終回の話が出るのが面白い、ということでしょうね。
フレンズ3-7その1 で、ロスを見ながら、
レイチェル: If I squint, I can pretend he's Alan Alda. (もし、目を細くして見たら、彼がアラン・アルダだと思えるわ。)
というセリフがありましたが、そのアラン・アルダが、マッシュの主役です。
過去記事、フレンズ2-13その2 のコメント欄でも、M*A*S*H の話が出ています。
そこでも話題になっているように、M*A*S*H には映画版もあります。
IMDb: MASH (1970)
その映画には、ドナルド・サザーランド(24のジャック・バウアー役のキーファー・サザーランドのお父さん)や、エリオット・グールド(ジャック・ゲラー=フレンズのロス&モニカのパパ役の俳優さん)が出演しています。
マッシュの話が長くなりましたが、ロスのセリフは、半分にマッシュの最終回が入っていて、半分は人質解放が入っているというビデオを君は離婚の時に持って行ったよねぇ?と尋ねているようです。
人質が come home する、というのは、誘拐された人質が「家に帰る」か、外国で拉致された人質が「祖国に帰る」かのどちらかでしょう。
マッシュの最終回放映(1983年2月28日)の頃に、人質解放のニュースがあった、ということかなぁ?
ちょうどマッシュの最終回と近い時期にそういうニュースがあったかどうか、私にはわかりません。
ちょっと深読みかもしれませんが、一つ仮説を書いておくとすると…。
人質が帰国、というと、以下のニュースくらいしか私は思い浮かびません。
Wikipedia 日本語版: イランアメリカ大使館人質事件
これは、1979年11月に始まった人質事件で、1981年1月に人質が解放された、というもの。
1981年1月の人質解放と、1983年2月のマッシュ最終回ではあまりにも時期が空いてしまうので、この人質のことではないかもしれませんが、このビッグニュースをビデオに録っていたけれど、その後2年経ったので、そろそろ別のもので上書きしてしまってもいいかなということで(?)、ビデオの前半部分にマッシュの最終回を録画した、という可能性もあるかな、と思いました。
the hostages coming home の件について、どなたかお心当たりのある方は教えて下さい。
1983年前後の時事ネタ、という気がするんですよねぇ…。
そのロスの質問に対して、キャロルは「メキシコでの私たち二人と、人質帰国」のビデオになってるわ、と返事します。
それはつまり、マッシュの最終回の部分に上書きして、そこには二人のラブラブのメキシコ旅行が録画されていて、残りは前と同じ人質のニュースが入ったまま、という感じですね。
マッシュは戦争物ですから、きっとロスが好きな作品だったのでしょう。
ロスはそれを見たくてテープを借りに来たと思うのですが、キャロルは興味がなくて(?)、それを消して自分たちのビデオを録画しちゃった、というオチですね。
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2009年02月01日
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