2009年02月14日

ハンドルは僕の名前の一部 フレンズ3-17その22

Phoebe: (to Chandler and Monica) You guys... what, what do we do about Ross? He drove all the way up here. What do we do? Just like send him back and we're gonna go skiing? ([チャンドラーとモニカに] ねぇみんな、ロスのこと、どうしたらいい? ロスはわざわざここまで車を運転して来てくれたのよ。私たちはどうしたらいいの? ただ、彼を家に帰して、私たちはスキーに行くことになるの?)
チャンドラー: Oh, this is horrible. It's just horrible. (あぁ、こういうのは最低。ただただ最低だよ。)
ジョーイ: Hey, you guys, do you think we should ask Ross to come along? (なぁみんな、俺たちがロスに一緒に来るように言うべきだって思う?)
モニカ: I know, but what about Rachel? I mean, how are we gonna even ask her? (そうね。でもレイチェルはどうなるの? つまり、どんな風にレイチェルにそれを尋ねる[言う]ことになるの?)
レイチェル: Ask me what? (私に何を尋ねるの?)
モニカ: Umm, if ah, it might be okay if Ross came skiing? (あー、もしロスがスキーに行くとしたら、それでもオッケーかどうかってこと。)
チャンドラー、フィービー&ジョーイ: No, I wasn't gonna ask that. (いいや、俺たちはそんなこと尋ねるつもりじゃなかったよ。)
レイチェル: You guys are unbelievable. No, he cannot come! (あなたたちって信じられないわ。だめよ、ロスは(一緒に)行くことはできないわ!)
ロス: Excuse me? (何だって?[今、何て言った?])
チャンドラー: It's horrible! (最悪だ!)

わざわざ助けに来てくれたロスをこのまま追い返すわけにはいかない、と思うフレンズたち。
モニカは思いきって、ロスも一緒にスキーに行っても問題ない?とレイチェルに尋ねるのですが、他のフレンズたちは、「それはモニカが勝手に言っていることで、ロスが一緒に行ってもいいかなんて、俺たちはレイチェルに尋ねるつもりはなかったんだよ」と言っています。
レイチェルの怒るのが目に見えているからですね。

No, he cannot come! の come について。
過去記事、フレンズ1-9その1 で解説したように、「come は、”話者がイメージしている場所、話題の中心となる場所”に向かう、近づく」というニュアンスです。

LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English)には、
come [verb]: GO WITH SOMEBODY
if someone comes with you, they go to a place with you
例) We're going for a drink this evening. Would you like to come?

語義を日本語に訳すと却ってややこしいのですが、要は、「AさんがBさんと一緒に come するというのは、AさんがBさんと一緒に、ある場所に行く」という意味になる、ということです。
どこかに行く話をしている時、話者がイメージしている場所は、その行き先となる場所のことですから、話者が今いる場所に「来る」のではなく、そのイメージしている場所へ「行く、向かう」というニュアンスになるのですね。

少し前のセリフにあった、ジョーイの "Do you think we should ask Ross to come along?" の come along も同じニュアンスで、一緒にその目的地であるスキー場に「行く」ということですね。
頭の中にイメージされているスキー場に自分がいると想像してみると、「ロスも一緒にスキー場に来る」と表現することも可能でしょうか。
上のロングマンの例文も、「僕らは今夜飲みに行く予定なんだ。君も来る?」という日本語に訳せますよね。
君も「その行く予定の場所に来る」というニュアンスです。

Excuse me? は相手の言葉が聞き取れなかった時に「何とおっしゃいましたか?、もう一度言っていただけますか?」という意味で使いますね。
その場合は、語尾を上げて疑問文として用います。
I beg your pardon? と同じです。

今回のロスのように、Excuse me? を語尾を上げて、さらには怒りのニュアンスで言った場合は、「何だって?、今のは聞き捨てならない、もう一回言ってみろ」というようなニュアンスになります。

LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English)にも、以下の語義が出ています。
excuse me (spoken): (American English) used to show that you disagree with someone or are very surprised or upset by what they have just said
例) 'You're going to pay, right?' 'Excuse me?'

つまり、「誰かに同意しない、または、誰かが今言ったことに非常に驚いたり動揺したりするのを示すのに用いられる」。
例文は、「君がお金を払うんだよね?」「何だって?(そんなはずないよ、どうしてそういうことになるんだよ)」

ロスが聞き捨てならん、という感じで対応したので、こりゃ最悪、また喧嘩が始まる、という険悪な空気になります。
で、チャンドラーはまた horrible という言葉を使っていますね。


ロス: (sarcastic) Oh, please? Can't I come to your special, magical cabin? ([皮肉っぽく] あぁ、どうかお願いだよ。僕は君の特別な、魅惑的なキャビンに行くことはできないの?)
レイチェル: Why would you even want to come, Ross? You're a horrible skier. (ロス、どうして行きたいと思うの? あなたはスキーが下手なのに。)
ロス: Oh-oh, hitting me where it hurts! My ski skills! (あ、あ。痛いところを突いてくる! 僕のスキーの技術のことを!)
モニカ: Here we go again. (あー、また始まったわ。)
ジョーイ: I-I can't handle this, you guys. (俺の手には負えないよ[俺はこの問題に対処できないよ]、みんな。)
チャンドラー: Y'know, I can handle it. "Handle" is my middle name. Actually, it's the ah, middle part of my first name. (なぁ、俺には対処できるよ。「ハンドル」は俺のミドルネームだから。実際には、俺のファーストネームのミドルパートだけどね。)

Oh, please? Can't I come to your special, magical cabin? は、ト書きに sarcastic とあるように、皮肉っぽく、嫌味を言う感じで言っています。
わざわざ来て助けてやったのに、レイチェルは「お願いだからどうか一緒に来て」と頼むどころか、「ロスは来ないで。一緒にスキーに行くことはできないわ!」とはっきり口にしたので、「僕はその”素敵な”キャビンに行くことができないんだね?、行くことを拒否されちゃったんだね」と言っているのです。
別に行きたいわけじゃないけれど、君がダメだと拒否するのは許せない、というところでしょうか。

レイチェルもそれをわかっていて、「あなたも別に行きたいわけでもないでしょ、だって、スキーが下手なんだから。」と言っています。
来るなと言われた上に、どうせスキーは下手なんだし、とまで言われて、そんな言わなくてもいいことまで持ち出された、言われたくないことを指摘された、と、ロスは傷ついた演技をしています。

Here we go again. は、英辞郎には、
Here we go again.=またかよー。嫌だなー。まいったなー。あーまただ。
という訳が載っています。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary)では、
here we go: also here we go again
said when something bad or annoying is beginning to happen again

つまり、「ひどいことやうっとうしいことがまた起こり始めている時に言う」

LAAD では、again なしの Here we go. にもそういう意味があると出ていますが、Here we go. は通常「さあ行くよ、さあ始めるよ」という意味で使われることが多いので、「またこれだわ。また始まった」という場合は、again をつけた方が「また」の感じが出ますよね。

handle は「対処する、処理する」。
I can't handle this. と言ったジョーイに対して、I can handle it. と答えるチャンドラー。
でもそれは、本当にこの事態を収拾できる、と言ったのではなくて、ただ単に、handle という言葉を使ったジョークが言いたいだけだった、と(笑)。

handle はミドルネームだ、と言った後、実際には、ミドルネームではなくて、正確に言うと、ファーストネームのミドルパート(中間部分)なんだけどね、と説明を補足しています。
チャンドラーのファーストネームは Chandler で、C-handle-r と、確かに中間に handle という単語が入っています。
名前に handle って言葉が入ってるくらいだから、名前に handle って付いてるくらいだから、handle は得意中の得意さ、みたいに言っているのですね。

ちなみに、チャンドラーの本当のミドルネームは、Muriel (ミュリエル)です。
フレンズ2-21その1+ミドルネームの話 で、フレンズたちのミドルネームについて語っています。


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posted by Rach at 09:13| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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