フィービー: Y'know what? But there is, there is no right or wrong here. (ねぇ聞いて。ここでは、正しいことも悪い[間違っている]ことも何もないのよ[何が正しくて何が悪い[間違い]ってことはないのよ])
レイチェル: No, I think it's very obvious who's wrong here. (いいえ。ここで誰が悪いか[間違っているか]はとても明白だと思うわ。)
ロス: Obviously not to Joey. (明らかに、ジョーイにとっては違うね。)
[They all turn around and look at Joey.]
フレンズたちは全員振り返ってジョーイを見る。
ジョーイ: (pause) What? ([少しの沈黙] 何?)
[They all start fighting with each other.]
フレンズたちはみんな、お互いに喧嘩し始める。
ロス: (to Rachel) Look, both Joey and Monica feel the same way that I do. No-no-no-no. ([レイチェルに] ほら、ジョーイとモニカは二人とも僕と同じように感じてるんだ。違う違う違う違う。)
レイチェル: You and this innocent puppy act! (あなたと、この無邪気な子犬の演技!)
チャンドラー: Hey, guess who I am?! (starts dancing around in an effort to stop the fighting.) (おい、俺が誰か当ててみて! [喧嘩を止めようとして、踊り回り始める]
[They stop briefly to look at Chandler, but then start fighting again.]
フレンズたちは、チャンドラーを見て少しの間喧嘩をやめる、がそれからまた喧嘩を始める。
ここでは何が right で何が wrong かなんてことはないのよ、と口論を止めようとするフィービー。
right or wrong は、「善 or 悪、(道徳的に)正しい or 悪い」か、「(言い分が)正しい or 間違い」かのどちらかでしょう。
最初、善悪のことを言っているように思ったのですが、「モニカがこう言った、ジョーイがこう言った」という「言った言わないの話」の続きなので、それだと「ジョーイは僕に賛成の意見を言った」というロスの意見に対する真偽のことかもしれません。
Obviously not to Joey. というのは、Obviously, it's not obvious who's wrong here. ということだと思います。
レイチェルは、ロスが悪い[or ロスが間違ってる]に決まってる、と決め付けているけれども、少なくともジョーイにとっては、それは明らかではない、ジョーイはロスが絶対に悪い、なんて思ってないよ、または、ジョーイはロスの言っていること(ジョーイがロスに賛同した、ということ)が正しいと思っているよ、ということでしょう。
レイチェルが、it's very obvious... 「…は明らかだ、明白だ」と言った内容を、Obviously not to Joey 「明らかに、ジョーイにとっては it's very obvious ではない」と、同じ obvious という言葉を使って言い返しているのが面白い、ということのようです。
「とても明白だ」だなんて言ってるけど、「ジョーイにとってはそれが明白ではない」ということが明白なんだよ、みたいな感じでしょうか。
You and this innocent puppy act! について。
このレイチェルのセリフは、ネットスクリプトには載っておらず、喧嘩で声が重なっているために、音声としてもはっきり聞き取れないのですが、DVD字幕にそう書いてあったので載せてみました。
問い詰められたジョーイが、What? 「何?、何のこと?」とつぶらな瞳で聞き返すのが、「ぼく、わかんない」と、無邪気な、無垢な子犬のふりをした演技のようだ、と言っているようです。
ジョーイが同意してるって言ったって、ただ、子犬みたいな顔をして立ってるだけでしょ、そんな行為であなたのことを援護していることにはならないわ、ということでしょう。
ついには、みんなが喧嘩を始めます。
その状況に耐え切れないチャンドラーは、"Guess who I am?!" と言いながら、変なジェスチャーを始めます。
ト書きには dance around とありますが、走っているようにも見えますね。
(ちょっと先走りますが)一体誰の真似をしているのか?については、次回の記事で説明があります。
フィービー: Hey! Hey! Hey! Hey!! Hey!!! (they all stop fighting, Chandler continues to dance.) Look what you're doing to Chandler! (Chandler finally stops) (to Ross and Rachel) Yeah, look, we know that this is really, really hard for you guys. Okay? (Ross starts to leave) You don't, all right, you don't have to love each other, okay? You don't, you don’t even have to like each other much right now. But please, you have to figure out a way to be around each other. (ちょっと、ちょっと、ちょっと、ちょっと! ちょっと!! [みんなが喧嘩をやめる。チャンドラーは踊り続けている] あなたたちがチャンドラーにしていることを見てよ! [チャンドラーはついにやめる] [ロスとレイチェルに] ねぇ、あなたたち二人にとって、これが本当に本当に辛いことだって私たちはわかってるわ。[ロスは行こうとする] ロスとレイチェルは愛し合う必要はないわ。今は、お互いをそれほど好きでいる必要さえないわ。でも、お願い、お互いの近くにいられるような方法を考えてくれないといけないのよ。)
ジョーイ: Yeah, and not put us in the middle. (そうだよ。それから、俺たちを巻き込まない方法もね。)
フィービー: Yeah, otherwise, I mean, that's, that's just, that's it for us hanging out together. Y'know is that what you want? (they both look away) Can you be civil? (そうね。そうじゃないと、私たちが一緒に遊ぶのがこれでおしまいになっちゃう。それがあなたたちの望むことなの? [二人とも視線をそらす] あなたたちは礼儀正しくできる?[相手に対して失礼なことを言わないようにできる?])
レイチェル: Yeah. (えぇ。)
ロス: I can. (できるよ。)
Look what you're doing to Chandler! は、「あなたたちがチャンドラーに対してしていることを見てみなさい。」ということですね。
あなたたちがいつまでも喧嘩をやめないから、チャンドラーがあんな行動に出ちゃったじゃない、あんな風に変な踊りを続けているのはあなたたちのせいよ、チャンドラーのあの姿を見て、目を覚ましなさい、みたいなことです。
フィービーの説得は非常にもっともですね。
普段はボケたことを言うフィービーですが、みんながパニクっていて収拾がつかない時に、しごくまっとうなことを言うのが、フィービーのキャラでもあります。
愛し合えとは言わない、好きになれとも今は言わない、ただ、一緒にいるだけで喧嘩になってしまうような、そんな状態は何とか回避して欲しい、元の恋人同士に今すぐ戻れないのはわかっているけれど、せめて同席できるように、何か解決策を考えて欲しい、といことですね。
put us in the middle は、「俺たちを真ん中に入れる」ですから、二人の喧嘩の間に俺たちを立たせる、二人の喧嘩に俺たちを巻き込む、という感じですね。
and not put us in the middle. は、前のフィービーのセリフの続きとして言われているので、完全な文にすると、You have to figure out a way not to put us in the middle. ということだろうと思います。
ジョーイのセリフが、and not to put us ではなく、and not put us となっていることから、figure out a way to not put us in the middle という語順になるかもしれません。
not to put を、to not put と表現する話については、過去記事、分離不定詞 フレンズ3-13その20 をご覧下さい。
ですから、Yeah, and not put us in the middle. は「それから、俺たちを巻き込まない方法も考えてくれよな」という感じでしょう。
言いたいことは、Don't put us in the middle. 「俺たちを巻き込まないでくれ」と同じですが、don't ではなく、not を使っているのは、上に書いたように、フィービーの言葉の続きとして言っている、ということだと思います。
That's it. には、「これでおしまい」という意味がありますね。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English)では、
that's it: (spoken) used to say that something is completely finished or that a situation cannot be changed
つまり、「何かが完全に終わること、またはある状況を変えることができないこと、を言うのに用いられる」。
ですから、Otherwise, that's it for us hanging out together. は、「あなたたちが同席できない、私たちをすぐに喧嘩に巻き込むようなことが続けば、私たちが一緒に遊ぶことはもうおしまい、ってことになっちゃうわ。」ということでしょう。
Can you be civil? について。
civil は、研究社 新英和中辞典では、
civil =(不作法にならない程度に)礼儀正しい、ていねいな (類語 ⇒polite)
と出ています。
その類義語の polite の項目に、polite と civil の違いが挙がっています。
(類語) polite は相手の気持ちを思いやり、礼儀をわきまえている気持ちを表わす。従って、消極的に「失礼にならないような」の意にもなる。時に「外交辞令の」の意味もある。
civil は polite よりは冷たい感じの語で、無礼にならない程度に、また不快な感じを与えない程度に礼儀を守る。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary)では、
civil: polite, but not really very friendly
例) I know you don't like Phil, but try to be civil.
つまり、「礼儀正しいが、あまり親しげではない[フレンドリーではない]」。
例文は、「君がフィルを好きじゃないのは知ってるよ。でも、civil であるように努めてみて。」
上の LAAD の例文が、今回のフィービーのセリフの状況「好きにならなくてもいいから、civil でいられる?」にそっくりですね。
相手を怒らせたり、相手を傷付けたりしない程度に、必要最小限の敬意を相手に払うことができる?というところでしょうか。
(Rach からのお願い)
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2009年02月18日
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