フィービーはフランクとアリスの結婚に反対しています。自分の代わりにフランクを説得して欲しいと、ロスとジョーイに頼んでいます。
フィービー: Come on, you guys. You have nothing to lose. I have everything to lose. Do you want me to lose everything? Everything? (ねぇ、あなたたちは失うものは何もない。私はあらゆることを失うことになる。あなたたちは、私に全てを失わせたいの? 全てを?)
ロス&ジョーイ: No. (そんなことないよ。)
フィービー: Okay, I'm gonna go get Frank. (exits) (よーし。フランクを連れてくるわ。)
ジョーイ: So, we're walking down the street, and I turn to you and I say: "Hey, let's go hang out at Totally Nude Nudes." Remember? And then, and then, you turn to me and say, "Nah, let's just hang out at your place." Well, that was a nice move, dumb ass. (それで、俺たちは通りを歩いてて、お前を振り向いて俺はこう言う。「なぁ、トータリー・ヌード・ヌーズに行こうよ[時間を過ごそうよ]。」 覚えてる? で、それから、それから、お前が俺の方を向いて、こう言うんだ。「やめようよ。ただ、お前のところ[家]で、時間を過ごそうよ。」って。あぁ、あれはナイスな行動だったよな、おばかさん。)
Totally Nude Nudes は名前からして、ストリップ劇場みたいなものでしょうね。
「全く、裸の、裸体の人」みたいなネーミングでしょうか。
ジョーイのセリフは、最後の that was a nice move だけが過去形で、後は全て現在形になっています。
これは、フレンズ2-21その22 で説明した、ハートで感じる大西先生の「過去のできごとを生き生きと語っている」現在形、ですね。
上のジョーイのセリフは、何の前触れもなく、いきなり「俺たちは通りを歩いてる」で始まっています。
実際には部屋にいるわけですから、現在進行形が使われることで、そのジョーイの語る別世界(この場合は、過去の回想)に話が切り替わった、ということがわかるのでしょうね。
「ストリップ見に行こう、って言ったら、お前が俺の部屋でのんびりしようって言って…ほんと良い提案だったよ。」みたいなことをジョーイは言っているのですね。
あの時、俺の提案に乗って、ストリップを見ていたら、フランクが結婚をやめるように説得する、といういやな仕事を引き受けないで済んだのに、こんなことになったのは、あの時、ジョーイのうちに行こうと言ったお前のせいだぞ、と言いたいのですね。
a nice move のナイスはもちろん皮肉です。
最後に呼び掛け語として、dumb ass がついていることからもそれは明白ですね。
[Scene: Monica and Rachel's, Rachel and Monica are entering.]
モニカとレイチェルの部屋。レイチェルとモニカが入ってくる。
レイチェル: I think you should definitely go out with this guy. (モニカは絶対にこの人とデートすべきだと思うわ。)
モニカ: Nah, he doesn't do anything for me. (いいえ。彼は私のために何もしてくれないもの。)
レイチェル: Monica, last Saturday night, what happened on Walker, Texas Ranger? (モニカ、先週の土曜日の晩、「ウォーカー、テキサス・レンジャー[炎のテキサス・レンジャー]」で何が起こった?)
モニカ: Well, umm, Walker was looking for this big busload of kids. (realizes) All right, I get your point. (そうね、うーんと、ウォーカーはバスいっぱいの子供たちを探して… [気付いて] いいわ、あなたの言いたいことはわかったわ。)
レイチェル: All right. (それでいいわ。)
ピートとデートすべきだと説得するレイチェル。
その説得に、あるドラマのシーンを持ち出すのですが…。
モニカは、I get your point. と言っていて、レイチェルの言いたいことがわかったようです。
が、私にはよくわかりません(爆)。
このドラマ、見たことないもので…。
とりあえず、わかったことだけ書いておきます。
Walker, Texas Ranger というのはアメリカのドラマですね。
Wikipedia 英語版: Walker, Texas Ranger
IMDb: Walker, Texas Ranger" (1993) TV series 1993-2001
日本では「炎のテキサス・レンジャー」と呼ばれているようです。
Super! drama TV: チャック・ノリス炎のテキサス・レンジャー
上のサイトにはとても詳しい情報が書いてあります。
そこに、「全米マスコミが注目した土曜の夜の大ヒット」という記事があり、それがとても興味深いです。
レイチェルのセリフにも、last Saturday night という言葉が出てきます。
それだけ、「テキサス・レンジャーは土曜日の夜」というのはみんなの共通認識のようですね。
busload は「バス1台の収容能力、バスいっぱいの乗客」なので、busload of kids は「バス1台分の子供、バスいっぱいの子供」ということでしょう。
エピソードの内容を調べるには、IMDb (The Internet Movie Database) がいいかなと思って、Google のボックスに、
"walker, texas ranger" bus IMDb
と入れてぐぐってみると、以下のサイトを発見。
Episode list for "Walker, Texas Ranger" (1993)
そのページで、bus という言葉で検索してみると、bus という単語はいくつかヒットしますが、その中で子供が出てくるエピソードを発見。
それが、Season 5, Episode 10: Cyclone
ざっと内容を要約してみると、
「小学校5、6年生が誘拐され、犯人は身代金1000万ドルを要求。子供たちをバスに閉じ込め、バスを埋め立て地に駐車し、泥でバスを覆い隠してしまう。それを助けようとするウォーカーたちは時間との戦いとなる。さらに竜巻を伴う暴風雨も近づいてきて…。」
という手に汗握る内容のようですね。
IMDb によると、この Cyclone というエピソードの放映は、96年11月23日。
この フレンズ3-18 の放映は、97年3月13日。
セリフでは、last Saturday night 「先週の土曜日の夜」と言い切っていますが、フレンズは公開録画なので、撮影と放映までに少し間があるでしょうから、4ヶ月弱のずれなら、やはりこのエピソードを内容を指している、ということで合っていそうな気がします。
で、結局、そのエピソードの結末がどうなったかは IMDb ではわからないので、レイチェルが何を言いたいのかがわからないんですよねぇ…。
プロットを見てみると、生き埋め(?)状態になっているわ、サイクロンは近づいてくるわ、で、race against the clock 「時間と競争する、時間と戦う」状態になっているわけですね。
だから、時間に関する説得で、「そんな風にあれやこれや選り好みしていたら、すぐにおばさんになっちゃうわよ、手遅れになっちゃうわよ」ということか、あるいは、劇中で意外な人が思いも寄らぬ活躍をしてその人がとても素敵な人だとわかった、とかだと、「人間、第一印象ではわからないものよ。意外な人が実は素敵だったりするものよ」という説得なのかもしれません。
まぁ、そのテキサス・レンジャーのエピソードを見ずにいろいろ語っても無駄かもしれませんので、推測はこの辺りでやめておきます。
上に書いたあらすじを見て、「それ、見たことある!」という方は、レイチェルが一体何を言いたかったのかを教えていただけると嬉しいです。
これだけ長々書いておいて、Cyclone のエピソードのことじゃなかったら、超ショックだなぁ(笑)。
モニカの部屋に入ってきたチャンドラー。
テープを聞いてみてどうだった?と聞かれて、
チャンドラー: Good. I haven't smoked yet today, I feel great, and-and-and confident. That is a stunning blouse. (いいよ。今日はまだタバコを吸ってないし。気分は最高だよ。それにそれに、自信に満ちた感じ。それ、素敵なブラウス(だ)ね。)
男性が、女性の服を褒めるのは、外国でも珍しいようです。
クリストファー・ベルトンさんのメルマガ、クリストファー・ベルトンの「英語の世界」 <第65号> (2009年2月8日発行)で、
★ 男が絶対に言わないこと
の一つに、
Those shoes match your dress perfectly. その靴は君のワンピースにぴったりだね。
というのが挙げられていました。
今回のセリフも、それ系の「服装に関する話」ですね。
男性のチャンドラーが「そのブラウス素敵」と褒めるのは、やはり違和感があります。
チャンドラーが confident という言葉を使っていることからわかるように、前回の記事、フレンズ3-18その2 の催眠テープの内容が刷り込まれているのがわかります。
その後に、この女性っぽいセリフが続くので、You are a strong, confident woman. という洗脳(?)にかかってしまったことが、観客にわかるのですね。
部屋に入ってきた時は、Chap Stick (リップクリーム)を貸してと言っていましたし、女性用テープの影響があちこちに見え始めているのが面白いです。
日本語だと、語尾の「…だぜ」を「…だわ」にすることで、女性言葉に変化したことがわかりますが、英語の場合は、その変化を出すのは難しいかもしれません。
その代わりに、「リップ持ってる?」「そのブラウス素敵!」のように、言っている内容で女性っぽさを出す、ということも可能なのですね。
(Chandler is putting on the Chap Stick the same way that women put on lipstick, including the bit with the piece of tissue.)
チャンドラーは、ティッシュの切れ端を使ったお決まりのしぐさも含めて、女性が口紅を塗るのと同じやり方で、リップスティックを塗っている。
チャンドラー: (to the girls who are staring at him) What? ([チャンドラーをじっと見つめている女性陣に向かって] なあに?)
ここの面白さはとにかく実際にそのシーンを見ていただかないとわからないと思うのですが、ト書きにある通り、ペターッとリップを塗り、おまけにティッシュで付け過ぎた分を押さえています。
including the bit with の bit は、英辞郎によると、
bit=お決まりのしぐさ
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
bit [noun]: TYPICAL BEHAVIOUR/EXPERIENCE
(informal) used to mean a kind of behaviour or experience that is typical of someone or something
つまり、「誰かや何かにありがちな[典型的な]ある種の行動や経験を意味するのに使われる」。
そのしぐさだけでも十分面白いのですが、What? の一言がまた笑いを誘います。
チャンドラーが言いそうな「何だよ?」ではなく、女の子がつぶらな瞳で聞き返す、まさに「なあに?」のニュアンスです。
口をすぼめて可愛く言った感じがとても女性っぽく、思わずモニカが、というか演じているコートニー自身が吹き出してしまっているように見えます。
英語で見ていても、やはり女性っぽくなっていることはいろんな部分で気付けますね。
今回のエピソードの見どころの一つです。
What? という短い単語一つでも、男っぽい言い方と女っぽい言い方がある、ということがわかる良い例だと思いました。
(Rach からのお願い)
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"Walker,Texas Ranger"は、名前ぐらいは知っているのですが、あまり興味を惹かず見なかったので知らないのですが、上(↑)のモニカとレイチェルとのやりとりでは、モニカの土曜の夜のテレビ観賞が習慣になっているを気づかせて、「土曜の夜はもっと他にすることがあるでしょ、デートしなさいよ」もっと云えば、「最近、あなたは男と寝てないでしょ」ぐらいのニュアンスだと思います。
ぼくが住んでいたのは、中西部の小さな町でそこでは時間が止まっていたのか、「土曜の夜の共通認識」は Saturday Night Live でしたね。
I get your point. っておしゃれでいい表現ですね。覚えようっと(^0^)
ドラマは会話表現の宝庫ですね。
今仕事が忙しくてあまり見られないのが残念。
でもこのブログで海外ドラマ気分に浸りますね(^^)
貴重なご意見ありがとうございます。
コメントを拝見した瞬間、あぁ、そうだわ!と思いました。おっしゃる通り「モニカが土曜の夜のテレビ観賞が習慣になっている」ことを指摘したセリフですね。
上の記事で、「全米マスコミが注目した土曜の夜の大ヒット」について触れていますが、そのコラムの中でも、「土曜日の夜はみんなが外出し、視聴率が悪くなる」という話が書いてありました。
本来、デートすべきである土曜日の晩の番組の内容を尋ねられて、すらすら答えてしまった自分に気付いて、「レイチェルの言いたいことがわかった」のですね。last Saturday night というフレーズがセリフに入っているのは、そのことを示唆したものだったのか…。
テキサス・レンジャーはかなりの人気番組のようですが、特定のエピソードの話の内容を知っていないと、今回のレイチェルのセリフの意味がわからない、というのでは、あまりにもオタクな話になってしまいますよね。モニカの言うエピソードの内容をヒントとして、どのエピソードが探してみたいと思った、私のオタク思考に問題があったようです。ちょっとズレた方向に暴走するのも私の常なので。今回はよい勉強になりました。ありがとうございました!
P.S. Saturday Night Live もよく名前を聞きますね。これまた見たことないのですが。
英語難民さんへ
コメントありがとうございます。
「ドラマは会話表現の宝庫」というのはその通りですね。海外ドラマ気分に浸っていただけるように、これからも頑張りたいと思います。