2009年03月10日

脱構築理論 フレンズ3-19その2

ジョーイは自分が出演することになる演劇[芝居]の劇場に来ています。
共演者の女性ケイトと話をするジョーイ。
ジョーイ: So the ah, play's pretty great, huh? (で、この演劇はかなりすごいよね?)
ケイト: Oh, yeah. I love Jennifer Banberry's work. She's so brilliantly incisive when it comes to deconstructing the psyche of the American middle class. (えぇ、そうね。私はジェニファー・バンベリーの作品が大好きなの。アメリカ人の中流階級の心理を脱構築理論を用いて分析することに関しては、彼女は素晴らしく鋭いもの[鋭敏 or 痛烈だもの]。)
ジョーイ: Oh, forget about it. She rocks! (あぁ、そんな(小難しい)ことはともかく。彼女はノリノリなんだよ!)

when it comes to は「…のこととなると、…に関して言えば、…にかけては」。
incisive は「鋭敏な」「(言葉など)鋭い、痛烈な、辛らつな」。

deconstruct は、construct 「建設する、構成する」に、「否定、逆転」のニュアンスである de- という接頭語がついたもの。

今回のセリフでは、演劇の話の中で使われていて、deconstruct は、文学の解釈方法のことを意味するようです。

研究社 新英和中辞典では、
deconstruct=(文学作品などを)脱構築(deconstruction)の方法で分析する
そして、その deconstruction については、
deconstruction=脱構築(構造主義後のテキスト分析の方法論の一つ)
と出ています。
英辞郎の deconstruction の語義説明にも詳しく書いてありました。

LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
deconstruction: [uncountable]
a method used in philosophy and the criticism of literature which claims that there is no single explanation of the meaning of a piece of writing

つまり、「哲学や文学批評で使われるメソッド[方法・手法]。そのメソッドは、一つの文書の意味のたった一つの説明は存在しないと主張する。」

LDOCE には、deconstruct という動詞形は載っておらず、名詞形 deconstruction も、上に挙げた a method の意味しかありません。
ですから、通常の会話で使われる言葉ではなく、もっぱらそういう哲学的な意味として使われるようです。
「脱構築」という日本語にも、一般には使わない哲学的な雰囲気が漂っていますよね。

また、ウィキペディアにもあります(↓)。
Wikipedia 日本語版: 脱構築

その定義は哲学的な要素も多く、ここでは、deconstruct の学術的・専門的な意味まで理解する必要はありませんが、ただ、ケイトが文芸評論の専門用語を使って、この芝居の感想を述べていることがわかればいいわけです。
この一文を聞くことで、ケイトは演劇についての確かな知識を持っている、きちんとしたところで演劇を学んだ経験がある、ということがわかるのですね。

それに対してのジョーイのセリフですが、Forget about it. は「そんな小難しい感想・分析のことは忘れなよ」みたいなことでしょうか。
rock は「ロックする、ロックンロールする」みたいなことで、その作者、脚本家のことを、「彼女はロックだぜ、ノリノリだぜ、イケてるぜ」みたいに褒めているということです。
ご存知の通りジョーイは、どこかの学校できちんと演劇の勉強をしたことがないので、そういう専門用語はわからない、だから、ケイトの話に合わせることができないし、多分、ケイトの話の内容もよくわかっていないでしょう(笑)。
それがこのジョーイの返事に出ている、ということです。


ケイト: Where do I know you from? (あなたをどこで知ってるのかしら?)
ジョーイ: Dr. Drake Remoray? Days of Our Lives? Voted most datable neurosurgeon by Teen Beat? (ドクター・ドレイク・ラモレーだろ? デイズ・オブ・アワ・ライヴズの? ティーンビート誌で、デートしてもいい[デートできる]神経外科医の1位に選ばれたんだぜ。)
ケイト: No, that's not it. So you're a soap actor. Well, this must be pretty exciting for you, being in a real play, hmm? (いいえ。それじゃないわ。それじゃあ、あなたはソープアクター[ソープオペラの俳優]なのね。じゃ、今回の演劇はあなたにとって、とってもエキサイティングなものに違いないわね。本当のお芝居に出られるんだから。)
ジョーイ: Hey, I've done plays before. I'm a serious actor. (おい、俺は前にも芝居をしたことがあるんだぞ。俺はシリアスな[真面目な・真剣にやっている]俳優なんだ。)
ケイト: That infomercial! For the milk-carton-spout thing! You're-you're-you're the guy that doesn't know how to pour milk! (あのインフォマーシャルね! ミルク・カートンの注ぎ口のやつの! あなたは、あなたは、ミルクの注ぎ方を知らないあの男性ね!)
ジョーイ: See, I actually can pour milk. But I got you believing that I couldn't. Now, see, that's acting. (いいか。俺は実際にはミルクを注ぐことができるんだよ。でも、俺はそれを出来ないと君に信じさせた。ほら、わかるか、それが演技なんだよ。)
ケイト: Right. At the end, you choked on a cookie. (そうね。最後に、あなたはクッキーをのどに詰まらせてたわよね。)
ジョーイ: Yeah, that was real. (あぁ、あれは(演技じゃなくて)ほんとだったんだよ。)

Where do I know you from? を直訳すると、「私はあなたをどこから知ってるの?」ということで、「私はあなたを知っているようなんだけど、それはどこからかしら?」というニュアンスですね。
何だか顔に見覚えがあるんだけど、あなたをどこで見たのかしら、ということです。
それに対して、ジョーイは自分の一番の当たり役の、Days of Our Lives のドクター・ラモレーのことを自慢げに話します。

datable は辞書を見ると「年代測定ができる」などと出ていますが、今回はそういう意味ではなくて、いわゆる「デート」ができる、という意味でしょうね。
デートしたい、というよりも、デートすることが可能な、というニュアンスでしょうか?

Teen Beat は名前からわかるように、ティーンエイジの読者向けの雑誌です。
Wikipedia 英語版: Teen Beat
ウィキペディアに、It is a "sister publication" of Vogue. と書いてあるので、あのヴォーグ誌の姉妹誌、妹分のようですね。

Voted most... by Teen Beat は、「ティーンビート誌が行った投票で、最も票を集めた、最も…な人に選ばれた」ということ。
neurosurgeon 「神経外科医」は、お堅い職業なので、普通はティーンの恋愛対象にならない感じだけれど、ソープオペラの登場人物だったラモレーはティーンに人気(?)で、「彼ならデートしてもいいと思う」という投票で1位に選ばれた、ということでしょうか。
もしくは、神経外科医のようなプライドの高そうな人は、小娘のようなティーンとデートしてくれなさそうだけど、ラモレーならデートしてくれそう、という意味の、datable ですかねぇ?

Days of Our Lives は有名なソープオペラ(アメリカで実在するドラマ)なので、ジョーイをその番組で見たわけじゃないけれど、彼がソープオペラに出ている俳優だ、ということはケイトにもわかったのですね。
それで、今回のようなお芝居、舞台に出ることができることは、exciting でしょ、と言っています。
ケイトは、ソープオペラの俳優は、舞台俳優よりも格下だと思っていることがわかります。

ジョーイの顔をじーっと見ていたケイトは、ジョーイがインフォマーシャルに出演していたことに気付きます。
俺はシリアスな役者なんだ、と力説した後に、インフォマーシャルのことを思い出されてしまうというのが、何ともタイミングが悪い(笑)。

ケイトが言っているインフォマーシャルは、インフォマーシャル フレンズ3-4その1 に出てきました。
このセリフを聞いて、観客もそのインフォマーシャルのことを思い出すことができます。
これが連続ドラマの面白さでもありますね。

ミルクを注げないどんくさい役ね、と笑うケイトに、ほんとは注げるけど、それを注げないように見せている、君が今「ジョーイはミルクを注げない」と信じているように、俺は注げないように見せる演技が上手いんだよ、とジョーイは言っています。
ですが、最後にクッキーをのどに詰まらせた、というのは、演技ではなく本当だった、というオチがついていますね。


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posted by Rach at 11:44| Comment(6) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。outragous2007です。

Joeyの"But I got you believing that I couldn't."がいいですね。学校文法的には、got/made you believe that... と原形でもよさそうですけど、それを見ていたときは、信じさせたんだ、と一時的なニュアンスが感じられます。

海外ドラマで、教科書では学べないような表現・スラングを学ぶのも面白いですが、こういう学校でも習うような形に近いものが出てくるのを確認するのも楽しいですね。不思議なことに、教材以外のもので見たり聴いたりすると忘れないんですよね。
Posted by outragous2007 at 2009年03月11日 01:33
outragous2007さんへ
コメントありがとうございます。

そうですよね、got you believing には、あのインフォーマーシャルを見ていた瞬間、ケイトはそう信じていた、という「一時的なニュアンス」が感じられますよね。「あぁ、この人、ミルクを注げないんだぁ〜」と見ていた時信じていた、そんな風に俺は演技で思わせたんだよ、という感じですね。

私も海外ドラマ学習で、学校で習った文法事項の意味とその重要性を学べるのが嬉しいなと思っています。文法を文法事項としてだけ暗記している間は、「こんなこと丸暗記して何になるんだろ?」などと思ってしまいがちですが、その知識が実際の会話を理解するにあたり、重要なニュアンスを教えてくれたりするのを知って、「あぁ、ちゃんと文法を勉強していて良かった」といつも思います。文法というものは、実際に生きた英語と照らし合わせてみてナンボ、という感じでしょうか。
Posted by Rach at 2009年03月12日 10:50
コメントRachさんへ
I got you believing that I couldn't.は以前いい例文がでたらそのときまた考えるという事でしたので。コメントしました。I got you。はカジュアルな会話でふざけて人をだまして相手がそれに引っかかったとき
「ひっかかったね」とか「だまされやがった」のような意味で相手にたいしてに言いますよね。I got youだけで一つのセンテンスとして完結してます。それに+現在分詞、+形容詞 +前置詞・名詞などで英語をでつなげます。「不器用な人と思われる演技ができて自分の思惑どおりだ」自慢げなのか照れ隠しなのでしょうかね。訳としては「してやったりだね、私が不器用とあなたが思ったのは」
Posted by catch at 2009年03月13日 07:25
catchさんへ
コメントありがとうございます。

確かに、I got you. には、「ひっかかったね」「だまされやがった」という意味がありますね。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
get: TRICK SOMEBODY
[transitive] (informal) to deceive or trick someone
例) I got you that time!
例文は、「あの時、俺は君をだましたんだ!(あの時、だまされやがって!)」

catchさんは、上のジョーイのセリフの、got も、この deceive のニュアンスだと解釈され、まずは、I got you. 「俺はうまく君をだましたんだよ。」でセンテンスが完結し、そのだました状態を補足説明する形で、believing が続く、という風に解釈された、ということですね?

フレンズ3-11その7
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471113.html
で、
"What's an intelligent girl who wants to be in fashion doing making coffee?"
というセリフが出てきた時、doing までの完結した文章の後に、making coffee をつけることで doing と同時にしていることを表す、という catchさんのご説明がありました。今回のセリフも、それと同じ例だ、というご意見ですよね?

私も、もう一度、DVDを見直してみました。
私が何度か聞いてみた限りは、got you believing が滑らかに繋がっていて、また、got と believing では、どちらかと言うと、believing の方が強く発音されているような気がして、「人が…を信じている状態にさせた」というニュアンスに聞こえるのです。got はあくまでも、自分が相手をそういう状態に至らせた、という使役のニュアンスかなぁ、と。

I got you = I deceived (or tricked) you という意味で、「だましてやったぞ!」みたいな感じを出すのであれば、I GOT you believing... と、got が強く発音されそうな気がするんですよね。(そんな気がするだけで、根拠はないですが)

got が使役動詞だとすると、-ing 形を使わない場合は、get you to believe と to が必要になるでしょうか。そして、get+目的語+doing だと、〜を…させる、という意味になりますよね。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
get somebody doing something
例) In the end, we got the children clearing the playground.
「とうとう、我々は、子供たちに運動場を掃除させた。」
というのも載っています。

ということで、今回のセリフの場合は、ジョーイのセリフの言い方やイントネーションを聞いていると、使役動詞 get の通常の形、get someone doing の意味と捉える方が自然なのかな、という気がします。
「してやったりだね」という感じを出すのであれば、「してやった」というニュアンスの got がもう少し強調されるかなと思う、というだけのことなので、絶対の自信があるわけではないのですが…。


それと別件になるのですが、過去記事を見ていて、気になったことを一つ。(私自身のメモに近いので、これについて、意見を下さい、という意味ではありませんので、どうかお気遣いなく。)

今回話題となっている、got と関係あることなのですが、
上でリンクした過去記事、フレンズ3-11その7
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471113.html
に、You got me. というレイチェルのセリフがあります。私はそこを「私の考えがわかってしまったんですね。」と訳したのですが…。

上のコメントの I got you. との関連で、get を調べていると、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) に、以下の語義が載っていました。
you('ve) got me: used to say you do not know the answer to something
例) "Why did he attack him?" "You got me."
つまり、You've got me. や、You got me. は、「何かに対する答えを知らない、というために使われる」。
例文は、「彼はなぜ、彼を攻撃したのだろう?」「知りません。」

つまり、You got me. が、I don't know the answer. という意味になる、ということですよね?(語義の you do not know の you は、相手である you ではなく、You got me. という言葉を発した側の話者である I ですものね?)
マクミラン英英辞典にも、同じ意味が載っていました。
そんな風にわざわざ辞書に書いてあるので、フレンズ3-11その7 のレイチェルのセリフの解釈に少々自信がなくなってきました。

私が過去記事を書いた時は、英英辞典にも、get = understand という意味が載っているので、「(私の本心が、言いたいことが)わかっちゃったんですね、わかっちゃいました?」というニュアンスに解釈したわけですが。

逆に、You got me. が、I don't know the answer. という意味になる方が、理解が難しいです。この get は、英和に出ている、「(人)をやっつける」「(人)を困らせる、苦しめる」というニュアンスでしょうかねぇ? あなたのその質問が私を困らせる、という感じで、「降参です。参りました。お手上げです。」みたいなニュアンスの「その質問への答えがわかりません」なんでしょうか??

そういう get のニュアンスだとすると、今回の I got you. 「ひっかかったね」と通じる部分もあるような気がします。元々の get の意味は「得る」で、「主語+get+目的語」だと、主語が目的語をすっかり支配してしまう、という感じが出るような気がして、「主語+got+目的語」の場合、主語が勝者で、目的語が敗者のようなニュアンスが出る、と言いますか、、主語が目的語に対して勝者の立場に立つようなことをした、と言いますか…(意味不明ならすみません)。

ということで、考えがぐるぐるしていますが、結局、気になる点は、フレンズ3-11のカプランさんへのレイチェルのセリフ、You got me. は、get = understand という解釈で、「私の考えがお見通しなんですねぇ」みたいな意味でいいのかな??ということです。もしくは、understand の意味に限定するというよりは、あなたの勝ちです、みたいな意味の「降参です。参りました。あなたのおっしゃる通りです。」という方に近いのかな、とか。

ロングマンに載っている文字通りの意味、I don't know the answer. を当てはめると、何となくしっくり来ない気がするのです。カプランさんの言うことを認めると、自分が intelligent だと認めることになりますが、「さぁ、どうでしょう」とトボけるのであれば、I don't know. だけになりそうだし、「自分のことだから何とも言えないので、その質問に答えることができません」だったら、I can't answer that question. になりそうだし…。カプランさんの質問に対する答えうんぬんの話ではなく、カプランさんがレイチェルの本音を見抜いたことに対するセリフだと考えていいんですよねぇ??
(一人で勝手に悩んで、すみません)
Posted by Rach at 2009年03月14日 09:46
カプランさんとの会話ではRachさんの結論に同意です。もしレイチェルがだまそうとしていて、核心をつかれていたら、「ばれましたか」という訳になるでしょうね。解説の中で「降参です。参りました。お手上げです。」と書かれてますが。その通りだと思います。たとえばチャンドラーがレイチェルにポーカーでこてんぱんにやられたときも、You got me.といってましたからね。
さて、使役の問題ですが、私がコメントしたのはこれは使役ではないと思ったのに、コメントされたoutragousさんが使役と解釈されていたようなので、Rachさんは使役と書いてないし確認のためのコメントでした。
基本的にはgetをつかった使役はRachさんがおっしゃるようにget you to believe と to が必要になりますし、考える(believe)とい状態動詞が使役になじまないような気もするし、意味的にもgetつかうと頼んで〜してもらうというニュアンスになると思うのです。You got me missing you.は直訳すると
「あなたは私を恋しくさせる」で使役のように見えますが、「あなたが恋しい」で原因はyouにあるだけで彼の意志ではないので使役ではないと思うのですね、You got me this job. 「あなたのおかげで、この仕事を得ることができました」と同じ作りだと思います。これと似ているget toと言う使い方もありますね。機会をえるとか普段できないことをさせてもらうとかの意味でわたしの最初のコメントだったかな?
getは基本的な意味が5つくらいあると思っています、それ以外にget the 名詞という使い方があってこれは目的語と状況によって意味は千差万別になってっしましますけどgetと言う動詞についてはI don't get it.
Posted by catch at 2009年03月15日 15:31
catchさんへ
お返事ありがとうございます。

まず、フレンズ3-11 の、レイチェルのカプランさんへのセリフ、You got me. の解釈について、同意していただきありがとうございます。
そうですね、だまそうとしていた、隠そうとしていたのに相手に気付かれてしまった場合だと、「ばれましたか」になるでしょうね。「参りました」という感覚で合っていると言っていただけると安心です。

それで、get が使役かどうか、という話なのですが…。
うーん、私は「使役」のニュアンスに限りなく近いと思うんですよ。でも、「使役」という言葉はそぐわないのかもしれませんね。ジョーイの力で、ケイトがそう信じるようになった、という、「ジョーイの力によって起きた変化」を説明している、と言いますか…。

get という単語には「使役」の意味はありますよね。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
get: MAKE SOMEBODY DO SOMETHING
[transitive not in passive] to persuade or force someone to do something
という語義が出ていて、使役動詞 make の意味と同じように説明されています。
persuade だと「説得して…させる」、force だと「…を強要する、強制する」ですよね。

「believe という状態動詞が使役になじまないような気がする」という部分は、私もわかる気がします。使役だと、「強制的に、そう信じるように仕向けた」みたいなニュアンスが出てしまうから、ということでしょうね? 洗脳した場合は、使役と認識しても良いでしょうが、今回の場合は、「ジョーイが信じさせた」というよりも、「ジョーイの演技を見て、ケイトがそう信じた」というニュアンスですものね。miss you と同じで、believe も信じるのはケイトであって、persuade や force の結果、believe という状態になる、というのがそぐわない、という感覚なんですよね?

get という言葉には、「動き、変化」が感じられる気がします。今回のジョーイのセリフは、ジョーイが下手な演技をして、ジョーイに言わせると「本当にミルクが注げないとみんなが信じるような、超リアルな演技」(笑)をすることで、ケイトが「この人、ミルク注げないんだぁー」と信じた、そういう風に信じるという「状態にした」、その状態の変化をもたらしたものとして、got が使われているという感じがします。
catchさんが書かれているように、You got me missing you. の場合、「原因は you にあるだけで彼の意志ではないので使役ではない」のだとすると、今回のジョーイのセリフも、ケイトがそう信じる「原因」が「ジョーイの演技」だった、ということになるのでしょうね? 「俺が信じさせた」と訳してしまうと使役っぽい感じが出てしまうのですが、実際のニュアンスは「俺の演技で、君がそう信じた」という感じが近いでしょうか?

そういえば、最初にいただいたコメントも、「get to は運良く…する機会に巡り会う …させてもらえる」というものでしたねぇ。get は頻出動詞なので、いろんな場面でいろんなニュアンスで登場しますよね。前後の文脈から判断しなければならない部分も多いです。get のニュアンスについては、私も、I don't get it. と言わせて下さい(笑)。
Posted by Rach at 2009年03月16日 11:37
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