死んだおばさんのドールハウスをゲットしたモニカ。
フィービーも一緒に遊びましょ、と言われたので、家からいろいろと小道具を持ってきたフィービー。
最初に取り出したのが、ドールハウスの2階まで届くような大きな陶製の犬の置き物。
モニカ: What's this? (これは何?)
フィービー: That's a dog. Every house should have a dog. (それは犬よ。どの家にも犬はいるはずでしょ。)
モニカ: Not one that can pee on the roof. (屋根の上におしっこできるような犬はいないはずよ。)
フィービー: Maybe it's so big because the house was built on radioactive waste. (たぶん、その家が放射性廃棄物の上に建てられたから、そんなに大きいのよ。)
チャンドラー: (holding a tissue) And is this in case the house sneezes? ([(フィービーが持ってきたらしい)ティッシュを持ちながら] そして、これは、その家がくしゃみした時のためにあるの?)
フィービー: No, no, that's the ghost for the attic. (違う違う。それは、屋根裏の幽霊なの。)
モニカ: I don't want a ghost. (私は幽霊なんか欲しくない[いらない]。)
フィービー: Well, nobody wants a ghost. But you've got one, because the house is sitting on an ancient Indian burial ground. (そうね、幽霊を欲しい人なんていないわ。でも、あなたのうちには幽霊がいるの。だって、その家は古代インディアンの墓地の上に建ってるんだもの。)
ロス: Wait a minute. The house was built on radioactive waste, and an ancient Indian burial ground? That would never happen. (ちょっと待ってよ。その家は放射性廃棄物の上に建ってて、さらには古代インディアンの墓地の上にも建ってるの? そんなことは起こらないだろ。)
フィービー: Okay, obviously you don't know much about the U.S. government. (いいわ。明らかに、あなたはアメリカ政府についてよくわかっていないようね。)
ドールハウスと不釣合いな大きさの陶器の犬を持ってきたフィービー。
足を上げておしっこすると、屋根にかかりそうだとモニカは言っています。
その犬が大きい理由を無理に設定するフィービー。
放射性廃棄物の放射能のせいで巨大化した、というのですが…ゴジラの設定みたいですね(笑)。
画面を見る限りはよくわからないのですが、チャンドラーの持っているティッシュも、フィービーが自分のカバンから取り出したもののようです。
そこまで無茶な設定だと、家がくしゃみしてもおかしくない、という感じですね。
I don't want a ghost. に対して、nobody wants a ghost. と答えるフィービーが面白いです。
モニカはドールハウスで女の子らしく遊びたいので、幽霊なんておどろおどろしい小道具はいらないわ、という意味で、I don't want a ghost. と言っているのに、フィービーは、「そりゃ、幽霊が好きな人なんていないわよ。でも、存在するんだからしょうがないのよ」みたいに言っているのがおかしいのです。
ちょっと論点がずれているわけで、そこがまたフィービーらしいのですね。
burial は名詞で「埋葬」。
-al という語尾は、natural, national などの形容詞も作りますが、今回の burial や arrival のように名詞を作ることもできます。
bury は動詞で「…を埋葬する」ですね。
burial はベリアル、bury はベリーと発音しますのでご注意を。
放射性廃棄物の上で、さらには古代インディアンの墓地の上に建っている、という設定を言うフィービーに対して、そんなこと起こらないよ、というロス。
それは、犬がデカイのは放射能のせい、幽霊は墓地のせい、とありえない設定を作って、自分の都合のいいように話を進めていることに対しての軽い非難ですね。
それをフィービーは、アメリカ政府の話にすり替えています。
ロスは、古代の墓地という神聖な場所に、放射性廃棄物を捨てるはずなんてない、って言いたいんでしょうけど、アメリカ政府のやることはわからないわよ、みんなの知らないところでそういう非人道的なことも平気でするのよ、と言っているのですね。
このドールハウスでのやり取りは、フィービーのズレ具合がよくわかる会話になっていて、面白いなと思います。
恐竜の人形まで持ち出して、家を攻撃(笑)し始めるフィービーを見て、
モニカ: All right, Phoebe, y'know what? That-that's it, that's it, all right? No dinosaurs, no ghosts, no giant dogs, okay? They're not the right size, they're not Victorian and they just don't go. (いいわ、フィービー。ねぇ聞いて。そこまで、そこまでよ、いい? 恐竜もなし、幽霊もなし、巨大な犬もなしよ。いい? それらは正しいサイズじゃないし、ヴィクトリア風じゃないし、ただ(この家に)合ってない[似合ってない]のよ。)
フィービー: Okay, (starts to pack up her stuff) fine. Come, dinosaur. We're not welcome in the house of no imagination. (いいわ。[自分の持ってきたものをかばんにつめ始める] いいわ。おいで、恐竜さん。私たちは、想像力のない家では歓迎されないのよ。)
ロス: Uh, Pheebs, while we're hovering around the subject, I just have to say dinosaurs, they-they don't go, "ruff!" (あ、フィービー。ちょうどその話題になっている時だから言うけど、ちょっとこれだけは言っとかないと。恐竜は「ラフ!」って鳴かないよ。)
フィービー: The little ones do. (小さな恐竜はそんな風に鳴くわよ。)
フィービー流の遊び方が気に入らないモニカ。
フィービーは自分の持ち物を拒否されたので、かばんにしまい始めます。
We're not welcome in the house of no imagination. は、モニカには想像力が欠けていて、面白くないわ、と言いたいのでしょう。
ロスのセリフの、while we're hovering around the subject という表現が面白いなと思いました。
hover は「(鳥やヘリコプターが)空中停止する、ホバリングする」で、「漂う、うろつく、さまよう」という意味もあります。
hover around だと「…のあたりをうろつく」感じですね。
ですから、while we're hovering around the subject を直訳すると、「その件のあたりをうろついている間に」ということで、ちょうどフィービーの口から恐竜の話が出たから、ちょうどその話題が出ているところで、というニュアンスでしょうね。
DVD英語字幕では、While we’re on the subject と書いてあり、意味としてはまさにそういうことですが、そこを be hovering around と表現しているのが生きた英語、という感じがします。
この一連のやり取りでは、go という動詞が2種類の意味で使われています。
they just don't go. の go は「…と合う、調和する、適合する」。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
go: COLOURS/STYLES/TASTES
[intransitive] if colours, tastes, styles etc go, they look, taste etc good together
つまり、「色や風情[味?]やスタイルなどが go するということは、一緒にあると見た目や風情が良いこと。」
この「似合う」という意味は、go with の形でフレンズに何度も出てきました。
フレンズ2-3その3 では、趣味の悪いランプを部屋に置こうとしたレイチェルに、
モニカ: It doesn't go with any of my stuff. (そのランプは、私の持ち物のどれとも釣り合わないわ。)
と言っていました。
自分の持ち物と合わないのをいやがるところは、今回と同じですね(笑)。
they-they don't go, "ruff!" の go は「動物などが…と鳴く」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
go: MAKE A SOUND [transitive] to make a particular sound
例) Cats go "meow."
つまり、「ある特定の音を出すこと」。例文は、「ネコはニャオ[ミアウ]と鳴く。」
フィービーが恐竜の人形を使って、犬のような鳴き声を出したことにロスはひっかかったようです。
ネットスクリプトでは、roof! rrroof! のように書かれていました。
ロスは、恐竜はそんな犬みたいな声は出さないよ、と言ったのですが、小さい恐竜ならそう鳴くわよ、とフィービーは答えています。
犬は家に比べてデカすぎるのですが、恐竜の人形は逆に小さすぎる。これくらいの小さいサイズの恐竜なら、犬みたいに鳴くと思うわ、ということみたいですね。
余談ですが、恐竜って鳴くんですかねぇ?
怪獣のような声を出すイメージがありますが、恐竜の出てくる映画では鳴いていましたっけ?(ジュラシック・パークとかダイナソーとか)
映画はエンターテインメントであり、迫力や雰囲気を出すために実際とは違った脚色をしている場合もあるでしょうから、仮に映画の中で鳴いていたとしても、それが学術的に正しいかどうかはわかりませんし。
ウィキペディアになら何か書いてあるかと思ったら、鳴き声についての記述はありませんでした。
怪獣みたいに「ガォー」とか「キェー」みたいな声は出さないような気がしますが、何らかの音くらいは出すような気もしますけど…。
恐竜が鳴くのか、鳴くとしたらどんな声なのか?はともかくとして、ロスは自分が専門的に研究している恐竜で、犬みたいな声を出されたのが気に食わなかった、ということでしょうね。
最後に、go の話に戻りますが、go のような基本動詞には本当にいろんな訳語があります。
それを「似合う」「(動物が)…と鳴く」と機械的に暗記するのではなく、話の流れから判断して、この場合は「似合う」だな、この場合は「鳴く」だな、と、go という動詞の持つニュアンスを捉えていくことが大事なのだと思います。
日本語で言ってみると、「goする」とはどういう感覚なのかを、いろんな会話例での使われ方を見ていくことで、自分の中に、 go という動詞のイメージを作り上げていく、ということなんですね。
(Rach からのお願い)
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原爆を落とされた国の人間としてこういった事実をちゃんと知っておくことも必要ではないだろうか。
コメントありがとうございます。
ご紹介いただいたウィキペディアの記事、読ませていただきました。
こういう地域が実際に存在することを意識した上で、このフィービーのセリフは書かれたのかもしれませんね。
おっしゃるように、こういう事実はきちんと知っておくべきことだと思います。