電話に応対するために、リハーサルの場所から席を外すディレクター。
かなり変わっているディレクターの様子を見て、
ジョーイ: (to Kate) The guy's like a cartoon. What do you see in him, anyway? ([ケイトに] あの男はアニメみたいだよ。とにかく、彼のどこがいいの?)
ケイト: He happens to be brilliant. Which is more than I can say for that sweater you're dating. ((たまたま)彼は才能にあふれている人なのよ。あなたがデートしているあのセーターについては、そんな理由も言えないわ。)
ジョーイ: Hey, I'm not interested in her sweater. It's what's underneath her sweater that counts. And besides, since ah, since when do you care who I'm going out with? (おい、俺は彼女のセーターに興味はないよ。大事なのは、彼女のセーターの下にあるものだ。それから、いつから君は俺が誰とデートしているかを気にするようになったんだ?)
ケイト: I don't care. Why, do you want me to care? (私は気にしてないわ。まぁ、あなたは私に気にして欲しいの?)
ジョーイ: Do you want me to want you to care? (君に気にして欲しいと俺に思って欲しいの?)
ケイト: Do you? (そうなの?)
ジョーイ: What? (何だって?)
cartoon は「カルトゥーン、アニメ」ですね。
動きのあるアニメの意味で使うことが多いようですが、「ニュースや政治家の風刺漫画」「新聞のコマ割漫画(comic strip)」の意味もあるようです。
ジョーイは、ディレクターのオーバーアクションを見て、アニメに出てくるキャラみたいだな、と言っているのでしょうね。
日本でも「あいつは漫画みたいなやつだ」などと表現したりするでしょうか?
What do you see in him? を直訳すると、「彼の中に何を見ているの?」ということで、「彼には何かしらの魅力があるの?(僕にはわからないけど)」という感じでしょう。
ケイトはこのディレクターと付き合っているので、「彼のどこがいいの?」と尋ねているわけです。
フレンズ1-24その5 でも、
ロス: I don't get it. What do you see in this guy anyway? (わからないな。一体、この男のどこがいいんだ?)
というセリフがありましたね。
Which is more than... について。
まず、that sweater you're dating は、観客席に座っているローレンを指しています。
ちょうど今、セーターを着ているからですね。
which は、前のセリフ、He happens to be brilliant. を指しているのでしょう。
is more than I can say for... は、「…に対して私が言えること以上のものである」で、彼女について何かコメントできるとしても、何か長所を挙げることができるとしても、私が今言った理由はそれ以上のものだわ、彼女について何が言えるかわからないけど、「彼は才能にあふれているの」という以上の内容は出てこないはずよ、「彼は才能がある」って言えるけど、彼女についてはそんな理由も言えないわ、という感じかな、と思いました。
ケイトは「あんな女のどこがいいの?」という感じで、「あのセーター(that sweater)」と呼んだのですね。
ケイトが自分の代役であるローレンの名前を知らないわけではないでしょうが、名前で呼ばずにあえて着ている服装で表現したわけです。
若い体にピタッとフィットしたセーターが魅力的なあの娘(こ)、というニュアンスが含まれているのかなと思います。
「あのポニーテール」とか「あのタンクトップ」みたいに、髪型や服装で人間を指すことは日本語でもあるような気がします。
that sweater you're dating に対して、ジョーイは、「俺はセーターとデートしてるわけじゃないよ。セーターに興味があるわけじゃないんだから。」と言っているのが面白いですね。(そんなのわかってるって!…笑)
その後のセリフがさらに面白くて、「重要である、大事である」(動詞 count)のは、彼女のセーターの下にあるものだ、と言っています。
つまり、着ているものは何でもよくて、その中身の彼女自身、もっとダイレクトに言うと、「彼女の体」に俺は興味を持っているんだよ、と言っているのですね。
ケイトの意図も理解せず、さらにはあまりにも正直に自分の欲望を述べているのが、ジョーイらしくて楽しいです。
さらにジョーイは、自分のデート相手のことをとやかく言うケイトに、「いつからそんなことを気にするようになったの?」と尋ねています。
相手の付き合っている人にケチをつけたくなるのは、相手のことを意識している証拠ですよね。
お互いの会話でそれがだんだんわかってくるジョーイとケイトです。
最後のやり取り、Do you want me to care? と Do you want me to want you to care? というのはお互いの気持ちを探り合っている感じですね。
「わー、俺のデート相手のこと気にしてるんだ」「私に気にして欲しいわけ?」「君に気にして欲しいと俺に思って欲しいわけ?」と、だんだん、文章の構造が複雑になってきます。
で、ケイトが、Do you? と尋ねた時、Do you... の後に続く文章が何であるか、つまり、ケイトが何を尋ねているのかわからなくなって、頭がこんがらがってしまって、ジョーイは、What? 「は? 何だって?」みたいに答えた、ということですね。
(Rach からのお願い)
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彼氏を紹介されたときにWhat do you see in him?は使えないでしょうね、ロスのセリフにもあるようにあの人のいったいどこがいいのと、けなしてるわけですからね。What do you like about him.と聞いたらよろこんで彼の良いところを、のろけるでしょうね。そののろけを聞いてIt's the thought that counts.といったら場合によってはすごく失礼な言い方になるかもしれません。私の好みとしてはローレンが良いですね。ジョーイに気があるし"I Dream of Jeannie"のコスチュームが似合いそうで、セーターじゃなくてそれをみるとジョーイは心変わりするのでは?
コメントありがとうございます。
What do you like about him? なら大丈夫なんですね。特にどの部分が好きなのかということを尋ねる感覚なのでしょうね。
It's the thought that counts. は「大切なのは(その)気持ちだ。」
これはよく使われるフレーズですが、ジョーイの It's what's underneath her sweater that counts. はそれと同じ構文になるのですね。
It's the thought that counts. と言っちゃうと、「僕には魅力がわからないけど、君がそう思うのなら、その気持ちを大事にしなよ。」みたいなニュアンスになってしまう、ということでしょうか?
で、ローレンがお好みなのですね?(笑)
金髪のストレートで、おっしゃる通り「かわいい魔女ジニー」のイメージがあります。ジニーの衣装はおへそを出したりして、結構、露出度高かったですから、確かに、ジョーイを落とすなら、セーターじゃなくて、そっちが正解だわ(笑)。