[Scene: The Theatre, Kate is arriving for rehearsal.]
劇場。ケイトはリハーサルのために到着したところ。
(これより前の場面で、ジョーイとケイトはベッドインしており、エッチ後、初めて劇場で会うのが今回のシーンになります。)
ジョーイ: So I ah, talked to Lauren, kinda told her how things were with us. Did you ah, did you talk to Marshall? (それで、あの、俺は、俺たちがどんなことになってるかをローレンに話したよ。君は、君は(ディレクターの)マーシャルに話した?)
ケイト: About what? (話すって何を?)
ジョーイ: Y'know, about what happened with us. (ほら、俺たちに何が起こったか、についてだよ。)
ケイト: Nooo. And there's really no reason he should find out, so, ah, let's not make a big deal out of it, okay? (いいえ。それに彼が知るべき理由は全くないわ。だから、それを大げさに考えるのはやめましょう。)
ジョーイ: What are you talking about? It was a big deal. I mean, come on, you can't tell me last night didn't mean something to you. I-I was there. You're not that good an actress. (何言ってんだよ。大きな出来事だったよ。だって、ほら、昨日の晩は君にとって意味のあることではなかったなんて言えないはずだ。俺はそこにいたんだ。君はそんなに上手な女優じゃないよ。)
ケイト: Look umm, I, I was, I was just caught up in the moment. That's all it was. Joey, I'm-I'm sorry you feel bad, but haven't you ever slept with a woman where it meant more to her than it did to you? (ねぇ、私は、私はただその瞬間にとらわれてしまっただけなのよ。それだけだったのよ、ジョーイ。あなたが(それを聞いて)気分を害するのは申し訳ないと思うわ。でも、あなたが女性と寝た時に、その女性にとっては意味があることだけど、あなたにとってはそれほどの意味がない、という場合もあったでしょ?)
ジョーイ: Nooo. (そんな経験ないよ。)
ローレン: (entering) Hi, Kate! ([入ってきて] はーい、ケイト!)
ケイト: Hi, Lauren. (はーい、ローレン。)
ジョーイ: Hi, Lauren. (はーい、ローレン。)
ローレン: Hi, pig! (はーい、豚野郎!)
told her how things were with us を直訳すると、「ものごとが俺たちと一緒にどんな感じであるかを彼女に話した」という感じでしょうか。
俺たちの間で、ものごとがどんな状態になっているか、つまり「俺たちの今の状況、俺たちの仲」みたいなことでしょう。
俺はローレンにそれを話したけど、君はマーシャルに話した?と尋ねていますので、マーシャルはケイトと付き合っているあのディレクターの名前だということがわかります。
それだけ言えば、「俺と君がエッチしたことを、今付き合っている相手に話した?」と尋ねているのは明白なのですが、ケイトは About what? と言っていますね。
最初に挨拶を交わした時も、ケイトはなんだかよそよそしかったのですが、この About what? で、ケイトはジョーイと寝たことを、ジョーイほどは喜んでいない、ということがわかります。
彼には話してないし、彼がそれを知らないといけない理由もない、とケイトは言います。
make a big deal out of it は「大げさに考える、大ごとに考える、重大視する」。
big deal は「大ごと、大したこと、重大事」ですから、直訳すると、「それから大ごとを作り出す」みたいなニュアンスでしょうね。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
make a big thing of/about/out of something: to make something seem more important than it really is
つまり、「実際にそうであるよりも、何かをより重要であるように見せること」。
ですから「実際は大したことない話なのに、それを重大事のように大騒ぎしないで、話を大きくしないで」みたいな感じですね。
あなたと寝たことは、今付き合っている人にわざわざ言うほどの大したことじゃない、とケイトは言ったわけです。
それに対してジョーイは、I WAS a big deal. と was を強調してしゃべっています。
a big deal にするな、と君は言うけど、あれは確かに a big deal だったよ、という強調ですね。
mean something to someone は「人にとって(何らかの)意味がある」。
I was there. は、「その昨日の晩、僕もその場所にいたんだから、僕は昨日の晩の君の様子を見て知ってるんだから、僕に嘘をついても無駄だぞ」という感じです。
You're not that good an actress. は、You're not an good actress. とはニュアンスが異なりますね。
You're not an good actress. なら「君は良い・素晴らしい女優じゃない、君は名女優じゃない」ということですが、You're not that good an actress. は「君はそんなに良い女優じゃない」ということです。
「そんなに」とは、そんな演技ができるほど良い女優じゃない、という感じですね。
ジョーイは I was there. としか言っていませんが、「昨日の夜は君はとても情熱的だった。あれが演技であるはずがない。だって君はあんな風に燃えている様子を演技でできるほどの名優じゃないからね。」と言いたいのです。
「そんなに上手くない」ということを言うために good が前に出て that good になっているので、that good an actress という「副詞+形容詞+冠詞+名詞」という語順になることに注意しましょう。
be caught up in は「…にとらわれる、巻き込まれる」ですから、be caught up in the moment は「その瞬間にとらわれてしまった」みたいなことですね。
その場の雰囲気に飲まれてしまった、状況に流されてしまった、勢いに任せてしまった、魔が差してしまった…みたいなことでしょうか。
自分でよく考えた結果そうしたんじゃなくて、その瞬間の状況に巻き込まれてしまったのよ、よく考えもせずにね、みたいなことでしょう。
Haven't you ever slept with a woman where it meant more to her than it did to you? について。
where 以下は、it meant more to her than it meant to you で、「あなたにとって意味があるよりも、彼女にとってより多くの意味があった」、つまりは、「彼女にとっては意味のあることだったけど、あなたにとってはそれほど意味がなかった」ということです。
where は「そういう状況」という感じでしょうか。
誰かと寝た、という前文の内容を which で表現すると、where = in which ということですね。
誰かと寝た、その時そこでは、相手にとって意味はあるけどあなたにとっては意味がそれほどない、という状況だった、そういう経験、あなたにもあるでしょ?と尋ねているのです。
ジョーイにとっては、a big deal だけど、私にとっては、a big deal ではないの。そんなことを言って申し訳ないと思うけど、あなただって逆の立場になったことあるでしょ、愛のないエッチもしたことあるでしょ、それほど好きでもない子と寝たこともあったでしょ?と言っているのです。
観客もそれを聞いて「そりゃそうだ」と思ったはずですが(笑)、ジョーイは、ケイトの発言を否定します。
つまり、俺はいつだって真剣で、愛した人としか寝ないよ、と言いたいのですね。
そこにちょうど、ローレンが入ってきます。
ここでのポイントは、ローレンの "Hi, pig!" という挨拶です。
日本語でも、人に対して、「このブタ!」とか「このブタ野郎!」(にしおかすみこさんの決め台詞…笑)と言うと悪口になるように、英語でも pig は悪口になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pig: (spoken) someone who behaves in an unpleasant way toward other people
例) You're a selfish pig.
つまり、「他人に対して不愉快な振る舞いをする人」。
例文は、「お前は自分勝手なブタ(野郎)だ。」
こういう意味の pig は、「アリーmy Love (Ally McBeal)」でも、"Male chauvinist pig!" 「男尊女卑のブタ!」というフレーズで頻出(笑)していました。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) には
(male) chauvinist pig (=a man who thinks women are not equal to men)
と出ています。
辞書にこのままのフレーズで載っているくらいなので、一般的にもよく使われる表現のようですね。
フレンズ1-12その4 に、
レイチェル: He's the pig. (パウロがブタ野郎なのよ。)
というセリフがあり、フレンズ2-20その30 でも、pig について説明しています。
ということで、pig の説明が長くなりましたが、「俺は遊びで女の子と寝たりしないよ」と言ったジョーイですが、ローレンに pig と呼ばれたことで、ローレンとは遊びで寝てすぐに振ったことがわかるのですね。
今回の記事の冒頭で、ケイトと寝たことをローレンに話した、とジョーイは言っていました。
その伏線があったので、「はーい、この豚野郎!」というローレンのセリフを聞くと、やっぱりジョーイはそういうことをやっていた、というのがジョーイが否定した直後にわかって大笑いできる、ということですね。
短い単語の pig ですが、そこに「卑劣な男」というニュアンスがあるのを知っていると、さらっと挨拶しただけのローレンの、この一言に込められた気持ちがよくわかる、ということです。
(Rach からのお願い)
このブログを応援して下さる方は、下のランキングサイトをクリックしていただけると嬉しいです。
人気ブログランキング
にほんブログ村 英語ブログ
皆様の応援クリックが、とても励みになり、ブログを続ける大きな原動力となっています。心より感謝いたします。
このサイトがきっかけでシットコムを始めた者です。
初めて半年ほどですが、飽きずに続けられるシットコムの魅力にどっぷりです。
(現在シーズン2後半^^;)
このたびは勝手ながら当方のブログで紹介させて頂いたので、
そのご挨拶をさせて頂こうと思った次第です。
不都合ありましたら削除させて頂きますので、
ご一報ください。
どうもお邪魔いたしました。
はじめまして。貴ブログで、拙ブログをご紹介下さり、誠にありがとうございます。とても光栄で嬉しいです。
「飽きずに続けられるシットコムの魅力にどっぷりです」と言っていただけると、こういうブログを書いているものとしては、とても嬉しいです! これからも、フレンズの英語学習を楽しく続けて行って下さいね。お互い、頑張りましょう!
「継続は力なり」ですよね。
ブログもシットコムもRachさんのように楽しく続けられるのが目標です。今後とも宜しくお願いします!
こちらこそ、お返事ありがとうございます。
やはり英語は継続して学ばないと身に付かないと思いますし、楽しくないものは続けられないとも思います。どうせ時間をかけてやるものなら、楽しく続けていきたいですよね。こちらこそ、今後とも宜しくお願いします!