レイチェルはロスに付き添われて、肋骨のケガを病院で診てもらう。その後、二人は帰ってくる。
チャンドラーは廊下にアヒルを連れ出して、
チャンドラー: Okay! Now you stay out here and you think about what you did! (これでいい! さあ、お前はこの外にしばらくいて、お前がしたことについて考えるんだな!)
ロス: (to Chandler) That's a duck! ([チャンドラーに] (それは)アヒルだ!)
チャンドラー: That's a bad duck! (to Ross) How'd the thing go tonight, Ross? (そいつは悪いアヒルだよ! [ロスに] 今夜の例の件はどんな感じだった、ロス?)
ロス: Oh, it was, nah, well.... (あぁ、えーっと…)
レイチェル: What thing? What thing? (何のこと? 何のこと?)
ロス: Nothing, ah, there was this thing at the museum. Come on. (they go into her apartment) Easy. (何でもないんだ。博物館である(ちょっとした)ことがあったんだよ。行こう。[二人はレイチェルのアパートに入る] (骨折しているから)気をつけて。)
チャンドラー: (to the duck) Okay, now, when you come back, I hope you remember that that chick is not a toy! (He goes back into the apartment) ([アヒルに] いいか、お前が(部屋に)戻ったら、お前に覚えておいて欲しいな、あのヒヨコはおもちゃじゃない、ってことを! [チャンドラーはアパートに戻る])
アヒルを部屋の外に出して、怒っているチャンドラー。
まるで、悪いことをした小さな子どもをしかっているようなセリフに笑えます。
アヒルに対して真剣に怒っているチャンドラーを見て、「アヒルだ」と驚くロスですが、チャンドラーは、「ただのアヒルじゃなくて、こいつは、わるーいアヒルなんだ」と説明しています。
外から帰ってきた相手に、"How did 〜 go?" 「〜はどうだった?」と尋ねるのは、決まり文句ですね。
今回のように、go を使って "How did 〜 go?" としたり、be 動詞を使って、"How was 〜?" と尋ねたりもします。
"How was your date?" なら「デートはどうだった?」、ジョーイに対してだと、"How did the audition go?" というフレーズもありますね。
チャンドラーは、「例の件はどんな感じだった?」というニュアンスで、the thing を使っています。
チャンドラーはロスがテレビに出る予定だったのを知っていて、詳しく言わなくても、tonight の the thing と言えばわかるからです。
でも、そのことを知らなかったレイチェルは、the thing の意味がわからず、What thing? と尋ねています。
ロスは詳しく語ろうとせず、博物館でのこと、博物館関係のことなんだ、とさらりと流します。
いつまでもアヒルに説教しているチャンドラーが面白いです。
チャンドラーのセリフを聞くと、大きなアヒルが、小さなヒヨコをおもちゃのようにもて遊んで、ヒヨコを危険な目に合わせたようですね。
外に出して反省させているのが、小さな赤ちゃんをいじめた兄へのおしおきのようです。
[cut to inside Monica and Rachel's]
モニカとレイチェルの部屋に場面が移る。
レイチェル: What "thing"? What is this "thing"? (thing って何? この thing って何なの?)
ロス: I was kinda supposed to be on TV tonight for the Discovery Channel. (今夜は、ディスカバリー・チャンネルでテレビに出る予定だったんだよ。)
レイチェル: Oh, my God! (まぁ、なんてこと!)
ロス: Yeah. (そうなんだ。)
レイチェル: Ross, why didn't you tell me that? (ロス、どうしてそのことを私に言ってくれなかったの?)
ロス: Eh, 'cause I knew that if I told you, you'd make me go, and I knew you needed someone to be with you tonight. Come on. Come on. (あ、だって、もし僕が君に言ったら、君は僕を行かせるだろうってわかってたし、君が今夜そばについててくれる人が必要なこともわかってたから。さぁ、こっちに行こう、行こう。)
レイチェル: I cannot believe you. (信じられないわ。)
ロス: What? (何?)
レイチェル: That is the sweetest thing, I just.... (それって、最高に優しいわよ。私はただ…)
(They both look at each other for a while)
二人はしばらくの間、お互いを見つめ合う。
ロス: (breaking the silence) You should get some sleep. ([沈黙を破って] 少し寝た方がいいよ。)
レイチェル: Okay. (わかった。)
ロス: So, I'll umm.... (それじゃ、僕は…)
レイチェル: Oh, I'm sorry I spoiled your evening. (あぁ、ごめんなさい。あなたの夜をダメにしちゃって。)
ロス: No, that's, no, as long as you're okay. So I'll ah, I'll see you tomorrow. (いいや、それはいいんだ。君が大丈夫なら。それじゃあ、また明日。)
レイチェル: Um-hmm, yeah. (えぇ、そうね。)
(He leaves)
ロスは去る。
レイチェル: (After he closes the door) See ya. ([ロスがドアを閉めた後] またね。)
(In the hallway, Ross all dejected, sits down on the step.)
廊下で、ロスはすっかりしょげて[落胆して]、段の上に座る。
チャンドラー: (coming out of his apartment and seeing Ross) What did you do? ([アパートから出てきて、ロスを見て] お前、何やらかしたんだ?)
the thing の内容が気になるレイチェルは、部屋に入ってからもロスに尋ね続けます。
ロスは話すつもりはなかったのでしょうが、何度も聞かれたので、事情を説明します。
テレビに出るなんて、そんなビッグイベントだったら、どうして言ってくれなかったの?というレイチェルへのロスの返事が泣けますね。
「テレビ出演を話せば、君は僕に行けと言うだろう」「君は大きなケガをして心細いから誰か傍についていて欲しいと思っている」、そのどちらも僕はわかっていたから、テレビ出演の話を告げずに、君の付き添いをしたんだよ、ということです。
as long as は「…である限りは、…であるならば」。
君が、okay であるならば、他のことはもういいんだよ、ということです。
お互い、昔の恋人同士であった頃を思い出しながらも、それ以上は何も言えないまま、「また明日」と別れます。
ドアを閉めてロスには聞こえないとわかっていながら、See ya. とつぶやくレイチェルが印象深いですね。
ロスの浮気を怒っていたレイチェルですが、今回、ロスの優しさに触れて、少し気持ちが動いたことがわかる良いシーンです。
ト書きには、Ross all dejected と書いてあります。
dejected は「しょげた、落胆した」という意味ですが、この場合は、レイチェルのケガのためにテレビ出演できなかったことでがっかりしているのではなく、レイチェルとのことでいろいろ思い悩むことがあるから、元気なさげな感じで座っている、というところでしょうね。
そんな風に、がっくり肩を落とした感じで、廊下のステップに腰掛けているロスを見て、チャンドラーは、What did you do? と尋ねています。
これは、What are you doing? ではなく、What did you do? という過去形になっているのがポイントですね。
「お前、こんなところでボーッと座り込んで何やってるんだ?」という意味ではなくて、「何をしたんだ?」です。
つまり、「何か悪いことをしたから、アヒルみたいに、お前も廊下に放り出されたのか?」ということですね。
その前に、アヒルを廊下に出すチャンドラーのシーンがあったので、この What did you do? の面白みが伝わるわけです。
がっくりして座っているロスを、怒られたものと勘違いして、「何やったんだ。何やっちまったんだ。何やらかしたんだ。」と尋ねているのですね。
(Rach からのお願い)
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2009年04月17日
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