フィービーは、電話機の保証期限が明日なので、壊れた電話を無料で修理してもらうため、何とか今日中に電話会社に連絡を取ろうとしています。そのため、ずっと受話器の傍から離れられません。
それを見て、ずっと受話器を握っていなくても、便利な機能があるのよ、と教えてあげるモニカ。
モニカ: And we also have a speakerphone. (She turns on the speaker phone.) (それに、うちの電話には、スピーカーフォン(機能)[受話器を置いても音声が聞こえる機能]がついてるのよ。[モニカはスピーカーフォンのスイッチを入れる])
保留音声(Hold Voice): Please stay on the line. Your call is important to us. (電話を切らないで(そのままでお待ち)下さい。あなたのお電話は、私たちにとって重要なものです。)
モニカ: You, you gotta hang up 'cause we're gonna be late. (電話を切らなきゃだめよ。遅れちゃうから。)
(Phoebe starts to hang up the phone, but.)
フィービーは電話を切ろうとするが。
保留音声: Thank you for your patience. You're the next caller. (お待たせいたしました。あなたが次です[次におつなぎします]。)
フィービー: Yes! Yes! I'm the next caller! You were gonna have me hang up. (やった! やった! 私が次よ! モニカは私に電話を切らせようとしていたわよね。)
チャンドラー: (entering, carrying the chick and duck) Hey! Can you take a duck and a chick to the theater? ([ヒヨコとアヒルを抱えて部屋に入って来て] やぁ! アヒルとヒヨコを劇場に連れて行くことは可能かな?)
モニカ: Of course not. (もちろんダメよ。)
フィービー: No. (ダメね。)
チャンドラー: Okay. I just wanted them to hear it from somebody else. (わかった。俺はただ、他の誰かがそう言うのをこいつらに聞かせたかっただけなんだ。)
stay on the line は「電話を切らないでおく」。
今回フィービーが聞いている電話の応答メッセージが、アメリカでのスタンダードなものかどうかはわかりませんが、日本の場合だと電話が混んでいる場合は、「ただいま電話がつながりにくくなっておりますので、時間をおいておかけ直し下さい」と言ったりするでしょうか?
「電話を切らずにお待ち下さい」とはあんまり言わないような…。
(もちろん、今回のエピソードが面白くなるように、わざとそういう文言になっている、という可能性もありますが。)
「あなたのコールは私たちにとって重要です。」というようなことも、日本では言わないような気がします。
ジョーイのお芝居の開演が迫っているので、遅れちゃうから電話を切って、とモニカは言います。
ちょうど切ろうとしたその瞬間、電話のメッセージの内容が変わります。
ただ待っていた状態から、「あなたが the next caller 」、つまり、次にオペレーターが電話を受けて話をするのはあなた、ということになったのですね。
フィービーは次だと聞いて喜んだ後、モニカの方を向いて、You were gonna have me hang up. と言っています。
あなたはさっき、電話を切るように言っていたわよねぇ、もしモニカに従って電話を切っていたら、私はこのせっかくのチャンスを逃すところだったわ、あなたの言うことを聞かないで正解だった、という感じでしょう。
Thank you for your patience. は、何かの事情でお客様を待たせている場合のお詫びの言葉の決まり文句ですね。
patience は「忍耐、辛抱強さ」という意味なので、怒ったりキレたりせずに(笑)穏やかに忍耐強く、辛抱強く待ってくれていることに対して感謝の意を示す言葉です。
TOEIC では、飛行機が遅れるとか、商品の発送が遅れるなどのシチュエーションで登場しそうなフレーズです。
実際、神崎正哉先生のご著書、TOEICテスト 新・最強トリプル模試 の第1回 Part 4 のナレーションに登場していました。(解答と解説編では p.62)
バスの発着が遅れているというアナウンスで、そのナレーションの最後のフレーズが、
We thank you for your patience.
です。
アヒルとヒヨコを抱えて入ってくるチャンドラー。
Can you take...? の you は、「一般の人」を表す you であり、この場合は、自分(I)も含んでいます。
Can I take...? 「俺は彼らを連れて行くことができるかな?」とほぼ同じ意味ですが、「お芝居を見る場合、こういう動物を連れて行くことは一般的に可能なものかな?」と、世間の常識で言うと許される行為だろうか?と尋ねている感覚かな、と思います。
当然のことながら返事は No. なのですが、チャンドラーはその返事を聞きたかっただけのようです。
わざわざ、アヒルとヒヨコを連れてきたのは、No. という答えをこいつらに聞かせたかっただけなんだ、と言っています。
俺が言っても信じてくれないので(?)、誰か他の人の口から、その答えを聞きたかったんだよ、俺以外の人もそう言えば、さすがのこいつらも納得するだろうから、という感じですね。
「ほら、このお姉ちゃんたちもそう言ってるから、俺だけがそう言ってるんじゃないんだ。わかってくれるよな。」と説得の材料に使いたかった、と言っているのですね。
(Rach からのお願い)
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Rachさんはすでにお忘れとは思いますが、きちんと謝らないと気がすまない性質ですので最初に謝らせてください。このわがままで逆に腹の立つことを再度思い出させる事になってしまったら申し訳ありません。その場合にはさっくりと削除しちゃってください。
ずいぶん馬鹿なことをしたと思うばかりですが、出てしまった言葉は取り戻せず。とはいえこのサイトはやっぱり好きなので、時々こっそり出戻ってました。そして今回勇気を出して再カキコ。
わたくしの無知ゆえの誤ちと笑って許していただけるとたいへんありがたく・・・。
ほんとに、すみませんでした。
で、以下普通の顔してコメントを。
この回はとても好きで、よく覚えています。
"Your call is important to us."
にはとても驚きました。文化の違いだなぁと思います。日本なら絶対こんなこと言えませんよね(もし言ったらくさすぎますよね)。
それと、日本の場合「かけ直してください」になるのは、電話代の問題じゃないかな?と妄想します(違ってる可能性大)。
アメリカのローカルコールは基本「1回○○円」ですよね?だからかかってきたらつないでしまって順番に待ってもらえばいい。でも日本でこれをやると、時間課金でずっと電話代がかかってしまう。だから回線をつながずに「かけ直してください」が親切なのかなぁ?と(この場合NTTで蹴られてるので電話代0円のはず)。
もちろん、複数つないでホールドするとなると、回線システムの問題もありますが。そういえば、コレクトコールとか長距離とか、アメリカの方が柔軟に対応してくれますよね(日本で電話とってオペレーターさんがしゃべったらびっくりしますもの!)。
それから、英語の方で今回ちょっと違和感があったのは
"You were gonna have me hang up." です。
"You were gonna" は聞き覚えがあってとても快適だったのですが、have 以降が「どうなんだろう?」と思いました。
この場合たぶん、いわゆる使役動詞なんでしょうが、そうすると"hung up"の方がすっきりする気がします。もし"have" じゃなく "make" だったら "hang up" の方がすっきりくるかもしれません。かなりびみょーですが。
音がぜんぜん違うので、字幕は絶対合ってると思いますし。
Rachさんはどう思われますか?感覚だけのはなしなので恐縮なのですが・・・。
チャンドラーとアヒル達の会話では、このシーンがとても好きです。普通はアヒルと意思の疎通ができると「自分は特別だ」と思いがちですが、そうじゃなく「みんなの言ってることがこいつには分かるんだ!」と思うところが好きです。
「決してお前を信じないわけじゃない。だけどおれ(?)にもセカンドオピニオンを聞く権利はある」とアヒルさんが言ったか言わないのか(笑)
やっぱり、疲れた時にはフレンズですね。
ごぶさたしております。コメントありがとうございます。
私の方こそ、あの時はいろいろ言い過ぎたと反省しています。こちらこそ、本当にすみませんでした。
あの後も、サイトを時々覗いて下さっていたとのこと、ありがとうございます。また、これからもこのようにコメントいただけると嬉しいです。
(私も、普通の顔でレスします…笑)
Your call is important to us. は、英語では言いそうな感じの文言ですが、日本語でそのまま言うとあまりにベタ過ぎるというか、しらじらしい感じが出てしまいますよね。
アメリカと日本の電話システムの違いは、実際にアメリカに住んだことのない私には感覚的にわかりにくい部分です。アメリカの電話システムについて語ると、今回の話のオチに関係してしまう恐れがあるので、ここであまり詳しく語ることはできないのですが、あーるぐれいさんが解説して下さった内容は非常に参考になりました。また、最後まで来た時に、何か気づいたことを書かせていただきますね。
You were gonna have me hang up. の have は使役動詞ですよね。
have someone do で「人に…させる」という意味の使役です。
フィービー(me)が電話を切る・受話器を置く(hang up)という行為をする、そういう行為をモニカがフィービーにさせようとしていたので、have me hang up 「私に電話を切らせる」になるんでしょうね。
hung を使うとすると、それは過去分詞形ということになりますね。
have someone p.p.(過去分詞) だと、Phoebe is hung up という状態にする、ということになってしまいますが、受話器を置いて電話を切る、という行為を行うのはフィービーの方なので、やはりここは受身形の過去分詞ではなく、動詞の原形の hang が正しいと思います。
おっしゃるように、make にも使役の意味がありますよね。have よりも make の方が「強制的に…させる」というニュアンスが強いですよね。
そう考えると、今回のセリフも、make を使った方が、モニカがフィービーに圧力をかけて電話を切らせようとした感じが出るのかもしれません。
実際には、口頭で「遅れるから切ったら?」と言った程度なので have を使ったということになり、モニカがもしフィービーの持っている受話器を奪い取って電話を切ろうとしたのなら、make になっていたかもしれません。
チャンドラーがアヒルたちと話をしているのもかなり面白いのですが、フレンズたちもそれに巻き込もうとするのがおかしいですよね。こいつらに聞かせてやってくれよ、俺の意見だけじゃ納得しないんだ、って目の前に連れてくるわけですから。前回の話で、ヤスミンを見ながら語り合ったり、廊下に出して反省させたり、というシーンを見た後ですから、このチャンドラーの行動がそれほど不思議に見えなくなるところが面白いです。
モニカの部屋に入ってくる前に、チャンドラーはアヒルたちを懸命に説得しようとしてたんだろうなぁ、なとど想像してしまいますよね。ドアの方を指してバタバタ暴れるので、「隣のお姉ちゃんにも意見を聞け、ってか? じゃあ一緒に来い!」と言って連れてきたのかな、とか。
こういう罪のない笑いが大いに癒しになりますね。
これからもよろしくお願いします。
電気/電話/ガス/ケーブルテレビ、その他もろもろ、カスタマーサービスに電話しないと修理やプランの変更などが進まない、ということはよくあります。で、これが、待たされる。ちなみに普通はカスタマーサービスは、800-から始まるフリーコールの番号なので、電話代はかかりません。日本だと0120でしたっけ。
たいていテープ録音の応答で始まるのです。「スペイン語なら1を押してください。英語ならそのまま」から始まって、何の用でかけてるかを番号で選んで、たいてい3ステップくらいで「少々お待ちください」まで進みます。ここから、5分でつながればいい方。20分くらいまでは怒らずに待つつもりで、椅子を電話の横に用意して、暇つぶしの編み物か本でも持ってからかけるのです。電話機のオンフック機能はこういう時のためにあるのかな、と。Thanks for calling to ○○. Your call is important to us.とか、Thank you for your patience.とかいう言葉がBGM(ジャズ系のイメージが)の間にちょくちょく挟まります。ケーブル会社だと「電話・テレビ・インターネットのサービスをまとめて申し込むと、ほら、こーんなにお得!」という短いコマーシャルメッセージが挟まったり。
で、電話1回で用が済めばラッキーと思った方がいいかも。
ケーブルテレビが映らなくなったとき、一週間ほどの旅行の直前だったので、二週間先に修理の予約をしてから出かけたら、留守電に「修理に行こうと思ったけどお留守だからキャンセルします。またカスタマーサービスに連絡してください」と入ってました。予約を入れるお兄ちゃんが、確認したにもかかわらずコンピューターに違う日付を入れてたのが原因で。帰宅直後の疲れた状態でカスタマーサービスに電話して、対応したお姉ちゃんにキレて、後にも先にも1回だけですが、英語で怒鳴りました。これを自分の中のもう1人の自分が「すげー、英語で文句言ってる」と観察したり。対応した人は「仕事だし」と思ってpersonalに取らないでいてくれると信じてるけど、あの時は我ながらなかなかのキレっぷりでした。
いやー、今となっては懐かしいなぁ。
Amazon.co.jp で買い物するのと同じ調子でAmazon.com から買い物すると、この辺の対応に若干がっかりすることもあるかもしれません。Amazonはそれでもかなり上質のカスタマーサービス故に今の地位を築いているのですが。
とにかくデッカい国をカバーするためのいろんなシステムなので、かゆいところには手は届かないのです。
その代わり、コスト管理=手っ取り早くさばくというのが徹底しているので、ごちゃごちゃ言わずに全取っ替え修理をあっさりしてくれたりする面もあります。前記のケーブルテレビの件も、結局はチューナーがイカれていて(「雷落ちましたぁ?」と訊かれたっけ)、取替えになりました。特に修理代も請求されませんでした。まぁこのご時世、もっと世知辛いことになってるかもしれませんが。
どこでどう勘違いしたのか、逆に覚えていました。
つまり・・・私の頭の中↓
原型="hung" 過去分詞="hang"
お恥ずかしい限り・・・。
でもおかげでhaveとmakeの違いが聞けたので良かったということで。
自分で使うときは感覚だけで、そこまで考えてませんでした。聞いてみると納得で、思い返してみると間違って使ったことが幾度かありますね。。。
ちなみに私のエイ・ヤー感覚では。
「make=起こす(能動的)」 と 「have=持つ(受動的)」 からそのまま捉えてます。だからmakeの方が強いと。
ついでにちょっと脱線すると、文法無視でそういう捉え方をしてるので(用法は違うんですが)、
I'm gonna make you happy.
みたいな表現がとても素敵に見えてきませんか?(私だけ!?)
そして逆に
I'm gonna drive you crazy.
が笑えてきます。
上手いこと言うなぁと。
おちかさんの電話の話、たいへん楽しく読ませて頂きました。ご本人はたいへんイライラされたでしょうが(スミマセン)。
日本以外の国で暮らすには、諦めが必要だなーと思う事がよくあります。(良い意味で)期待しないで待っていれば、喜びが訪れますよね。全とっかえとか日本では絶対ムリですもの。
でも、あんまりキレちゃいけませんよー。
そうしないと私のような後悔の多い人生を歩むはめになりますので・・・(苦笑
アメリカでの実体験に基づいた、カスタマーサービスの情報を詳しく教えていただいて、どうもありがとう! 大変参考になります。
スペイン語の選択肢があるところがなるほどなぁ、という感じです。今回、フィービーが聞いていたメッセージがスタンダードなものなのかどうかが私にはよくわからなかったのですが、やっぱり同じような内容の言葉が使われているのですね。モニカもオンフック機能(speakerphone)を使うように言っていたくらいなので、まさに「こういう時のためにある」ということでしょう。
英語でキレた経験は貴重ですね(笑)。やっぱりそんな風に文句の一つも言えないと、その言葉が自分のものになったとは言えない気がします。
「かゆいところには手は届かないけど、手っ取り早くさばくのが徹底している」というのは、私の持っているアメリカのイメージと一致します。いちいち細かい対応をしていたら追いつかないわけでしょうが、その方がありがたいこともありますよね。
今回のエピソードの終わりにも、カスタマーサービスの電話に関係するセリフが出てくるので、その時にまた、今回いただいたコメントを参考にさせていただきます。いつも情報ありがとうね!
でもどりあーるぐれいさんへ
お返事ありがとうございます。hang と hung などの語形変化はややこしいですよね。run なら、run, ran, run ですし。
使役動詞の感覚については、「ハートで感じる」大西先生のご説明がわかりやすかったです。
大西先生の御著書「ハートで感じる英文法 会話編」の「Lesson 11 使役構文−人間関係をふまえる−」の p.180 に「基本動詞 make, have, get」という項目があります。
make や have という単語の基本イメージから、その使役のニュアンスをうまく説明されているのですが、やはり、have よりも make の方が「強い」感覚ですね。
使役動詞を使った文章は、いかにも英語っぽくて素敵だと私も思っています。配置がモノを言う英語ならではの感覚だと思います。