[Scene: Monica and Rachel's, the gang, except Joey, is there. Phoebe is, well you y'know.]
モニカとレイチェルの部屋。ジョーイを除いたギャングたち(フレンズたち)はそこにいて、フィービーは、ほら、察しの通り…。
モニカ: Phoebe, it's been two days. (フィービー。もう2日よ。)
フィービー: Yeah, I know. Oh, good thing it's one of those 801 numbers, right? (そうね、わかってるわ。あぁ、良かったことは、(こういう時によく使う) 801 番号だってことね、でしょ?)
ロス: Phoebe, 800 is toll free. 801 is-is Utah. (フィービー、800 が通話料無料[フリーダイヤル]だよ。801 は、ユタ州だ[ユタ州の局番だ]。)
フィービー: No, no, no, oh no-no, it's has to be 800. (picks up the instruction manual to check the phone number) 'Cause all those big companies have 800 numbers. Every... (Finds the number) Yeah, every big Utah-based company has one. (違う、違うわ。(私がかけてるのは 801 じゃなくて) 800 のはずよ。[電話番号をチェックするために、取扱説明書を取り上げる] だって、そういう大企業は全部、800 ナンバーを持っているもの。すべての… [番号を見つける] そうね。ユタ州に本社を置くすべての大企業は 1番[801番]の番号を持ってるの。)
レイチェル: Phoe-be!! (フィービー!!)
フィービー: Sorry. I'm so sorry. I will pay you back. (ごめんなさい。本当にごめんなさい。私が電話代を返すから。)
チャンドラー: And yet she's still not hanging up the phone. (それにもかかわらず、フィービーはまだ電話を切らない状態でいるし。)
みんな: Hang it up! Hang up the phone! (それを切れ! その電話を切れ!)
フィービー: Fine! Fine! (slams the phone down, breaking it) Oh-oh! (わかったわ、わかったわよ! [電話を叩きつけて、電話を壊す] あーあ!)
モニカ: What? (何?)
フィービー: Well, I think I broke it. But that's all right. Here's the number where you can call. (うーんと、電話を壊しちゃったみたい。でも大丈夫。ここに壊れた時に電話する番号があるから。)
モニカ: (sarcastic) Oh. ([皮肉っぽく] あぁ。)
最初のト書きの説明の、Phoebe is, well you y'know. が面白いですね。
フレンズ2-15その1 で説明しましたが、2-15 のエピソードの英語タイトルは、
The One Where Ross and Rachel...You Know 「ロスとレイチェルが・・・ほらわかってるでしょ?の話」
でした。
2-15 の時は、前回キスをしたロスとレイチェルがその後どうなるか?という話なので、具体的な言葉を使わず、わざと、You know と表現したのですね。
今回のト書きもそれと同じ感覚で、「言わずもがな」というか、皆さんご想像どおり、お察しの通り、CLOSING CREDITS の後でもフィービーはまだこの状態(電話を待ち続けている状態)なんですよ、という感じです。
フィービーは、「今かけている番号が 801 で良かった」というようなことを言っています。
one of those は、「みんながよく知っているそういう…の一つ」というニュアンス。
フレンズ3-6その19 でも、one of those の感覚について説明しています。
フィービーは、「ほら、今かけているのは、例の 801 ナンバーの1つだから助かったわよね。」と言っているわけですが、そのセリフにロスがツッコミを入れます。
ロスが言っているのは、「フィービーは、801 がトールフリー(通話料無料、フリーダイヤル)だと思っているようだけど、トールフリーの番号は 800 だよ。801 はユタ州の局番じゃないか。」ということ。
(参考までに、801 は eight-O-one (エイト・オー・ワン)、800 は eight hundred と発音されています。)
実際、このロスの発言は正しいです。
まず、800 がトールフリーである件については、
Wikipedia 日本語版: 着信課金電話番号
のリストの下から2番目に北米の 800 (800 numbers) が載っています。
Wikipedia 英語版: Toll-free telephone number
にも詳しく書いてあります。
801 がユタ州、の件については以下。
Wikipedia 英語版: Area codes 385 and 801 に、ユタ州のことが書いてあります。
area code は「電話の市外局番(3桁)」のことです。
ロスの発言を聞いたフィービーは、「あぁ、私の勘違いだった。私は今、801 って言っちゃったけど、私がかけているのは、801 じゃなくて、800 のはずよ。だって、大企業のカスタマーセンターは、そういうフリーダイヤルを持っているもの。」と言いながら、自分のかけている番号を確かめるために、取説を調べます。
カスタマーセンターの番号については、フレンズ3-22その2 のコメント欄 で、「普通はカスタマーサービスは、800-から始まるフリーコールの番号なので、電話代はかかりません。」というコメントをいただきましたが、フィービーも当然そういう認識を持っているので、絶対にフリーコールのはずだから、と調べようとしたのですね。
それを見た後のセリフ、every big Utah-based company has one. について。
one というのは、恐らく、801 (eight-O-one) のことでしょう。
800 (eight hundred) じゃなくて、one を持ってる、1の番号がついてるのね、ということで、ユタ州にベースを置く企業だから、局番が 801 なのね、とその仕組みを悟った、ということです。
大企業はみんな 800 のフリーダイヤルのはずよ…と言いながら、今回の場合は、801 であることに気付いてしまったので、「そうそう、大企業でもユタにある企業は、801 の局番、になるのよね。」と、自分がかけているのはフリーダイヤルではなかったことを、ここで認めたことになります。
長電話していても電話代がかからないと思っていたのに、実はものすごい電話代がかかっていたと知って、フレンズたちはフィービーに怒りの声を上げます。
アメリカの電話料金の仕組みは詳しく知らないのですが、ユタ州はアメリカ西部の州(州都はソルトレイクシティ)で、NYからかなり距離があることを考えると、電話代も、ものすごくかかりそうな感じですし。
電話代は私が払うわ、と言いながらも電話を切らないフィービーに、みんなが「切れ! 切れ!」と言います。
せかされてガシャン!と電話を置いたら、今度は電話を壊してしまい…。
「あ、壊れちゃった。でも、ここに修理を依頼するカスタマーセンターの電話があるから…」と言うフィービーにみんなはゲンナリ。
そのカスタマーセンターの電話が全ての元凶だったのに、またその振り出しに戻るのか!みたいな、まるで日本の落語のオチのような終わり方ですね。
(2009.5.13 追記)
以下の記事に、この 3-22 のエピソードに関する追加説明があります。
興味のある方は覗いてみて下さい。
フレンズ3-22その8
(追記はここまで)
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ユタと一番違いとは・・・。間違い多発して困ったりしないんですかね?ボタンが離れてるから問題ないのでしょうか?
そういえば日本でも昔は、自動車電話かなにかで、010始まりがあったような気がしますが。
私の知る限り、アメリカの中・遠距離電話は高かったです。隣の州に電話するより日本へ電話する方が安かったはず。でももっとびっくりしたのは、たとえば西海岸から東海岸より、隣の市へ電話する方が高かったこと。あの仕組みはほんとに不思議でした。
ところでユタといえば。
ケントデリカット?じゃなくて「緋色の研究」なのですが。
あれを読むとユタのイメージはすごく暗くなるじゃないですか?でもアメリカ人はホームズを読む人ってすごく少ない気がします。
今のアメリカの人たちのユタのイメージってどうなんでしょう?ちょっと気になりました。多分、ユタに本社がある企業ってそんなに多くないと思うんですよね。
今回は、フィービーが 800 と 801 とを勘違いして、無料だと思っていたものが、バカ高い通話料払う羽目になってしまった、というのがオチですね。ボタンは確かに離れているので、押し間違いはないのでしょうが、フィービーみたいな勘違い、というのはありそうな気がして怖いです。
教えて下さった通話料の仕組みも不思議ですね。
Wikipedia 日本語版: ユタ州
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%82%BF%E5%B7%9E
にもありますが、ユタ州はモルモン教で有名ですね。
Wikipedia 日本語版: 緋色の研究
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%8B%E8%89%B2%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6
にも、モルモン教との関係が書いてあります。
私はホームズの中で一番最初に緋色の研究を読んだので、ちょっと細かい部分は忘れてしまいました。ホームズの長編の中では、一番印象が薄いかもしれません…。
今回はたまたま、800 と似た局番だったからユタが登場しただけなのでしょうが、日本人が都道府県に対して何かしらのイメージを持っているように、アメリカの人たちも、それぞれの州に対してのイメージを持っているのでしょうね。そういう部分はやはりノンネイティブには難しいですね。
Phoebe is, well you y'know.
you y'know → you know
もしくは → y'know
でしょうか?
おっしゃる通り、you y'know だと、you が重複してしまいますね。
この場合は、2-15 のエピソードタイトルのイメージのように、Phoebe is, well, you know. と表記するのが一番しっくりくるでしょうか?
ご指摘ありがとうございました。
ここのリンクとちょっと離れるんですが該当箇所がなくてこちらに書かせてもらいました。
劇中でローレンのセリフ
What do you got down there, Vic? What do you got under that tarp?
ここのgotってhaveの意味で使っているようなんですが、have got=haveになるというのは知っていたんですが、ここではgotだけでその意味なんでしょうか?(haveは省略出来る?)
それともまた私の勘違いで違う方からアプローチしている? いろいろ調べてみてスクリプトも確認したんですがやはりそうなっていて今一つピンと来ません。教えてください。
ご質問ありがとうございます。
やっちんさんのご想像の通り、そのセリフでは、got = have の意味で使われています。have got = have であると共に、セリフのような口語では、got = have の意味で使われることがよくあります。
今回の場合も、What do you... なので、その次の動詞は本来、原形でなければならないところですよね。そこに、「見た目過去形」の got が使われているので、大変違和感があるのですが、この got はもう「過去形」としての意味ではなく、have 「持っている、所有している」の意味で使われていることになるわけです。
フレンズのセリフのような口語では、結構よく出てくる用法なのですが、どちらかというと「非標準的用法」に近いようで、アカデミックな辞書である LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には、have got = have という説明はありましたが、got = have だということは書いてありませんでした。
ですが、別の英英辞典である、Macmillan Dictionary には、以下のように出ていました。
http://www.macmillandictionary.com/dictionary/british/got
got [verb, spoken]
used for saying 'have' in informal speech
例1) What you got there?
例2) You got to be careful what you say to him.
つまり、「インフォーマルなスピーチ(形式ばらないセリフ・発言)で、have と言うために使われる」。
例文1の What you got there? がまさに、今回のご質問と同じニュアンスの使われ方ですね。マクミランの例文の方は、What (do) you got there? の do もない形になっていて、さらにラフな表現のようです。
これ以降も記事を読み進めて行かれる中で、また、こういう have の意味の got に出会うこともあると思います。「get の過去形の got だとしたら、文法的におかしい」と思える形で出てきたら、have の意味の got であることが多いですね(^^)
どうしても調べるときに文法的にどう?みたいにアプローチするので??って思ってしまいました。でも口語ではあるんですね〜、とても勉強になりました。
口語表現の宝庫のフレンズで学んでいるからこそ得られる使い方なんだぁ〜と思いました。こういうのにすこしづつ慣れて行けるといいなぁ♪ ありがとうございました。
ご丁寧なお礼のお返事ありがとうございます。
文法的に当てはめると、ここに「過去形」の got が来るのは変だ、と違和感を感じてしまいますよね。そういう「違和感」を感じられるのは、文法の基礎をちゃんと学んでいるおかげでもあるので、その学んだ知識は大切にした上で、「ラフな口語では、こんな風に変化する」ということを、生きた英語で学ぶ中で身につけていく、というのが、一番、確実な方法なんだろうな、と私自身は思っています。
そんな風に「習ったことと違う!」と思えるものに出会えることを、楽しい!と思いながら学んで行けるといいですね(^^)